会社売却の交渉終盤で、譲受企業から「残りは業績次第で」と切り出されて戸惑うオーナーは少なくありません。この後払いの取り決めは価格の溝を埋める一方、指標の選び方ひとつで手取りが変わります。仕組みと条件設計の勘所、日本基準とIFRSの違い、雑所得と判断されうる課税リスクまで、中小企業の実情に沿って整理しました。
アーンアウトとは
譲渡価格の話し合いが煮詰まった終盤で、譲受企業から「残りは業績を見てから」と切り出される。中小企業のM&Aでも、まれにこうした提案が出ます。ここではその中身を、譲渡オーナーの立場から解きほぐしていきます。
譲渡対価の一部を業績連動で後払いする仕組み
アーンアウト(Earn out)条項とは、譲渡対価の一部を、クロージング後の目標達成状況に連動させる取り決めです。たとえば実行後1年間の対象会社のEBITDAが基準値を超えたら、合意済みの算定式で追加額を支払う、という約束になります。

価格の溝を埋める道具として使われる
M&Aの対価は一括払いが通常です。ただ、将来の伸びをどこまで織り込むかで両者の見立てが割れると、金額が決まりません。そこで一部を後払いに回し、リスクを分け合う。価格ギャップへの対処法のひとつです。
この構図は、企業価値評価の考え方そのものと直結します。M&Aの企業価値がどう積み上がるかを理解しておくと、提案の意図も読みやすくなります。
導入が検討されやすい会社
どんな会社でも提案されるわけではありません。次のような特徴を持つ会社で話に上がりやすい傾向。
- 企業価値の大部分を将来の期待収益が占める会社
- 成長途上で実績値が乏しいスタートアップ
- 再生局面にあり、業績の振れ幅が大きい会社
- 譲渡オーナーがクロージング後も経営に残る前提の案件
日本での利用状況
米国のクロスボーダー案件では珍しくない一方、国内の中小企業M&Aでの採用例は限られます。経済産業省が2026年5月に公表したスタートアップM&Aガイダンスでも、価値評価の乖離を埋める手段として取り上げられ、指標の定義と算定方法を明確に合意しておく必要性が示されています。
アーンアウトが譲渡価格に与える影響
提示された総額が10億円でも、手元に10億円が残るとは限りません。数字の見え方と実質が最もずれやすいのが、この論点です。
提示額と実際の手取りは別物
「総額10億円、うち初回7億円」という提案は、額面上は10億円の案件に見えます。けれども確定しているのは7億円だけ。残りは条件付きの期待値であって、確約された金額ではありません。
現在価値に引き直して比べる
後払い分は、受け取るまでの時間と不確実性の分だけ価値が目減りします。3年後に3億円を受け取れる見込みでも、達成確率と割引率を織り込めば現在価値はかなり下がる。DCF法の発想を、そのまま自分の受取額に当てはめて考えると分かりやすくなります。
初回対価が妥当かを先に確かめる
判断の順序は決まっています。まず初回で確定する金額が、対象会社の妥当な価値をカバーしているか。そこが満たされていれば、上乗せの機会として受け入れる余地があります。逆に、本来の価値を初回で下回るなら、それは実質的な分割払いです。
妥当な水準を測る物差しは、中小企業M&Aの譲渡価格の相場観と、自社のバリュードライバーにあります。算定の時期によっても数字は動くため、評価のタイミングもあわせて確認しておきたいところ。
アーンアウトのメリットとデメリット
損得は立場によって裏返ります。同じ条項でも、譲渡オーナーには賭けに見え、譲受企業には保険に見える。下図と以下の整理で、両側の景色を並べて確認してください。

売り手のメリット・デメリット
譲渡オーナーにとっては、上振れの機会と下振れのリスクが表裏一体になります。
譲渡オーナーが得られるもの
- 通常の企業価値評価だけでは届かない水準の対価を受け取れる可能性
- 自社の成長仮説を、交渉の場で価格に反映させる余地
- 実績値が乏しい段階でも、譲受企業に検討を進めてもらえる糸口
譲渡オーナーが負うリスク
目標に届かなければ、受け取れる総額は一括譲渡より目減りします。しかもクロージング後の経営は譲受企業の手に移るため、達成の可否を自分で完全にはコントロールできません。元オーナーの残留を前提とする案件でも、この点は変わらない。
買い手のメリット・デメリット
譲受企業の側では、資金負担とリテンションの両面で効きます。
譲受企業が得られるもの
- 初期の支払を抑え、資金繰りの負担を平準化できる
- 事業計画の達成度に応じた支払となり、高値掴みを避けられる
- 譲渡オーナーが残る場合、追加対価がそのまま業績への動機づけになる
譲受企業が負うリスク
提案の仕方を誤ると、案件そのものが流れます。引退を前提としているオーナーや、達成に自信を持てないオーナーからは「譲受企業に都合のよい条件」と受け取られやすい。条件交渉が長引くほど、離脱の確率は上がります。
アーンアウト条項の決め方
条項の書きぶりが、後になって受け取れる金額を左右します。決めるべき項目は多くありませんが、どれも詰めが甘いと後日の火種になります。
評価指標の選び方
どの数字を目標に据えるかで、操作されやすさが変わります。下表は主な指標の性格をまとめたものです。
| 評価指標 | 性格と留意点 | 操作されにくさ |
|---|---|---|
| 売上高 | 損益計算書の最上部にあり、費用配分の影響を受けない。会計方針の差も出にくい | 高い |
| 売上総利益 | 原価の範囲さえ固めれば安定する。譲渡オーナー側が提案しやすい | やや高い |
| 営業利益 | 販管費の按分次第で振れる。共通費の配賦ルールを別紙で固定したい | 中程度 |
| EBITDA | 実務で最も多く使われる。償却方法の影響を除ける反面、定義の書き込みが甘いと争いになる | 中程度 |
| 純利益 | 特別損益や税負担まで乗るため、外部要因で大きく揺れる | 低い |
売り手が上部の指標を望む理由
譲渡オーナーにとっては、譲受企業の裁量が入り込む余地が小さいほど安心できます。売上高や売上総利益なら、グループ内の費用付け替えで数字が沈む心配が薄い。会計方針の違いによる影響も受けにくくなります。
買い手が下部の指標を望む理由
譲受企業が見たいのは、対象会社が実際に生み出す利益です。売上だけ伸びて採算が落ちる状態に対価を払いたくない。だから営業利益や純利益を持ち出します。この対立は、どちらも合理的。
折衷案の作り方
性格の異なる指標を組み合わせる方法が現実的です。売上高と営業利益の双方に閾値を置き、両方を満たしたときに支払う。あるいはEBITDAを軸にしつつ、除外項目を別紙で列挙して定義を固める。調整後EBITDAの考え方が、そのまま応用できます。
評価期間の決め方
期間が延びるほど、経営努力では対処できない外部要因が入り込みます。景気、原材料価格、法改正。実務では2年から3年に収めるのが一般的で、それより長い設定は譲渡オーナーに不利に働きやすい。中長期の計画を細かく描いている会社では、計画期間に合わせる選択もあります。
上限と算定式の設計
算定式は、超過額に対する分配率と上限額の2つで決まります。「累計EBITDAが基準額を超えた部分の50%、ただし上限2億円」といった書き方。端数処理や、期間途中で組織再編があった場合の扱いも、あわせて決めておきます。
譲受企業の運営義務を書き込む
ここが抜けている契約書を、支援現場ではときどき見かけます。追加対価を減らす目的で、一時費用を計上する、共通費を過大に按分する、主要資産を処分する。こうした行為を禁じる条項がなければ、譲渡オーナーは打つ手を失います。会計方針と見積りを期間中は一貫適用させる文言も、あわせて入れておきたい。
再売却の制限
目標達成に向けて動いている最中に、対象会社が第三者へ転売されたらどうなるか。譲渡オーナーは制限を求め、譲受企業は違約金を払えば売却できる形を望みます。落としどころは、達成見込額と違約金の水準を突き合わせて決めることになります。
検証と紛争解決の手順
算定結果を通知する期限、異議を述べられる期間、決着しない場合に誰が判断するか。独立した公認会計士を共同で選任し、その判断に従うと定める例が多くみられます。費用の負担割合まで書いておくと、揉め方が小さくなります。
これらは最終契約書に落とし込む内容です。株式譲渡の場合は株式譲渡契約書の条項として組み込まれ、表明保証との関係も整理しておく必要があります。
条項設計で決める項目の整理
下表に、契約で決めておく要素と、譲渡オーナーが確認すべき視点をまとめました。
| 決める要素 | 譲渡オーナーの確認視点 |
|---|---|
| 評価指標 | 定義と除外項目が別紙で特定されているか。譲受企業の裁量で動く費用が含まれていないか |
| 評価期間 | 2年から3年に収まっているか。単年判定か累計判定かが明記されているか |
| 算定式と上限 | 分配率と上限額が具体的な数値で入っているか。端数処理まで書かれているか |
| 運営義務 | 不当な費用計上や共通費按分の禁止、会計方針の一貫適用が定められているか |
| 再売却 | 期間中の転売が制限されているか。制限しない場合の代替措置があるか |
| 検証手続 | 通知期限、異議申立期間、第三者判断の枠組みが定められているか |
| 相殺の制限 | 未確定の補償債権と相殺されない建て付けになっているか |
アーンアウト条項のサンプル
実際の契約書ではどう書かれるのか。前提条件を置いたうえで、簡素な記載例を示します。
前提条件の置き方
以下は、発行済株式の全部を10億円で譲渡する案件を想定した設定例です。
- 取引規模は全株式の譲渡価格10億円
- 評価指標はEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却、特別損益と本件関連費用、非合理な共通費按分は除外)
- 評価期間はクロージング翌日から24か月
- 基準値は累計EBITDA4億円
- 算定式はmax{0,(累計EBITDA−4億円)×0.5}、上限2億円
条項の記載例
上記の前提に基づく記載例が以下です。実際の契約では、案件の事情に合わせて調整します。
第○条(アーンアウト)
- 定義
(1)「EBITDA」とは、対象会社の日本基準に準拠し一貫適用で作成された決算書に基づき、営業利益に減価償却費及びのれん償却を加算した額をいう。特別損益、本件株式譲渡及び本アーンアウトに関連する費用、譲受企業の都合による一時的又は非合理な共通費按分の増額等は除外する。
(2)「アーンアウト期間」とは、譲渡実行日の翌日から起算して24か月をいう。
(3)「基準EBITDA」とは、算定の基礎となる金額をいい、¥400,000,000とする。- アーンアウト金額の算定
(1) アーンアウト期間における対象会社の累計EBITDAが基準EBITDAを超過した場合に限り、当該超過額の50%を支払う。超過がない場合は0円とする。
(2) 上限は金2億円とする。
(3) 端数は1円未満を切り捨てる。- 算定・通知・支払
(1) 譲受企業は、アーンアウト期間満了後45日以内に、算定明細及び金額を譲渡オーナーへ通知する。
(2) 譲渡オーナーは、通知受領後30日以内に書面で異議を述べることができる。
(3) 確定後10営業日以内に現金振込で支払う。遅延時は年5.0%の遅延利息を日割で付す。- 検証・紛争解決
異議が解決しない場合、独立の公認会計士を共同で選任し、その決定に従う。費用は算定誤差の大きい側が負担し、その他は折半とする。- 事業運営及び会計方針
(1) 譲受企業は、通常の営業の範囲において善管注意義務をもって対象会社を運営し、アーンアウトを不当に減少させる目的で、異常又は一時的な費用の計上、非合理な共通費の按分、一方的に不利な取引条件の変更、主要資産の処分又は事業の中止等を行わない。
(2) 期間中、対象会社の会計方針及び見積りは合理的範囲で一貫適用する。やむを得ず変更する場合は、譲渡オーナーの事前同意を得るか、算定上の中立的調整を行う。- 相殺制限
最終的に確定した補償金債権に限り相殺できるものとし、係争中又は未確定の債権との相殺は認めない。- 調整協議
組織再編その他当事者の責に帰さない事情によりEBITDAに重大な影響が生じる場合、当初の経済的意図を維持する中立的な調整につき誠実に協議する。
アーンアウトの会計処理
ここからは会計の話。関心のある方だけ読み進めていただければ十分です。譲受企業がどの基準を採用しているかで、処理はまったく違うものになります。
日本基準での取扱い
企業結合に関する会計基準では、アーンアウトを「条件付取得対価」と呼びます。将来の業績に連動する対価は、支払が確実となり時価が合理的に算定できるようになった時点で処理。個別上は子会社株式の取得原価に加算し、連結上はのれんとして計上します。
このとき、のれんは企業結合日に遡って算定します。過年度に対応する償却額は、追加認識した事業年度の損益として処理することになります。
IFRSでの取扱い
IFRSでは考え方が反転します。取得日の時点で条件付対価を公正価値で測定し、対価に含める。その後に取得日後の事象で公正価値が変動しても、のれんの金額は動きません。
現金で支払う条件付対価は通常、負債に分類されます。この場合は各期末に公正価値で評価し直し、直近の計上額との差額を純損益として認識する扱い。条件未達なら評価益が立ちます。
売り手側の会計処理
譲渡側が法人株主であれば、追加で受け取った対価は収益として処理します。個人株主の場合は会計処理ではなく、所得区分の問題として現れます。下表で両基準の違いを整理しました。
| 比較項目 | 日本基準 | IFRS |
|---|---|---|
| 当初認識 | 条件付対価は取得時に計上しない | 取得日の公正価値で対価に含める |
| 確定時の処理 | 取得原価とのれんを追加認識 | のれんは修正しない |
| その後の変動 | のれん償却を遡及計算し当期損益へ | 負債分類なら各期末に再測定し純損益へ |
| 損益への出方 | 確定した期に償却費がまとめて乗る | 期間を通じて評価損益が分散する |
アーンアウトの税務
税務は、譲渡オーナーにとって影響が最も大きい論点かもしれません。手取りが想定と数千万円単位以上ずれることがあります。
買い手の税務
譲受企業は、追加支払額を子会社株式の取得価額に加算するだけ。損金にはなりません。したがって、支払の時点で新たな課税関係は生じない扱いになります。
売り手が法人株主の場合
譲渡側が法人であれば、会計上で収益とした金額(追加で受け取った対価)が、そのまま税務上の益金となるのが一般的です。処理としては素直な形。
売り手が個人株主の場合
問題はこちらです。オーナー個人が株式を譲渡する中小企業M&Aでは、所得区分の判断が手取りを大きく左右します。
原則は支払確定年の雑所得
個人の株式譲渡益は本来、申告分離課税の対象です。税率は所得税15%と住民税5%、これに復興特別所得税が加わって20.315%となります(国税庁タックスアンサーNo.1463)。キャピタルゲイン課税の枠組みです。
ところがアーンアウト対価については、課税当局は別の整理をしています。所得税は権利確定主義を採るため、クロージング時点で支払が確定していない追加対価は譲渡所得に当たらず、支払が確定した年分の雑所得として扱う。国税庁課税部資産課税課の内部文書※で示された考え方です。背景には、特許を受ける権利の譲渡後に支払われた追加対価を雑所得と判断した2016年の大阪高裁判決があります。
※ 国税庁課税部資産課税課「資産課税課情報第3号 株式譲渡益課税のあらましQ&A」(2019年1月30日)
手取りへの影響を試算する
雑所得は総合課税です。他の所得と合算され、累進税率が適用。住民税を含めると最高で約55%に達します。クロージング分は20.315%、後払い分は最高55%。同じ1億円でも、手取りは4千万円近く違ってきます。
下表のイメージで、条件交渉の前に自分の数字を置いてみてください。会社売却の手取りを通しで試算しておくと、判断がぶれません。
| 対価の区分 | 想定される所得区分 | 課税方式と税率の目安 |
|---|---|---|
| クロージング時の対価 | 株式等に係る譲渡所得等 | 申告分離課税、20.315% |
| アーンアウト対価 | 支払確定年分の雑所得 | 総合課税、最高で約55% |
| 役員退職金として設計する場合 | 退職所得 | 分離課税、控除と2分の1課税あり |
役員として残る場合の注意
譲渡オーナーがクロージング後も役員として勤務し、追加受取分が実質的にその労務の対価と見られる場合には、給与所得と判断される可能性も残ります。役員報酬を市場水準に整えたうえで、算定式から労務対価に相当する部分を切り分けておく。支援現場で税務担当が最初に確認する論点のひとつです。
税務の専門家に事前確認する
アーンアウト対価の所得区分を正面から定めた法令や通達は、現時点で存在しません。個別の事情次第で結論が動く領域です。契約に合意する前に、税務に強い専門家へ具体的な条件を示して確認しておくことをお勧めします。
アーンアウトを提案されたときの確認リスト
提案を受けた段階で確かめておきたいことを、実務の順に並べました。譲渡オーナーの手元でそのまま使える形にしています。
- 初回で確定する金額だけで、自社の妥当な価値を満たしているか
- 後払い分を現在価値に引き直したとき、総額はいくらになるか
- 指標の定義と除外項目が、別紙で数式レベルまで特定されているか
- 評価期間は2年から3年に収まっているか
- 譲受企業の運営義務と会計方針の一貫適用が条項化されているか
- 期間中の再売却について、制限か代替措置のいずれかが定められているか
- 異議申立と第三者検証の手続、費用負担が明記されているか
- 未確定の補償債権と相殺されない建て付けになっているか
- 雑所得と判断された場合の手取りを試算済みか
- 株式を一部残す形なら、将来の売却手段が契約で確保されているか
最後の項目は見落とされがちです。少数株主として残ると議決権はほとんど働かず、譲受企業の同意なしには売却できない状況に陥ることがあります。最悪の場合、意思に反して少数株主の整理の対象となる。残す株式の評価にはマイノリティ・ディスカウントも効いてきます。
なお、最終契約後に当事者間で生じるリスク事項については、中小企業庁の中小M&Aガイドライン第3版でも支援機関の説明事項として整理されています。
アーンアウトに関するFAQ
相談の場でよく出る質問を整理しました。
初回で確定する金額が自社の妥当な価値に届いているかどうかで判断します。届いていれば上乗せの機会として合理的な選択。届いていないなら、実質的な分割払いです。まずは初回額の妥当性を、独立した評価で確かめてください。
契約に運営義務の条項がなければ、争うのは難しくなります。逆に、不当な費用計上や共通費按分の禁止、会計方針の一貫適用を書き込んでおけば対抗できる。条項の有無次第、というのが実務の答えです。
件数としては多くありません。株式譲渡による一括譲渡が中心で、後払いの提案が出るのは業績の見通しが読みにくい案件や、オーナーが残る前提の案件が中心です。提案を受けたら、まず理由を尋ねてみてください。
クロージング分は譲渡した年の申告分離課税、追加分は支払が確定した年の雑所得として扱われるのが原則です。ただし契約の建て付け次第で判断が変わります。契約締結前に税理士へ条項を見せて確認しておくのが安全。
全株式を譲渡して後日ボーナス的に受け取るのが価額調整型、初回で一部だけ譲渡して残りを後日高い評価で譲渡するのが二段階型です。二段階型では最低保証額があると、その部分が初回時点で課税される可能性が出てきます。
アーンアウトを判断するための要点まとめ
アーンアウトは価格の目線が合わないときに溝を埋める手段であり、指標と期間、上限、譲受企業の運営義務の書き方によって受け取れる金額が変わります。個人株主の場合は課税区分という論点も残ります。提示された総額の大きさより、初回にいくら確定するかを先に確かめてください。判断に迷うのは、無理もないことです。
当社は税理士法人グループのM&A仲介会社として、中小企業のM&Aを長く支援してきました。条項の設計と手取りの試算を同じテーブルで検討できる体制が強みです。譲渡条件に不安を感じたら、契約を結ぶ前にご相談ください。
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著者

- 事業法人第二部長/M&A担当ディレクター
-
ヘルスケア分野に関わる経営支援会社を経て、みつきコンサルティングでは事業計画の策定、モニタリング支援事業に従事。運営するファンドでは、投資先の経営戦略の策定、組織改革等をハンズオンにて担当。東南アジアなど海外での業務経験から、クロスボーダー案件に関しても知見を有する。M&Aの成約実績多数、M&A仲介・助言の経験年数は10年以上
監修者 神門 剛 代表取締役 / 公認会計士・税理士
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