M&Aコンサルタントの年収は、所属先や成果で800万〜2,500万円超まで大きく開きます。会社売却を考えるオーナーにとって、この報酬構造を知ることは依頼先選びの判断材料になります。年収相場の実態と、信頼できる仲介の見極め方を、当社の支援現場の視点から整理しました。
「うちの会社でも売却できるだろうか…」、「何から始めればいいんだろう…」。そのようなオーナー経営者の不安に、中小企業向けM&A仲介会社みつきコンサルティングは、20年間・500件以上の支援実績に基づき、お応えします。本格検討前の情報収集として、まずはお話をお聞かせください。
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M&Aコンサルタントの年収相場
「年収が高い」という話だけが先行しがちな職種です。実際の水準を、公的統計と業界の実態の両面から押さえておきましょう。
業界全体の平均と全産業との差
M&Aコンサルタントの平均年収は、おおむね800万〜1,000万円程度とされます。国税庁の調査では、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は478万円です(令和6年分 民間給与実態統計調査)。倍近い差がつく職種といえます。
「平均」が当てにならない理由
この業界は成果主義の色が濃く、平均という数字はあまり実態を映しません。個人の成約実績や所属先の規模によって、数百万円から数千万円、時に1億円超まで開きます。年収の幅そのものが、この仕事の特徴です。
役職別にみた年収の目安
キャリア段階が上がるほど、基本給だけでなく成約に連動する報酬の比重が高まります。下表に一般的なモデルを整理しました。
| 役職 | 年収目安 | 主な役割 |
|---|---|---|
| アナリスト | 500万〜700万円 | 20代前半中心。リサーチや資料作成を担当 |
| コンサルタント | 700万〜1,000万円 | 案件の主担当として実務を回す |
| マネージャー | 1,000万〜1,400万円 | 複数案件を統括し、チーム成果に責任を持つ |
| パートナー(役員級) | 2,000万円以上 | 成果次第で1億円超のケースもある |
所属する会社の種類で年収は変わる
同じM&Aコンサルタントでも、どの系統の会社に属するかで報酬の組み立て方がまるで違います。ここは会社売却を考えるオーナーにとっても、依頼先を理解する手がかりになる部分です。
M&A仲介会社は3つの系統に分かれる
仲介会社は大きく、上場会社系・非上場会社系・会計事務所系(士業系)の3類型に整理できます。系統によって報酬体系も、得意とする支援領域も異なります。仲介の役割や手数料の仕組みはM&A仲介の役割と手数料で全体像を確認できます。
上場会社系
基本給を抑え、成約金額に応じたインセンティブを高く設定する傾向があります。実力次第で20代から2,000万円超を稼ぐ人もいます。報酬の振れ幅が最も大きい系統です。
非上場会社系(独立系・中堅)
自由度とインセンティブ率の高さを打ち出す会社が多く、個社による差が大きいのが実情。成果次第で上場系を上回る報酬を得られる場合もあります。
会計事務所系(士業系)
税理士法人や会計事務所を母体とする系統で、財務デューデリジェンスや企業価値評価といった専門業務に強みを持ちます。みつきコンサルティングは、この会計事務所系・士業系の代表的なM&A仲介会社です。インセンティブ偏重よりも、専門性に裏打ちされた安定した報酬体系を採る会社が多くなります。
外資系投資銀行・大手証券という系統
上場企業同士の数千億円規模の大型案件を扱う系統です。固定給が高めで、平均年収2,000万円以上の水準。求められる財務知識も高度になります。中小企業の会社売却とは扱う領域が異なります。
年収が高い理由は4つに集約される
なぜここまで高いのか。理由を分解すると、この職種の特殊性が見えてきます。
高度な専門性と人材の希少性
経営戦略、財務、税務、法務をまたぐ知識が要ります。譲渡オーナーの手残りを最大化する税務スキームや、リスクを見抜くデューデリジェンスの力は一朝一夕では身につきません。市場で慢性的に不足する人材です。
案件規模の大きさと責任の重さ
中小企業の案件でも数千万〜数億円が動きます。一つの判断が企業の存続や従業員の雇用に直結する。その重圧に見合う対価という側面があります。
成果報酬型のインセンティブ構造
成約時の成功報酬が大きな収益源で、その一部を担当者へ還元する仕組みを採る会社が目立ちます。努力と成果が、そのまま年収に跳ね返ります。
経営層との直接交渉という付加価値
交渉相手は企業のトップです。想いやビジョンを汲み、対立しやすい利害を合意へ導く。この「人対人」の交渉そのものが高い付加価値として評価されています。
M&Aコンサルタントの仕事内容
年収の裏側には、幅広い実務があります。M&Aのプロセスは下表の5フェーズに分かれ、それぞれで違うスキルが問われます。
| 業務フェーズ | 主な内容 |
|---|---|
| 戦略立案・相手探し | M&Aの目的を明確にし、市場や競合を踏まえて最適な相手候補を抽出。どんなシナジーが生まれるかを論理的に示す |
| 企業価値評価 | 対象会社の決算書を分析し、適正な譲渡価格を算定。純資産だけでなく将来収益や需給も加味する |
| デューデリジェンス支援 | 会社の「健康診断」。簿外債務や契約上の問題を会計士・弁護士と連携して洗い出し、リスク対策を提案 |
| 条件交渉・契約支援 | 価格、役員処遇、雇用継続などを調整。譲渡オーナーと譲受企業の落とし所を探り、契約をまとめる |
| 統合支援(PMI) | 成約後に組織やシステムを統合し、シナジーを発揮させる。近年その重要性が高まっている |
会社売却を考えるオーナーが押さえたい報酬の見方
ここからは、依頼する側の視点に切り替えます。コンサルタントの年収の高さは、裏を返せば「譲渡オーナーが負担する手数料の構造」と地続きだからです。
高い報酬は、何に対して払われているのか
成約金額に連動する成功報酬が、担当者のインセンティブの源泉になります。つまり譲渡価格が上がるほど双方の利害が一致する設計です。一方で、報酬体系の組み方は依頼先の系統によって変わります。手数料相場や報酬の考え方はM&A仲介の手数料相場で具体的に確認しておくと安心です。
依頼先を見極める5つの視点
当社の支援現場で、相談に来たオーナーへよくお伝えしている確認軸があります。報酬の高低だけで判断すると、肝心の支援品質を見誤りやすいためです。
| 確認の視点 | 見るべきポイント |
|---|---|
| 報酬体系の透明性 | 着手金・中間金の有無、完全成功報酬か。途中で発生する費用が明示されているか |
| 担当者の専門領域 | 財務・税務に明るいか。譲渡益や手残りの試算を最初の段階で語れるか |
| 系統との相性 | 自社の規模や課題が、その会社の得意領域と噛み合っているか |
| 実績の中身 | 件数だけでなく、自社に近い規模・業種の支援経験があるか |
| 初回相談の姿勢 | 成約を急がせず、悩みを引き出してくれるか |
具体的な比較の進め方は仲介会社の選び方や、売り手が知っておきたい業者の実態をまとめた仲介会社の見分け方が参考になります。
会計事務所系を選ぶという考え方
譲渡オーナーの最大の関心事は、最終的な手残りです。ここで効くのが税務に強い会計事務所系の存在。あるサービス業の譲渡では、譲渡スキームの組み替えだけで手取りが大きく変わる場面がありました。教科書通りの株式譲渡が常に最適とは限らない、という実務判断が問われる局面です。資格と実績で見極める失敗しない相談先の考え方も、依頼前に目を通しておきたいところです。
まずは自社の価値を知ることから
依頼先を選ぶ前に、自社がいくらで売れそうかの土台を持っておくと、報酬の妥当性も判断しやすくなります。算定の考え方は企業価値評価の方法で、売却全体の流れは会社売却の手法と税金で整理できます。
M&Aコンサルタントを目指す人のキャリア
この職種に就きたい読者のために、入口の現実にも触れておきます。
未経験からの参入
銀行、証券、商社、コンサルからの転職が一般的です。法人営業や財務の基礎がある人材は即戦力候補。スタートは400万〜600万円台でも、実績次第で30代で1,000万円を超えます。未経験からの転職の条件は別途まとめています。
業界内でのステップアップ
大手で実績を積み、インセンティブ率の高い中堅へ移る人もいれば、専門性を求めてFASや事業会社のM&A部門へ進む人もいます。仕事内容や必要スキルはM&A会社への就職やM&A仲介会社への転職で詳しく扱っています。
M&Aコンサルタントの年収に関するFAQ
報酬や依頼先について、相談現場でよく挙がる疑問に答えます。
M&Aコンサルタントの年収に関するFAQ
M&Aコンサルタントという仕事の報酬と環境について、よく寄せられる疑問にお答えします。
激務になりやすい傾向はあります。ただ、単なる労働時間への対価ではありません。一瞬の判断ミスが数億円の損失を生む心理的プレッシャーと、専門性の高さへの報酬という側面が大きい。時間より責任の重さが効いています。
可能です。会計士などの資格がなくても、営業力や交渉力で多くの成約を勝ち取り、高収入を得ている人はいます。ただ案件の難易度が上がるほど専門知識は不可欠になるため、実務を通じた学習が前提になります。
大手の目安が1,200万〜2,500万円程度、中小規模は800万〜1,200万円程度と幅があります。ただし個社差が大きく、中小でも高いインセンティブ率を設定する会社では大手を超える例もあります。
年収そのものより報酬体系を見てください。成約額連動のインセンティブが強い会社ほど、価格を高める動機は揃います。一方で、税務に踏み込んだ手残りの最適化まで提案できるかは、担当者の専門性次第です。そこを面談で見極めるのが現場の勘所です。
M&Aコンサルタントの年収と依頼先選びのまとめ
M&Aコンサルタントの年収は800万〜2,500万円超まで、所属先と成果で大きく動きます。高さの背景には専門性・責任・成果報酬構造があり、それは譲渡オーナーが負う手数料とも地続きです。報酬の数字に惑わされず、自社を任せられる相手かを見極めることが、後悔しない会社売却につながります。
みつきコンサルティングは、みつき税理士法人グループを母体とする会計事務所系・士業系の代表的なM&A仲介会社です。中小企業のM&Aに特化し、税務に強い公認会計士・税理士が多数在籍しています。会社売却や依頼先選びでお悩みなら、まずは当社にご相談ください。ントの活用や、業界でのキャリア、ひいては最適なM&Aのご検討の際は、みつきコンサルティングにご相談ください。
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著者

- 名古屋法人部長/M&A担当ディレクター
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人材支援会社にて、海外人材の採用・紹介事業のチームを率いて新規開拓・人材開発に従事。みつきコンサルティングでは、強みを生かし人材会社・日本語学校等の案件を中心に工事業・広告・IT業など多種に渡る案件支援を行う。M&Aの成約実績多数、M&A仲介・助言の経験年数は10年以上
監修者 神門 剛 代表取締役 / 公認会計士・税理士
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