M&A仲介業界は成長を続け、求職者にとっては人手不足の今こそ挑戦の好機です。本記事では業界動向、必要スキル、転職成功のコツを易しく解説し、あなたのキャリアアップを後押しします。
「うちの会社でも売却できるだろうか…」、「何から始めればいいんだろう…」
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M&A仲介業界の概要と将来性
M&A仲介は企業同士の譲渡・譲受を円滑に進める専門サービスです。近年は後継者不足や業界再編を背景に、国内M&A件数が過去最多を更新しました。制度としての重要度が高まり、仲介会社の需要も拡大しています。
業界規模を示す最新データ
・2024年の国内M&A件数は約4.700件で過去最高を記録。
・全国的に伸長し、地方企業にもチャンスが広がる。
・2025年も高水準が続いており、長期的な人材需要が期待される。
活性化の背景にある三つの要因
- 後継者不足の慢性化
- 成長戦略としてのシナジー追求
- 海外・異業種連携を視野に入れた競争力強化
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M&A仲介企業の役割
仲介会社はクライアント双方の利益を調整しつつ、中立の立場で成約まで伴走します。計画立案、財務分析、条件交渉、クロージング後の統合作業まで、一連の手続をトータルサポートするのが使命です。
仲介とFAの違い
・仲介: 売り手と買い手の間に立ち、公平に意見を調整。
・FA: どちらか一方の側に立ち、専属支援を行う。
・中小企業ではコストとスピードを考慮し仲介が選ばれる傾向。
仲介会社が選ばれる理由
クライアントは専門知識不足によるリスクを避けるため、経験豊富な仲介会社を頼ります。税務や法務、事業価値算定など複合領域を一本化して任せられる点が最大のメリットです。
▷関連:FAとM&A仲介の役割・業務の違い|アドバイザリーとは
M&A仲介会社への転職のポイント
M&A仲介会社に転職する上で知っておきたい点を網羅的に説明します。
転職市場の現状
未経験者採用が拡大しています。成長市場ゆえにポテンシャル重視で門戸を開く企業が増加。一方、大手や外資系は即戦力を求める傾向があり、難易度の差は要チェックです。
未経験者採用が増える理由
・業界拡大で人材不足が深刻化。
・営業や金融経験を汎用スキルとして評価。
・研修体制を整え、育成コストを投資と捉える企業が増加。
求められるスキル
多くのM&A仲介会社が重視するのは営業力(コミュニケーション力に近い意味合い)です。前職時代の営業成績が相応のレベルにない方は狭き門になります。営業実績に加えて、論理思考力があれば尚善です。同時に譲渡オーナーの感情に寄り添う誠実さや粘り強さも評価されます。
転職難易度は高め
M&A仲介業界の隣接業界であるFAや投資銀行では、専門知識や経験が重視される傾向があり、未経験者にとっては高い壁となります。それらに比べるとM&A仲介業界への転職のハードルは低いですが、前述のように抜きんでた営業力が必要になります。
転職成功のポイント
業界研究と自己分析を軸に、採用企業が描く将来像と自分の強みを結び付けることが鍵です。
業界・企業研究を徹底する
・主要プレイヤーのビジネスモデルを把握。
・直近の成約実績や専門領域を調査。
・選考プロセスや評価基準を事前に確認し、面接準備に落とし込む。
自己分析と強みの言語化
営業、金融、コンサル経験など具体的な数値成果と合わせて語ります。「〇年間で新規案件○件開拓」などの定量情報が説得力を高めます。
転職エージェントと直接応募を併用する
転職活動では、専門エージェントと直接応募の両方を戦略的に活用することが重要です。
転職エージェントからは非公開求人や最新の選考情報を入手でき、履歴書の添削や模擬面接サポートにより選考通過率の向上が期待できます。これらのサービスは転職成功の可能性を大幅に高める価値があります。ただし、転職エージェントの多くは成功報酬制で運営されており、求職者の入社が確定して初めて企業から手数料を受け取る仕組みです。このビジネスモデルを理解した上で、エージェントのみに頼りすぎるのは避けるべきでしょう。
最も効果的なアプローチは、転職エージェントのサポートを活用しながらも、自分自身で積極的に情報収集を行い、「本当に自分に合う会社」を見極めて直接応募も並行して進めることです。この両輪のアプローチにより、転職活動の選択肢を広げ、より満足度の高い転職を実現できます。
面接で評価される能力
面接では以下を意識すると効果的です。
―M&A基礎用語の理解度
―難題に対する問題解決プロセスの説明力
―経営者との対話を想定したロールプレイ
粘り強い活動の重要性
内定まで数か月を要することも珍しくありません。長期戦を想定し、学習と応募を並行して進めることが結果につながります。
▷関連:中小企業M&Aの相談先ランキング|銀行・税理士・仲介会社の違い
転職時に求められるスキル・資格
仲介会社では営業力に留まらず、財務・法務・ITといった周辺知識を横断的に扱う力が求められます。資格がなくても挑戦できますが、学習姿勢を示すことで入社後の成長イメージを描いてもらえます。
コミュニケーション能力・営業力
・経営者が抱える悩みを言語化し、解決策に導くヒアリング力
・譲受企業へ価値を伝えるプレゼン力
・多様な専門家と連携する調整力
中小企業への共感力
後継者不在や資金難など切迫した事情を抱える譲渡オーナーも多いです。数字だけでなく、事業に込めた思いを理解し、ともにゴールを描ける姿勢が信頼を勝ち取ります。
資格取得による優位性
当然ながら公認会計士・税理士・中小企業診断士など専門資格は評価は高いです。しかし、このような資格保持者は極一握りで、現実的には日商簿記3級相当以上の素養があれば、スタート時点では十分でしょう。
参考:M&A仲介企業に向いている人
参考までに、転職後にはなりまうが、以下のような資質を持つ人は活躍しやすい傾向です。
責任感が強い人
案件は半年以上~数年に及ぶこともあり、途中離脱は大きな損失となります。最後まで成約を見届ける責任感が必要です。
個人の力を発揮したい人
成果連動報酬が導入される企業が多く、個人の営業成績が年収に直結します。自分で市場を切り開くことに喜びを感じられる人は高いモチベーションを維持できます。
知識を吸収し続ける人
税制改正や法改正は毎年のように行われます。領域横断的な学習を楽しめる探究心が、クライアントへの価値提供を支えます。
転職時の注意点
魅力ある年収水準の裏側にはハードワークが潜みます。体力と精神力の準備を怠らないようにしましょう。
ハードワークと体力管理
案件が終盤に差しかかると深夜対応や休日稼働も発生しがちです。食事と睡眠のリズムを崩さず、長期視点でコンディションを整えることが成果を左右します。
財務・法務知識の備え
基礎知識の欠如は信頼低下に直結します。簿記や会社法の入門書を一冊読破するだけでも、面接時の会話が滑らかになります。
参考:転職後のキャリアパス
仲介会社で蓄えたスキルは外部でも高く評価されます。
同業他社への転職
成約実績を武器に、より高いインセンティブ率を提示する企業へ移ることで報酬を伸ばすルートがあります。
コンサルティングファームへ
M&A前後のPMIや企業価値向上策を担うFAS部門で、実務経験を活かす事例が増えています。
事業会社のM&A部門へ
買収戦略を担う側に立ち、資本政策やデューデリジェンスを実行。ワークライフバランス改善を狙う転職先としても人気です。
▷関連:中小企業のM&A仲介とは?メリットとデメリット・費用相場・選び方
転職活動のステップ
転職は順序立てて進めることで効率が上がります。以下の流れを意識しましょう。
情報収集と目標設定
・求人票だけでなく、公式ホームページ等も確認し業界と個別企業への理解を深める。
・「3年で成約○件」など具体目標を設定し、行動計画に落とし込む。
書類作成とエージェント相談
専門エージェントに履歴書と職務経歴書を見てもらい、数字・成果・ストーリーの3点を磨き上げます。直接応募の場合は、自らの考えを載せることが前提ですが、形式面はAIを利用しても良いでしょう。
面接準備チェックリスト
・最新のM&Aトレンドを要約できるか
・譲渡オーナーの心理をどう捉えるか説明できるか
・失敗経験をどう学びに変えたか具体的に語れるか
学習に役立つリソース
資格講座や参考書、小説まで、多彩な教材が存在します。アウトプット前提で読むと定着率が高まります。
資格講座の活用
・短期集中型の通信講座で基礎を固める。
・シニアエキスパートなど実務寄り資格を検討。
書籍・小説での知識定着
物語形式の書籍は専門用語の背景をイメージしやすく、中級者にも好評です。
報酬体系と年収イメージ
仲介会社の多くは月給+インセンティブ制を採用しています。成約手数料の数%~数十%が担当者に還元されるため、大型案件をまとめれば一気に年収が跳ね上がります。結果が報われる構造は挑戦者には魅力的です。
一般的な報酬水準
・M&A未経験者の場合、月給は30万〜40万円が目安、インセンティブとして案件手数料の5〜20%が上乗せ。
・大型案件成約で年収1,000万円超も現実的。
インセンティブの特徴
・目標数字を超えた分が高率で上乗せされるケースが多い。
・チーム連携型の場合、個人だけでなく部門達成率も評価に反映。
・四半期単位で支給されるためモチベーションが維持しやすい。
注意点とリスクマネジメント
華やかに見えるM&A仲介ですが、落とし穴も存在します。
成果偏重評価
・インセンティブが大きい反面、成約未達期は年収が下振れする。
・目標未達のプレッシャーが強く、メンタルヘルス対策が欠かせない。
・案件ポートフォリオを分散させ、リスクを平準化する。
長時間労働による疲弊
・繁忙期を想定し、日々の振り返り時間を確保。
・週一で運動を取り入れ、体力維持を図る。
・休暇計画を事前に共有し、チームでフォロー体制を構築。
情報セキュリティの徹底
・秘密保持契約の順守は信頼に直結する。
・資料管理ルールが徹底され、クラウド上のアクセス権限が制限される。
・口頭でも社名を伏せ、クライアントとの約束を守ることが求められる。
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会計事務所系M&A仲介会社への転職
M&A仲介業界への転職を検討する際、大手上場系の仲介会社に目を向けがちですが、会計事務所系のM&A仲介会社も有力な選択肢として存在感を増してきています。特に現在会計事務所に在籍している方にとって、これらの企業は理想的な転職先となる可能性があります。
会計事務所系M&A仲介会社の特徴
会計事務所系のM&A仲介会社の最大の特徴は、その信頼性の高さです。業歴のある税理士法人は、長年の実績と信頼関係を持つ顧問先企業との関係があり、公認会計士法・税理士法の両面から高度な職業倫理を保つことが求められるため、顧客にとって安心できる存在となっています。
また、これらの企業は法務や労務に関して弁護士や司法書士、社労士等と緊密なネットワークを構築しており、M&Aの前後で必要となる様々な専門的サービスをワンストップで提供できる点も大きな強みです。
コンサルティング志向の求職者にとってのメリット
多くのM&A仲介会社が営業会社としての性格が強い中で、会計事務所系のM&A仲介会社は異なる特徴を持っています。これらの企業の多くは、デュデリジェンスや価値評価等のFAS業務、その他会計系コンサルティングを兼業しており、これらの業務を経験できる可能性があります。
この点は一般のM&A仲介会社にはない会計系ならではの特徴であり、M&A仲介のみならずコンサルティングファームにも関心がある求職者にとってはカルチャーフィットしやすい環境といえます。M&A仲介業務をある程度の経験した後のキャリアパスとして、または仲介業務と並行して、コンサルティング業務に従事できる機会が得られるのです。
代表的な会計事務所系M&A仲介会社
会計事務所系のM&A仲介会社として、以下のような企業が代表的です。
みつき税理士法人グループが母体のM&A仲介会社で、10年以上のM&A仲介経験を誇ります。税理士や会計士が財務面をサポートし、経営コンサルティング経験者が経営面をサポートする体制で、完全成功報酬制を採用しています。
かえで税理士法人グループの企業で、2005年の創業以来多くの成約実績があります。公認会計士、税理士などの専門家で構成され、M&A・事業再生から資金調達、相続対策まで幅広いサービスを提供しています。
税理士法人いぶきのグループ会社として、広島を中心に中国・四国地域に密着したM&A仲介サービスを展開しています。地域特化型の強みを活かした支援を行っています。
これらの企業は、いずれも税理士法人を母体としており、財務・税務の専門性とM&A仲介業務を組み合わせた独自のサービスを提供している点が共通しています。
▷関連:M&A仲介会社の比較|信頼できるアドバイザーを選ぶポイント
M&A仲介会社への転職のまとめ
M&A仲介業界は後継者不足と企業再編の追い風を受け、今後も拡大が見込まれます。専門性への需要が高まる一方で未経験者採用も活発化し、挑戦者には千載一遇の機会です。注意点を押さえ、学習と行動を継続すれば実力と報酬を手にできます。転職の一歩を踏み出す際は、自分の強みを言語化し、企業ニーズと丁寧に重ね合わせる姿勢が鍵となります。
当社は、みつき税理士法人グループのM&A仲介会社として15年以上の業歴があり、中小企業M&Aに特化した実績経験が豊富なM&Aアドバイザー・公認会計士・税理士が多く在籍しております。M&Aをご検討の際は、みつきコンサルティングにご相談ください。
著者

- 事業法人第三部長/M&A担当ディレクター
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宅食事業を共同経営者として立ち上げ、CFOとして従事。みつきコンサルティングでは、会計・法務・労務の知見を活かし、業界を問わず、事業承継型・救済型・カーブアウト・MBO等、様々なニーズに即した多数の支援実績を誇る。M&Aの成約実績多数、M&A仲介・助言の経験年数は10年以上
監修:みつき税理士法人
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