ベンチャー企業のM&A|メリット・成功ポイント・注意点・事例

ベンチャー企業はM&Aを実施して、成長や利益確保を進めることがあります。ベンチャー企業にとってM&Aは重要な戦略の1つであり、本格的に検討すべき価値がある手法です。

本記事ではベンチャー企業におけるM&Aの重要性やメリット、実施時の注意点や具体例を紹介します。M&Aを検討しているベンチャー企業は、ぜひ参考にしてください。

ベンチャー企業におけるM&Aの重要性

ベンチャー企業にとって、M&Aは重要な施策の1つとなっています。以下では、ベンチャー企業におけるM&Aの重要性について解説します。

M&Aはベンチャー企業にとってのイグジット(出口戦略)となる

M&Aは、ベンチャー企業にとってのイグジット(出口戦略)の1つとして、定着しつつあります。ベンチャー企業を売却して利益を獲得し、そこから新しい事業を立ち上げるケースも増えています。ベンチャー企業の将来を決める方法として、M&Aが検討される事例は今後も増加すると考えられるでしょう。

M&Aはベンチャー企業における成長戦略にもなる

ベンチャー企業はM&Aで他社の事業を統合し、自社に足りない部分を補うこともあります。そのほか、M&Aによって注目度を高めて、ベンチャー企業を宣伝することも可能です。専門的な人材やノウハウなども継承できるため、さらなる成長に期待できる点に注目が集まっています。ベンチャー企業として効率的な成長を目指す際には、1つの方法としてM&Aによる統合を視野に入れておくとよいでしょう。

世界のベンチャーにおけるM&A事情

海外と比較すると、日本のM&A件数は少ない傾向にあります。アメリカの件数が特に多く、多様な企業がM&Aを実施している傾向です。一方で日本は、アメリカ以外の国と比べてもM&A件数は少なくなっています。日本のベンチャー企業におけるM&Aの件数は、今後の増加に期待されます。

参考:平成30年度産業経済研究委託事業(経済産業政策・第四次産業革命関係調査事業費)(大企業とベンチャー企業の経営統合の在り方に係る調査研究)|経済産業省

ベンチャー企業がM&Aを行うメリットとは

ベンチャー企業がM&Aを実施する場合、さまざまなメリットにつながります。以下では、ベンチャー企業がM&Aを行うメリットについて解説します。

雇用が確保できる

譲受側が、自社で新規分野の人材の採用や育成をしようとすると、多くの時間や労力が必要となります。譲受側は、譲渡側の従業員をそのまま引き継ぐことを想定して、M&Aを行うことが多いです。従業員の雇用が確保できる点は、ベンチャー企業におけるM&Aの大きなメリットといえるでしょう。

後継者問題の解決につながる

ベンチャー企業にとっても、M&Aは後継者問題の解決につながる可能性があります。立ち上げた企業を存続させたまま勇退したいけれど、条件に合う後継者がいないというケースは、ベンチャー企業でも珍しくありません。そこでM&Aを実施し、技術力や経験値が高い人材を後継者に選定する方法が検討されます。自分の立ち上げた企業がその後成功を収めれば、自身の実績としてアピールできる点もメリットです。

ベンチャー企業がM&Aを成功させるポイントについて

ベンチャー企業がM&Aを成功させるには、いくつかのポイントを踏まえて適宜対応する必要があります。以下では、ベンチャー企業がM&Aを成功させるポイントについて解説します。

ベンチャー企業の価値が高まっているときを狙う

M&Aは、ベンチャー企業の価値が高まっているときに実施することがポイントです。M&Aでは譲渡後の将来性も加味されるため、価値が上昇しているときほど高値で譲渡できます。逆に企業と成熟しきってしまい、将来性を見出せない場合、スムーズなM&Aが難しくなる可能性があるでしょう。

M&Aにおける譲受側企業のニーズ(需要)を理解する

M&Aにおける譲受側企業のニーズ(需要)を理解し、必要な情報を提示することがポイントです。M&Aによって高いシナジー(相乗効果)を引き出せると判断してもらえれば、交渉を進めやすくなります。取引企業の視点に立って、譲受のニーズ(需要)を考えてみるとよいでしょう。

無形資産をアピールしたM&Aも有効

無形資産をアピールしたM&Aも、有効な手段となります。無形資産には、技術力、事業ノウハウ、アイデア、ブランド力、経営者の能力などが含まれます。企業として無形資産に価値があると判断される場合には、その点をアピールする計画を立てることが重要です。具体的な数値や実績などを提示して、交渉相手の興味を引く方法が考えられます。

ベンチャー企業がM&Aを実施する際の注意点

ベンチャー企業がM&Aを実施する際には、注意すべきポイントがあります。以下では、ベンチャー企業がM&Aに挑戦するときの注意点を解説します。

必ずしも希望価格で譲渡できるとは限らない

M&Aにおける交渉次第では、必ずしも希望価格では譲渡できないケースもあります。お互いの利害が一致する価格を設定しないと、交渉が難航する可能性も懸念されます。目標を明確にしつつ、ある程度妥協するケースも想定することが、M&Aのスムーズな成約につながるポイントです。

交渉相手がみつからないパターンに注意

ベンチャー企業におけるM&A件数は増えていますが、交渉相手がスムーズにみつかるとは限りません。そのためM&Aを実施したくても、計画が進まないというケースも考えられます。M&Aマッチングサービスや仲介会社の利用など、さまざまな対策を取り入れることが重要です。特にM&A仲介会社は、M&A全体のサポートを一貫して行ってくれるため、成約に至る可能性を高められます。

従業員にM&Aの理解を得ておく

M&Aを実施する際には、従業員の理解を得ておくことも重要です。M&Aをきっかけに従業員が離職しないように、納得してもらったうえで計画を進める必要があります。なぜM&Aが必要なのか、M&Aによって従業員にどのような影響が出るのかを、正確に伝える準備が求められます。

ベンチャー企業のM&A事例

ベンチャー企業がM&Aを実施した事例は、すでに多数あります。以下では、ベンチャー企業のM&A事例を5つ紹介します。

事例1.パラフト株式会社の事例

ITフリーランス人材の仕事紹介サービスを営んでいた「パラフト株式会社」は、M&Aで「ランサーズ株式会社」にグループ化しました。パラフト株式会社のフリーランス向けマッチングサービス「PROsheet」のデータベースを統合し、事業に活用することに成功しました。

事例2.株式会社CLEARの事例

「株式会社CLEAR」は、学生へのオンライン学習コンテンツを提供している企業です。国内文具における高いシェアを持つ「コクヨ株式会社」に譲受され、中高生向け学習サービス「Clear」などの事業成長を加速させました。

事例3. 株式会社UMNファーマの事例

「株式会社UMNファーマ」は製薬ベンチャー企業として、塩野義製薬の完全子会社となりました。コロナのワクチン事業の影響で、両者のシナジー(相乗効果)を導き出せた点が、M&A実現の理由となっています。こちらは内的要因ではなく、社会情勢がM&Aに影響した事例の1つです。

事例4.ラクサス・テクノロジーズ株式会社の事例

「ラクサス・テクノロジーズ株式会社」は、サブスクリプション型レンタルサービスで、ブランドバッグを提供する企業です。アパレルの大手である「株式会社ワールド」に譲受され、ITを基軸にしたビジネスの強化を進めました。同社は既存システムを軸に、ビジネスの規模を拡大させています。

事例5. 株式会社Fablicの事例

「株式会社Fablic」が提供していたサービスに、スマホで簡単に取引ができるフリマアプリ「フリル」が挙げられます。同社はM&Aによって「楽天株式会社」の完全子会社となりました。同サービスは既存サービスのフリマアプリ「ラクマ」との統合によって、ユーザー数と利用者層の拡大を図っています。

「みつきコンサルティング」はM&Aに関する悩みを専任のコンサルタントがサポート

M&Aを検討しているベンチャー企業は、「みつきコンサルティングにご相談ください。「みつきコンサルティング」ではM&Aに関する悩みや不安を、専任のコンサルタントが解決に導きます。M&Aの工程に必要な流れを最初から最後まで支援し、理想的な成約を目指します。成約率は80%と高い水準を記録しているため、スムーズにM&Aのメリットを引き出せます。

ベンチャー企業のM&Aまとめ

ベンチャー企業にとって、M&Aは事業の成長やその後の活動に、大きな影響を与える手段として注目されています。ベンチャー企業の画期的なアイデアや、ノウハウを持つ従業員を求める企業は多いため、きちんと準備ができればM&Aが成約する可能性は高いです。この機会にM&Aの基本を確認し、ベンチャー企業としての今後を考えてみてはいかがでしょうか。

M&Aを計画する際には、「みつきコンサルティング」にご相談ください。成約に至るまでコスト(費用)がかからない完全成功報酬型であるため、費用面での不安を解消しつつM&Aを進められます。専門知識を持つ税理士、会計士、コンサルタントが、目的や状況を考慮した上で最適な提案を実施します。M&Aについてのお悩みをお持ちなら、お気軽に「みつきコンサルティング」にお問い合わせください。

著者

西尾崇
西尾崇事業法人第三部長
宅食事業を共同経営者として立ち上げ、CFOとして従事。みつきコンサルティングでは、会計・法務・労務の知見を活かし、業界を問わず、事業承継型・救済型・カーブアウト・MBO等、様々なニーズに即した多数の支援実績を誇る。
監修:みつき税理士法人

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