ゴルフ場の売却は、預託金の返還債務と地権者との賃貸借をどう引き継ぐかで、選べる手法も価格も変わります。後継者の不在、クラブハウスの建替え、キャディ不足。そんな悩みを抱えるオーナー経営者に向けて、コース勘定の時価や来場者数で見る評価、譲受企業の顔ぶれ、引継ぎで気をつけたい点を実務の目線で解説します。

返還の猶予が明けた会員からの預託金の返還請求、代替わりした地権者との賃貸借の更新、引退が近いグリーンキーパーの後任探し。本記事は、こうした課題を抱えながらゴルフ場の会社売却を考え始めたオーナー経営者に向けたものです。この業種では、預託金をどう引き継ぐか、地権者の承諾を得られるか、現場の担い手が残るかで、価格と日程の見通しが動きます。
プレー料金の値上げと派遣キャディの費用に挟まれ、売却を考えるゴルフ場
売上は伸びているのに、赤字の会社は増えているというねじれ。そのなかで、コースを残す手段としてM&Aを考えるオーナーもいます。
市場規模は8,100億円、それでも赤字は4社に1社へ
帝国データバンクの「ゴルフ場業界」動向調査(2025年12月公表)によると、2024年度のゴルフ場の市場規模は8,100億円となり、4年続けて前年度を上回りました。押し上げたのは、プレー料金の戦略的な値上げや訪日客の回復です。ただし赤字の企業は24.7%と、前年度から上昇。賃上げや派遣キャディの費用、エネルギー代がかさみ、利益を圧迫しています。日本ゴルフ場経営者協会の速報値でも、2024年度の延べ利用者数は約8,755万人と前年度から2.5%の減少。天候しだいで客足が揺れる難しさは変わりません。
後継者不在に、クラブハウスの建替えと人手不足が重なる
売却を考え始めるきっかけは、ひとつではありません。開場から40年、50年を迎えるコースでは、創業者や2代目が70代となり、親族にも社内にも次の担い手が見当たらない例が目立ちます。そこへ重なるのが、旧耐震のクラブハウスの建替えや乗用カートの更新といった大きな投資。キャディやコース管理の人材も集まりにくく、セルフプレーへの切り替えを急ぐコースも増えてきました。入会時に会員から預かった預託金を、どう返していくかという悩みも根深いもの。社外の第三者に託す事業承継という道もあります。
猛暑で増えるベント芝の管理と客足の揺れ
夏の猛暑は、芝の管理と客足の両方に響きます。暑さに弱いベント芝のグリーンを守るため、散水や手入れの手間はかさむばかり。日中のプレーを避ける客も出てきます。日本ゴルフ場経営者協会が2024年に熱中症予防のガイドラインを定めたことも、現場の負担の大きさを物語るもの。年ごとの振れを自社だけで吸収し続けることに、限界を感じるオーナーもいます。
閉場せずに託す売却の利点と、預託金が招く負担
コースを閉じる道にも、重い負担が伴います。会員契約を終えれば預託金の返還を一度に求められかねず、借りている土地は、契約によっては造成前の状態に戻す原状回復が問題になることも。従業員の雇用も守れなくなります。売却なら、会員のプレーの場と雇用を残したまま、経営の重荷を次の担い手へ託せる可能性があります。半面、預託金の分だけ価格が伸びにくいなど、ゴルフ場ならではの負担も。下表で、譲渡オーナーから見た利点と負担を見比べてください。
| 譲渡オーナーのメリット | 譲渡オーナーのデメリット |
|---|---|
| 後継者不在でもコースが残る 会員のプレーの場と地域の雇用を守れます。 | 預託金の分だけ価格が伸びにくい 黒字でも手取りが想定を下回ることがあります。 |
| 個人保証の解除を交渉できる クラブハウスやカートの借入に付けた保証が対象です。 | コース名や料金体系が変わる 譲受企業のブランドに合わせた見直しがあり得ます。 |
| 預託金の返還を自社だけで背負わない 満了に備える資金繰りを譲受企業の傘下で手当てできます。 | 会員と地元への説明に手間がかかる 理事会や地権者、自治体へ順を追って伝えます。 |
| 設備投資を進めやすくなる カートや散水設備、クラブハウスの更新にグループの資金を使えます。 | 地権者との条件を見直す場面も 手法によっては承諾が要り、地代の改定を持ちかけられることもあります。 |
| 予約や送客の仕組みに乗れる 大手の予約サイトや会員の特典制度で平日の来場を伸ばしやすくなります。 | 経営の裁量から離れる 料金やコース改造の判断は譲受企業へ移ります。 |
| 創業者利潤を受け取れる 営業の実力に応じた対価を株式の譲渡益として得られます。 | 引継ぎ期間の関与が続く 支配人やグリーンキーパーへの引継ぎで顧問を頼まれることがあります。 |
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預託金の返還債務とクラブ名の続用から考えるゴルフ場の売却手法
預託金は元の会社に残し、コースだけを新しい会社へ移せば身軽になれる、と考える方は少なくありません。ただ、ゴルフ場にはこの発想を戒める判例があります。
株式譲渡なら預託金も会員契約も会社に残ったまま引き継がれる
株式譲渡では株主が替わるだけで、会社そのものは残ります。会員から預かった預託金は会社の負債のまま、譲受企業の傘下に入った会社が返還の責任を負う形。会員のプレー権や年会費の取り決めも変わらないため、会員の動揺を抑えやすいのが利点です。その代わり、譲受企業は預託金の残高と返還の見込みを細かく調べ、価格に織り込みます。会員名簿と預託金台帳に食い違いがないか、売却を考えた時点で突き合わせておきたいところ。
事業譲渡や会社分割でもクラブ名を使い続ければ返還義務が及ぶ
元の会社に預託金を残す方法として、事業譲渡や会社分割でコースの事業だけを移す組み立てがあります。ところが最高裁は2004年2月20日の判決で、商号を続けて使う譲受人の責任を定めた規定を類推し、事業の主体を示すものとして使われてきたゴルフクラブの名称を譲受人が使い続けるなら、特段の事情(譲受後すぐに会員の優先的な利用を断ったなど)がない限り、預託金の返還義務を負うと判断しました。会社分割で事業を承継した会社に同じ考え方を当てはめたのが、2008年6月10日の判決。名称を引き継いだだけで、置いてきたはずの債務が追いかけてくることも。この危うさを踏まえて手法を選ぶ必要があります。
据置期間の延長は会員ごとの承諾が前提
据置期間は、会員が預託金の返還を求められない期間。理事会の決議や会則の変更でこの期間を延ばしてきたコースは少なくありません。しかし最高裁は1986年9月11日の判決で、預託金会員制のクラブの据置期間の延長には会員の個別の承諾が要り、承諾のない会員には延長を主張できないとしました。同意の書面が会員ごとにそろっていなければ、返還を求める訴えに発展するおそれも。同意の記録は早めに洗い出しておきましょう。
株式譲渡と事業譲渡で異なるゴルフ場の引継ぎ
どの手法を選ぶかで、引き継げるものと手続の重さに差が出ます。ゴルフ場には会員、地権者、自治体、従業員と利害関係者が多く、手法の違いがそのまま説明の手間に跳ね返るもの。会員契約や許可をそのまま残せる株式譲渡が選ばれやすく、事業譲渡は不採算のコースだけを切り離す場面などに用いられがちです。会社分割は、事業をまとめて移せる点で両者の中間にあたる手法。下表では、主な項目について株式譲渡と事業譲渡の違いを並べました。
| ゴルフ場で比べる項目 | 株式譲渡 | 事業譲渡 |
|---|---|---|
| 預託金の返還債務 | 会社の負債として残り、譲受後も会社が返還 | 移さない取り決めも可能。ただしクラブ名を続けて使うと返還義務を負うおそれ |
| 会員のプレー権 | 会員契約がそのまま続く | 会員ごとに引継ぎの同意が必要 |
| 地権者との賃貸借 | 賃借人は会社のまま。株主の変更に関する条項は確認 | 賃借権の譲渡に地権者の承諾が必要 |
| 造成時の許可条件・自治体との協定 | 会社が引き続き負う | 引継ぎや結び直しを自治体と協議 |
| クラブハウスの営業許可 | 会社に残り、役員の変更などは届出 | 飲食店は承継の届出、浴場も許可の対象なら承継届で引継ぎ |
| キャディ・コース管理の従業員 | 雇用契約がそのまま続く | 一人ひとりの同意を得て転籍 |
| 所有する土地・建物にかかる税 | 名義が変わらず、不動産取得税などはかからない | 不動産取得税と登録免許税がかかる |
会員への説明は買い手の会員施策とあわせて伝える
みつきコンサルティングが仲介した志摩ヨットハーバーの売却では、三重県でマリーナなどを営む会社が譲受企業となり、既存会員を含む利用者の利便性が高まりました。会員を抱える施設の売却では、新しい運営会社が会員に何を示せるかで、受け止め方は違ってくるもの。ゴルフ場なら、会員料金や優先予約の扱い、系列コースの利用、預託金の返還方針。当社では、こうした施策を譲受企業と詰めてから、理事会や会員への説明に臨みます。会員名簿や預託金台帳は、M&A仲介の手順に沿って秘密保持契約を結んだ候補にだけ開示するのが基本です。
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ゴルフ場のM&Aで特に注意すべき地権者・開発許可・コース管理の論点
契約書の束を開いたら、地代の振込先が亡くなった地権者のままだった、という場面は売却の準備で珍しくありません。土地と許可と人の確認は、早く始めるほど慌てずに済みます。
地権者との賃貸借で確かめる期間と承諾の条項
コースの一部を地元の地権者から借りて営むゴルフ場は少なくありません。コース部分の賃貸借は建物の所有を目的としないため、借地借家法ではなく民法の規定が基本。2020年4月の民法改正で存続期間の上限は20年から50年に延び、改正前の契約も、その後に更新を合意すれば新しい上限を使えます。事業譲渡では賃借権(土地を借りる権利)の譲渡に地権者の承諾が要り、株式譲渡でも、株主の変更を通知や承諾の対象とする条項があれば同じ配慮が必要です。売却を機に、地代の見直しを持ち出されることも。
相続で増えた地権者と地代の支払先
地権者が亡くなった後も、相続登記がされないまま元の名義人あてに地代を払い続けているケース。長く続くコースほど起こりがちです。2024年4月に相続登記が義務となり、過去の相続の分も含めて登記を促す仕組みが整いました。登記簿と地代の支払記録を突き合わせ、誰と契約を結び直すべきかを先に洗い出しておけば、譲受企業の不安を減らせるはず。
造成時の開発許可・林地開発許可の条件と調整池の管理
ゴルフ場の造成には、都市計画法の開発許可や、一定規模を超える森林の開発に要る森林法の林地開発許可が関わります。許可の条件として課された調整池(大雨の水をためて下流への流出を抑える池)の管理や森林の保全、地元の自治体と結んだ協定は、営業を続ける限り守るべき約束です。株式譲渡なら会社が負い続けますが、事業譲渡では協定の引継ぎを自治体と協議することに。太陽光発電などへの転用には、改めて許可が要る場合もあります。2023年4月からは、太陽光発電設備を設ける0.5ヘクタール超の開発行為も林地開発許可の対象になりました。
農薬の使用と排出水の水質の記録
芝の管理に使う農薬も、譲受企業のデューデリジェンス(譲受前の詳しい調査)で見られる項目です。環境省は2017年に指導指針を定め、ゴルフ場の排出水に含まれる農薬濃度の指針値を示しました。県によっては要綱で、排出水の農薬濃度の測定と知事への報告を求めているのが実情。測定結果の控えや使用の記録が欠けていると、環境面の懸念として価格の交渉に持ち出されかねません。
グリーンキーパーとキャディをつなぎとめる労務の確認
グリーンの仕上がりを支えるのは、芝を管理するグリーンキーパーの腕です。中心の担い手が売却を機に辞めてしまえば、譲受企業にとって予定外の痛手。残留の意向を聞く時期と処遇の約束は、条件の大枠が固まる前後で決めておくと安心です。労務の面では、早朝の芝刈りや夏場の長時間作業の時間管理、派遣キャディやコース管理の委託先との契約の中身が見られます。業務を委託していながら作業の指示は自社が出している、という形は是正の対象になることも。
ゴルフ場の譲渡価格を形づくるコース勘定の時価と預託金の差し引き
これだけ広い土地とコースがあるのに、なぜ思ったほどの値が付かないのか。答えの多くは、帳簿の数字の中にあります。
年買法の時価純資産に預託金がのしかかる理由
中小のゴルフ場の評価で最もよく使われるのが年買法(年倍法)です。資産と負債を時価で見直した時価純資産に、のれん(数年分の利益)を加える考え方で、算式は時価純資産+のれん。将来の収益から逆算するDCF法は、規模の大きい案件で補助的に用いる程度です。ゴルフ場で時価純資産を大きく動かすのは、土地とコースの時価、クラブハウスの状態、そして負債に計上された預託金。黒字のコースでも、預託金の残高しだいで株式の価値は小さくなり、計算上はマイナスに沈むこともあります。
土地として扱われるコース勘定は造成時の金額のまま
フェアウェイやグリーン、築山、池など、一体となってコースを構成するものは、税務上は土地に該当します(耐用年数の適用等に関する取扱通達2-3-6)。減価償却をしないため、帳簿のコース勘定には造成した当時の金額が残りがち。地価の高かった時期に造ったコースほど、時価との開きは大きくなります。時価純資産を出す際は、この差を引き直す作業が欠かせません。
預託金は額面で引くか、返還の見込みで引くか
預託金をいくらで差し引くかは、交渉の大きな焦点です。譲受企業は額面どおりの負債とみるのが基本ですが、会員の年齢構成や退会の動き、据置期間の満了時期によって、実際に返還を求められる額には幅が出ます。財務デューデリジェンスで預託金台帳を示す際は、返還の見込みも根拠とともに添えたいところ。差し引く額を巡る話し合いの土台になります。
買い手が来場者と会員の数字で確かめること
のれんの厚みを決めるのは、今の利益が来年以降も続くと思えるかどうか。その裏付けとして、譲受企業は決算書の外にある数字にも目を向けます。ゴルフ場の売上はプレー料金が大半を占め、食堂・売店とキャディフィが続くのが一般的な姿。だからこそ、来場者数と客単価の推移、会員の構成、人件費やコース管理費の重さを、直近3期分の月次で示せるかが評価の分かれ目になります。下表は、評価が上がりやすい状態と下がりやすい状態を並べたものです。
| 譲受企業が見る数字 | 評価が上がりやすい状態 | 評価が下がりやすい状態 |
|---|---|---|
| 年間の延べ来場者数 | 平日にも一定の来場があり、直近3期が横ばい以上 | 土日に偏り、天候で大きく振れる |
| 1人あたり客単価 | プレー料金に食堂・売店を加えた単価が上向き | 値引きのプランに頼り、単価が下がり続ける |
| 会員数と年会費の収入 | 会員の入れ替わりがあり、年会費の収入が安定 | 高齢化による退会が続き、収入が細る |
| 預託金の残高と据置期間 | 残高が小さい、または満了の時期が分散 | 満了が数年内に集中し、返還請求が相次ぐ |
| 予約経路の構成 | 自社サイトや会員、コンペ幹事からの予約が厚い | 予約サイトの低価格プランへの依存が大きい |
| 人件費とコース管理費 | セルフ化や乗用カートの導入で人件費率を抑えている | キャディ頼みで派遣の費用が膨らむ |
| 設備と土地の状態 | クラブハウスや散水設備の更新が済み、借地の契約期間が長い | 旧耐震のクラブハウスの建替えが迫り、借地の満了が近い |
預託金の多いコースで最初に並べる2つの試算
当社では、預託金の多いゴルフ場の相談を受けると、預託金を額面で差し引いた株式価値と、返還の見込みを織り込んだ株式価値の2通りを最初に並べます。差が大きいほど、交渉で詰めるべき幅がはっきりするためです。コース勘定の時価への引き直しから、譲渡益にかかる税金、社長個人に残る手取りまで一貫して試算できるのは、税理士法人グループのM&A仲介会社ならではの強み。帳簿が債務超過でも、営業の実力と個人保証の解除を軸に条件を組み立てられる場合があります。売却相場の目安は、最短1日の無料株価算定でお示しします。
コースを残すか土地を生かすかで変わるゴルフ場の買い手と打診
同じコースでも、誰に託すかで残るものが変わります。会員と従業員か、土地の価値か。打診の前に優先順位を決めておくのが近道です。
全国でコースを買い進める大手運営会社
有力な候補の筆頭は、全国でコースを保有・運営する大手です。平和は2025年1月、アコーディア・ゴルフの親会社の株式を企業価値で約5,100億円で取得し、パシフィックゴルフマネージメント(PGM)と並べて傘下に収めました。狙いは、管理費や仕入れの削減、予約サイトやポイントプログラムの共通化といった規模の効果。平和グループが保有・運営するゴルフ場は、2026年10月時点で323か所。それでも全国のコースの大半は、地域の会社や単独のオーナーが営んでいるのが実情。取得の余地はまだ広く残ります。
京浜急行電鉄が市原のコースをPGMへ譲った例
平和の2026年7月15日の開示によると、PGMは京浜急行電鉄から、千葉県市原市で18ホールを営む市原京急カントリークラブの全株式を取得する契約を結びました。目的は、保有ゴルフ場数の拡大と収益の向上による長期的に安定した収益基盤の構築です。10月1日からは「PGM市原カントリークラブ」として運営を開始。12月にはPGMの予約サイトやポイント制度を導入する予定です。
帳簿が債務超過でも買い手は付く
同じ開示で示された対象会社の2026年3月期は、売上高7億400万円、営業利益7,900万円。これに対し純資産はマイナス13億6,100万円と、3期続けて債務超過(負債が資産を上回る状態)でした。取得価額は非公表。それでも成約に至った事実は、営業で利益を出しているコースなら、帳簿の数字だけで売却をあきらめる必要はないことを示しています。
宿泊や別荘地と組み合わせるホテル・不動産の会社
ホテルや不動産の会社は、コースを宿泊施設や別荘地と組み合わせ、滞在型のリゾートとして生かす道を描きます。訪日客のゴルフ需要を取り込みたい会社にとって、空港や高速道路からの近さ、温泉や宿泊棟の有無は見逃せない材料。京浜急行電鉄のように鉄道会社がコースを手放す側に回ることもあれば、地域の観光の核として取得を考える会社もあります。コースと土地をまとめて評価してくれる相手として、選択肢に加えておきたい類型です。
投資ファンドや海外資本、用途の転換を狙う異業種
投資ファンドは、料金体系やセルフ化、予約の仕組みを見直して収益を高め、数年後に次の担い手へ引き継ぐ前提で投資します。訪日客の需要を見込んだ海外の資本が、関心を示すことも。もうひとつの類型が、太陽光発電や物流施設など、コースの用地そのものを生かしたい異業種です。土地の評価が高い半面、ゴルフ場としての営業は終わる可能性が高く、会員や従業員の行き先は別に考える必要が出てくるもの。コースを残したいなら、営業の継続を条件に入れるか、打診先から外すかを最初に決めておきましょう。
売却の噂が返還請求を呼ばないための打診
相談の場で社長からよく聞かれるのが、会員に知られずに進められるかという心配です。ゴルフ場では、売却の噂が先に広がると、据置期間の明けた会員から預託金の返還請求がまとまって届きかねません。みつきコンサルティングでは、コース名を伏せた概要書で関心の有無を探り、秘密保持契約を結んだ相手にだけ名前と数字を明かす進め方。案件を公開するマッチングサイトに並ぶゴルフ関連の案件は、インドアの練習場など小規模なものが中心です。会員や地権者を抱えるコースの中小企業M&Aなら、非公開で打診先を絞るほうが向いています。相談先を比べる際は、仲介会社の一覧で実績も見ておくと安心。
完全成功報酬
M&Aが成立した場合のみ、譲渡対価に応じた手数料を頂戴します。
売主様は、ご成約まで費用負担なくスタートできます。
着手金・中間金
0円
月額報酬
0円
成功報酬
成約時のみ
※レーマン方式
ゴルフ場の会社売却、オーナーの疑問に答えるQ&A
預託金や宿泊棟、冬の休場など、コースごとの事情から生まれる疑問にお答えします。
再開すれば名義書換料が入り、会員権を売って退会したい会員の受け皿にもなります。ただ、相場が預託金の額面を大きく下回るコースでは、売るより返還を求める会員が多くなりがち。再開しても、返還請求を抑える効果は限られることがあります。現場では、直近の相場と据置期間の満了時期を並べ、再開の時期を買い手の候補とも相談して決めます。
売却できます。再生計画で預託金の一部が免除され、残りを分割で返している途中なら、残りの返済予定と、会員ごとの権利の変更内容が調べられます。計画どおりに返済が進んでいるかは、買い手が気にかけるところ。再生の際に止めた名義書換をそのままにしているなら、再開の見通しも聞かれます。現場では、再生計画の写しと返済の記録を最初にそろえていただきます。
宿泊棟は旅館業法の許可を受けた施設のため、手法によって扱いが異なります。株式譲渡なら許可は会社に残りますが、事業譲渡では、2023年12月の法改正で設けられた手続に沿い、譲渡の前に承認を受けて営業者の地位を引き継ぐ形に。評価では、客室の稼働とプレー付きの宿泊プランの売上も見られます。訪日客を受け入れた実績があれば、国別の内訳まで資料にしておくと強みとして伝わります。
見つかる可能性はあります。冬季に休場するコースでは、営業日あたりの来場者数と、休場中も出ていく人件費や除雪、機械の維持費をどう示すかが評価の焦点です。通年で雇う人と季節で雇う人の内訳も確認の対象。夏の涼しさを目当てにした遠方客やツアー客の実績があれば、強みとして伝えましょう。ゴルフ場の売却を支援するみつきコンサルティングでは、月別の来場と費用を並べた表づくりから始めます。
まとめ|ゴルフ場の売却は預託金と地権者契約の確認から
ゴルフ場を売るときに価格の土台となるのは、預託金の差し引きとコース勘定の時価。クラブ名の扱いや地権者の承諾、造成時の許可の条件が、手法と日程を形づくります。会員や従業員、地元への思いが重なり、決断に迷うのは自然なこと。記録と契約をひとつずつ確かめていけば、コースを残す道は見えてきます。
みつきコンサルティングは、税理士法人グループに属する財務・税務に強いM&A仲介会社。中小企業のM&A仲介の実績経験が豊富で、M&Aに特化した専門スタッフが仲介会社の選び方に迷う段階から伴走します。ゴルフ場の会社売却なら、みつきコンサルティングへご相談ください。
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著者

- 事業法人第一部長/M&A担当ディレクター
-
みずほ銀行にて大手企業から中小企業まで様々なファイナンスを支援。みつきコンサルティングでは、各種メーカーやアパレル企業等の事業計画立案・実行支援に従事。現在は、IT・テクノロジー・人材業界を中心に経営課題を解決。M&Aの成約実績多数、M&A仲介・助言の経験年数は10年以上
監修者 神門 剛 代表取締役 / 公認会計士・税理士
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