M&Aを実施する際には、基礎知識をはじめ、流れや手法などの理解が大切です。この記事では、小説や参考書でM&Aを学ぶメリットや、書籍の選び方について解説します。初心者向けから譲渡側向け、譲受側向けまで、M&Aが学べるおすすめの小説や参考書も紹介するため、ぜひ参考にしてください。
小説や参考書でM&Aについて学ぶメリット
M&Aについて理解を深める方法として取り組みやすいのは、書籍の活用でしょう。ここでは、小説や参考書で学ぶメリットについて解説します。
M&Aを成功させるための知識を得られる
M&Aは、実施すれば必ず成功するものではありません。思うような成果を挙げられず、失敗に終わるケースもあります。M&Aを成功させるには、M&Aの初歩的な知識や実務に関する知識まで、基礎を身に付ける必要があります。小説や参考書は、M&Aの成功事例や失敗事例、戦略的なアプローチがわかりやすくまとめられているため、知識を効率的に習得できるツールといえるでしょう。
M&Aの流れを把握できる
小説や参考書を読むと、M&Aの全体像を把握できます。M&Aの一連の流れを、ストーリー形式で理解できる構成の書籍もあります。M&Aのプロセスごとに順を追って読むことで、全体像が捉えやすくなり、M&Aのプロセスについて、よりスムーズに理解できるでしょう。
さまざまなM&Aの手法を把握できる
M&Aは、株式譲渡以外にも合併や事業譲渡など、さまざまな手法があります。各手法には異なるメリットとデメリットが存在し、M&Aを成功させるには、適切な手法を選ぶための知識が必要です。M&Aのさまざまな手法がまとめられた書籍であれば、いくつもの手法を比較しながら学ぶことができるでしょう。
失敗しないためのポイントを押さえられる
M&Aは失敗することも多く、その原因はさまざまです。小説や参考書では、失敗事例やその原因、失敗を防ぐポイントを学べます。成功事例だけではなく、失敗事例も学んでおくことで、実際にM&Aを行う際に、状況に応じた適切な対応や対策を取りやすくなるでしょう。
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M&Aが学べるおすすめの小説3選
M&Aを題材にした小説には、リアリティに富んだものが数多くあります。ここでは、ストーリーを楽しみながらM&Aを学べる、おすすめの小説を紹介します。
企業買収
木俣 貴光著・中央経済社刊
大手食品メーカーが、中堅水産物商社を譲受するまでのストーリーを描いた実務小説です。筆者が手がけた複数のM&A案件をベースにしたリアル・フィクション作品です。M&Aを進めるうえで重要なのは法律や会計だけでなく、「人間関係や感情」であることを強調しています。M&Aで成約を目指すプロフェッショナルの姿を描いており、読者は実務上のポイントを学べるでしょう。
王の家
江上 剛著・光文社刊
物語の主役は、日本一の家具店を一代で築いた「家具王」の宝田壮一です。壮一の後継者として登場する三姉妹の思いと野心が、不協和音を生み出すストーリーで、後継者選びに揺れる複雑な心情が描かれています。M&Aにおける後継者選びや家族経営の複雑な問題をリアルに描いており、経営承継に興味のある人にとっては、特に考えさせられる作品といえるでしょう。
小説M&Aのファンタジー
田口 宏雄著・創英社刊
経済と金融のグローバル化を背景として、「M&A」抗争の渦中に巻き込まれた男女の数奇な生涯を描いた作品です。物語は、日本とフランスの地で繰り広げられる「M&A」と「男女」の狭間に生まれる愛憎劇からはじまります。経済の常識である「M&A」と、2人の男女の運命が絡み合い、過酷な試練と困難に立ち向かう姿が描かれています。
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【初心者向け】M&Aが学べるおすすめの参考書4選
M&Aには、さまざまな手法や手続きがあるため、何から学べばよいのか迷う人も少なくありません。ここでは、これからМ&Aを学ぶ人に向けて、M&Aの基礎を学べる書籍を紹介します。
図解でわかるM&A入門
桂木 麻也著・翔泳社刊
M&Aについて、基礎から詳細な内容まで、わかりやすく解説された入門書です。クロスボーダーM&Aをはじめとする、国際間のM&Aに関する情報も含まれています。
まんがでわかる オーナー社長のM&A
大山 敬義著・すばる舎刊
M&Aに関する知識を、まんがで学べる書籍です。相続や事業承継など、中小企業オーナーが直面する多くの課題について、M&Aが解決策であることをわかりやすく説明しています。中小企業のオーナーや家族経営の会社を経営している人におすすめです。
M&A入門 2024年版
日本経済新聞出版社著・刊
中小企業の出口戦略としてM&Aを考えている経営者や、事業承継に関心のある人向けの入門書です。現代の中小企業が直面する課題に焦点をあてて、M&Aを活用した事業継続の重要性を強調しています。
Q&Aでよくわかる 中小企業のためのM&Aの教科書
篠田 康人著・総合法令出版刊
M&Aに関する理解を深めるのに役立つ、中小企業向けの参考書です。会社を譲渡する側や譲受する側、そしてM&Aに興味を持つ中小企業に特化した、価値のある情報を提供しています。
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【譲渡側向け】M&Aが学べるおすすめの参考書4選
M&Aにおいては、会社を譲渡するのか譲受するのかによって、理解するべきポイントが異なります。ここでは、譲渡側の立場でМ&Aを学びたい人におすすめの書籍を紹介します。
M&Aで創業の志をつなぐ 日本の中小企業オーナーが読む本
中村 悟著・日経BP刊
地域、業種、規模が異なる10人の中小企業オーナーがM&Aを選んだ経緯と、М&A後のストーリーが詳細にまとめられています。複数の事例を学ぶことで、自社に適したМ&Aの進め方のヒントが得られるでしょう。
小さな会社のM&A あなたの会社は高く売れます
岡本 行生著・ダイヤモンド社刊
経営者向けのM&A解説書で、中小企業に焦点をあてています。著者はM&Aの実態を、経験と実際の事例から本音ベースで詳細に解説しており、譲渡市場の今をとらえた一冊といえるでしょう。
損をしない会社売却の教科書~中小企業のためのM&A戦略~
江野澤 哲也著・ビジネス社刊
事業承継M&Aにおいて、失敗を避けて最良の結果を得るための情報を提供しています。著者はオーナー経営者に向けて、M&Aの進め方を正しく理解し、会社の譲渡プロセスを成功させる方法を伝えています。
会社売却とバイアウト実務のすべて
宮崎 淳平著・ 日本実業出版社刊
中小・中堅企業やベンチャー企業に向けて、譲渡のプロセスや譲渡価格など、譲渡側の視点からM&Aを解説しています。幅広い読者に適している知識本といえるでしょう。
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【譲受側向け】M&Aが学べるおすすめの参考書 3選
M&Aにより会社を譲受する側においては、さまざまな手続きが生じます。ここでは、譲受側の立場でМ&Aを学びたい人に適した書籍を紹介します。
企業買収の実務プロセス(第3版)
木俣 貴光著・中央経済社刊
M&Aにおけるディール遂行上のポイントを、時系列で解説するロングセラーの実務書です。令和元年の会社法改正や税制改正の制度変更に 対応し、M&A戦略の立案やバリュエーションの論点が加筆・修正されています。
この一冊でわかる!M&A実務のプロセスとポイント(第2版)
大原達朗著・中央経済社刊
M&Aの実務プロセスを、わかりやすく解説しています。譲渡側と譲受側の両方の視点から情報を提供し、M&A担当者が把握すべき要点を簡潔にまとめています。
買い手の視点からみた中小企業M&AマニュアルQ&A(第2版)
横井 伸著・中央経済社刊
中小企業の譲受において、実務の現場をリアルに再現し、成功への効率的なアプローチ方法に焦点をあてた参考書です。最新の実務動向に対応した内容になっています。
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M&Aに関する小説・参考書を選ぶときのポイント
M&Aに関する書籍は多数あります。ここでは、小説や参考書の選び方について解説します。
M&Aの定義・基本用語・流れについて把握する
M&Aには多くの専門用語が存在し、初学者にとっては理解が難しいことがあります。そのため、初心者向けの書籍を活用して、基本用語や大まかな定義を学ぶとよいでしょう。基礎知識を身に付けてから、実際の事例が掲載された書籍を読みましょう。M&Aの基本的な流れを理解することで、書籍の事例が自社に適用できるかどうかを判断できます。
自身のレベルや目的に合った小説・参考書を選ぶ
M&Aを題材にした小説や参考書は多数ありますが、自身のレベルや目的に合った書籍を選びましょう。はじめから難しい書籍を選んでも、用語や内容が理解できず、実務に活かせるほどの知識は身に付きません。これからM&Aについて学ぶ人は、初心者向けの本でM&Aの基本概念や流れを把握し、基礎知識を理解することから始めることをおすすめします。
M&Aが学べる小説・参考書のまとめ
M&A(合併と譲受)に関する知識を習得する手段として、小説や参考書は、M&Aの流れを把握し、失敗しないためのポイントを学ぶことができる点が、大きなメリットです。初心者向け、譲渡側向け、譲受側向けなど、多くの書籍のなかから、自分のレベルに合った書籍を選びましょう。
みつきコンサルティングは、M&A関連のさまざまな需要に応えます。また、M&Aだけではなく、事業所内承継、親族内承継など、多岐にわたる選択肢を提供しています。
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著者
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宅食事業を共同経営者として立ち上げ、CFOとして従事。みつきコンサルティングでは、会計・法務・労務の知見を活かし、業界を問わず、事業承継型・救済型・カーブアウト・MBO等、様々なニーズに即した多数の支援実績を誇る。
監修:みつき税理士法人
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