負債比率とは|M&Aでの目安・業種別平均と譲渡価格への影響

負債比率は、負債を自己資本で割って求める指標です。借入が多いから会社は売れないと早合点し、相談をためらうオーナーは少なくありません。実際のM&Aで見られているのは総額ではなく負債の中身と純有利子負債の水準。計算方法から水準の読み方、株価への反映、改善の打ち手まで、中小企業M&Aの実務に沿って整理しました。

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負債比率の意味と計算方法

「うちは借入が多いから、どうせ買い手はつかない」。初回面談でこの言葉を聞く機会は、想像以上に多いものです。ところが決算書を開いてみると、負債比率そのものより、負債の中身のほうが問題だったというケースが大半を占めます。まずは指標の定義から整理します。

負債比率の計算式

負債比率とは、自己資本(純資産)に対して負債がどれだけあるかを示す指標です。返済義務のある資金を、返済義務のない資金でどこまで支えられているかを見るもの。計算式は次のとおりです。

負債比率(%)= 負債合計 ÷ 自己資本(純資産)× 100

分母が自己資本である点が肝心なところです。ここを総資産と取り違えると、まったく別の指標になってしまいます。

貸借対照表における資産・負債(他人資本)・資本(自己資本)の構成図

上図は貸借対照表の構造です。左側の「資産」をどう調達したかを、他人資本(=負債)と自己資本に分けて表しています。負債比率は、この右側の内訳バランスを1つの数字に置き換えたものと考えると分かりやすいはずです。

資産負債比率との違い

検索の場面でよく混ざるのが「資産負債比率」という呼び方です。こちらは負債合計を総資産で割った数値を指すことが多く、負債比率とは分母が異なります。

指標名計算式読み取れること
負債比率負債合計 ÷ 自己資本 × 100自己資本に対する借入等の重さ
資産負債比率負債合計 ÷ 総資産 × 100資産のうち他人資本で賄った割合
自己資本比率自己資本 ÷ 総資産 × 100資産のうち返済不要の資金の割合

上表のとおり、資産負債比率と自己資本比率は足すと100%になる裏表の関係。一方で負債比率は上限がなく、自己資本が小さい会社ほど数値が跳ね上がります。同じ会社でもどの式を使うかで印象が変わるため、他社比較の際は定義をそろえておきましょう。

設例で確認する計算手順

実際に数字を当てはめてみます。

A社の負債合計が5,000万円、自己資本が1億円だとします。

負債比率 = 5,000万円 ÷ 1億円 × 100 = 50%

A社の負債比率は50%。自己資本の半分しか負債がない状態で、財務的にはかなり余裕のある部類に入ります。逆に自己資本が2,000万円しかなければ、同じ負債額でも250%まで跳ね上がる計算です。

負債比率が低ければ良いとは限らない

安全性だけを見れば、負債比率は低いほど好ましい水準になります。ただし収益性の観点では話が変わってきます。

借入を活用して設備投資や仕入を回し、自己資本を上回るリターンを生んでいる会社は、負債比率が高くても資本効率が優れているケースがあります。無借金でも現預金を寝かせたままなら、株主から見た資本効率は低いまま。安全性と収益性の両面から判断する姿勢が求められます。企業価値評価の手法を理解しておくと、この両面のバランスがつかみやすくなります。

負債比率の目安と業種別の平均

「何%なら合格ですか」。この質問には、業種を聞き返してからでないと答えられません。設備を抱える業種と人が資本の業種では、健全とされる水準がまるで違うためです。一般的な目安と、実際のデータの両方を押さえておきましょう。

一般的な適正水準の考え方

広く使われる目安は、負債比率100%以下。負債が自己資本を上回らない状態で、返済原資に一定の厚みがあると判断されます。さらに50%以下であれば、財務基盤はかなり堅いと見てよい水準です。

逆に100%を大きく超え、300%を上回るあたりから、金融機関も譲受企業も慎重な見方に傾きます。ただしこれはあくまで全体平均をもとにした線引きにすぎません。

業種別の負債比率の平均

中小企業庁が公表する中小企業実態基本調査(令和5年度決算実績ベース)から算出すると、中小企業の全業種平均は125%でした。100%を超えているという事実は、それだけで押さえておく価値があります。自社の数字を全体平均ではなく業界平均と比べる。この一手間で、見え方はかなり変わるはずです。

建設業と製造業の負債比率

下表は建設業と製造業の業種別平均です。建設業全体は110%、製造業全体は101%と、いずれも全業種平均を下回りました。

業種(建設業・製造業)負債比率の平均
建設業(全体)110%
総合工事業110%
職別工事業(設備工事業を除く)141%
設備工事業89%
製造業(全体)101%
食料品製造業155%
飲料・たばこ・飼料製造業122%
繊維工業100%
木材・木製品製造業(家具を除く)150%
家具・装備品製造業121%
パルプ・紙・紙加工品製造業133%
印刷・同関連業139%
化学工業75%
石油製品・石炭製品製造業76%
プラスチック製品製造業(別掲を除く)85%
ゴム製品製造業83%
なめし革・同製品・毛皮製造業130%
窯業・土石製品製造業66%
鉄鋼業145%
非鉄金属製造業81%
金属製品製造業92%
はん用機械器具製造業94%
生産用機械器具製造業99%
業務用機械器具製造業61%
電子部品・デバイス・電子回路製造業136%
電気機械器具製造業98%
情報通信機械器具製造業109%
輸送用機械器具製造業114%
その他の製造業113%

製造業のなかでも開きが大きい点に注目してください。窯業・土石製品の66%に対し、食料品製造業は155%。原材料の仕入負担と冷蔵冷凍設備への投資が重なる食品系は、構造的に負債が膨らみやすい業種です。

情報通信業と運輸業の負債比率

知識集約型と装置産業型で対照的な結果が出た2業種。下表のとおり、情報通信業全体は80%、運輸業・郵便業全体は173%でした。

業種(情報通信業・運輸業)負債比率の平均
情報通信業(全体)80%
通信業87%
放送業40%
情報サービス業102%
インターネット附随サービス業90%
映像・音声・文字情報制作業59%
運輸業・郵便業(全体)173%
道路旅客運送業194%
道路貨物運送業169%
水運業589%
倉庫業89%
運輸に附帯するサービス業111%

水運業の589%は、船舶という高額資産を借入で調達する業界特性がそのまま表れた数字です。この水準でもM&Aは成立します。資産の裏付けと運航収益の安定性が確認できれば、譲受企業は数値の高さだけで判断しないためです。

卸売業と小売業の負債比率

在庫を持つ業種は、運転資金の借入がそのまま負債比率に反映されます。卸売業全体は130%、小売業全体は178%という結果でした。

業種(卸売業・小売業)負債比率の平均
卸売業(全体)130%
各種商品卸売業82%
繊維・衣服等卸売業64%
飲食料品卸売業197%
建築材料、鉱物・金属材料等卸売業130%
機械器具卸売業135%
その他の卸売業118%
小売業(全体)178%
各種商品小売業302%
織物・衣服・身の回り品小売業330%
飲食料品小売業157%
機械器具小売業211%
その他の小売業140%
無店舗小売業182%

アパレル小売の330%が示すのは、季節商品の仕入と店舗内装への投資が同時に効いてくる構造です。在庫の質が問われる業種でもあり、譲受企業は滞留在庫の評価減を織り込んだうえで数値を読み直します。

不動産業とサービス業の負債比率

残る業種をまとめたのが下表です。宿泊業・飲食サービス業の全体525%が突出しました。

業種(不動産業・サービス業ほか)負債比率の平均
不動産業・物品賃貸業(全体)149%
不動産取引業213%
不動産賃貸業・管理業125%
物品賃貸業226%
学術研究・専門技術サービス業(全体)52%
専門サービス業(他に分類されないもの)43%
広告業107%
技術サービス業(他に分類されないもの)61%
宿泊業・飲食サービス業(全体)525%
宿泊業731%
飲食店409%
持ち帰り・配達飲食サービス業309%
生活関連サービス業・娯楽業(全体)189%
洗濯・理容・美容・浴場業315%
その他の生活関連サービス業230%
娯楽業158%
サービス業(他に分類されないもの・全体)122%
廃棄物処理業85%
自動車整備業138%
機械等修理業(別掲を除く)67%
職業紹介・労働者派遣業85%
その他の事業サービス業168%

宿泊業の731%には、施設の建設・改装費に加え、実質無利子無担保融資の返済が残っている影響が重なっています。専門サービス業の43%と比べると、業種の違いがそのまま財務構造の違いになると分かるはずです。

負債比率が高い会社に実際に起きること

数字が悪いこと自体が問題なのではありません。数字の背後で、経営の選択肢が静かに狭まっていくところに難しさがあります。

金融機関の与信枠が先に閉じる

金融機関は融資判断の際、負債の水準と返済能力を必ず突き合わせます。負債比率が高止まりしている会社には、新規融資を絞る、金利を上げる、追加担保を求めるといった対応が取られやすくなります。

設備更新のタイミングで借りられない。この一点が、数年後の競争力にじわじわ効いてきます。取引先や仕入先が信用状況を気にし始めるのも、だいたい同じ時期です。

営業キャッシュフローが返済に吸われる

本業で稼いだ資金が、そのまま元本返済に消えていく。負債比率が高い会社で最も起きやすい資金繰りの詰まり方です。原因を分解すると、次のような要素が絡んでいることが多いもの。

  • 業界環境の変化による収益の低迷
  • 資本構成そのものが事業規模に合っていない
  • コスト上昇分を販売価格に転嫁できていない
  • 先行投資が回収期に入る前に次の投資が重なった

資産の入替え、支払条件の見直し、返済条件の調整。打ち手は複数ありますが、着手が遅れるほど選べる幅は狭くなります。

M&Aで負債比率が譲渡価格に与える影響

結論から述べます。中小企業M&Aで負債比率が譲渡価格を動かすのは、指標そのものが評価対象になるからではなく、負債の残高が株式の値段を直接削るからです。ここを理解しているかどうかで、交渉での立ち位置がまるで変わります。

株式価値は事業価値から純有利子負債を差し引いて決まる

M&Aの価格算定では、まず事業そのものの価値(事業価値)を求め、そこから純有利子負債を控除して株式価値を導きます。純有利子負債とは、有利子負債から現預金などの余剰資産を引いた金額。いわゆるネットデットです。

株式価値 = 事業価値 - 純有利子負債(有利子負債 - 現預金等)

つまり借入が1億円増えれば、理論上は株式の値段が1億円下がる。この関係を押さえておくと、事業価値と株式価値の橋渡しがすっきり整理できます。EV/EBITDA倍率で相場観を掴む場面でも、同じ引き算を通ることになります。

買い手が重視するD/Eレシオ(有利子負債倍率)

M&Aの現場で実際に飛び交うのは、負債比率よりもD/Eレシオという言葉です。両者は似て非なるもの。

D/Eレシオと負債比率の違い

D/Eレシオは「有利子負債 ÷ 自己資本」で算出し、利息を伴う負債だけを対象とします。通常の負債比率は買掛金や未払金といった営業債務も分子に含むため、実際の返済負担がぼやけてしまうという弱点を抱えています。

比較項目負債比率D/Eレシオ
分子に含むもの負債合計(営業債務を含む)有利子負債のみ
主な用途財務の安全性の概観返済負担とレバレッジの測定
健全とされる目安100%以下1.0倍以下
警戒される水準300%超2.0倍超

買掛金が多い卸売業は負債比率が高く出やすい一方、D/Eレシオで見ると健全というケースが珍しくありません。表中の目安は絶対的な基準ではなく、業種と回収サイトを踏まえて読む前提のものです。

M&AでD/Eレシオが使われる理由

譲受企業が最終的に知りたいのは、譲り受けた後にどれだけの現金が返済に持っていかれるかという一点に尽きます。金融機関への返済義務がある負債だけを切り出すD/Eレシオは、その問いに直接答えてくれる指標です。

資金調達にLBOを組み込む場合、既存の借入水準が調達可能額の上限を左右します。既に借入余力を使い切っている会社は、譲受企業側の選べるスキームが減るということ。価格そのものより、成立の可否に効いてくる論点です。

負債比率の水準別に変わるM&Aの進み方

実務での感触を、水準ごとに整理してみます。下表は当社が初期検討の段階で使っている大まかな仕分けです。

負債比率の水準譲受企業の見方実務での対応
100%以下財務リスクが低く、統合後の資金繰りも読みやすい価格交渉に集中でき、成約までの期間も短くなりやすい
101〜300%業種平均との比較と、営業キャッシュフローでの返済可能性を検証正常収益力の説明資料を先に整え、返済計画とセットで開示
301%超・債務超過そのままの株式譲渡では引き受けにくい事業譲渡や第二会社方式など、負債を切り分けるスキームを検討

300%を超えていても道が閉ざされるわけではありません。債務超過でのM&Aは、スキーム設計次第で十分に成立します。むしろ危険なのは、数字を理由に相談を先送りし、事業価値が目減りしてから動き出すパターンのほうです。

負債の中身を分解する5つの確認項目

よくある相談として、負債総額の大きさだけを気にされるオーナーがいます。当社が初回面談で確認しているのは、総額ではなく中身です。以下の5項目を押さえるだけで、自社の見え方はかなり変わります。

  1. 有利子負債と営業債務を分ける。買掛金や未払金は事業の回転に伴うもので、借入とは性質が異なります
  2. 役員借入金を切り出す。社長からの借入は、実務上は資本に近い性質として扱われる場面が多くあります
  3. 返済原資になる資産を洗い出す。定期預金、保険積立金、遊休不動産は純有利子負債を圧縮する材料になります
  4. 簿外に近い負債を拾う。未計上の退職給付、リース債務、保証債務は後から必ず論点化します
  5. 返済期日と据置期間を確認する。同じ残高でも、返済がいつ来るかで譲受企業の資金計画は変わります

4点目については、簿外債務の整理を先に済ませておくと、デューデリジェンスでの指摘が減ります。譲受企業側は財務DDの貸借対照表分析で同じ箇所を必ず開けにきます。

役員借入金の扱いという実務判断

教科書にあまり書かれていない論点を1つ挙げます。社長個人から会社への貸付、いわゆる役員借入金です。

会計上は立派な負債であり、負債比率を押し上げます。ところがM&Aの交渉では、実質的に自己資本に近いものとして扱われることが多いのが実情。返済を迫る債権者が譲渡オーナー自身だからです。

問題はクロージング時の処理にあります。債務免除を選べば会社に債務免除益が立ち、繰越欠損金の範囲を超えれば法人税の課税対象に。かといって放置すれば、その債権は相続財産として評価されます。譲渡実行の前に、税務の当たりをつけておきたい部分です。

個人保証の解除と負債比率の関係

借入が残る会社の譲渡で、オーナーが最も気にされるのが連帯保証の行方でしょう。株式譲渡であれば借入は会社に残ったまま譲受企業に引き継がれ、保証の解除は金融機関との個別交渉になります。

ここで負債比率が効いてきます。譲受企業の信用力が十分で、統合後の返済能力に問題がないと金融機関が判断すれば、解除は進みやすくなるもの。逆に負債が重く、譲受企業側の与信にも余裕がなければ、交渉は難航します。経営者保証の解除は、譲渡条件の交渉と並行して進めるのが実務です。

会社売却前に負債比率を改善する方法

改善の打ち手そのものは、目新しいものではありません。効くかどうかを分けるのは、着手の時期です。

遊休資産の売却で借入を圧縮する

使っていない不動産、稼働していない機械、解約可能な保険。これらを現金化して借入返済に充てれば、分子が減って負債比率は下がります。

ただし譲渡益が出れば法人税が発生しますし、含み損のある資産を売れば自己資本が減って比率は逆に悪化します。どの資産から手を付けるかは、時価と簿価の差を見てから決めるべき部分です。時価純資産法の考え方で自社を一度置き直してみると、数字の見え方が変わることも。

収益力を積み上げて自己資本を厚くする

分母である自己資本を増やす道もあります。利益を出して内部留保を積む。増資で資本を入れる。時間はかかりますが、こちらのほうが企業価値そのものを押し上げる効果を持ちます。

譲渡価格に効くのは、結局のところ稼ぐ力です。負債比率を1年で20ポイント下げるより、営業利益を継続的に伸ばすほうが、株式価値へのインパクトは大きくなります。何が価格を動かすのかはバリュードライバーの観点で整理しておきましょう。

着手のタイミングをどう考えるか

財務の見直しは、譲渡を検討し始めてから動いたのでは間に合わない場面が多くあります。決算を1期またぐごとに、譲受企業に見せられる数字が1年分積み上がるためです。

売却を具体的に考える2期ほど前から、役員貸付金や仮払金の整理、簿外債務の洗い出しに手を付けておく。この準備があるかどうかで、交渉のスタート地点が変わってきます。中小企業M&Aの譲渡価格の決まり方を早い段階で知っておくと、準備の優先順位がつけやすくなります。

負債比率と併せて確認したい財務指標

1つの指標だけで会社の状態を語るのは無理があります。負債比率を補完する指標を、簡単に押さえておきましょう。

自己資本比率

総資産に占める自己資本の割合を示す指標です。数値が高いほど経営基盤は安定していると評価されます。

負債比率が「自己資本に対する負債の重さ」を測るのに対し、自己資本比率は「資産全体のうち返済不要な部分」を示すもの。両方を並べると、財務の厚みが立体的に見えてきます。こちらも業種ごとに適正水準が異なるため、同業他社との比較が有効です。

流動比率

1年以内に現金化できる資産で、1年以内に支払うべき負債をどこまで賄えるかを示します。短期の資金繰りの安全度を測る指標です。

負債比率が中長期の構造を見るものだとすれば、流動比率は足元の余力を見るもの。長期借入が多くて負債比率は高いのに、流動比率は健全という会社もあります。

収益性と資産効率の指標

安全性の指標だけでは、稼ぐ力は見えてきません。次の指標を組み合わせると、財務分析の解像度が上がります。

指標計算式見えるもの
売上高総利益率売上総利益 ÷ 売上高 × 100商品やサービスそのものの収益性
営業利益率営業利益 ÷ 売上高 × 100本業でどれだけ効率よく稼げているか
総資産回転率売上高 ÷ 総資産資産をどれだけ売上に結びつけているか

表中の3指標は、譲受企業が正常収益力を検証する際にも必ず通る道です。安全性と収益性、そして資産効率。この3つを並べて初めて、自社の財務が客観的に語れるようになります。

負債比率とM&Aに関するFAQ

初回相談でよく寄せられる質問を、実務での答え方でまとめました。

Q:負債比率が高いと会社は売れないのですか?

売れないわけではありません。現場でまず確認するのは、負債の中身と営業キャッシュフローでの返済可能性です。有利子負債が少なく買掛金中心なら、数値ほど重くは見られません。300%を超える場合でも、事業譲渡など負債を切り分けるスキームで成立した例はあります。

Q:売り手として、決算書のどこを見れば負債比率が分かりますか?

貸借対照表の負債合計を、純資産合計で割るだけです。ただし実務では、そこから役員借入金を除き、有利子負債だけを取り出して見直します。金融機関に提出している借入金明細を並べると、返済期日まで含めた実像がつかめます。

Q:借入を返してから売却したほうが手取りは増えますか?

手元資金で返済しても、現金と負債が同時に減るだけで純有利子負債は変わらず、株式価値も基本的には動きません。返済を優先すべきかは、金利水準と運転資金の余力次第です。売却時期が近いなら、資金を残しておく判断のほうが有利になる場面もあります。

Q:買収する側は負債比率を何%まで許容しますか?

一律の線引きはありません。判断軸は業種平均との比較と、営業キャッシュフローで何年で返せるかという2点です。D/Eレシオが1.0倍以下なら安心材料、2.0倍を超えると資金調達の設計が論点になる、というのが実務の感覚に近いところ。

税理士法人を母体とするM&A仲介会社|みつきコンサルティングが選ばれる理由

負債比率とM&A譲渡価格のまとめ

負債比率は負債を自己資本で割った指標で、100%以下が1つの目安となる一方、業種によって平均は大きく異なります。M&Aで株式価値を左右するのは総額ではなく純有利子負債の水準と負債の中身。借入があるから売れないと諦める必要はありません。

みつきコンサルティングは、税理士法人グループのM&A仲介会社として15年以上の業歴があり、中小企業のM&Aに特化した経験実績が豊富なアドバイザーが在籍しています。みつき税理士法人と連携し、負債の整理や役員借入金の処理といった税務論点までワンストップで対応が可能です。財務に不安を抱えたままの譲渡をご検討でしたら、早い段階でご相談ください。

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西尾 崇
西尾 崇事業法人第三部長/M&A担当ディレクター
宅食事業を共同経営者として立ち上げ、CFOとして従事。みつきコンサルティングでは、会計・法務・労務の知見を活かし、業界を問わず、事業承継型・救済型・カーブアウト・MBO等、様々なニーズに即した多数の支援実績を誇る。M&Aの成約実績多数、M&A仲介・助言の経験年数は10年以上
監修者 神門 剛 代表取締役 / 公認会計士・税理士

みつきコンサルティングは、中小企業の会社売却・事業承継に特化した譲渡企業様に完全成功報酬制のM&A仲介会社です。売り手と買い手企業の最適なマッチングを、経験豊富なM&Aコンサルタントが初期相談から成約まで一貫してフルサポートします。

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