M&Aに資格は必要?中小M&Aアドバイザー試験が創設される!

M&A業界に転職する際に、特別な資格が必要になるのか不安を覚えるケースも多いです。M&A業界では資格が必須なのか、どのような資格があるのか知ることは、具体的な準備の一環として重要となります。本記事ではM&A業界への転職に特別な資格が必要なのか、M&Aに関する資格にどのような種類があるのかを解説します。

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M&A業務に資格は必要?

M&Aは専門性の高い内容になるため、特別な資格が必要になると考える人も多いです。

現状では必ずしも不要

しかし、M&Aを実施する際に、必須となる資格はありません。そのため仮に無資格でも、M&Aを実践することは可能です。資格がないことを理由に、M&A業界で仕事をすることを諦める必要はありません。

M&A業務で資格が望まれるケースとは

M&Aに資格は必須ではありませんが、取得することが求められるケースはあります。以下では、M&A資格の必要性について解説します。

M&A資格は事業者にとって必須ではない

前提として、M&A資格は事業者側も取得が必須ではありません。そのためM&A仲介会社でも、資格を持たずに活動しているケースは多いです。M&Aの仲介会社などへの転職を考えている人も、資格取得に時間を割かずに済む可能性があります。資格取得の前に、まずはM&A業界への理解を深めることが重要です。

M&A資格を取得することでスキルを証明できる

M&A資格を取得することは、専門知識・スキルを持つ証明になります。そのためM&A関連の事業を展開する際に、信頼を高める目的で取得することもあります。M&A業界への転職で有利に働く可能性も高いため、転職準備の一環として関連資格の取得を目指すケースも多いです。M&Aに関する知識・スキルを保有している、もしくはこれから学ぶ予定があるのなら、明確に証明できる資格を取得することも一案でしょう。

M&A関連資格の種類

M&Aに関する資格には、いくつかの種類があります。それぞれの資格について理解できれば、自分の環境で必要な種類が判断しやすくなります。以下では、M&Aに関する主な資格の種類を紹介します。

M&Aエキスパート認定資格

日本M&Aセンターと金融財団事情研究会が、共同で企画・運営・認定している資格です。M&Aに関する基本的な知識を身に付けることが、主な目的となっている資格です。取得費用は7,700円と、他資格と比較して安価な点も特徴です。

M&Aシニアエキスパート

複数の資格を提供する「M&Aエキスパート認定制度」のなかで、最難関の資格です。専用の養成スクールを受講して、修了した人だけが試験を受けられます。M&Aシニアエキスパート養成スクールに132,000円、試験に11,000円の費用が必要です。

その他の資格

上記以外でM&Aに関係する資格には以下のようなものがあります。話題の「中小M&Aアドバイザー試験」については後述します。

JMAA認定M&Aアドバイザー

一般社団法人日本M&Aアドバイザー教会が、運営・認定をしている資格です。講座の受講とJMAAによる厳格な審査によって、合否が判定される点が特徴です。試験を受ける必要がないため、勉強時間を確保できないケースでも取得を目指しやすいです。しかし、受講料198,000円、入会金33,000円、月会費132,000円とコスト(費用)がかかります。

M&Aスペシャリスト資格

日本経営管理協会が、運営・認定している資格です。知識に限らず、実務で活かせる能力を証明できるメリットがあります。より実践的なスキルを身に付けたい場合には、取得することがおすすめの資格です。取得にかかる費用は、10,800円となっています。

事業承継士

一般社団法人事業継承協会が、運営・認定している資格です。M&Aの中でも事業継承に特化している点が特徴で、事業承継プランナー認定試験に合格して、一般社団法人事業継承協会に入会した人のみが受験資格を得られます。取得費用は取得講座300,000円、認定試験9,000円、入会金10,000円となっています。

会計士や税理士の資格もM&Aに役立つ

M&A業界への転職時には、会計士や税理士の資格も役立ちます。会計士や税理士のように、財務に関する専門知識を持つ人材は、数字を扱うことの多いM&A業務との相性が良く、仲介会社で活躍できます。ただし、M&A業界で活躍する上で、税理士等の資格が必須ということではありません。

中小企業のM&A仲介に資格制度が創設される!?

中小企業庁は、中小企業のM&Aを手掛けるアドバイザー向けの資格制度を2026年度にも創設する予定です。事業承継の需要が高まる中、悪質な仲介事業者によるトラブルが目立っており、資格制度を通じて知識や能力、倫理観を持った仲介人材を育成し、中小企業がM&Aを検討しやすい環境を整えることが目的です。

中小M&Aアドバイザー試験・登録制度

出所:中小企業庁「中小M&A市場の改革に向けた方向性について」

資格制度創設の背景

現状の中小M&A市場においては、新規参入のM&A支援機関が多く、知識や能力の向上が課題となっています。M&Aの支援においてはアドバイザー個人の知識や能力、倫理観の高さがM&Aの成否に大きく影響することを踏まえ、組織レベルでの規律浸透と両輪でアドバイザー個人レベルでの質の担保や向上を図る必要があります。

中小企業庁が資格の新設に動く背景には、M&Aの仲介事業者によるトラブルが目立つことがあります。2025年1月には指針に違反した仲介事業者が支援機関としての登録を取り消され、2024年10月には悪質な買い手への仲介を繰り返したとして支援機関15社が注意を受けました。

試験内容と出題範囲

資格の取得試験では、M&Aの進め方や財務、税務、法務などの知識を問うことを想定しています。具体的な試験範囲は以下の通りです。

  • M&A実務として、M&Aスキームや進め方、留意事項、リスクへの対応などが出題されます。財務や税務に関する知識も求められ、ストラクチャリングや会計処理、税務リスクなどが試験範囲に含まれます。
  • バリュエーションやデューデリジェンスに関する知識として、企業価値評価やビジネスDD、財務DD、法務DD、PMIを見据えた取組などが出題されます。法務分野では、民法や会社法、労働法、株式譲渡契約などが試験範囲となります。
  • 特に重要視されているのが行動規範や倫理に関する内容です。中小M&Aガイドラインや倫理などが試験範囲に含まれ、仲介時に必要な倫理規定の順守も求められます。

試験形式と難易度

試験は選択式や短答式の形式で、合計50問程度が想定されています。CBT試験を想定しており、担当者としてM&A支援を行う上で把握すべき知識などについて問われます。

資格登録制度の概要

試験への合格に加え、倫理規定の遵守や定期的な講習の受講などを要件とした中小M&Aアドバイザー登録制度が創設されます。米国の運用事例を参考に、資格の取得者の氏名をデータベースに登録し、公表を検討しています。

倫理規定などに違反した場合は資格を取り消したり氏名を公表したりする仕組みが設けられます。一定の知識や倫理観を担保することで資格取得者への信頼感を高め、中小企業の経営者がM&Aや事業承継に取り組みやすくなることが期待されています。

対象となる中小企業の範囲

資格の取得者が仲介する中小企業は、中小企業基本法で定める資本金や従業員数にもとづく企業を想定しています。例えば製造業、建設業、運輸業では従業員数300人以下、資本金3億円以下が対象になります。

制度運営は民間に委託する方針で、中小企業庁の会議で検討を始めており、2025年度内に制度の詳細を詰める予定です。

M&A資格に関する注意点

M&A資格について知る際には、いくつか注意点もあります。以下では、M&A資格における注意点を解説します。

M&A資格だけでは相手のスキルを判断しきれない

M&Aの資格だけでは、相手のスキルを正確には判断できません。「資格を持っている=優秀な人材」と、簡単に見極めることは推奨されません。同様に、資格を持っていなくても、M&Aについての専門知識を豊富に持っている人材はいます。資格はあくまで参考の1つとして、判断材料にすることをおすすめします。

M&A資格を持たないことに過度な不安を感じる必要はない

先に解説した通り、M&A資格がないからといって、信頼できない人材とは限りません。M&Aに関する事業の従業員が、資格を取得していないケースは珍しくありません。そのためM&Aのサポートを仲介会社に依頼するときや、転職を考える際にも、過度に資格の有無を意識しなくても問題ないでしょう。

M&Aなら専門性の高い「みつきコンサルティング」がおすすめ

M&Aを実施する際には、専門家にサポートを任せられる「みつきコンサルティング」の利用がおすすめです。

公認会計士・税理士によるサポートが可能

みつきコンサルティングは、公認会計士や税理士による専門的なサポートを実施しているM&Aの仲介会社です。専門家の知見を活かした企業診断や財務分析によって、M&Aにおける重要な企業価値を正確に算定します。その結果をもとにして、お客様に最適な提携候補先の選定と提案をしています。成約までの流れを全面的に支援しているため、分からないこともお気軽にご相談いただけます。M&Aにおける疑問や不安があるときには、ぜひ「みつきコンサルティング」にお任せください。

M&Aに必要な資格のまとめ

M&A業務に資格は必須ではありませんが、専門知識を証明するために資格取得を目指す人も増えています。M&Aエキスパート認定資格やJMAAア認定M&Aドバイザーなどの既存資格に加え、2026年度には中小企業庁が「中小M&Aアドバイザー試験」を創設する予定です。この新資格は、M&A実務や財務・税務・法務に加え、行動規範や倫理も問う内容で、市場の信頼性向上を目指します。

みつきコンサルティングは、みつき税理士法人グループのM&A仲介会社として15年以上の実績を持ちます。公認会計士や税理士といった高度な専門資格を持つ人材が多数在籍し、財務・税務面の専門知識を駆使した質の高いサポートを提供します。M&A関連資格の取得を検討されている方も、実際のM&A実務についても、ぜひ当社にお気軽にご相談ください。

著者

西尾 崇
西尾 崇事業法人第三部長/M&A担当ディレクター
宅食事業を共同経営者として立ち上げ、CFOとして従事。みつきコンサルティングでは、会計・法務・労務の知見を活かし、業界を問わず、事業承継型・救済型・カーブアウト・MBO等、様々なニーズに即した多数の支援実績を誇る。M&Aの成約実績多数、M&A仲介・助言の経験年数は10年以上
監修:みつき税理士法人

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