M&Aにかかる期間は?買収スケジュールを適切に時間管理する方法

M&Aスケジュールを完全マスターし、成功へのステップとツール活用術を学びます。概要、プロセス、オンラインツールの活用方法、よくある質問と解決策、適切な進行管理と成功事例を詳しく解説します!

M&Aにかかる期間(時間)

企業の成長戦略の一つであるM&Aは、クロージング(成約)まで半年~1年半程度かかることが一般的です。案件によっては数年と、長期を要することもあります。M&Aのクロージングまでの期間が長くなると、市況が変化して当初想定したM&Aの目的を果たせなくなったり、情報が漏洩したりするリスクも高くなります。

M&A業務を効率的に進めるためには、M&Aのスケジュール管理を行うことが非常に重要です。スケジュールを適切に管理することで、関係者間のコミュニケーションを円滑にし、事前に潜在的リスクを把握し、適切な対処をすることも可能となります。

プロセス期間
1M&Aの検討3か月~1年 
2買収ターゲットの選定1~3カ月
3買収ターゲットへのアプローチ1~3カ月
4企業価値算定、条件提示1~2カ月
5交渉、基本合意の締結1~3カ月
6デューデリジェンスの実施1~2カ月
7最終条件の交渉  1~2カ月
8最終契約書の締結
9クロージング
10PMI半年~数年
M&A(買収)の所要期間

M&Aのプロセスは、まず企業の経営ビジョンや成長戦略と照らし合わせて、M&Aの目的を明確にすることから始まります。そのうえで、対象企業のリストアップや調査を行い、買収交渉に入るための準備を進めます。

買収交渉の段階では、初期的な条件提示を行った後にデューデリジェンス(買収監査)が行われ、弁護士や会計士、税理士などの専門家によって譲渡企業の財務、税務、法務などを詳細に調査し、リスクを評価します。

デューデリジェンスの結果を踏まえて最終的な条件交渉を行い、双方が納得の上で、契約が締結されます。その後、PMI(買収後の経営統合プロセス)が行われ、新たな組織の構築が始まります。

スケジュールの立て方

M&Aスケジュールを立案する際には、まず、プロジェクト全体のスケジュールを明確にし、各フェーズの期限を設定します。そのうえで、各タスクに必要な人員などのリソースを確保し、役割分担を明確にします。

また、スケジュールの立案においては、想定外の事態に対応できるように、余裕を持ったスケジュールを組むことが望ましいです。

M&Aの具体的な流れ

M&Aの一般的なスケジュールは以下のようなものです。

M&Aの事前準備

M&Aの事前準備では、M&Aの目的や戦略を明確化し、経営幹部や関係部門の合意を得ることが求められます。この時点で、プロジェクト全体のスケジュールを概算します。

対象会社の選定

対象会社の選定では、買収候補企業のリストアップを行い、更に詳細な情報を基に交渉相手を絞り込み、買収の打診を開始します。対象会社がすぐに交渉に応じてくれるとは限らないため、具体的な交渉のステップに移るまでには、1ヶ月~3ヶ月かかることがあります。

初期的な交渉~基本合意

買収交渉フェーズについては、対象会社から詳細な財務資料などを提出してもらい、企業価値の算定を行います。算定結果に基づき相手企業に条件の提示を行い、内容に合意すれば、意向表明をしたり、基本合意を締結します。この期間は、1カ月~3カ月程度になります。

デューデリジェンス

基本合意締結後にデューデリジェンスに移ります。期間は対象会社の規模などにもよりますが、1~2か月程度要することがあります。デューデリジェンスは財務、税務、法務など多岐に亘りますが、一般的に対象会社では本業を行いながらデューデリジェンスの準備を行うため、準備に時間がかかります。円滑にデューデリジェンスを行うためには、早い段階から対象会社において準備を行うことが重要です。その為には、譲受企業においてもデューデリジェンスに向けてどのような資料を確認する必要があるのか、早い段階で確認し、準備を依頼することが重要です。

最終契約~クロージング

デューデリジェンスから最終的な契約締結までのフェーズでは、契約書類の作成や税務・法務対策などを行います。この期間は数週間~2ヶ月程度となることが多いです。対象会社との交渉状況や、譲受候補企業の社内決裁フローによって変動します。事前にどのようなフローで意思決定を行うのか、対象会社とも共有しておくことが、円滑な手続きに繋がります。

PMI

M&Aを実施した後は、PMI(買収後の統合プロセス)を行います。この作業には半年~1年以上かかります。デューデリジェンスを行いながら、どのようなPMIが必要かを検討し、事前に計画を立てることが重要です。

M&Aの所要期間に関するよくある質問

M&Aスケジュールに関する課題としては、「対象企業とのスケジュールの調整」「交渉期間が長引く場合の対処法」などが挙げられます。

対象会社とのスケジュール調整

対象企業とのスケジュール調整では、事前に話し合いを行いながら、お互いの意向やタイミングを把握し、目標とする期限を定めることが大切です。そのうえで、双方の事業目標やタイムラインと照らし合わせ、合意できる範囲内で柔軟なスケジュール調整を行うことが重要です。そのためには、双方において、常に最新のスケジュールや進捗状況を把握し合うことが必要です。

交渉期間が長引く場合の対応策

交渉期間が長引く場合の対応策として、まずは交渉の進捗状況を確認し、必要に応じて課題の見直しを行いましょう。また、外部の専門家やアドバイザーに意見を求めることで、新たな視点や解決策が見つかることもあります。

事前に譲れる点と譲れない点を明確にしておくことも、交渉が長引いてしまう時の対応策として有効です。相手にとっては譲れない条件でも、自社にとっては譲れる条件であることも多く、事前に明確にしておくことで、不要な議論を減らし、破断となるリスクも低くなります。

M&Aの進捗管理

M&Aスケジュールの適切な進行管理は、M&Aプロジェクトを成功させるために非常に重要です。プロジェクトの各段階で必要なタスクを明確にし、それらを優先順位付けして計画を立てることが重要です。また、各チームメンバーの役割を明確にし、その進捗状況を定期的にチェックすることが必要です。

適切な情報共有と進捗報告の方法

適切な情報共有と進捗報告は、プロジェクトチーム全体の効率を向上させるために重要です。リアルタイムで情報を共有し、また、定期的なミーティングで進捗状況を報告し、問題点や課題について議論することが大切です。プロジェクトの成功には、情報共有とコミュニケーションの質を高めていくことが不可欠です。

スケジュール変更時の対応

スケジュールが変更された場合、速やかに関係者と共有し、必要な調整を行いましょう。タスクの遅れや問題が発生した際にも迅速に対応し、プロジェクトの遅延を最小限に抑えることができます。

M&Aに要する期間(時間)のまとめ

M&Aスケジュールのポイントとしては、各プロセスにおいて進行管理を徹底し、関係者がリアルタイムで情報を共有し、適切な調整を行うことが挙げられます。また、問題や遅延が発生した際の迅速な共有や対応も重要なです。これらのポイントを押さえることで、M&Aプロジェクトを円滑かつ効率的に進めることができるでしょう。

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著者

田原聖治
田原聖治事業法人第一部長
みずほ銀行にて大手企業から中小企業まで様々なファイナンスを支援。みつきコンサルティングでは、各種メーカーやアパレル企業等の事業計画立案・実行支援に従事。現在は、IT・テクノロジー・人材業界を中心に経営課題を解決。
監修:みつき税理士法人

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