株式会社S社は愛知県を拠点に車載組込システムやFA系システムの開発業務を担い、約40名のエンジニアが20年以上にわたり、自動車関連企業とのお仕事に従事してきました。お取引先からの信頼も厚く、受注する仕事についても高度技術を要する上流工程のお仕事にも従事する技術者を多く抱えておりました。
会社運営は順調で安定的な収益も確保しておりましたが、オーナーも事業承継を検討するご年齢になったこともあり、親族内後継者がいなかったことから事業承継の選択肢としてM&Aを検討するようになりました。
S社においても昨今の人材不足の煽りを受け人材確保が課題の一つとなっていたことから、人材採用力のある大手人材会社(エンジニア系)へのグループイン(M&A)を希望しておりました。譲渡企業様のご意向に沿った候補先にアプローチを行い、今回の譲受企業となる株式会社T社とのM&Aが実行されました。
譲受企業であるT社はITエンジニアの派遣を主業とし、ソフトウェア開発業務にも注力する大手総合人材会社で自動車メーカーのソフトウェア開発(請負)にも従事しておりました。S社を譲受することで自社のソフトウェア開発業務の強化を図り、取引先の拡大・高度技術の獲得・ソフト開発事業部の拡大などのシナジーを獲得することができました。
譲渡企業のS社においては、T社へのグループインによりソフト開発エンジニアの採用やグループの既存エンジニアによる配置転換で課題となっていた人材不足への解決策が講じることができたこと、オーナー退任後も従業員の安定的な雇用を継続できたことなど多くのシナジーを得ております。今後、S社の技術力を基軸にT社のソフトウェア開発業の拡大を図ることでグループ全体の安定的収益獲得に期待されております。