遊技機メーカーの売却|型式試験への対応力と版権契約が問われるM&A

型式試験に通す力、版権契約、演出やスペック設計を担う技術者。遊技機メーカーの売却で譲受企業が見極めるのは、この3つを引き継げるかどうかです。大手の内製化が進むいまは、開発力そのものを強みにできる好機。小ロット化と開発費の先行負担に悩むオーナー経営者へ、譲渡価格の目安や相手先の顔ぶれ、調査で確かめられる論点を、公開事例を交えてお伝えします。

M&A仲介手数料・料金体系を見る|完全成功報酬制・着手金・中間金0円
企業価値を1分で簡易試算|登録不要・無料の企業価値評価
目次
  1. 小ロット化が進むパチンコ・パチスロ機市場と再編の動き
    1. メーカー売上8,600億円台で進む1機種あたりの小ロット化
    2. 自主規制の見直しとスマート遊技機が速める開発競争
    3. 台の値上がりが細らせるホールの購買余力
  2. 型式試験の不適合と版権料に悩む遊技機メーカーが売却に動く理由
    1. 適合するまで売上が立たない開発費の先行負担
    2. 人気IPの版権料と後継機の権利をめぐる消耗戦
    3. 演出・ソフトの技術者不足と創業家の高齢化
    4. 自社で開発を続ける道と比べた売却の利点と負担
  3. 試験中の機種と版権契約を途切れさせない株式譲渡・事業譲渡の使い分け
    1. 株式譲渡なら試験中の機種も検定済みの型式も会社に残る
    2. 開発部門だけを譲る事業譲渡で個別に移すもの
    3. 版権元の承諾を得るまでの段取りと後継機の権利
  4. ヒット機の年だけでは測れない遊技機メーカーの譲渡価格
    1. 時価純資産にのれんを加える年買法と遊技機メーカーの事情
    2. 試験対応から部材在庫まで、譲受企業が開発力を測る物差し
    3. 版権料の前払いと開発費の計上をそろえて実力を示す
  5. 開発力・提案力・IPのどれを求めるかで分かれる遊技機メーカーの買い手
    1. 開発の内製化を進める大手遊技機メーカー
    2. 島設備や周辺機器とまとめた提案を狙う企画・販売会社
    3. IPを持つ会社や電子部品メーカー、投資ファンドという選択肢
    4. 新機種の発売前に気を配る打診の順番と情報管理
  6. 検定型式との同一性とソースコードの権利を確かめるデューデリジェンス
    1. 出荷した機械と検定を受けた型式の同一性
    2. 外注した演出素材・ソースコードと金型の権利の所在
    3. 設置中の機械を支える保守部品とサービス体制
    4. スペック設計や演出の責任者を引き留める伝え方
  7. 遊技機メーカーの会社売却に関するFAQ
  8. まとめ|遊技機業界に精通したM&A仲介会社みつきコンサルティング
    1. 遊技機メーカーの会社売却の関連コラム
M&Aの基本や会社売却の進め方を電話相談|0120-169-256・24時間受付

新機種は、型式試験に適合するまで1台も売れません。遊技機メーカーの経営を重くしているのは、この厳しい前提です。本記事は、パチンコ・パチスロ機や、その開発・部品を手がける会社の会社売却を考え始めたオーナー経営者向け。この業種では、版権元の承諾、要となる技術者の引き留め、半導体など部材在庫の値付けが、交渉の終盤にまとめて表れがちです。

小ロット化が進むパチンコ・パチスロ機市場と再編の動き

メーカーの売上規模は大きく崩れていないのに、1機種あたりの販売台数は細る一方。このずれが、遊技機メーカーのM&Aを後押ししています。

メーカー売上8,600億円台で進む1機種あたりの小ロット化

矢野経済研究所の調査(2025年12月公表)によると、2024年度のパチンコ関連機器の市場規模は、メーカーの売上ベースで8,612億7,300万円と前年度の97.6%でした。内訳はパチンコ機が約3,804億円と前年度を上回る一方、パチスロ機は約3,104億円と1割あまりの減少。目立つのは販売の小ロット化で、パチンコ機の上位10機種の販売台数は合計約26万台、1機種あたり平均2.6万台と、前年度の平均2.9万台からさらに下がりました。

自主規制の見直しとスマート遊技機が速める開発競争

パチンコ機では2024年3月にラッキートリガー(LT)、パチスロ機では2025年6月にボーナストリガー搭載機(BT機)の導入が始まるなど、業界の自主規制は見直しが続いています。2022年のスマスロ、2023年のスマパチから広がったスマート遊技機について、同調査はホールの流行がこれまでにない速さで移り変わる可能性を指摘。新基準に沿った機種を早く出す開発力と資金力がなければ、販売の波に乗り遅れる構図です。上位数社が販売の過半を握る市場で、中小が独力で競い続けるには相応の体力が要ります。

台の値上がりが細らせるホールの購買余力

ホール側から見た台の値上がりも見逃せません。当社が譲渡側の助言を担った遊技場の案件でも、社長は、遊技台の販売価格が以前の1.5倍から2倍に達し、規制の変更に伴う設備投資も毎年のように続くと語っていました。値上がりはホールが新台に回せる予算を圧迫し、1機種あたりの販売台数を押し下げる方向に働くもの。こうしたなか、資本力のある会社が老舗のメーカーや開発会社を取り込む動きが出ています。

老舗の遊技機メーカーグループが企画・販売会社の傘下に入った例

遊技機の企画・販売を営む円谷フィールズホールディングスは、2024年3月25日、群馬県桐生市のソフィアの株式51%を株主から31億6,200万円で取得し、同年9月には残りも取得して100%子会社としました。ソフィアは1951年設立で、ホール向け島設備のエース電研を傘下に持ちます。スマート遊技機の普及で島設備と遊技機を組み合わせた空間設計が可能になったとして、遊技空間のイノベーションを図るのが狙い。

▷関連:レジャー業界のM&A|インバウンド回復と設備投資が動かす譲渡事例

型式試験の不適合と版権料に悩む遊技機メーカーが売却に動く理由

ヒット機を出したばかりの会社が、なぜ売却を考えるのか。答えは、次の1台を世に出すまでにかかる重さにあります。

適合するまで売上が立たない開発費の先行負担

遊技機は、国家公安委員会が指定する試験機関である保安通信協会の型式試験に適合し、都道府県公安委員会の検定を受けた型式でなければ、実際にはホールへ売り出せません。不適合なら設計を見直して持ち込み直すことになり、そのたびに試験の費用と時間が上乗せに。液晶演出や役物の制作費、金型代は、発売のずっと前から出ていくもの。1機種あたりの販売台数が細るほど、1本の不発が会社全体の資金繰りを揺らしやすくなります。

人気IPの版権料と後継機の権利をめぐる消耗戦

アニメや漫画、芸能人などのIPを使うタイアップ機は集客力がある反面、版権料の負担が重くなりがちです。人気作品ほど大手との獲得競争になり、中堅以下のメーカーは条件面で後れを取ることも。契約期間が切れれば後継機を出せず、シリーズで築いた固定ファンを生かせなくなります。大手が自社でIPを生み出す取組みを進めるなか、版権頼みの中小が利益を残しにくくなっているのが実情。

演出・ソフトの技術者不足と創業家の高齢化

液晶演出の映像やサウンド、演出を制御するソフト、出玉の仕組みを組み立てるスペック設計。遊技機づくりには専門の人材が欠かせない一方、ゲーム業界などとも採用で競うため、中小が技術者を確保し続けるのは容易ではありません。創業者が機種づくりの陣頭指揮を執ってきた会社では、後を継ぐ人が見当たらないという悩みも重なります。親族内での事業承継が難しいとき、開発体制ごと引き受けられる相手への売却が現実の選択肢に。

自社で開発を続ける道と比べた売却の利点と負担

会社を売りたいと思い始めたら、自社で開発を続ける場合と並べて、得るものと手放すものを書き出すと判断しやすくなります。下表は、遊技機メーカーの譲渡オーナーが売却で得やすいものと、引き換えになりやすいものの一覧。版権元との関係や社名の扱いなど、数字に表れにくい項目も含めました。ヒットの直後か谷の時期かで条件が変わる点も頭に置きつつ、役員や開発責任者と話し合う材料にしてください。

譲渡オーナーのメリット譲渡オーナーのデメリット
次の機種の開発費を一社で背負わずに済む
型式試験の持ち込み直しや金型代の先行負担を、資本力のある譲受企業とともに担えます。
版権元の承諾が得られないことがある
支配権の変更を制限する条項があれば、IPの使用を続けるために承諾が要り、条件の見直しを求められることも。
社長の個人保証を外す道筋がつく
機種づくりの資金や部材調達の借入に付いた保証を、返済や譲受企業への切替で解消できます。
開発の方針が譲受企業に合わせられる
機種の企画や演出の作り方が、譲受企業の基準や販売計画に沿って統一されます。
技術者の雇用と開発の場を残せる
開発を止めて廃業する場合と違い、チームごと次の機種づくりを続けられます。
社名やブランドが使われなくなる可能性
統合の進め方によっては、長年親しまれた社名やブランドが消えることもあります。
版権獲得や部材調達で大手の力を借りられる
譲受企業の交渉力で、人気IPの獲得や半導体などの調達が安定しやすくなります。
売却の時期で条件が振れやすい
直近の販売実績に評価が引きずられ、谷の時期に売ると価格が伸びにくくなります。
開発力を価格に映せる
清算では値が付きにくい技術者の力や試験対応の実績を、のれんとして受け取れます。
引継ぎ期間の拘束
社長や開発責任者に、一定期間の残留や顧問としての関与が求められることがあります。
シリーズ機を世に出し続けられる
自社のオリジナル機の後継機を、譲受企業のもとでつくり続ける道が開けます。
情報が漏れると受注と採用に響く
業界が狭く噂が回りやすいため、ホールや技術者の動揺を招きかねません。

▷関連:サービス業のM&A|人手不足と許認可承継で変わる譲渡事例と相場

試験中の機種と版権契約を途切れさせない株式譲渡・事業譲渡の使い分け

開発部門だけを譲るつもりで話を進め、終盤になって版権元の承諾が間に合わないと気づく失敗。手法の選び方しだいで、こうしたつまずきはかなり防げます。

株式譲渡なら試験中の機種も検定済みの型式も会社に残る

会社の株式を譲る株式譲渡では、製造業者として型式試験を申請し、検定を受けてきた会社そのものが残ります。試験中の機種も検定済みの型式も、版権契約や部材の発注も、会社の名義のまま続けられるのが利点。開発チームや工場の体制に手を付けずに済む点も見逃せません。中小企業のM&A全般と同じく、遊技機メーカーでも中心となる手法です。ただし、支配権の変更を制限する条項を持つ契約については、相手方の承諾を取り付ける段取りが欠かせないもの。

開発部門だけを譲る事業譲渡で個別に移すもの

パチンコ機の開発部門や部品の設計部門など、事業の一部だけを譲るなら事業譲渡や会社分割が候補になります。事業譲渡では、技術者の転籍に本人ごとの同意が要り、版権元や外注先との契約も個別に移す手続が必要に。試験中の機種や検定済みの型式をどちらの会社で扱うかは、所轄の公安委員会への確認を前提に、日程へ組み込んでおきたい論点です。人と契約をまとめて移せるかどうかが、この手法の成否を分けるところ。

演出制御ソフトの開発事業が大手の子会社へ移った例

SANKYOは2026年7月15日、子会社のサン・アートがデータ・アートから、遊技機の演出制御ソフトウェアと映像コンテンツの企画・制作、遊技機部品の開発・設計の事業を19億3,000万円で譲り受けると発表しました。対象事業の2025年5月期の売上高は89億4,200万円。両社には以前から開発の取引があり、制作ノウハウと人材を承継して、開発リードタイムの短縮とコストの低減を図るとしています。

版権元の承諾を得るまでの段取りと後継機の権利

タイアップ機の版権契約には、支配権が変わる際に版権元への通知や承諾を求める条項が入っていることがあります。承諾の窓口は出版社やアニメの製作委員会、芸能事務所などさまざまで、社内の決裁に時間がかかる相手も少なくありません。制作中の機種に使うIPほど、承諾の遅れがそのまま発売日程の狂いにつながるもの。契約ごとに残りの期間、後継機を出す権利、承諾の要否を表にまとめ、打診の順番を決めておくと交渉が滑らかに進みます。

ヒット機の年だけでは測れない遊技機メーカーの譲渡価格

同じ年商でも、ヒット機1本で稼いだ会社と、毎年手堅く機種を出す会社とでは、値付けが大きく異なります。

時価純資産にのれんを加える年買法と遊技機メーカーの事情

中小の遊技機メーカーで価格の目安づくりに多く使われるのが年買法(年倍法)です。算式は「時価純資産+のれん」で、資産と負債を今の価値で洗い直した純資産に、数年分の利益にあたるのれんを加えます。将来の収益から逆算するDCF法や、上場企業と比べる類似会社比較法は、規模の大きな案件で補助的に使う程度。遊技機メーカーの場合、どの期の利益を数年分と見るかで、価格は大きく動きます。

発売の時期で波打つ利益を複数期でならす

遊技機メーカーの利益は、ヒット機の発売が重なった期に大きく膨らみ、谷の期には赤字になることもあります。譲受企業は、複数期の平均や、試験中・発売前の機種の見通しから実力値を見積もるもの。最高益の期だけを基準にすると、交渉の入口でつまずきかねません。

部材在庫と発売を見送った機種の仕掛品の目減り

半導体や液晶などの部材を、調達難に備えて多めに抱えている会社は少なくありません。財務デューデリジェンスでは、次の機種で使う当てのない部材や、発売を見送った機種の仕掛品が大きく減額されがち。開発中のソフトウェアを資産に計上していても、発売の見込みが薄ければ価値は認められにくいもの。在庫を機種別・使用予定別に分けておくと、値付けの話し合いが早まります。

試験対応から部材在庫まで、譲受企業が開発力を測る物差し

企業価値評価の土台は、この先も適合する機種を出し続けられるかどうか。下表に、遊技機メーカーの譲受企業が着目する数字と、その理由を並べました。なかでも型式試験の適合までの経過と、版権機とオリジナル機の構成は、機種を生み出す力と採算を同時に映すため、早い段階で求められやすい項目。部品や受託開発の会社なら、主要な発注元への依存度と継続受注の実績が中心になります。決算書には表れない数字ばかりなので、直近3〜5年分を機種別にそろえておきましょう。

評価の視点確かめられる数字・資料譲受企業が重視する理由
型式試験の適合までの経過機種ごとの持ち込み回数、適合までにかかった期間試験への対応力と、開発費の読みやすさを測るため
1機種あたりの販売台数機種別の販売台数と販売単価の推移小ロット化のなかで採算が取れているかを見るため
試験中・発売前の機種機種数、発売予定時期、販売の見込みこの先1〜2年の売上の確度を読むため
版権機とオリジナル機の構成版権料の売上比率、契約の残り期間、シリーズ機の有無利益の残りやすさと、後継機の出しやすさを見るため
開発人員の構成演出・ソフト・スペック設計の人数と年齢、外注の比率譲受後も開発を続けられるかを確かめるため
主要部材の在庫月数半導体・液晶などの在庫量と使用予定評価減の見込みと、資金の寝かせ具合をつかむため
筐体や部品の共通化枠(筐体)の使い回しの状況、共通部品の比率1機種あたりの原価を抑える力を見るため

版権料の前払いと開発費の計上をそろえて実力を示す

みつきコンサルティングでは、遊技機メーカーの株価を試算する際、版権料と開発費の計上の仕方をまずそろえます。版権元へ契約時にまとめて払う使用料を資産に載せて販売に応じて費用にする会社と、支払った期に全額を費用にする会社とでは、同じ実力でも利益の見え方が変わるため。試作や金型にかかった費用も、発売の期と結び付けて並べ直します。税理士法人グループの目線で決算書をならし、実際の稼ぐ力を示したうえで交渉へ。提示額の妥当さを見極めるには、売却相場の考え方も役立ちます。

開発力・提案力・IPのどれを求めるかで分かれる遊技機メーカーの買い手

同業の大手だけが相手とは限りません。譲受企業が求めるものは、開発力、ホールへの提案力、IPを生かす場のいずれかに分かれます。

開発の内製化を進める大手遊技機メーカー

大手メーカーにとって、技術者をまとめて迎えられる取得は、自前で採用し育てるより早い戦力の強化策です。先に触れたSANKYOの例でも、制作ノウハウと人材の承継が目的に挙げられ、相手は以前から開発の取引がある会社でした。演出制御や映像制作を外部に任せてきた大手ほど、内製化で開発期間の短縮とコストの低減を狙うもの。受託開発の会社から見れば、主要な発注元そのものが、最も有力な譲受企業の候補になり得ます。

島設備や周辺機器とまとめた提案を狙う企画・販売会社

遊技機の企画・販売や周辺機器を手がける会社は、メーカーを取り込むことで、ホールへ機械と設備をまとめて提案できるようになります。ソフィアの例も、スマート遊技機の普及で島設備と遊技機を組み合わせた空間づくりが可能になったことが、取得の理由でした。スマスロの導入に合わせてスマート遊技機専用ユニットという製品分野が生まれたように、機械と設備の境目は広がりつつあるところ。周辺機器との組み合わせで新しい提案ができる技術は、この類型の譲受企業に好まれやすい強みです。

IPを持つ会社や電子部品メーカー、投資ファンドという選択肢

家庭用ゲームやアニメのIPを持つ会社が、自社のキャラクターを遊技機の市場で生かす受け皿として、メーカーに関心を寄せることがあります。制御基板や役物の技術を取り込みたい電子部品や精密加工の会社も、候補のひとつ。投資ファンドは複数のメーカーや部品会社を束ねる構想で関心を示す場合がある一方、遊技関連への投資を控える方針のファンドもあるため、打診先の見極めが欠かせません。経営への関与を残したいなら、資本業務提携という形を探る道もあります。

新機種の発売前に気を配る打診の順番と情報管理

支援現場では、新機種の発売を控えた時期の情報管理に、とりわけ神経を使います。遊技機の業界は狭く、売却の噂が販売代理店やホールへ広がれば、受注の判断に響きかねないため。打診はまず社名を伏せた資料で関心の有無を確かめ、秘密保持契約を結んだ相手にだけ詳細を開示します。大手メーカー、企画・販売会社、異業種と類型ごとに順番を決め、競い合う相手へ同時に情報が渡らないよう調整するのも、M&A仲介が担う仕事のひとつ。

検定型式との同一性とソースコードの権利を確かめるデューデリジェンス

譲受企業のデューデリジェンスで時間を取られやすいのは、決算書より開発の現場に残る記録です。見落としがちなのは、品質と権利の裏付け。

出荷した機械と検定を受けた型式の同一性

遊技機は、検定を受けた型式と同じ性能で出荷されていることが大前提です。過去には、検定機と性能が異なるおそれのあるパチンコ機が、業界を挙げて撤去された経緯もありました。譲受企業が確かめるのは、試験に持ち込んだ機械と量産品の違いを管理する仕組み、出荷検査の記録、部品の調達先を変えた際の確認の手順。不具合で自主回収をした履歴があれば、原因と再発防止策を添えて先に開示するほうが、交渉はこじれにくいものです。

外注した演出素材・ソースコードと金型の権利の所在

液晶の映像やサウンド、演出を制御するソフトを外部に任せている会社で意外と多いのが、成果物の著作権の移転が契約書で定められていない例です。権利が制作会社に残っていれば、後継機で素材を使い回せない事態も。役物や筐体の金型を成形会社に預けているなら、所有者と保管の条件も確認の対象になります。2026年1月には下請法が改正されて取適法(中小受託取引適正化法)が施行され、手形払いの禁止などが加わりました。外注先との支払条件や価格の決め方が新しいルールに沿っているかも、点検しておきたいところ。

設置中の機械を支える保守部品とサービス体制

ホールに設置された遊技機は、検定から3年、ホールが認定を受ければさらに3年使われることがあります。その間の故障に応える保守部品の在庫と、修理に回るサービス担当の体制は、譲受企業が引き継ぐ責任の一部。部品の供給を外注先に頼っている場合は、その会社の事業が続くかどうかも見られる部分。生産を終えた機種ごとに部品の在庫と供給の見込みを書き出しておけば、引継ぎ後の負担を正しく見積もってもらえるはず。

スペック設計や演出の責任者を引き留める伝え方

当社が支援した楽曲制作・版権管理会社の案件では、創業時からの重要人物の同意を得るまでに、準備と説明で2か月ほどをかけました。遊技機メーカーでも、スペック設計や演出の責任者が抜ければ、制作中の機種の発売そのものが危うくなります。譲受企業の処遇や配属の方針を基本合意の前に聞き取り、誰に、いつ、どの順番で伝えるかを譲渡オーナーと一緒に決めていくのが当社の進め方。相談先を比べる際は、クリエイターを抱える会社での実績を仲介一覧で見比べてみてください。

M&Aが成立した場合のみ、譲渡対価に応じた手数料を頂戴します。
売主様は、ご成約まで費用負担なくスタートできます。


0円


0円

遊技機メーカーの会社売却に関するFAQ

相談の場で、パチンコ・パチスロ機や業務用機器のメーカーから寄せられることの多い質問にお答えします。

Q:型式試験の結果を待ってから売却を始めるべきですか?

試験中の機種が会社の価値に占める重さ次第です。適合すれば価格を上げる材料になる一方、不適合なら交渉の途中で前提が崩れかねません。結果を待たずに話を進め、適合した場合に対価の一部を後から支払う条件を最終契約に盛り込む方法も。現場では、機種ごとの申請状況と再申請の計画を一覧にしたうえで、どちらが有利かを試算します。

Q:販売代理店との契約は、売却後も続けられますか?

株式譲渡なら契約の当事者は変わらないため、原則として続きます。ただし、支配権の変更を理由に解除できる条項があれば、代理店の承諾が要ることも。譲受企業が自前の販売網を持つ場合は、代理店の扱いや手数料、預けている在庫の精算が論点になります。現場では、代理店ごとの売上と契約条項を並べ、伝える時期を譲受企業とすり合わせてから動きます。

Q:自社で持つ特許や商標は、価格に反映されますか?

現行の機種に使っている特許や、他社に使用を認めてライセンス料を得ている特許は、評価の材料になります。注意したいのは、社長個人の名義で出願した特許や、シリーズ機の名称を個人で登録した商標。株式譲渡でも会社の資産には含まれないため、会社へ移す手続が要ります。社員の発明の扱いを定めた職務発明規程の有無や、他社との特許の争いの履歴も確認されるところです。

Q:クレーンゲームなど業務用のアミューズメント機器も手がけていますが、見られ方は違いますか?

ゲームセンター向けの機器はパチンコ・パチスロ機のような型式試験の対象ではないため、試験対応の実績は評価の中心になりません。代わりに見られるのは、大手の施設運営会社との取引の厚み、売上を分け合うレベニューシェア契約の残り期間、景品やオンラインサービスと組み合わせた機種の企画力。みつきコンサルティングでは、機種別の販売台数と運営会社別の売上から確認を始めます。

税理士法人を母体とするM&A仲介会社|みつきコンサルティングが選ばれる理由

まとめ|遊技機業界に精通したM&A仲介会社みつきコンサルティング

遊技機メーカーの売却では、型式試験への対応力、版権契約の承諾、技術者の残留、部材在庫の値付けが、価格と日程を形づくります。次の機種に会社の行く末を預け続ける重さは、経営者にしかわからないもの。開発の記録と契約を早めにそろえておけば、技術とブランドを託せる相手は見つけやすくなります。

みつきコンサルティングは、税理士法人グループに属する財務・税務に強いM&A仲介会社。中小企業のM&A仲介の実績経験が豊富なM&A特化の専門チームが、仲介会社の比較検討の段階から伴走します。遊技機メーカーの会社売却なら、みつきコンサルティングへご相談ください。

M&A・会社売却の電話相談|0120-169-256・24時間受付
ご譲渡を検討される方
今すぐ無料相談する
M&Aの重要ポイント資料
無料でダウンロードする

遊技機メーカーの会社売却の関連コラム

著者

田原 聖治
田原 聖治事業法人第一部長/M&A担当ディレクター
みずほ銀行にて大手企業から中小企業まで様々なファイナンスを支援。みつきコンサルティングでは、各種メーカーやアパレル企業等の事業計画立案・実行支援に従事。現在は、IT・テクノロジー・人材業界を中心に経営課題を解決。M&Aの成約実績多数、M&A仲介・助言の経験年数は10年以上
監修者 神門 剛 代表取締役 / 公認会計士・税理士

みつきコンサルティングは、中小企業の会社売却・事業承継に特化した譲渡企業様に完全成功報酬制のM&A仲介会社です。売り手と買い手企業の最適なマッチングを、経験豊富なM&Aコンサルタントが初期相談から成約まで一貫してフルサポートします。

【無料】資料をダウンロードする

M&Aを成功させるための重要ポイント

M&Aを成功させるための
重要ポイント

M&Aの事例20選

M&Aの事例20選

事業承継の方法とは

事業承継の方法とは

【無料】会社売却のご相談 
簡単30秒!即日対応も可能です

貴社名*
お名前*
電話番号*
メールアドレス*
所在地*
ご相談内容(任意)

個人情報の取扱規程に同意のうえ送信ください。営業目的はご遠慮ください。

買収ニーズのご登録はこちら >

その他のお問い合わせはこちら >