近年のM&A事例|最近の有名な事例・中小企業の成功事例も紹介

いまや大企業から中小企業まで会社規模に関係なく、あらゆる業界で、多くのM&Aが実施されております。そのM&Aに至ったニーズも事業承継の選択肢・成長戦略・先行き不安など案件によって様々です。本記事では、近年の成約案件を中心に、成功事例を紹介します。

「うちの会社でも売却できるだろうか…」、「何から始めればいいんだろう…」
そのような漠然とした疑問をお持ちではありませんか? みつきコンサルティングでは、本格的なご検討の前でも、情報収集を目的とした無料相談を随時お受けしています。まずはお話をお聞かせください。

M&Aは増えている

かつては上場企業や大企業間のみで行われているイメージだったM&Aは、非上場の中小企業でも実施例が増えています。2025年1月発表のレコフデータ調べによると2024年は年間4700件超で、過去最高でした。

過去10年間のM&A件数の推移(2024年の日本企業のM&A件数は過去最多)

M&Aが増加している主な背景は以下のようなものです。

後継者が不足している

2025年に団塊の世代の経営者が、事業承継の平均年齢である70歳を超えることもあり、多くの会社で事業承継が実施されると予想されています。そんな中、少子高齢化や都市部への人口集中などを理由に後継者人材が不足しており、従来の事業承継(親族内承継・社内人材承継等)の実施が難しい時代になってきました。特に歴史が長い業種を営む会社や地方の会社では後継者不足が深刻な問題となっています。

市場構造が変化している

経済成長と共に拡大してきた日本の産業も市場の飽和や技術革新、少子高齢化による市場環境の変化により近年、成熟した産業構造に変化をもたらしてきました。その変化に伴い、専門企業から総合企業へ、自社のバリューチェーン構築の為のグループ化などを進めるに辺り、M&Aはスピーディー且つ合理的な実施策としてM&Aの活用が増加しています。また海外市場への足がかりとしてもM&Aが活用されています。

最新2025年のM&A事例|日本の有名事例を中心に

2025年も多くのM&Aが実施されていますが、その中から比較的有名な案件を紹介します。

2025年1月のM&A事例

日本国内の2025年1月のM&A件数(公表ベース)は337件でした。

地盤保証・コンサル事業|地盤ネットHDとHouse WarrantyのM&A事例

地盤解析・調査を手がける地盤ネットHDが、住宅地の地盤保証とコンサル業を営むHouse Warrantyを取得し、地盤保証市場で約1割ずつのシェアを持つ両社の規模を統合してサービス効率化と価格競争力向上を図ります。

外食(とんかつ・天ぷら)|ホットランドとよし平のM&A事例

「築地銀だこ」運営のホットランドは、和歌山県でとんかつ・天ぷら店「よし平」7店舗を展開するよし平を子会社化し、主食メニュー事業を強化。よし平の売上は約7.17億円で、ホットランドは完全子会社を通じ1月20日に全株式を取得しました。

2025年2月のM&A事例

日本国内の2025年2月のM&A件数(公表ベース)は396件でした。

ソフトウエア開発(AI/LLM)|データ・アプリケーションとMellonのM&A事例

EDIソフト大手のデータ・アプリケーションが、時系列解析や大規模言語モデルによる異常検知技術を持つスタートアップMellonを買収。EDI製品にAI機能を組み込み、先進的な監視サービスを提供する狙いで、取得額は非公表です。

化学プラント建設|住友化学とJFEエンジニアリングのM&A事例

住友化学は、石油化学・医薬品工場の設計施工子会社「住友化学エンジニアリング」をJFEエンジニアリングへ売却。業績改善に向け財務体質を強化し、コア事業へ資源を集中させる再編の一環で、売却額は非公開です。

2025年3月のM&A事例

日本国内の2025年3月のM&A件数(公表ベース)は436件でした。

ドラッグストア運営|マツキヨココカラ&カンパニーとTMCのM&A事例

ドラッグストア大手のマツキヨココカラ&カンパニーは、東京で「おかのうえ薬局」など5店を展開するTMCを買収。Dominant社が持つTMC株も引き受け、首都圏の店舗網拡大と処方箋の取り込みを図ります。

金属加工・派遣事業|ワールドホールディングスと東邦テックのM&A事例

総合人材サービスのワールドホールディングスは、チタン加工に強みを持つ東邦テックを子会社化し、材料産業向けの製造機能を自社に取り込むことで、技術者派遣に加え受託製造も行う総合支援体制を構築します。

2025年4月のM&A事例

日本国内の2025年4月のM&A件数(公表ベース)は500件でした。

建設仮設資材・物流機器|シンワと鳴金工業のM&A事例

建設用足場や物流機器メーカーのシンワは、アルミ加工技術に強い鳴金工業を買収。鳴金工業の軽量アルミ加工技術を取り入れることで、自社製品の付加価値向上と製品ラインアップ拡充を狙います。

終活情報プラットフォーム|鎌倉新書と「ライフドット」事業のM&A事例

葬儀・墓地情報サイトを運営する鎌倉新書は、Ateam LifeDesignから墓地や葬儀、相続の情報サイト「ライフドット」を取得。終活サービスのワンストップ提供を強化し、利用者への情報提供を迅速化します。

2025年5月のM&A事例

日本国内の2025年5月のM&A件数(公表ベース)は410件でした。

電気・通信設備工事|クロスイーホールディングスと共進電設工業のM&A事例

インフラ工事を手がけるクロスイーホールディングスは、長崎県佐世保市で電気通信や公共施設工事を行う共進電設工業を約4億2千万円で買収し、防衛・自治体向け工事や太陽光発電設備などを取り込んで施工力を高めます。

食品スーパー運営|クスリのアオキHDと三和商店(ピカソ)のM&A事例

ドラッグストア大手クスリのアオキHDは、徳島県などで「PiCASO」5店舗を運営する三和商店を完全子会社化し、鮮魚・惣菜に強いスーパーマーケットのノウハウと人材を獲得。6月2日に200株を取得し、生鮮食品分野の競争力を強化します。

2025年6月のM&A事例

日本国内の2025年6月のM&A件数(公表ベース)は425件でした。

インターネット広告・口コミサイト|GMOテックとデザインワン・ジャパンの経営統合

GMOテックと店舗口コミサイト「エキテン」を運営するデザインワン・ジャパンは、株式移転により共同持株会社GMO TECH Holdingsを2025年10月1日に設立する計画を公表。広告運用と店舗集客支援を統合し、業務効率と顧客基盤の拡大を図るもので、株式交換比率はGMO テック1株に対しデザインワン0.015株です。

地域活性化・スポーツクラブ|サイボウズとエヒメスポーツエンターテイメントのM&A事例

グループウエア開発のサイボウズは、Bリーグ「愛媛オレンジバイキングス」を運営するエヒメスポーツエンターテイメントに第三者割当増資で出資し、株式50.15%を取得。約1億9300万円を投じて地域活性化ビジネスに参入し、チームワーク支援のノウハウを地域づくりに活かす計画です。

2025年7月のM&A事例

日本国内の2025年7月のM&A件数(公表ベース)は435件でした。

XRコンテンツ制作|サンリオとGugenkaのM&A事例

キャラクター事業のサンリオは、XR技術を活用したアニメデジタルグッズ制作のGugenkaを買収。メタバースイベントで協業してきた同社を取り込み、クロスリアリティーコンテンツ制作とIPホルダー向け企画営業の強化により、グローバルIPプラットフォーム構想を推進します。

住宅ローン専門金融|SBIアルヒと優良住宅ローンのM&A事例

固定金利住宅ローン「フラット35」販売首位のSBIアルヒは、同業のモーゲージバンク優良住宅ローンを買収して完全子会社化し、全国の営業網拡大と審査・融資オペレーションの効率化を狙います。価格は未定で、取得完了は2025年10月1日予定です。

中小企業のM&A事例|事業承継型が多い

中小企業においてのM&Aは、お互いのシナジーが見出しやすく、シナジーを感じることができるまでの時間はそう長くはかかりません。また、譲渡オーナーの事業承継を目的としたM&Aが多い、という特徴があります。

みつきコンサルティングがM&A仲介した成功事例

みつきコンサルティングは、2013年の設立(創業は2005年)以来、500件を超えるM&Aを支援して参りました。そのうちM&A仲介により成約した事例を紹介します。併せて、以下の事例を含めたM&A仲介(一部はFA)のお客様の声を以下のページで掲載していますので、ご参考ください。

M&Aの成約事例のインタビュー

化粧品卸・小売のEC販売|エムアンドディ様とアクシージア様のM&A事例

エムアンドディ様は福岡の化粧品輸入商社で、売上の大半をECショップに依存していました。コロナ禍で供給不足や認知度向上の課題に直面し、事業成長を図るため譲渡を決断。譲渡後はアクシージアグループの一員となり、同社の販売網やEC運営ノウハウを活用することで、日本市場でのEC事業強化と売上拡大につながりました。

運送業|晴海運輸サービス様と塚腰運送様のM&A事例

新潟で物流・除雪事業を展開する晴海運輸サービス様は、ドライバー不足や2024年問題への対応に追われ、後継者不在の中で将来性に不安を抱えていました。拠点拡大を目指す塚腰運送様と譲渡契約を締結し、譲渡後は輸送ネットワークが一本化され、働き手の確保とサービス品質の向上が期待されています。

建材卸・工務店向け商社|KNKホームサプライ様とインテルグロー様のM&A事例

静岡で住宅資材やサッシを供給するKNKホームサプライ様は、後継者不在と原材料価格の高騰に悩んでいました。新たな市場進出を図るインテルグロー様に株式を譲渡したことで、営業拠点と顧客基盤が受け継がれ、取扱商品の拡充と地域密着型のサービス維持が実現しました。

治療用食製造業|メディカルフーズ様とニッコクトラスト様のM&A事例

療養食の製造会社メディカルフーズ様は、事業継続と従業員の雇用確保を目的に譲渡を選択しました。給食大手ニッコクトラスト様は治療食分野への参入と冷食製造のノウハウ獲得を狙って買収。グループ化後は商品ラインナップが広がり、医療・介護施設向けのサービス向上が図られました。

ヨットハーバー運営|新SYH様とCIS様のM&A事例

三重県でヨットハーバーを運営する新SYH(志摩ヨットハーバー)様は、後継者不在で将来に不安を抱えました。国内で複数のマリーナを持つCISグループ様が買収し、施設とノウハウを統合。利用者は相互利用が可能となり、整備・集客面のサービス向上や地域マリン事業の活性化が進んでいます。

内装設計施工・リフォーム業|シーピーオー様と住江織物様のM&A事例

店舗やオフィスの内装設計・改装を手掛けるシーピーオー様は、後継者問題と経営基盤強化を背景に譲渡を決断。インテリア材料メーカーの住江織物(現SUMINOE)様は店舗空間分野への進出を図り買収しました。譲渡後は内装設計力と自社製品のシナジーで顧客提案力が高まり、新規分野の開拓が進みました。

飲食業(レストラン・クラフトビール)|ライナ様とニッコクトラスト様のM&A事例

神奈川でレストランとクラフトビール製造・販売を営むライナ様は、さらなる成長と商品開発を目指し譲渡を決断。総合給食業のニッコクトラスト様が買収し、既存メニューやクラフトビールを活かした商品開発が進みました。原材料や物流の共有によりコスト面のメリットも生まれています。

廃棄物処理・リサイクル業|山陰クリエイト様とKYORITSU様のM&A事例

島根で産業・一般廃棄物処理や廃プラスチックの再生を行う山陰クリエイト様は、後継者不在と業界環境変化から譲渡を選択。環境ビジネスを強化するKYORITSU様が買収し、再生プラスチック製品「PLABO」など既存技術をグループ全体で活用。販路拡大と技術発展が進んでいます。

養殖業(マグロ)|西山水産様と三陽様のM&A事例

対馬でクロマグロ養殖を営む西山水産様は、代表の高齢化と後継者不在を背景に譲渡を決断。水産商社の三陽様が取得し、設備投資や販路拡大を支援しました。新オーナーの下で従業員の待遇改善や技術革新が進み、地域の雇用を守りながら継続的な成長を目指しています。

保険代理店|ほけん基礎研究所様とクリエイト様のM&A事例

東京の保険代理店を経営するほけん基礎研究所様は、代表が北海道から単身赴任しており、家族と離れた生活や後継者不在、法改正による収益源の縮小で売却を決意。求人広告業のクリエイト様は、グループ社員の保険手数料を内製化し、数万社の顧客へ福利厚生提案を行う目的で買収。譲渡後は従業員保険の内製化や法人顧客への保険提案が進み、売主は引退しつつ引継ぎを支援しました。

広告・出版事業|フリープランニング様とクリエイト様のM&A事例

京都で求人フリーペーパーを発行するフリープランニング様は、インターネットの普及による紙媒体離れと後継者不在に直面しました。同業のクリエイト様が買収し、デジタルマーケティングの活用で紙とWEBの相乗効果を引き出し閲覧数が増加。従業員の雇用は守られ、元代表は顧問として支援しながら余暇を楽しんでいます。

焼肉チェーン株式の譲渡|おくう様とパスポート様のM&A事例

横浜で焼肉店やフランチャイズ店舗を展開するおくう様は、店主の家族の健康問題や後継者不在から将来性に不安を抱えました。食品スーパーや外食事業を営むパスポート様が買収し、共同購買や物流活用によりコスト削減を実現。従業員の雇用やブランドは維持され、新体制で店舗網の拡充が進んでいます。

遊技場(パチンコホール)運営|三徳実業様とアビバ様のM&A事例

地域密着のパチンコホールを運営していた三徳実業様は、業界の投資負担増とリゾート事業への注力のため、遊技部門の売却を決断。大手ホールのアビバ様が取得し、千葉県市場へ進出しました。譲渡後は従業員の雇用とサービスを継承しつつ、売主は本業の宿泊業に資源を集中できるようになりました。

酒類卸売業|増村酒店様と柴田屋ホールディングス様のM&A事例

群馬でワインや地酒を扱う増村酒店様は、後継者不在に加えコロナ禍の売上減少を受け、店舗名の存続と社員の雇用を守るため譲渡を選択。輸入酒販を手がける柴田屋ホールディングス様が買収し、同社の仕入れ力で品揃えが拡充。譲渡後も屋号と従業員はそのまま残り、地元とのつながりを保ちながら成長を続けています。

プラスチック製品製造業|新野プラスチック製造様とセラテックジャパン様のM&A事例

長野県で精密プラスチック部品を製造する新野プラスチック製造様は、経営者の高齢化と後継者不足から譲渡を決定。多角化を進めるセラテックジャパン様が引き受け、設備投資と人材交流を進めました。譲渡後は旧経営者が顧問として技術伝承を行い、買い手は新事業領域を広げています。

家電配送設置サービス|トラストシステム物流様とサンライズ産業様のM&A事例

山形で家電配送・設置を行うトラストシステム物流様は、社長が70歳を迎え後継者がいないことから社員の雇用継続を最優先して譲渡に踏み切りました。同業のサンライズ産業様が事業を引き継ぎ、譲渡後も社名・拠点・従業員をそのまま維持。旧社長は会長として残り、長年培った品質管理や顧客対応を次世代へ伝えています。

酒類販売業|ミシマ様と柴田屋ホールディングス様のM&A事例

広島でクラフトビールの量り売りや宅配を行うミシマ様は、代表が高齢で後継者不在の中、従業員の生活と事業の将来を守るため譲渡を決断。輸入酒販の柴田屋ホールディングス様が引き継ぎ、グループの物流網と販路を活用。譲渡後もスタッフや店舗はそのまま残り、新商品の開発と販路拡大が進んでいます。

M&Aの成功事例のまとめ

M&Aは目的ではなく手段です。譲渡後に自社の経営戦略に沿った効果(シナジー)を実現できたかが成否の基準になります。売り手にとって重要なのは、狙う効果を明確にして相手を選ぶこと、譲受企業と信頼関係を築いて協力を得ること、専門家を活用して法務・税務・価格面のリスクを抑えることです。準備を早めに始め、譲渡後の従業員・顧客・ブランドの扱いまで合意することで、後悔のない承継につながります。

みつきコンサルティングは、税理士法人グループの強みを生かし、事業承継方法の検討から戦略的M&A実行までワンストップで対応可能です。M&Aの検討の初期段階からお気軽にご相談ください。

著者

潟野 和徳
潟野 和徳名古屋法人部長/M&A担当ディレクター
人材支援会社にて、海外人材の採用・紹介事業のチームを率いて新規開拓・人材開発に従事。みつきコンサルティングでは、強みを生かし人材会社・日本語学校等の案件を中心に工事業・広告・IT業など多種に渡る案件支援を行う。M&Aの成約実績多数、M&A仲介・助言の経験年数は10年以上
監修:みつき税理士法人

【無料】資料をダウンロードする

M&Aを成功させるための重要ポイント

M&Aを成功させるための
重要ポイント

M&Aの事例20選

M&Aの事例20選

事業承継の方法とは

事業承継の方法とは

【無料】企業譲渡のご相談 
簡単30秒!最適なお相手をご提案

貴社名*
お名前*
電話番号*
メールアドレス*
所在地*
ご相談内容(任意)

個人情報の取扱規程をご確認の上、「送信する」ボタンを押してください。

買収ニーズのご登録はこちら >

その他のお問い合わせはこちら >