10年後の企業生存率は66.5%?倒産原因・廃業させないポイント

企業の生存率(存続率)とは、起業後に廃業・倒産に至らず事業を存続できている割合のことを言います。日本企業は、起業後5年で約8割の企業が生存しており、海外の企業と比べ高い水準を保っています。本記事では、企業が存続するために、倒産原因や生存率を高めるポイントについて解説します。

企業生存率(存続率)とは

企業生存率とは、起業・開業した会社が廃業や倒産せずに、経営を続けることができる割合を指します。

少し古いデータとなりますが、中小企業白書(2017年)によれば、日本企業の生存率は以下のように推移しています。

起業後1年:95.3%

2年:91.5%

3年:88.1%

4年:84.8%

5年:81.7%

また、欧米諸国と比べた5年後の企業生存率は以下の通りです。

日本:81.7%

アメリカ:48.9%

イギリス:42.3%

ドイツ:40.2%

フランス:44.5%

上記のデータから、日本企業の生存率は、欧米諸国と比較して高いことがわかります。

2024年、休廃業・倒産は過去最多

2025年1月発表の東京商工リサーチによる『2024年 休廃業・解散企業 動向調査』によると、2024年の休廃業・解散企業件数は6万2,695件で、過去最多となりました。倒産を含めると約7万2,700件で、こちらも過去最多となりました。

2024年、休廃業企業の代表者の平均年齢は72.6歳

同調査によると、2024年に休廃業した企業の代表者の平均年齢は72.6歳で、2023年の72.0から少し伸びています。休廃業した企業の代表者の年齢別に見ると、70代が最も多く41.6%で、次いで80代以上が26.2%、60代が19.6%であったようです。

10年目の企業生存率

上記の生存率データ(5年目で81.7%など)は、帝国データバンクのデーターベースに登録してある企業に限ったデータであり、小零細規模の企業などは統計に考慮されていません。したがって、実際の生存率よりも高めに出ている可能性があります。

ベンチャー企業の10年後の生存率は6.3%?

日経ビジネスWeb版(2017年)の記事によると、ベンチャー企業の存続率は、5年目で15.0%、10年目で6.3%、20年目で0.3%とのことです。これはベンチャー企業に限ったデータであり、また統計の根拠は不明ですが、ベンチャー企業の生存が如何に難しいかを表しています。

10年目の生存率は66.5%?

下表のグラフ(中小企業白書2023年版)からは、日本企業の廃業率は過去40年位の間、およそ4%程度で推移していることが分かります。極めて単純な推計ですが、1年後の生存率が96%で、これが一定と仮定するなら、企業の生存率は、5年目で81.5%、10年目で66.5%、20年目で44.2%、30年目で29.4%となります。

日本企業の廃業率
2023年版中小企業白書「開業率・廃業率の推移」

企業が倒産に至る主な原因

企業の存続を脅かしている主な原因は何でしょうか。企業が存続できない原因は様々ですが、一般的な要因としては、以下の3つと考えられます。

販売不振

企業が存続危機に陥る理由の一つは、商品やサービスが売れないことが挙げられます。この販売不振の原因として、競合企業と自社の差別化ができていなかったり、顧客に自社の魅力を十分に伝えられなかったり、そもそも販売業績の低迷に気づけないといった点が挙げられます。

資金繰り悪化

会社の資金繰りが悪化することは、企業の存続に直結する大きなリスクです。具体的には、経営者の資金の使い方や誤った経営判断がリスク要因として考えられます。特に財務に詳しくない経営者が誤った判断をすることが倒産原因となる事例が散見されます。

後継者不在、人材不足

会社の経営を引き継ぐ後継者の不在も、企業存続リスクの一因です。また、後継者以外にも、少子高齢化の影響で、多くの業種で人材難であることも中小企業の廃業につながっています。

企業を廃業させないためのポイント

以下では、会社を潰さないためのポイントについて解説します。

無駄なコストを削減する

固定費を中心に、支払先の見直しや、経費の削減を行い、収益性を高める経営改善を行うことが重要です。具体的には、オフィスや倉庫の広さ、使われていない機材の保管費などが無駄になっていないか等も見直す必要があるでしょう。

万一のリスクに備える

長期的な存続を目指し、リスクへの対策を立てることが大切です。コンティンジェンシープラン(緊急時対応計画)の準備や、経営者が病気やケガによる離脱に備えて、万が一の際の後継者の指名や当座の事業計画策定など、リスクへの備えも考えましょう。

後継者を育成し事業承継する

後継者不足も会社の存続に影響を与えるため、親族や社内から適切な後継者を見つけ、育成することが重要です。また、第三者に承継先を求める(M&A)も視野に入れると良いでしょう。

企業生存率のまとめ

経営者にとって、自社を持続可能な状態に保つためには、適切な知識と市場動向に対する柔軟かつ敏速な対応が不可欠です。ただし、知識や経験が豊富であっても、避けられない後継者問題の解決は容易ではないと言わざるを得ません。

みつきコンサルティングは、税理士法人グループのM&A仲介会社として15年以上の業歴があり、中小企業M&Aに特化した経験実績が豊富なM&Aアドバイザーが多数在籍してます。 みつき税理士法人と連携することにより、税務面や法律面のサポートもワンストップで対応可能ですので、M&Aをご検討の際は、成功するM&A仲介で実績のある、みつきコンサルティングに是非ご相談ください。 

著者

西尾崇
西尾崇事業法人第三部長
宅食事業を共同経営者として立ち上げ、CFOとして従事。みつきコンサルティングでは、会計・法務・労務の知見を活かし、業界を問わず、事業承継型・救済型・カーブアウト・MBO等、様々なニーズに即した多数の支援実績を誇る。
監修:みつき税理士法人

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