会社を売りたいと考える経営者にとって、M&Aは後継者問題の解決や事業成長の加速など、多くのメリットをもたらす選択肢です。本記事では、M&Aで会社を売る際のメリットやデメリット、具体的な手続の流れ、そして成功のための重要なポイントについて、分かりやすく解説します。
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会社を売りたいと考える経営者が増えている現状
近年、日本国内ではM&Aの件数が目覚ましい勢いで増え続けています。2024年には年間4,700件を超えるM&Aが実施されました。この背景には、社会的な課題となっている少子高齢化が深く関わっています。多くの中小企業が後継者が見つからないという深刻な問題に直面しており、その解決策の一つとしてM&Aが選ばれるケースが増えているのです。かつては「乗っ取り」のような悪いイメージが先行することもあったM&Aですが、今では事業承継の一つの選択肢として広く認識され、社会に浸透しています。
後継者不足の深刻化
日本の中小企業経営者の高齢化は、非常に深刻な問題です。中小企業庁のデータによれば、2020年には約5万件もの会社が事業をやめており、そのうち6割以上が黒字経営だったという驚くべき事実もあります。親族や社内に後継者が見つからない場合、会社を売ることが後継者問題の解決策として選ばれることが多くなっています。会社を売ることで、経営者が次の人生に進む「イグジット(出口戦略)」を実現する手段としてもM&Aが浸透してきたのです。
M&Aを検討しやすい環境の変化
M&Aに対する社会のイメージが変化し、M&Aを検討する経営者が増えています。以前は「乗っ取り」などのネガティブな印象が強かったものの、今では会社を売ることは事業承継や経営戦略の一環としてポジティブに捉えられるようになりました。また、公的なM&A相談窓口の開設や補助金の導入、M&A仲介会社などの専門家のサポート体制が充実したことで、以前よりもずっとM&Aを検討しやすくなっています。
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会社を売りたいと考える理由
経営者が会社を売ろうと考える理由は、実にさまざまです。決して事業がうまくいっていないからという理由だけではありません。会社の成長をさらに加速させたい場合や、個人のライフプランを見直したい場合など、前向きな理由で会社を売ることを検討する経営者も多くいらっしゃいます。ここでは、会社を売ることを考える主な理由について解説します。
後継者が見つからない
現在の日本では少子化が進行しており、会社を継がせるべき後継者が見つからないという問題が多くの企業で生じています。また、経営者自身の価値観や、子供たちが親の会社を継ぐことを当たり前と考えない価値観の変化も、後継者不足に拍車をかけています。会社を売ることは、このような後継者が見つからない状況でも、会社を存続させ、従業員の雇用を守るための有効な手段となるのです。
事業の成長スピードを加速させたい
会社を売りたいと考える理由の一つに、事業の成長スピードをさらに加速させたいという思いがあります。自社だけで事業を成長させようとすると、資金面、人材、技術、販売経路など、多くの面で限界を感じることがあります。譲受企業グループの一員となることで、豊富な経営資源やノウハウ、広範な販売経路などを活用できるようになり、単独では難しかった大きな成長や、新たな事業展開の可能性が広がることに魅力を感じる経営者は少なくありません。
経営の先行き不安を解消したい
会社経営は孤独なものです。特に中小企業の経営者は、会社の将来や経済状況の変化に対して、大きな不安を抱えることがあります。例えば、予期せぬ経済危機や業界の構造変化などを目の当たりにした時、このまま一人で経営を続けることへの懸念が募ることもあるでしょう。会社を売ることは、そのような経営の先行き不安を解消し、精神的な負担から解放されるための有効な選択肢となることがあります。
個人保証から解放されたい
会社の債務に対して、経営者自身が個人保証を設定しているケースは少なくありません。これは、会社が金融機関から融資を受ける際に、経営者が連帯保証人となることで、万が一会社が返済できなくなった場合に、経営者個人がその責任を負うというものです。この個人保証は、新たな事業に挑戦する際の足かせになったり、個人の生活に大きなリスクを及ぼすことがあります。会社を売ることで、これらの個人保証を譲受企業に引き継いでもらい、経営者がその重荷から解放されることは、大きな安心につながるでしょう。
経営資源の最適化を図りたい
複数の子会社を持つグループ企業の場合、グループ全体の成長戦略や長期的な経営計画に基づいて、経営資源の最適化を図ることが目的となることがあります。グループの目指す方向性からずれてしまった事業や、コア事業への集中を妨げている事業がある場合、それらを売ることで経営資源をより効率的に配分し、グループ全体の企業価値を高めることができるのです。これは、常に変化するビジネス環境に対応するための、戦略的な選択と言えるでしょう。
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会社を売るメリット
会社を売ることは、経営者にとって大きな決断です。しかし、そこには多くのメリットが隠されています。単に事業をやめるというだけでなく、新たな可能性を切り開いたり、長年の努力が報われたりする機会にもなり得ます。会社を売ることで得られる具体的なメリットについて見ていきましょう。
従業員の雇用が安定する
会社を売ることは、従業員の未来を守る上でも重要な意味を持ちます。特に、会社の事業をやめることが廃業を意味する場合、従業員はその職を失うことになりますが、M&Aによって会社を譲受企業に引き継いぐことで、ほとんどのケースで従業員の雇用が安定します。譲受企業は売り手企業よりも規模が大きい場合が多く、より安定した経営基盤や福利厚生を提供できる可能性もあります。従業員が安心して働き続けられる環境を整えることは、経営者にとって大きな喜びにつながるでしょう。
事業のさらなる成長を実現できる
会社を譲受企業に売ることで、その事業は新たな成長の機会を得ることができます。譲受企業が持つ豊富な資金、先進的な設備、優秀な人材、そして広範な販売経路などを活用することで、自社だけでは難しかった大規模な投資や、新たな市場への進出が可能になります。これにより、事業はより強固な経営基盤の上で、さらなる飛躍を遂げることが期待できます。経営者として育ててきた事業が、より大きな舞台で輝く姿を見ることは、感慨深いものがあるのではないでしょうか。
経営者の負担軽減と新たな人生
長年、会社の経営に尽力してきた経営者にとって、会社を売ることは、これまで背負ってきた重責から解放される大きな機会となります。会社を立ち上げ、育てていく過程は、喜びもあれば、苦労も多く、常に大きな責任が伴います。会社を売ることで、経営者はこれらの重荷から解放され、心身ともにゆとりのある時間を手に入れることができます。その時間を活用して、新たな事業に挑戦したり、趣味に没頭したり、家族との時間を大切にしたりと、それぞれの描くハッピーリタイアを実現することが可能になるのです。
まとまった資金を獲得できる
会社を売る最大のメリットの一つは、まとまった資金を手にすることができる点です。会社の業績や財務状況、規模によってその金額は異なりますが、数億円~数十億円になることもあります。この資金は、新たな事業を始めるための投資資金に充てたり、豊かなセカンドライフを送るための老後資金にしたりと、様々な用途に自由に使うことができます。これまでの経営努力が形となって返ってくる、まさに創業家利潤と言えるでしょう。
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会社を売る際に注意したいこと
会社を売ることは、大きなメリットをもたらす一方で、いくつかの注意点も存在します。これらの注意点を事前に理解し、適切な対策を講じることで、M&Aをよりスムーズに進め、後悔のない結果へと導くことができます。ここでは、特に気をつけたいポイントについて詳しく見ていきましょう。
情報が漏れるリスクを理解する
M&Aを進める上で、情報が外部に漏れることは避けたい事態です。会社を売るという情報が不適切に漏れてしまうと、「会社が危ないのではないか」といった根拠のない憶測やネガティブな噂が広がり、従業員や取引先に不安を与えてしまう可能性があります。これにより、優秀な人材が離職したり、取引関係が悪化したりと、会社の価値を損なうリスクも考えられます。特に、上場会社の場合は株価に影響を与えたり、インサイダー取引の問題に発展する可能性もあるため、情報管理には細心の注意が必要です。秘密保持契約書の締結はもちろんのこと、社内でも限られた信頼できる幹部のみに情報を共有し、その取り扱いを徹底することが重要となります。
取引先との関係悪化の懸念
会社を売った後、顧客や仕入先との関係が変化する可能性も考慮しておく必要があります。譲受企業によっては、これまでの取引条件が見直されたり、場合によっては取引がストップしてしまうことも考えられます。長年築き上げてきた信頼関係を大切にするためにも、譲受企業を選ぶ際には、自社と得意先や顧客との関係性を深く考慮することが重要です。必要に応じて、譲受企業の許可を得た上で、M&Aの手続を進める前に、得意先や顧客へ丁寧に説明を行うことも、関係維持のために有効な手立てとなります。
譲受企業が見つからない可能性
会社を売りたいと思っても、必ずしもすぐに譲受候補企業が見つかるとは限りません。例えば、会社を売る際の条件が厳しすぎたり、現在の業績が著しく不振であったりする場合には、なかなか譲受企業が見つからないこともあります。このような状況では、自社だけで解決しようとせず、M&A仲介会社などの専門家に相談することが賢明です。また、M&Aを唯一の出口戦略とせずに、複数の選択肢を検討しておくことも、万が一の事態に備える上で大切です。
競業避止義務を負う可能性
会社を売る際には、契約の中で「競業避止義務」を負うことがあります。これは、会社を売った後、その会社と競合するような事業を行ってはいけないという取り決めです。もし売った会社と同じ事業を再び始めてしまえば、譲受企業にとって不利益となるだけでなく、訴訟問題に発展する可能性もあります。特に、事業を売る形式の場合は、会社法に定められた競業避止義務の規定が適用されることもありますので、新たに事業を始める計画がある場合は、契約内容を十分に確認し、専門家と相談することが大切です。
ロックアップにより自由が制限されることがある
M&Aの契約において「ロックアップ」と呼ばれる条項が設けられることがあります。これは「キーマン条項」とも呼ばれ、会社を売った後も、一定期間は元の会社の経営に携わり続けなければならないというものです。譲受企業としては、元の経営者が持つ知識やノウハウが事業の継続に不可欠だと判断した場合に、この条項を設定することがあります。もし、早期に完全に引退したい、あるいはすぐに新しい事業を始めたいと考えている経営者にとっては、このロックアップ条項がネックとなる可能性があります。契約交渉の段階で、自身の希望を明確に伝え、慎重に話し合いましょう。
従業員への丁寧な説明
会社を売るという事実は、従業員にとって大きな変化であり、不安や不満を抱く原因となることがあります。M&Aの手続が進んでいることを知らずに突然聞かされると、会社のイメージ低下や従業員の離職につながりかねません。そのため、M&Aの手続が完了する段階、あるいは完了後に、経営者から従業員に対して、M&Aに至った背景、譲受企業の紹介、そしてM&A後の運営方針や従業員の処遇について、時間をかけて丁寧に説明し、理解を得ることが不可欠です。コミュニケーションのタイミングや方法を慎重に計画することが、従業員の安心と会社の安定的な運営につながります。
キャッシュアウトを防止する
会社を売る手続を進めても、すぐに売れるとは限りません。交渉が長引く可能性も十分にありますので、その間に会社の資金繰りが悪化しないよう注意が必要です。過度な節税対策で手元の資金を減らしすぎたり、M&A手続中に通常の経営がおろそかになったりすると、会社の業績に悪影響を及ぼし、譲受企業からの評価が下がってしまうことにもつながります。会社を売る手続を進めている間も、日々の経営を疎かにせず、安定した利益を生み出し続けることが、M&Aを成功させるための土台となります。
売る時期を逃さないこと
会社を成功裏に売るためには、適切なタイミングを見極めることが非常に重要です。業界全体が活性化している時期や、新規の参入を狙っている譲受企業が多い時期は、会社を売りやすい傾向にあります。逆に、業界の景気が低迷している時や、自社の業績が不調な時には、譲受候補が見つかりにくかったり、希望する金額で売ることが難しくなったりする可能性があります。会社の価値は時間とともに変動することもあるため、焦らずとも、速やかな決断と行動を心がけることが大切です。
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会社を売る方法と特徴
会社を売る方法は、いくつか種類があります。それぞれの方法には、メリットとデメリットがあり、会社の状況や売る目的によって最適な選択肢が異なります。ここでは、代表的な方法について、それぞれの特徴を分かりやすく解説します。
株式譲渡
株式譲渡は、会社を売る方法として最も一般的に用いられる手続です。これは、会社の所有者である株主が、自身の持つ会社の株式を、他の個人や法人に譲ることによって、会社の経営権も一緒に新しい所有者に移すものです。この方法では、会社の資産や負債、従業員との雇用契約、取引先との契約、許認可などは、基本的にそのまま譲受企業に引き継がれます。手続が比較的簡単である点が特徴です。
株式譲渡のメリット
株式譲渡の大きなメリットは、手続が比較的簡単であることです。株主総会を開いて承認を得る必要や、債権者保護の手続が原則として不要なため、スムーズに手続を進めることができます。また、売り手である経営者は、自身の株式を譲ることで、会社からまとまった資金を個人として直接受け取ることができ、会社を卒業する「バイアウト」を実現できます。会社自体も、その法人格を維持したまま存続するため、事業を継続しやすいという点も魅力です。
株式譲渡のデメリット
一方で、株式譲渡にはデメリットもあります。会社の経営権を丸ごと譲るため、もし不採算の事業が含まれていたり、過去に認識されていなかった「簿外債務」があったりすると、それらも譲受企業に引き継がれることになります。譲受企業側からすると、これらのリスクを抱え込むことになるため、譲る金額に影響が出ることがあります。また、一部の事業だけを切り離して売ることができないため、売る必要のない資産を抱え続けることになる可能性もあります。
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事業譲渡
事業譲渡は、会社全体ではなく、特定の事業や、その事業に関連する資産、負債、契約などを個別に選んで譲る方法です。例えば、「この部門だけを譲りたい」「この事業の設備と従業員だけを引き継いでほしい」といった場合に有効な手段です。譲る対象を自由に選べる点が大きな特徴です。ただし、手続は株式譲渡に比べて煩雑になる傾向があります。
事業譲渡のメリット
事業譲渡のメリットは、会社を存続させたまま、必要に応じて事業の一部だけを譲ることができる点です。これにより、経営資源が手一杯になっている複数の事業の中から、特定の事業に集中したい場合などに活用できます。譲受企業側も、本当に必要とする事業だけを選んで引き受けることができるため、不要な資産や、譲り受けたくない負債を引き継がずに済むという利点があります。また、譲受企業は、引き受けた事業に関連する「のれん代」を償却することで、税制上のメリットを得られる場合があります。
事業譲渡のデメリット
事業譲渡は、メリットがある一方で、手続が煩雑になるというデメリットがあります。取引先との契約や従業員との雇用契約、許認可などを個別に譲受企業へ移転させる手続が必要になります。これには多くの時間と手間がかかります。また、譲る側の会社は、原則として20年間、同じ、あるいは競合する事業を行うことができないという「競業避止義務」を負うことになります。譲る金額に対して税金がかかる点も、考慮すべきポイントです。
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会社分割
会社分割とは、会社の事業に関する権利や義務を、全てまたは一部を他の会社に引き継がせる手続です。新しく会社を設立して事業を引き継がせる「新設分割」と、既存の会社に事業を引き継がせる「吸収分割」の二つの方法があります。組織再編の手法として位置づけられており、税制面で有利になる場合がある点が特徴です。
会社分割のメリット
会社分割の大きなメリットは、一部の事業だけを譲ることができ、その対価として現金の代わりに株式を受け取ることが可能な点です。これにより、譲受企業は多額の現金を準備する必要がない場合があります。また、従業員との個別の同意を得る手続が事業譲渡に比べて簡易である点もメリットです。資産を包括的に引き継ぐ場合は消費税の課税対象にならないなど、税務面で有利になるケースもあります。
会社分割のデメリット
会社分割には、いくつかのデメリットも存在します。譲受企業は、事業と一緒にその事業に紐づく債務や、時には認識されていない簿外債務まで引き継ぐ可能性があるため、注意が必要です。また、税務上の取り扱いが複雑であり、専門的な知識が求められます。受け取る対価が株式の場合、それをすぐに現金化することが難しい点も、経営者の資金計画によってはデメリットとなることがあります。株主総会での承認など、手続に手間がかかる面もあります。
会社分割と事業譲渡の違い
会社分割と事業譲渡は、どちらも事業を他の会社に引き継がせる手続ですが、いくつか重要な違いがあります。事業譲渡は個別の財産の譲り渡しという「取引」ですが、会社分割は会社の一部を分離して他の会社に組織として承継させる「組織再編」という位置づけです。この違いから、事業譲渡では個別に契約移転が必要な従業員との雇用契約が、会社分割では原則として不要となる点が大きく異なります。また、消費税の取り扱いなど、税務面での違いも考慮すべきポイントです。
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株式交換
株式交換は、会社を売る方法の一つで、譲る側の会社の全ての株式を、譲受側の会社の株式と交換することで、譲る側の会社を譲受側の会社の完全な子会社にする方法です。この手続により、元の会社の株主は、現金ではなく、譲受企業の株式を受け取ることになります。買い手企業が現金を準備することなく、譲受先の会社をグループに加えることができるため、特に大手企業が子会社化を進める際に利用されることがあります。
株式交換のメリット
株式交換のメリットは、譲受企業にとって買収資金の準備が不要な点です。株式を対価とするため、多額の現金を用意する必要がありません。また、譲受企業は、少数株主を排除し、譲る側の会社を完全に子会社化しやすいという利点があります。これにより、迅速な経営統合が不要で、時間をかけて組織体制を整えることができる場合もあります。
株式交換のデメリット
株式交換のデメリットとして、譲る側の経営者が引退を考えて会社を売る場合でも、対価が株式であるため、すぐに現金を手にすることができない点が挙げられます。手に入れた株式を現金化するには、その後、市場で売るなどの手続が必要になりますが、そのタイミングや市場の状況によっては、希望通りの金額にならない可能性もあります。また、譲受企業の株主構成が変化する点も、譲受企業側のデメリットとして考慮されます。
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会社を売る際の手続の流れ
会社を売る手続は、一見すると複雑に感じるかもしれません。しかし、一つ一つの段階を理解し、計画的に進めていくことで、円滑に目的を達成することができます。ここでは、会社を売る一般的な手続の流れを、大きく3つのフェーズに分けて解説します。
1 準備フェーズ
会社を売ることを決めたら、まずは入念な準備から始めます。この段階での準備が、M&A成功の鍵を握ると言っても過言ではありません。
1-1 目標設定と戦略策定
会社を売ることを決めたら、最初に具体的な目標を設定し、売るための戦略を立てることが重要です。例えば、「いくらで売りたいのか」「従業員の雇用は維持したいのか」「譲った後の会社はどうなってほしいのか」といった点を明確にします。目標や戦略がなければ、M&Aの手続が迷走したり、適切な相手を見つけられなかったりするリスクがあります。会社の未来像を具体的に描くことが、手続をスムーズに進めるための羅針盤となるでしょう。
1-2 M&A仲介会社などの専門家探し
会社を売る手続には、専門的な知識と豊富な経験が不可欠です。そのため、M&A仲介会社や会計事務所などの専門家に相談することが一般的です。これらの専門家は、会社の状況を分析し、売る可能性を診断してくれるだけでなく、譲受企業を探したり、複雑な交渉をサポートしたりと、M&Aの全体をサポートしてくれます。信頼できる専門家を見つけることが、M&A成功への近道となります。
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1-3 M&Aの相手探し
専門家を選んだら、いよいよM&Aの相手探しが始まります。まずは、売る側の会社の希望に合う譲受候補企業をリストアップしていきます。譲受候補企業には、会社名が分からないように概要だけをまとめた「ノンネームシート」が渡され、興味を示した企業とは「秘密保持契約書(NDA)」を締結した上で、より詳しい情報が記載された「インフォメーションメモランダム(IM)」が提示されます。これにより、本格的な交渉に進むかどうかを検討する段階に入ります。
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2 交渉フェーズ
相手候補が見つかり、お互いに興味を持つことができたら、いよいよ具体的な条件を話し合う交渉フェーズへと進みます。この段階では、様々な条件をすり合わせ、合意を目指します。
2-1 基本条件交渉とスキーム選択
譲受候補企業と本格的な交渉に入ると、まずは譲る金額やその他の基本的な条件について話し合いが始まります。この段階で、譲受企業側の意向や金額感も考慮しながら、どの方法で会社を譲るか(株式譲渡、事業譲渡など)の「スキーム」を暫定的に選択します。このスキームは、法務手続や税務(手取金額など)に大きな影響を与えるため、財務・税務に強いM&A仲介会社などの専門家と相談しながら慎重に検討を進めることが大切です。
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2-2 トップ面談
基本条件の交渉が進む中で、「トップ面談」と呼ばれる機会が設けられることがあります。これは、譲る側の会社の経営者と、譲受側の会社の経営者が直接顔を合わせ、互いの経営に対する考え方や、M&A後の事業の展望などを話し合う場です。お互いのビジョンが一致するかどうかを確認し、信頼関係を築く上で非常に重要なステップとなります。この面談を通じて、最終的な合意に向けてさらなる一歩を踏み出すことができるかどうかが決まることもあります。
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2-3 意向表明書の提出
トップ面談などを経て、譲受企業が本格的にM&Aを進めたいという意思を固めた場合、「意向表明書」が提出されることがあります。この書類には、譲受企業が希望する譲る金額やその他の主な条件、M&Aを進める上での方針などが記載されます。意向表明書は、法的な拘束力を持つものではありませんが、譲受企業の真剣な意向を示すものであり、この後の交渉の方向性を定める重要な書類となります。
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2-4 基本合意書の締結
意向表明書の内容を基に交渉が進み、主要な条件についてある程度の合意が得られた段階で、「基本合意書」を締結します。基本合意書は、最終的な契約書に向けた骨子となるもので、譲る金額や譲るスキーム、今後の手続のスケジュールなどが盛り込まれます。この書類自体には法的な拘束力がないことが多いですが、デューデリジェンス(詳細な調査)に進むための前提となる重要なステップです。
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2-5 デューデリジェンスと企業価値評価
基本合意書が締結されると、譲受企業による「デューデリジェンス(DD)」と呼ばれる詳細な調査が実施されます。これは、譲る側の会社の事業内容、財務状況、法務、税務、人事、システムなど、あらゆる側面について、弁護士、公認会計士、税理士といった専門家が調査を行い、潜在的なリスクや機会を洗い出すものです。この調査結果を基に、買い手側の「企業価値評価(バリュエーション)」が改めて行われ、最終的な譲渡価格が決定されることになります。
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2-6 最終条件交渉と契約書の締結
デューデリジェンスと企業価値評価の結果を踏まえ、譲る金額やその他の契約条件について、最終的な交渉が行われます。この交渉では、デューデリジェンスで発見された問題点や、譲る側・譲受側の双方の希望をすり合わせ、双方が納得できる条件を詰めていきます。交渉がまとまれば、「最終契約書」が締結されます。最終契約書には、最終的な譲る金額、譲るスキーム、コベナンツ(譲渡前後に譲る側・譲受側が果たすべき義務)、表明保証(デューデリジェンスで開示された情報が真実であることを保証する条項)などが詳細に盛り込まれます。
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3 クロージングフェーズ
最終契約書が締結されたら、いよいよM&Aが完了する「クロージングフェーズ」に入ります。これは、実際に会社の所有権が移り、資金が動く最終的な段階です。
3-1 クロージングの準備
最終契約書に記載された「クロージング条項(譲渡を実行するために満たすべき条件)」を全て満たすために、様々な準備を行います。例えば、株式譲渡の場合であれば、株式の引渡し手続や、譲渡制限のある株式の承認手続などが必要です。また、手続のスキームによっては、債権者保護手続や独占禁止法関連の手続なども必要となる場合があります。これらの準備は、M&Aを円滑に完了させるために非常に重要であり、事前に要否を確認し、計画的に進める必要があります。
3-2 クロージングと事後処理
クロージングの準備が整い、全ての条件が満たされたら、実際に「クロージング(資金決済)」を実行します。株式譲渡の場合は、譲受企業から譲る対価の支払いが行われると同時に、譲る側の株主から株式が譲受企業に引き渡され、手続が完了します。事業譲渡の場合は、個々の権利義務の移転を伴うため、完了までに数日かかることもあります。クロージングが完了すれば、法的にM&Aが成立したことになります。
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4 経営統合フェーズ(PMI)
M&Aはクロージングで終わりではありません。M&Aの真の成功は、その後の「PMI(ポストマージャーインテグレーション)」、つまり経営統合がどれだけ円滑に進むかにかかっています。
4-1 短期プランの実行
クロージング後すぐに、譲受企業と譲った側の会社で、3ヶ月から6ヶ月程度の短期的な統合プランを実行に移します。これには、デューデリジェンスで指摘された問題点の解決、組織体制の調整、人事制度の統合、業務プロセスの統一など、迅速に対応すべき事項が含まれます。この段階でいかにスムーズに統合を進められるかが、M&Aの成果を早期に引き出す上で非常に重要です。
4-2 中長期プランの策定と実行
短期プランと並行して、M&Aの目的達成に向けた中長期的な経営統合プランを策定し、実行していきます。現状の分析に基づいて、中長期的に取り組むべき課題を抽出し、具体的な行動計画に落とし込むことで、進捗管理が可能となり、効果の検証も行えるようになります。PMIは、課題を解決し、M&Aによるシナジー効果を最大限に引き出すための継続的なプロセスであり、この段階での丁寧な取り組みが、M&Aを真に成功へと導くでしょう。
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会社を売る際にかかる税金
会社を売って手にする資金は、そのまま全てが手元に残るわけではありません。譲る方法によって、かかる税金の種類や税率が異なります。事前に税金の知識を持つことで、手元に残る金額を正確に把握し、後悔のない計画を立てることができます。ここでは、主な方法ごとの税金について解説します。
個人の株式譲渡の場合
会社を売る方法として株式譲渡を選び、経営者である個人が会社の株式を譲る場合、譲ることで得られた利益に対して税金がかかります。この場合の税金は、所得税、住民税、そして復興特別所得税を合わせて、譲渡益の約20.315%です。この税金は、株式を譲った金額から、株式の購入費用やM&A仲介手数料などの必要な経費を差し引いた「譲渡益」に対して課せられます。例えば、7,000万円で譲り、取得費と経費が合計1,700万円だった場合、5,300万円の譲渡益に対して約1,076万円の税金がかかる計算になります。
法人の株式譲渡の場合
会社が子会社などの株式を保有しており、その株式を譲ることで会社を売る場合、譲る側の法人に「法人税」がかかります。これは、譲る側の会社が子会社の株式を譲ることで得た利益に対して課せられる税金で、実効税率は約30%が目安となります。譲る利益は、譲る価格から株式の取得費や委託手数料などの必要経費を差し引いて計算され、これが営業外損益として計上され、法人全体の利益と合算されて法人税が計算されます。
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事業譲渡の場合
事業を譲る方法で会社を売る場合、譲ることで得られた利益に対して「法人税」がかかります。この「事業譲渡益」は、譲る価格から譲る資産の簿価(帳簿上の価値)を差し引いて計算されます。また、譲る資産の中に建物や機械設備、棚卸資産など「課税資産」が含まれている場合は、譲る側が譲受側から消費税を受け取り、これを納める必要があります。土地の譲り渡しには消費税はかかりませんが、事業全体を譲る際には消費税の発生も考慮に入れる必要があります。
譲受側の税金
事業を譲る際には、譲受側にも税金がかかることがあります。前述の通り、消費税の課税対象となる資産が含まれている場合は、譲受側が消費税を支払うことになります。また、事業譲渡契約書を作成する際には、印紙税が発生します。さらに、譲る資産の中に不動産が含まれている場合は、譲受側は不動産取得税や登録免許税を支払う必要も出てきます。事業譲渡は、会社を存続させたまま一部の事業を譲れるメリットがある一方で、このような税金に関するデメリットもあるため、注意が必要です。
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会社を高く売るためのポイント
経営者であれば、苦労して育ててきた会社をできるだけ高く売りたいと考えるのは自然なことです。会社を高く売るためには、単に希望額を提示するだけでなく、戦略的な準備と行動が求められます。ここでは、会社を高く売るための重要なポイントをいくつかご紹介します。
自社の魅力を高める
譲受企業は、M&Aを通じて自社の事業拡大や成長を見込んでいます。そのため、譲受企業にとって魅力的な会社であるほど、高く評価され、より高い金額で譲れる可能性が高まります。日頃から業績向上や経費削減に取り組むことはもちろんのこと、独自の技術力の向上やブランド力の強化、特定の分野での市場シェア拡大なども、会社の魅力を高める重要な要素となります。会社の「強み」を客観的に見つめ直し、それをさらに磨き上げることが、高く売るための第一歩となるでしょう。
嘘や隠し事をしない誠実さ
M&Aの手続を進める上で、譲受企業に対して嘘をついたり、都合の悪い情報を隠したりすることは絶対に避けるべきです。譲受企業は、M&Aの完了後、譲る側の会社に関わるあらゆるリスクも引き継ぐことになります。そのため、デューデリジェンス(詳細な調査)を通じてリスクを洗い出し、対策を講じることで、M&Aの成功率を高めようとします。もし、譲る側からの情報開示に虚偽があった場合、譲受企業が費やした時間と費用が無駄になるだけでなく、M&A後にそれが発覚すれば、損害賠償請求などの訴訟問題に発展する可能性もあります。信頼関係を築き、誠実に対応することが、円滑な手続と将来的なトラブルを避けるために極めて重要です。
早めの決断と行動
M&Aは、譲受企業にとって「時間を買う」とも表現されることがあります。譲受企業は、新しい経営資源や技術、販路などを早期に手に入れたいと考えているため、譲る側の会社が決断を先延ばしにするのはあまり望ましくありません。また、会社の価値は常に変動しており、時間経過とともに業績が悪化したり、市場環境が変わったりして、会社の価値が下がってしまう恐れもあります。焦る必要はありませんが、M&Aを検討し始めたら、速やかに決断し、行動に移すことが、後悔のない結果につながるでしょう。
譲れない条件を明確にする
M&Aの交渉では、譲る側と譲受側の双方の希望や条件をすり合わせ、最終的な合意点を探ることになります。そのため、譲る側の条件が全て受け入れられることはほとんどありません。M&A手続に入る前に、譲る金額、従業員の処遇、譲った後の経営への関与など、自分にとって「これだけは譲れない」という絶対的な条件と、「これは譲歩できる」という条件を明確にしておくことが非常に重要です。これにより、交渉がスムーズに進み、双方が納得できる着地点を見つけやすくなります。
収益性や信用力を高める
会社を高く売りたいと考えるなら、まず自社の収益性を向上させることに注力することが大切です。譲受企業にとって、収益性はM&Aを検討する上で最も重要な判断基準の一つです。安定した利益を出している会社は、それだけで高い評価を受けやすいでしょう。また、会社の信用力も同様に重要です。財務資料の正確さ、経営者の正直さ、問い合わせへの迅速な対応などは、会社の透明性を示し、譲受企業からの信頼を得る上で不可欠です。デューデリジェンスに必要な書類は、入念に準備しておくことをお勧めします。
株式を集約する
株主が複数に分散している場合、会社を売る手続を進める前に、自身の支配下にある株式を集約しておくことが望ましいとされています。株主が分散していると、M&Aに関する意思決定(会社を売るかどうか、条件はどうかなど)がスムーズに進まない可能性があります。譲受企業が必要とする議決権を確保できない場合や、一部の株主が反対することで手続が難航するリスクも考えられます。特に株券が発行されている会社の場合は、現物の株券を事前に集めておく手続が必要となるため、注意が必要です。
会社を売りたいと思ったら専門家へ相談する
会社を売るという一大イベントは、経営者にとって人生でそう何度も経験することではありません。手続の複雑さ、専門知識の必要性、そして交渉の難しさなど、自社だけで全てをこなすのは非常に困難です。だからこそ、M&Aの専門家へ相談することが、会社を売ることを成功させるための最も確実な近道となります。
専門家のサポートを受けるメリット
M&Aの専門家は、単に相手探しをするだけでなく、会社の価値を適正に評価したり、譲る側と譲受側の間で条件交渉を進めたりと、手続のあらゆる段階でサポートを提供してくれます。最新のM&Aに関する情報や、複雑な交渉を円滑に進めるためのノウハウを持っているため、経営者は本業に集中しながらM&Aを進めることができます。また、情報漏洩のリスク管理や、税金対策、従業員への説明など、多岐にわたる課題に対しても、適切なアドバイスとサポートを得られることは、計り知れないメリットとなるでしょう。
相談窓口の選択肢
会社を売ることを検討し始めたら、まずはM&Aの専門家へ相談することをお勧めします。M&A仲介会社、会計事務所、税理士事務所などが主な相談先となります。最近では、M&Aマッチングサイトも増えており、比較的低い手数料で譲受候補企業を探せる選択肢もあります。どの相談先を選ぶかは、会社の状況や希望によって異なりますが、まずは無料相談などを活用して、気軽に専門家へ会社の状況を話してみることから始めてみてはいかがでしょうか。専門家の知見を活用することで、会社の未来をより良い形で切り開くことができるでしょう。
▷関連:M&A仲介会社の比較|信頼できるアドバイザーを選ぶポイント
赤字でも会社を売ることはできるのか
「うちの会社は赤字だから、誰も買ってくれないだろう…」そう考える経営者の方もいらっしゃるかもしれません。しかし、結論から言うと、赤字の会社でも、売ることは十分に可能です。赤字であることだけが、会社の価値を決める全てではありません。赤字であっても、譲受企業にとって魅力的な要素があれば、M&Aは実現できるのです。
赤字でも会社が売れるケース
赤字の会社が売れる背景には、いくつかの理由があります。例えば、現在は赤字でも、将来的に黒字化する見込みが明確である場合です。特定の独自の技術やノウハウを持っている場合、あるいは、他社にはない優秀な人材が豊富にいる場合なども、譲受企業にとっては魅力的な要素となります。また、会社の資産の中に多額の含み益を持つ土地や不動産がある場合や、譲受企業との間で大きな「シナジー効果」が見込まれる場合も、赤字であってもM&Aが成立する可能性が高まります。譲受企業は、M&Aによって得られる将来的なメリットや、投資資金の回収が見込めれば、赤字の会社であっても譲り受ける判断をすることがあります。諦めずに、まずは専門家にご相談いただくことが大切です。
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会社を売った後の人生を考える
会社を売ることは、経営者にとって人生を大きく変える決断です。これまで会社経営に費やしてきた時間と情熱は計り知れません。だからこそ、会社を売った後の人生を具体的にイメージし、充実した第二の人生を送ることが大切です。
引退後の生活を具体的にイメージする重要性
会社の経営を何十年も続けてきた経営者にとって、経営は人生そのものであったと感じる方も少なくないでしょう。会社を売った後、完全に経営から離れるケースもあれば、顧問や役員として一定期間関わり続けるケースもありますが、いずれにしても、それまでの忙しい日々から解放されます。この「自由になった時間」をどう使うか、そして「生きがい」をどう見つけるかは、非常に重要な課題となります。会社を売る前から、引退後の生活ややりたいことを具体的にイメージしておくことで、心穏やかに新たな人生のステージに進むことができるでしょう。
成功事例と失敗事例
会社を売った後の経営者には、様々な人生があります。
成功例としては、手にした資金を元手に、儲けを第一としない新しい事業を始めたり、長年の趣味に没頭したりするケースが挙げられます。これまで忙しくてできなかった子育てに力を入れたり、世界中を旅したりして、心豊かな日々を送る元経営者もいます。彼らは、会社を売ることで得た自由と資金を、本当に望む人生の実現のために活用していると言えるでしょう。
一方で、残念ながら失敗例も存在します。会社を売って多額の資金と自由な時間を手に入れたにもかかわらず、急に暇を持て余してしまったり、金銭や物質的な価値に過度に依存してしまったりするケースも散見されます。このような状況に陥らないためにも、会社を売る目的や、その後の人生で何を本当に実現したいのかを深く考えることが、真の成功につながるのかもしれません。
M&A成約事例のインタビュー
みつきコンサルティングがM&A仲介(一部はFA)により会社売却や企業買収に繋げたオーナー経営者様のインタビューを以下のページで紹介しています。

みつきコンサルティングのM&A成約実績を見る|ご成約した譲渡オーナー様の体験談
会社を売りたい経営者のまとめ
会社を売りたいと考える経営者にとって、M&Aは後継者問題の解決、創業家利潤の獲得、そして事業のさらなる成長の実現など、多くのメリットを享受できる合理的な方法です。しかし、情報漏洩のリスクや従業員との関係、競業避止義務など、注意すべきデメリットも存在します。これらのメリットとデメリットを十分に理解し、適切な手続と対策を講じながらM&Aを進めましょう。
当社は、みつき税理士法人グループのM&A仲介会社として15年以上の業歴があり、中小企業M&Aに特化した実績経験が豊富なM&Aアドバイザー・公認会計士・税理士が多く在籍しております。M&Aをご検討の際は、みつきコンサルティングにご相談ください。
著者

- 名古屋法人部長/M&A担当ディレクター
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人材支援会社にて、海外人材の採用・紹介事業のチームを率いて新規開拓・人材開発に従事。みつきコンサルティングでは、強みを生かし人材会社・日本語学校等の案件を中心に工事業・広告・IT業など多種に渡る案件支援を行う。M&Aの成約実績多数、M&A仲介・助言の経験年数は10年以上
監修:みつき税理士法人
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