テレビ番組・映像制作業のM&A事例 【関東】

テレビ番組・映像制作事業の譲渡を助言|T社さま

譲渡企業 T社さま
業種 テレビ番組・映像制作業
事業内容 テレビ番組の企画制作
売上 約3億円
地域 関東
設立 2000年代
経営者の年齢 50代
譲渡理由 後継者不在、事業発展の為
譲受企業 N社さま
業種 広告制作会社
事業内容 広告制作業
売上 約11億円
地域 関西
設立 2000年代
上場の有無 非上場
譲受目的 映像部門の強化

T社様の会社概要と、創業からこれまでの歩みについてお聞かせください。

当社は東京都に本社を置き、テレビ番組の企画制作を主な事業としています。の年商は4億円程度でした。私は当社を創業し、テレビ業界で培った経験とネットワークを活かして事業を展開してきました。当初は小規模なプロダクションでしたが、徐々に実績を重ね、いくつかの人気番組の制作に携わることができました。特に、ある料理番組のヒットは当社の転機となり、業界での認知度が大きく向上しました。しかし、近年はテレビ業界全体の縮小傾向もあり、厳しい経営環境が続いていました。

- テレビ業界の現状と将来展望について、どのようにお考えでしょうか?

テレビ業界は大きな転換期を迎えていると感じています。視聴者の若年層を中心に、テレビ離れが進んでおり、従来型の番組制作だけでは生き残りが難しくなっています。一方で、動画配信サービスの台頭により、新たな需要も生まれています。今後は、テレビと配信の融合や、より専門性の高いコンテンツ制作が求められるでしょう。また、AI技術の発展により、制作プロセスの効率化も進むと予想しています。ただ、これらの変化に対応するには、相当な投資と体制の変革が必要で、中小制作会社にとっては大きな課題となっています。

- そのような業界環境の中、M&Aを検討されたきっかけは何だったのでしょうか?

主に2つの理由がありました。1つは事業承継の問題です。会社の将来を考える時期に来ていました。息子はいますが、別の道を歩んでおり、社内にも適切な後継者候補がいませんでした。もう1つは、先ほど申し上げたテレビ業界の先行きに対する不安です。当社の業績不振も相まって、このまま事業を継続していくことへの不安が大きくなっていました。特に、デジタル化への対応や新たな制作技術の導入など、必要な投資を行う余力がなくなっていたことが大きな課題でした。

- みつきコンサルティングとの出会いはどのようなものでしたか?

実は、みつきコンサルティングからの営業電話ではなく、私の方からFAXを送ったのがきっかけでした。M&Aについて相談したいと思い、連絡を取りました。以前から業界紙などでM&Aの記事を目にする機会が増えており、それが頭の片隅にあったんです。正直なところ、最初は不安もありましたが、みつきコンサルティングの対応の速さと丁寧さに好印象を持ちました。

- 初回の面談ではどのようなことを話し合われましたか?

主に3つのポイントについて話し合いました。まず、なぜ会社の売却に関心があるのかという点です。私の年齢や後継者不在の問題、業界の先行き不安などを率直に伝えました。次に、当社の業績状況について詳しく説明しました。正直なところ、赤字が続いており、純資産もマイナスになっていたので、M&Aの対象として適切かどうか不安でした。最後に、どのような買い手候補が望ましいかについてディスカッションしました。実は、事前のヒアリングでは特にこだわりはないと答えていたのですが、実際に話してみると、いくつか希望があることに気づきました。

- 買い手候補についてどのような希望をお持ちでしたか?

やはり、当社の企業文化や制作へのこだわりを理解してくれる会社であることが重要でした。私たちは常に「視聴者に感動を届ける」ことを大切にしてきましたので、そういった価値観を共有できる企業を希望していました。また、従業員の雇用継続についても配慮してくれる買い手を希望していました。長年一緒に働いてきた仲間たちの将来を考えると、この点は譲れないと感じていました。テレビ業界に精通している会社であれば理想的だと考えていましたが、同時に新しい視点や技術を持つ企業との統合にも興味がありました。

- みつきコンサルティングの担当者の対応はいかがでしたか?

非常に丁寧で、専門的な知識に基づいたアドバイスをいただけました。特に、財務状況が厳しい中でも、当社の強みや可能性を見出そうとする姿勢に感銘を受けました。例えば、過去に手がけた人気番組の実績や、業界内のネットワークなど、財務諸表には表れない価値を評価してくれました。また、常に私たちの意向を尊重しながら、プロセスを進めてくれたことに感謝しています。M&Aの経験がない私たちにとって、一つ一つの段階を分かりやすく説明してくれたことは大きな安心感につながりました。

- 買い手候補の選定プロセスはどのように進められましたか?

みつきコンサルティングが77社ほどに打診してくれました。しかし、当社の財務状況が厳しかったこともあり、なかなか前向きな反応が得られませんでした。正直なところ、この時点では少し落胆していました。何社かには詳細な説明の機会もいただきましたが、最終的には全て見送りとなってしまいました。この過程で、自社の価値を客観的に見つめ直す良い機会にもなりましたが、同時に厳しい現実も突きつけられた気がします。

- その後、N社とのマッチングはどのように実現したのでしょうか?

みつきコンサルティングがバトンズというプラットフォームに当社の情報を登録してくれたことがきっかけでした。予想外にも、N社から興味を示していただいたんです。広告のクリエイティブ会社で、過去にM&Aの経験もあり、テレビ制作会社にも興味を持っていたそうです。最初は半信半疑でしたが、N社からの熱心なアプローチに、新たな可能性を感じました。

N社との初めての面談はどのような印象でしたか?

最初はZoomでの面談でしたが、非常に良い印象を受けました。N社の社長さんは、当社の事業内容や業界について深い理解を示してくれました。特に印象的だったのは、単に財務状況だけでなく、私たちの制作に対する情熱や、これまでの実績を高く評価してくれたことです。また、今後のディールの進め方についても明確な方針を持っておられ、安心感がありました。彼らの視点から見た当社の可能性について語ってくれたことで、私自身も新たな希望を見出すことができました。

- 対面でのトップ面談ではどのような話し合いが行われましたか?

N社の社長と専務にお会いしました。全体的に非常に良い雰囲気で、話が進みました。特に印象的だったのは、N社が単なる会社案内だけでなく、具体的なシナジー提案書を用意してくださっていたことです。これには本当に感動しました。彼らが真剣に当社との統合を考えてくれていることが伝わってきて、大きな安心感を得ました。例えば、当社のテレビ番組制作のノウハウと、N社の広告制作技術を組み合わせた新しいコンテンツ開発の提案があり、非常に興味深く感じました。

- その面談後、すぐにディールを進める決断をされたそうですね。

はい、その通りです。面談後の帰り道で、みつきコンサルティングの担当者にディールを進めたい旨を伝えました。N社の真摯な姿勢と、当社の事業に対する理解の深さに強く心を動かされたんです。正直なところ、「本当に当社で良いのだろうか」と思うほど、素晴らしい買い手だと感じました。特に、従業員の処遇や、当社の企業文化を尊重する姿勢を示してくれたことが、決断を後押ししました。

- 最終的な条件調整はどのように進められましたか?

みつきコンサルティングの会議室で最終条件のターム調整を行いました。譲渡価格や支払い条件、従業員の処遇など、細かい点についても丁寧に協議しました。N社は非常に誠実で、私たちの要望にも柔軟に対応してくれました。特に、キーパーソンとなる従業員の継続雇用と、一定期間の私の顧問就任について合意できたことは大きかったです。その後、会食の機会も設けていただき、より深い関係性を築くことができました。この過程で、N社の方々とより親密になれたことで、その後のディールまでのやり取りがスムーズになりました。

- 株式譲渡契約の調印とクロージングはスムーズに進みましたか?

はい、特に大きな問題もなく、スムーズに進みました。みつきコンサルティングの丁寧なサポートのおかげで、最後まで安心してプロセスを進めることができました。契約書の細かい文言の確認や、最終的な資産・負債の確定など、専門的な部分でも適切なアドバイスをいただきました。クロージング当日は、長年経営してきた会社を手放す寂しさもありましたが、それ以上に新たな船出への期待感が大きかったです。

M&Aを通じて、どのような点が良かったと感じていますか?

まず、私自身が基本的に即断即決のタイプだったことが、プロセスをスムーズに進める上で役立ったと思います。また、必要な資料の提出も迅速に行えたことで、買い手候補との交渉もスムーズに進みました。さらに、当社が過去に手がけた著名な番組の実績が、買い手候補の興味を引くポイントになったと感じています。特に、ある料理番組のヒットは、当社の制作力を示す良い事例となりました。また、このプロセスを通じて、自社の強みや課題を客観的に見つめ直す良い機会にもなりました。

- 逆に、難しかった点や改善の余地があると感じた点はありますか?

最大の課題は当社の厳しい財務状況でした。正直なところ、本来であればM&Aの対象として適切ではない財務状況だったかもしれません。簿外債務が一つでもあれば、ディールが破談になる可能性もあったと思います。また、もっと早い段階でバトンズのようなプラットフォームを活用していれば、より多くの可能性が開けたかもしれません。さらに、従業員への説明や、取引先との調整など、内部的なプロセスにもっと時間をかけるべきだったと反省しています。

- みつきコンサルティングのサポートについて、特に印象に残っている点はありますか?

常に私たちの立場に立って考えてくれる姿勢が印象的でした。特に、財務状況が厳しい中でも、当社の価値を最大限引き出そうと尽力してくれたことに感謝しています。例えば、過去の実績や業界内のネットワークなど、数字には表れない価値を適切に評価し、買い手候補に伝えてくれました。また、買い手候補との面談や条件交渉の際には、私たちの意向を十分に汲み取りながら、専門的な観点からアドバイスをしてくれました。特に、最終的なターム調整の際には、細かい条件についても丁寧に説明し、最適な合意に導いてくれました。

N社との統合後、どのような変化がありましたか?

まず、財務面での安定性が大きく向上しました。N社の経営資源を活用することで、新たな事業展開も可能になりました。例えば、当社のテレビ番組制作のノウハウと、N社の広告制作技術を組み合わせた新しいコンテンツ開発の提案があり、非常に興味深く感じました。また、従業員の雇用も維持され、むしろモチベーションが向上したように感じます。

具体的には、N社の持つデジタルマーケティングの知見を活かして、テレビ番組と連動したオンラインコンテンツの制作や、SNSを活用した視聴者参加型の企画など、新しい形の番組制作にチャレンジしています。また、N社のクライアントネットワークを活用することで、スポンサー獲得の幅も広がりました。

さらに、技術面でも大きな進展がありました。N社の最新の編集設備や、VRAR技術を番組制作に取り入れることで、より魅力的なコンテンツを生み出せるようになりました。これらの相乗効果により、従業員たちも新しい挑戦に意欲的になっているのを感じます。

M&Aを検討している他の経営者へのアドバイスがあればお聞かせください。

まず、早め早めの行動が重要だと感じました。業績が悪化してからでは選択肢が限られてしまいます。私の場合は、財務状況が厳しくなってからの決断だったため、多くの買い手候補から見送られてしまいました。もっと早い段階で、会社の将来を見据えてM&Aを検討していれば、より多くの選択肢があったかもしれません。

また、信頼できるアドバイザーを見つけることも大切です。みつきコンサルティングのような専門家のサポートがあったからこそ、最後まで諦めずにベストな結果を得ることができました。M&Aのプロセスは複雑で、専門的な知識が必要な場面が多々あります。適切なアドバイスがあれば、より円滑にプロセスを進められるでしょう。

そして、自社の強みや価値を客観的に見つめ直すことも重要です。買い手にとって魅力的な要素を明確にすることで、より良い条件でのM&Aが実現できると思います。私たちの場合、過去の実績や業界内のネットワークが評価されました。財務状況だけでなく、目に見えない価値も大切にすべきだと感じました。

最後に、従業員とのコミュニケーションを大切にすることをお勧めします。M&Aは会社の大きな転換点であり、従業員にとっても不安な時期です。適切なタイミングで情報を共有し、彼らの将来についても配慮することが、スムーズな統合につながると思います。

- 最後に、この経験を通じて得られた個人的な学びや成長はありますか?

この経験を通じて、経営者としての視野が大きく広がりました。M&Aは単なる会社の売却ではなく、新たな可能性を生み出す機会だということを学びました。N社との統合により、私たちの事業に新しい価値が加わり、従業員たちにも新たな成長の機会が生まれました。

また、困難な状況でも諦めずに前を向くことの大切さも実感しました。N社との出会いは、まさに最後の最後で訪れたチャンスでした。これは、ビジネスにおいても人生においても、諦めないことの重要性を教えてくれました。

さらに、自分自身の新たな可能性も見出すことができました。M&A後、私は顧問として新しい役割を担うことになりましたが、これまでとは異なる視点で事業に関わることで、新たな学びや気づきがたくさんありました。

この経験は、ビジネスだけでなく人生においても大きな学びとなりました。今後は、この経験を活かして、新たな立場から業界の発展に貢献していきたいと考えています。また、同じような状況にある経営者の方々にも、私の経験を共有し、少しでも力になれればと思っています。

- 貴重なお話をありがとうございました。最後に、みつきコンサルティングへのメッセージがあればお願いします。

みつきコンサルティングの皆様には本当に感謝しています。厳しい状況の中で最後まで諦めずに尽力してくださり、素晴らしい買い手とのマッチングを実現してくださいました。プロフェッショナルなアドバイスと、常に寄り添ってくれる姿勢に何度も救われました。

特に印象的だったのは、単に財務的な観点だけでなく、当社の歴史や文化、従業員の想いなども大切にしてくださったことです。M&Aは数字だけの話ではなく、人と人とのつながりが重要だということを、みつきコンサルティングの皆様の姿勢から学びました。

また、難しい局面でも常に前向きな提案をしてくださったことに、大変勇気づけられました。例えば、従来の方法で買い手が見つからない中、バトンズというプラットフォームを提案してくださったことが、結果的に素晴らしいマッチングにつながりました。

今回のM&Aの成功は、間違いなくみつきコンサルティングのおかげです。皆様の専門知識と経験、そして何より真摯な姿勢が、この結果をもたらしてくれました。今後も多くの企業の橋渡し役として、素晴らしい仕事を続けていただきたいと思います。

最後になりましたが、みつきコンサルティングの更なる発展と、皆様の個人的なご活躍を心よりお祈りしております。本当にありがとうございました。

           

この案件・類似案件の担当者

▷野口 慎矢 事業法人第四部長/M&A担当ディレクター


国内証券会社にてクライアントの資産運用を支援。当社に入社後は、消費財・小売業界の企業に対してコンサルティングを提供。事業承継案件のみならず、Tech系スタートアップへの支援も行う。

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