パチンコ店の売却|遊技機代の高騰と会社分割で店を残すM&A事例

パチンコ店の売却は、遊技機代の高騰で新台入替の負担が重くなる前に、土地建物を残すか、どの店舗を切り出すかを決めておくほど選択肢が広がります。資本力の勝負になりつつある業界で、先行きに不安を抱えるオーナー経営者へ。台粗利や貯玉残高の示し方、会社分割による売却事例、許可の承継までを実務の目線で解説します。

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目次
  1. 法人数が10年で半減したパチンコホール業界の集約
    1. 総売上は12兆円台、経営法人は1,130社という二極化
    2. 大手チェーンが吸収分割で店舗網を広げる理由
  2. 設備代の高騰を前に宿泊事業へ軸足を移した遊技場2店舗の売却事例
    1. 10年前から温めていた遊技場の切り離し
    2. 相手の店舗を視察して決めた譲受企業
    3. 安堵より寂しさが勝った成約後
  3. 遊技機代の高騰とスマスロ対応が早めるパチンコ店の売却判断
    1. 毎月の新台入替が利益を先に削る構造
    2. スマスロ専用ユニット・新紙幣・改正健康増進法への投資
    3. 郊外大型店との競合と後継者不在が重なる地方ホール
    4. 店を手放して得られるものと失うもの
  4. 土地建物を手元に残せるかで変わるパチンコ店の売却手法
    1. 会社ごと譲る株式譲渡と、店舗を切り出す会社分割
    2. 不動産を残して貸す道で詰めておきたい条件
    3. 分割承認とカードユニットの切替をそろえる引渡し日の組み方
    4. 分割会社に残る借入と社長の個人保証の外し方
  5. 台粗利と不動産の評価で組み立てるパチンコ店の譲渡価格
    1. 年買法で考える時価純資産とのれん
    2. 譲受企業が台ごとに読み込む数字
    3. 社長個人への地代と役員報酬を相場に置き直す
  6. 貯玉残高と遊技機の変更承認が問われる買い手の調査
    1. 貯玉・貯メダルは来店客からの預かりとして差し引かれる
    2. 遊技機の変更承認と検定・認定の期限をそろえた台帳
    3. 賞品の買取禁止と広告宣伝・屋内禁煙への対応記録
    4. 管理者を兼ねる店長と主任の残留をどう約束するか
  7. 全国チェーンから跡地の利用者まで広がるパチンコ店の買い手
    1. 台数と駐車場を備えた大型店に関心を寄せる全国チェーン
    2. ドミナントと人材の受け皿を求める地場の中堅同業
    3. 営業の引継ぎが難しい店は跡地を使う異業種へ
  8. パチンコ店の売却を検討する経営者からのよくある質問
  9. パチンコ店の遊技機投資と売却相談先選び
    1. パチンコ店の会社売却の関連コラム
M&Aの基本や会社売却の進め方を電話相談|0120-169-256・24時間受付

パチンコホールの売却相談では、価格より先に「土地と建物は手元に残せるのか」と尋ねられることがよくあります。本記事は、パチンコ店を営み、会社売却を考え始めたオーナー経営者に向けたものです。この業種では、新台購入の借入に付いた社長の個人保証、会員が店に預けた貯玉の残高、公安委員会による分割の承認時期が、交渉の終盤に重なって表に出がち。何から手を付けるかを順にお伝えします。

法人数が10年で半減したパチンコホール業界の集約

10年前に約2,500社あったパチンコホールの経営法人は、いまや半分以下。数が減るほど、残った店舗をめぐるM&Aは活発になっています。

総売上は12兆円台、経営法人は1,130社という二極化

帝国データバンクが2026年8月に公表した調査では、2025年のパチンコホール経営法人は1,130社と、前年から5.9%減りました。2016年の2,492社と比べると54.7%の減少です。その一方で総売上高は12兆433億円と2年続けて増え、黒字企業の割合も71.6%と5年ぶりに7割を超えています。売上が体力のある会社に集まり、差が開いていく構図。2025年に16件と落ち着いた倒産も、2026年は6月までに14件と、再び増える兆しを見せ始めました。

大手チェーンが吸収分割で店舗網を広げる理由

法人数が減っても、店が一斉に消えるわけではありません。営業中の店を大手チェーンが吸収分割などで引き継ぎ、屋号を掛け替えて続ける例が目立ちます。新たに出店しようにも、用途地域の制限や学校・病院などからの距離の基準があり、条件の合う土地は限られているのが実情。すでに許可を得て営業している店舗そのものに値が付くのは、このためです。譲受側から見れば、店を引き継ぐことは立地と時間をまとめて手に入れる近道になります。

三重県の2店舗が全国チェーンへ移った例

ダイナムは2023年10月、三重県志摩市の株式会社ハワイが営む2店舗の営業権を、吸収分割で取得すると発表しました。効力発生日は同年12月1日の予定。チェーンストア経営による多店舗展開を目的に、地域密着型のサービスを広げることを見込んでいます。同年6月にも岐阜県の会社から5店舗を同じ手法で取得すると公表しており、新規出店と並ぶ拡大策として分割を使う姿勢がうかがえます。

▷関連:レジャー業界のM&A|インバウンド回復と設備投資が動かす譲渡事例

設備代の高騰を前に宿泊事業へ軸足を移した遊技場2店舗の売却事例

千葉県で遊技場3店舗と宿泊施設を営む会社が、うち2店舗を会社分割で譲った案件です。

三徳実業株式会社から株式会社アビバへのパチンコホール事業譲渡(M&A成約事例)を表現する店舗イメージ画像

10年前から温めていた遊技場の切り離し

売上約57億円の会社を率いる40代の社長は、10年ほど前から譲渡を考えていました。設備代が高騰し、業界が資本力と規模の勝負に変わるなか、地域の独立系では同じ投資を続けにくいとの判断。祖業が好調なうちに、宿泊事業などへ経営資源を移す道を選びました。

相手の店舗を視察して決めた譲受企業

譲受企業は、神奈川県で遊技場を展開する大手でした。社長は相手の店を視察し、その営業ぶりから2店舗を末永く運営してくれると判断。条件だけでなく、地域の人々に楽しんでもらえる場であり続けることを重んじました。業界経験のあるみつきコンサルティングの助言で、卑屈にならず交渉できたといいます。

安堵より寂しさが勝った成約後

成約は2024年11月。社長は、ともに働いてきた従業員と離れる寂しさの方が大きいと振り返ります。交渉中は常に代替案を用意し、心の平衡を保っていたそうです。

【インタビュー全文】設備代の高騰を前に、祖業の遊技場2店舗を譲った社長の決断を読む

遊技機代の高騰とスマスロ対応が早めるパチンコ店の売却判断

業績が傾いてから手放すとは限りません。黒字の店ほど、次の設備投資を自分の代で背負うのかという問いに、早く向き合っています。

毎月の新台入替が利益を先に削る構造

パチンコ店は、新台を入れ続けなければ客足を保ちにくい業態です。人気機種の導入が遅れれば、常連は近くの大型店へ流れてしまいます。ところが遊技機の価格は上がり続けており、当社が支援した遊技場の社長も、台の値段が以前の1.5倍から2倍ほどに上がったと話していました。機械代が粗利を先に削り、残りで人件費や返済を賄う形。この負担を毎月続けられるかどうかが、売却を考え始める最初の分かれ目になります。

スマスロ専用ユニット・新紙幣・改正健康増進法への投資

スマスロやスマパチと呼ばれるスマート遊技機は、客が玉やメダルを直接扱わない仕組みで、導入には専用ユニットへの切替が伴います。2024年7月の新紙幣発行では、台間の貸出機や精算機の改修も避けられませんでした。2020年4月に全面施行された改正健康増進法で店内は原則禁煙となり、喫煙専用室の設置や空調の見直しに追われた店も多いはず。いずれも客数を直接増やす投資ではないもの。小規模な会社ほど、借入でつなぐ期間が長くなります。

郊外大型店との競合と後継者不在が重なる地方ホール

地方の単独店や数店舗のチェーンでは、近くに大型店が出ると客層ごと奪われがちです。商圏の人口が減るなかで台数を増やす余地も乏しく、改装しても投資を回収できるかは読みにくいのが悩みどころ。加えて、子どもは別の道を選び、社内にも経営を任せられる人が見当たらないという声も多く聞きます。親族への事業承継が難しく、そこへ設備の更新時期が重なったとき、売却が現実の選択肢として浮かびます。

店を手放して得られるものと失うもの

会社を売りたいと思い始めたら、何が得られて何を手放すのかを一度書き出してみると、迷いの正体が見えてきます。下表は、パチンコ店の譲渡オーナーが売却で得られるものと、引き換えになりやすいものを並べたものです。数字に表れにくい項目も含めているので、家族や幹部と話し合う材料にしてください。

譲渡オーナーのメリット譲渡オーナーのデメリット
新台入替の資金負担から離れられる
毎月の機械代と、そのための借入を自社で背負い続ける必要がなくなります。

社長の個人保証を外す道筋がつく
建物や遊技機の購入資金に付いた保証を、返済や譲受企業への切替で解消できます。

店と従業員の働く場を残せる
閉店すれば失われる店長やホールスタッフの雇用を、譲受企業が引き継ぎます。

撤去・解体の費用を負わずに済む
閉店すれば出ていく遊技機や島設備の撤去費、建物の解体費を自社で負担せずに済みます。

土地建物を賃料収入に変えられる
会社分割で営業だけを譲れば、不動産は手元に残して貸すこともできます。

残す事業へ資金を振り向けられる
宿泊や不動産など、続ける事業へ経営資源を集めやすくなります。
営業権が付かない場合がある
稼働の低い店は、ホールとしてより物件として見られ、のれんが乗りにくくなります。

屋号と営業方針が変わる
譲受企業の屋号や機種構成、販促の方針に統一され、地域に合わせた工夫が消えることも。

貯玉の扱いで常連客が戸惑う
会員システムの切替で、貯玉の移し方や再プレイの条件が変わる場合があります。

地元の組合や取引先との関係が変わる
遊技業協同組合や景品の仕入先との付き合いを、譲受企業へ引き継ぐことになります。

一定期間の引継ぎを求められる
社長や店長が、引渡し後もしばらく店に関わる条件が付くことがあります。

情報が漏れると現場が揺らぐ
地域で目立つ業態だけに噂が広まりやすく、スタッフの離職を招きかねません。

なかでも見落としやすいのが、常連客の貯玉の扱い。会員の不満は店の評判に直結するため、譲受企業の方針を早めに聞いておくと安心です。

▷関連:サービス業のM&A|人手不足と許認可承継で変わる譲渡事例と相場

土地建物を手元に残せるかで変わるパチンコ店の売却手法

店は売りたいが、土地まで手放す必要はあるのか。自社物件で営むホールの社長から、最初に寄せられることの多い問いです。

会社ごと譲る株式譲渡と、店舗を切り出す会社分割

ぱちんこ屋は風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)の4号営業にあたり、営業所ごとに都道府県公安委員会の許可を受けています。会社ごと譲る株式譲渡なら、許可を持つ会社は変わりません。一部の店舗だけを譲るなら会社分割が中心で、分割の前に公安委員会の承認を受ければ、許可の地位を譲受側が引き継げます。店舗や設備を個別に移す事業譲渡には承継の仕組みがなく、許可の取り直しが前提。土地建物の持ち方ごとの形は、表中のとおりです。

売却の形店舗の土地建物売却で得られるもの気をつけたい点
株式譲渡で会社ごと譲る会社の資産として一緒に移りますオーナーが受け取る株式の譲渡代金不動産の含み益を価格に織り込む交渉が要ります
会社分割で営業だけを切り出す自社に残し、譲受企業へ貸します自社が受け取る分割の対価と毎月の賃料賃料を高くするほど、分割の対価は下がりやすくなります
会社分割で営業と不動産をまとめて移す分割先の会社へ一緒に移ります自社が受け取る分割の対価登記や税の負担を、分割の設計ごとに比べておきます
閉店して物件だけを売る・貸す跡地として売却または賃貸します物件の売却代金や賃料営業の価値は付かず、遊技機の撤去費が先に出ます

不動産を残して貸す道で詰めておきたい条件

自社で土地建物を持つホールでは、営業だけを譲り、不動産は貸して賃料を受け取りたいという希望がよく聞かれます。毎月の収入が残るのは魅力ですが、賃料を高く置くほど譲受企業の採算は苦しくなり、そのぶん譲渡価格は下がりやすい関係。ホールの建物は天井が高く窓も少ないため、ほかの用途へ転用しにくいのも悩ましい点です。大規模修繕や空調の更新をどちらが負担するか、契約期間を何年にするかまで、賃貸借の条件として最初に詰めておくと後のもめごとを防げます。

分割承認とカードユニットの切替をそろえる引渡し日の組み方

支援現場では、引渡し日から逆算して、公安委員会への分割承認の申請と、各台のカードユニットや会員システムの契約の切替を同時に追いかけます。台間のユニットや島設備は設備会社との契約で動いていることが多く、運営会社が替わる際の名義変更や精算の条件は契約ごとに異なるもの。承認が下りても、システムの切替が間に合わなければ営業日に穴が空きかねません。複数の契約を並べて日程を組むことこそ、M&A仲介が担う実務の中身です。

分割会社に残る借入と社長の個人保証の外し方

会社分割で一部の店舗だけを譲ると、その店の建物や遊技機のために借りた資金が、分割後も自社に残ることがあります。社長の個人保証も付いたまま、というのはよくある話。当社では、分割の対価で店舗にひも付く借入を返す順番と、残る事業の返済計画を金融機関へ先に示し、保証の解除まで道筋を描きます。どの債務を分割先へ移すかは分割契約で決められるため、金融機関の同意を得る時期も早めに見込んでおくと安心です。

台粗利と不動産の評価で組み立てるパチンコ店の譲渡価格

帳簿の純資産をもとに希望額を決め、提示額との開きに驚く。パチンコ店の売却で、よく起こるすれ違いです。

年買法で考える時価純資産とのれん

中小のパチンコホールで最もよく使われるのが年買法(年倍法)です。算式は「時価純資産+のれん」で、時価純資産にのれん(数年分の利益)を加えて目安を出します。業界では、営業利益に減価償却費や役員報酬の調整を足した修正EBITDAに倍率を掛ける見方も使われますが、その倍率は不動産を持つか借りるかで大きく変わります。将来の収益から逆算するDCF法や、上場企業と比べる類似会社比較法は、規模の大きい案件で補助的に用いる程度です。

耐用年数2年の遊技機は中古相場で洗い直す

税法上のパチンコ器の耐用年数は2年と短く、導入から間もない台でも帳簿の金額は小さくなっています。時価純資産を出す際は、人気機種なら中古の相場で上乗せし、検定や認定の期限が近い台や撤去予定の台はほぼゼロとして扱うのが通例。帳簿と実際の価値が最もずれやすい資産のひとつです。

自社所有の土地建物と閉店時の解体費

土地建物を持つ店では、時価純資産の大半を不動産が占めることも珍しくありません。郊外の広い敷地は含み益を生みやすい反面、ホールとして使い続けない前提なら、建物の解体や島設備の撤去にかかる費用が差し引かれます。営業を続けて引き継ぐ場合の価値と、更地にした場合の価値。両方を並べておくと、提示額の妥当さを判断しやすくなります。

譲受企業が台ごとに読み込む数字

のれんの厚みを決めるのは、店がどれだけ安定して稼げるか。下表の数字を店舗別・月別に出せる会社ほど、譲受企業の評価はぶれにくくなります。なかでも台粗利と機械代比率は、稼ぐ力と投資の重さを同時に映すため、最初に求められることの多い数字です。いずれも決算書には出てこないため、ホールコンピューターの集計から早めに抜き出しておきましょう。賃借店舗であれば、1台あたりの賃料も必ず見られます。

着目される数字中身譲受企業が見る理由
設置台数とパチスロ比率パチンコとパチスロの台数、その構成店の規模や客層、入替負担の大きさを読むため
稼働(アウト)1台あたり1日に使われた玉やメダルの量集客力の実力値を測るため
台粗利1台1日あたりの粗利収益の厚みを示し、価格の土台になるため
貸玉・貸メダル料金の構成4円・1円パチンコ、20円・5円スロットなどの台数比率低貸しの比率で客単価と粗利率が変わるため
機械代比率粗利に占める新台・中古台の購入費譲受後に要る投資の重さを見積もるため
1台あたり商圏人口商圏の人口を周辺の総台数で割った値競合の多さと伸びしろを測るため
敷地・駐車場・建物敷地面積、駐車台数、築年数、耐震性増台の余地と修繕費を読むため
1台あたり賃料賃借店舗の家賃を設置台数で割った値譲受後の採算が合うかを見るため

社長個人への地代と役員報酬を相場に置き直す

みつきコンサルティングでは、パチンコホールの価格を試算する際、社長個人や親族の会社に払っている地代と、役員報酬を最初に相場の水準へ置き直します。社長が自分の土地を店に貸している例は多く、地代が相場より高ければ利益は小さく、低ければ大きく見えてしまうからです。税理士法人グループの目線で決算書をならし、実際の稼ぐ力を示したうえで交渉に臨む。提示額が妥当かを見極めるには、売却相場の考え方も役立ちます。

貯玉残高と遊技機の変更承認が問われる買い手の調査

譲受企業のデューデリジェンスで時間を取られるのは、決算書よりもホールの中に残る記録。どこが見られるのかを先に知っておけば、慌てずに済みます。

貯玉・貯メダルは来店客からの預かりとして差し引かれる

会員カードに残る貯玉や貯メダルは、会員が店に預けている玉やメダルです。財務デューデリジェンスではこれを実質的な負債として数え、残高のぶんを譲渡価格から差し引くことが多くなります。再プレイの上限や有効期限の規約、休眠会員の残高をどう処理してきたかも問われるところ。会社分割であれば、会員と貯玉をどちらの会社が引き継ぐかを分割契約に書き込み、システム移行の日に残高を確定させる段取りが欠かせません。

遊技機の変更承認と検定・認定の期限をそろえた台帳

新台を入れたり台を入れ替えたりするたびに、ぱちんこ屋は公安委員会の承認を受けなければなりません。譲受企業は、店に設置されている台と承認の記録、検定や認定の期限が一致しているかを台帳で突き合わせます。遊技機の性能に影響する無承認の変更が見つかれば、営業停止などの行政処分につながるおそれも。中古台を買ったときの書類も含め、設置の経緯を一台ずつ説明できる状態にしておくと、調査は短く済みます。

賞品の買取禁止と広告宣伝・屋内禁煙への対応記録

風営法は、客に提供した賞品を店が買い取ることを禁じています。そのため景品の仕入先との取引や在庫の記録は、調査で必ず開かれる資料のひとつ。射幸心をあおる広告宣伝への規制もあり、SNSでの告知や来店イベントの中身まで調べられます。18歳未満を立ち入らせない仕組み、業界が進める自己申告・家族申告プログラムへの対応、喫煙専用室が基準を満たしているかも確認の対象です。指摘を受けた履歴があれば、先に伝えておくほうが交渉はこじれません。

管理者を兼ねる店長と主任の残留をどう約束するか

よくある相談として、店長や主任が辞めてしまわないかという不安があります。風営法では営業所ごとに管理者を選ぶ決まりがあり、店長が兼ねている店では、その退職が届出の手続にも直結します。機種の選定や入替の計画を担う社員も、稼働を支える要。当社の案件では、譲受企業の処遇や配属の方針を基本合意の前に聞き取り、従業員説明会で何を伝えるかを譲渡オーナーと一緒に決めていきます。相談先を比べる際は、遊技場での実績を仲介一覧で見比べてみてください。

全国チェーンから跡地の利用者まで広がるパチンコ店の買い手

店の引受先は、同業のパチンコホールだけではありません。店舗の規模と立地によって、関心を寄せる相手はがらりと変わります。

台数と駐車場を備えた大型店に関心を寄せる全国チェーン

全国に店舗を持つチェーンが求めるのは、台数が多く、広い駐車場を備えた郊外の大型店や、人通りの多い駅前の店です。自社の機械購入や人材育成の仕組みに乗せれば、単独店より低いコストで運営できるため、条件が合えば評価は高くなりやすい相手。ただし自社の基準に合わない店は、引き継いだ後に閉じる判断も早い傾向にあります。店と雇用を長く残したいなら、譲受後の運営方針まで聞いたうえで相手を選ぶことをおすすめします。

ドミナントと人材の受け皿を求める地場の中堅同業

同じ県内や隣のエリアで店舗を営む中堅の同業は、近くの店をまとめて商圏を固めたいと考えています。景品や遊技機の仕入れを一本化でき、店長や主任を自社の人材として迎え入れられるのも利点。地域の遊技業協同組合で顔なじみの相手であることも多く、話が早く進む反面、情報が漏れやすい点には気を配る必要があります。打診の順番を誤らないことが、中小企業のM&Aでは価格以上に効いてくる場面もあります。

営業の引継ぎが難しい店は跡地を使う異業種へ

稼働が落ち込み、ホールとしての引受先が見つからない店でも、土地には別の値が付きます。郊外の広い敷地と駐車場は、ドラッグストアやスーパー、物流施設などの出店用地として関心を集めやすいもの。この場合は営業の価値が付かず、遊技機や島設備を撤去したうえでの物件の売却や賃貸が中心です。ホールとして譲るか、物件として手放すか。両方の相手に並行して声をかけ、条件を比べてから決めても遅くはありません。

M&Aが成立した場合のみ、譲渡対価に応じた手数料を頂戴します。
売主様は、ご成約まで費用負担なくスタートできます。


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パチンコ店の売却を検討する経営者からのよくある質問

店舗網の大小を問わず、パチンコホールのオーナーから実際に寄せられた質問にお答えします。

Q:複数の都道府県に店舗がある場合、手続はどう進みますか?

許可は都道府県公安委員会ごとに出ているため、会社分割で店舗を移すなら、承認の申請もそれぞれの公安委員会に行います。求められる書類や審査の期間には地域差もあり、引渡し日は最も時間のかかる県に合わせるのが現実的。株式譲渡でも、役員が替われば各公安委員会への変更の届出が要ります。現場では、店舗ごとの所轄警察署と提出書類を一覧にし、承認の見込み時期を並べてから日程を引きます。

Q:割賦で購入した遊技機が残っていても売却できますか?

売却はできます。ただ、販売会社が代金の完済まで所有権を留保している台は、帳簿上は資産でも、残りの支払額が実質的な借入として価格から差し引かれます。会社分割なら、その債務をどちらの会社が引き継ぐかも分割契約で決めておく項目のひとつ。契約によっては販売会社の承諾が要るため、台ごとの支払状況と契約書の条項を先に洗い出しておきます。承諾の要否と残債の扱いは、契約の内容次第です。

Q:駐車場を複数の地主から借りています。売却に影響しますか?

影響が出やすい部分です。郊外のホールでは駐車場の広さが稼働に響くため、譲受企業は契約期間や解約の条項、譲渡の制限を一筆ずつ読み込みます。口約束のまま借りている土地があれば、早めに書面を整えておきたいところ。株式譲渡なら契約は続きますが、会社分割では地主の承諾が要る場合もあります。みつきコンサルティングでは、地主へ説明する順番まで譲渡オーナーと決めて動きます。

Q:遊技業協同組合への加入や地域の負担金は、売却後どうなりますか?

扱いは組合の規約次第です。株式譲渡なら、加入している会社自体は変わりません。会社分割や屋号の変更を伴う場合は、譲受企業による加入や届出が要るかを、事務局へ早めに問い合わせておきましょう。出資金や賦課金の精算、防犯や地域行事への協力をどう引き継ぐかも、引渡し前に決めておきたい項目。地元の組合との関係は、店の評判や地域での信用にも響くため、引継ぎの段取りに組み込んでおくと安心です。

税理士法人を母体とするM&A仲介会社|みつきコンサルティングが選ばれる理由

パチンコ店の遊技機投資と売却相談先選び

台粗利と機械代の重さ、土地建物の持ち方、貯玉や遊技機の承認記録。パチンコ店の売却では、この三つが価格と手法の選び方を大きく動かします。祖業の店を手放す決断には、従業員や常連客への思いが重なるもの。数字と記録を店舗ごとにそろえておけば、店を残す道は見つけやすくなります。

みつきコンサルティングは、税理士法人グループに属する財務・税務に強いM&A仲介会社で、中小企業のM&A仲介の実績経験が豊富です。遊技場の案件を手がけたM&A特化の専門チームが、相談先選びの段階から伴走します。パチンコ店の会社売却なら、みつきコンサルティングへご相談ください。

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著者

田原 聖治
田原 聖治事業法人第一部長/M&A担当ディレクター
みずほ銀行にて大手企業から中小企業まで様々なファイナンスを支援。みつきコンサルティングでは、各種メーカーやアパレル企業等の事業計画立案・実行支援に従事。現在は、IT・テクノロジー・人材業界を中心に経営課題を解決。M&Aの成約実績多数、M&A仲介・助言の経験年数は10年以上
監修者 神門 剛 代表取締役 / 公認会計士・税理士

みつきコンサルティングは、中小企業の会社売却・事業承継に特化した譲渡企業様に完全成功報酬制のM&A仲介会社です。売り手と買い手企業の最適なマッチングを、経験豊富なM&Aコンサルタントが初期相談から成約まで一貫してフルサポートします。

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