字幕・吹替制作のM&A事例 【東京】

字幕・吹替制作会社株式の譲渡を助言|アクシーさま

譲渡企業 アクシーさま
業種 字幕・吹替制作
事業内容 TV番組・ドラマ・映画の字幕・吹替制作
売上 4億3600万円
地域 東京
設立 1990年
経営者の年齢
譲渡理由 後継者不在
譲受企業 東京テアトルさま
業種 映像制作
事業内容 映画館・映画映像制作・飲食・不動産
売上 172億円(連結)
地域 東京
設立 1946年
上場の有無 上場
譲受目的 既存サービスの拡充

-本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。早速ですが、御社の事業概要と、経営者としてのこれまでの経験についてお聞かせください。

こちらこそありがとうございます。当社は映像制作、字幕制作を主な事業としています。私は約30年前に会社を設立し、映像業界の変遷を肌で感じながら経営してきました。当初は、テレビ番組の字幕制作が主でしたが、時代とともにDVDやストリーミングサービスなど、新しいメディアへの対応も行ってきました。経営者として常に心がけてきたのは、技術の進歩に遅れないことと、クオリティを維持することです。

-長年にわたり事業を展開されてきた中で、業界の動向をどのように捉えていらっしゃいましたか?

国内の映像事業は縮小傾向にあると感じています。テレビ離れや、コンテンツの多様化により、従来の映像制作の需要は減少しています。一方で、海外展開へのシフトが強まっていることも認識していました。Netflix等のグローバル配信サービスの台頭により、字幕や吹き替えの需要は新たな局面を迎えています。このような状況下で、当社単独での成長には限界を感じ始めていたのです。

-そのような背景から、M&Aを検討されるようになったのですね。具体的にはどのようなきっかけがあったのでしょうか?

実は数年前から親族内承継として、子供たちに株式を非課税で譲渡していました。しかし、業界の変化を見据えると、会社の将来のためにはより大きな枠組みの中で事業を展開する必要があると考えるようになりました。そんな中、みつきコンサルティングさんとの出会いがあり、M&Aを本格的に検討し始めることになったのです。

M&Aのプロセスを進めていく中で、どのような点に不安や課題を感じられましたか?

最も心配だったのは情報の漏洩・拡散です。この業界は狭いので、M&Aの話が広まると従業員や取引先に動揺があっという間に広がる可能性がありました。そのため、買い手候補をできるだけ絞り込んでお話を進めたいと考えました。また、財務情報などの開示のタイミングも慎重に行いました。みつきコンサルティングさんには、関心を示す買い手が具体的に分かった後に詳細な情報を開示するという形で進めてもらいました。

-買い手候補が具体的に挙がってきた段階で、どのような基準で選考されましたか?

最終的に3社との面談を行いました。面談前はある業界大手の企業さんを最有力候補だと考えていました。技術力も高く、当社の事業をスムーズに引き継いでくれるだろうと思ったからです。しかし、面談を重ねる中で、今回譲り受けていただいたC社さんに気持ちが傾いていきました。

C社さんのどのような点に惹かれたのでしょうか?

社長の人柄が大きかったですね。彼の話を聞いていると、単に事業を買収するだけでなく、一緒に面白いことができそう、成長できそうだと感じたのです。当社を一歯車にするのではなく、当社の強みを活かしながら、新しい挑戦をしていきたいという熱意を感じました。

-具体的にどのようなシナジーを期待されていたのでしょうか?

C社さんは映画館事業を持っていますが、字幕制作の内製化には至っていませんでした。当社の技術を活用することで、映画の字幕制作から上映までを一貫して行えるようになります。また、彼らの持つネットワークを活かして、新たな顧客開拓も期待できます。さらに、海外展開においても、両社の強みを組み合わせることで、より競争力のあるサービスを提供できると考えました。

-譲渡金額についてはどのようにお考えでしたか?

みつきコンサルティングさんへは、まずは希望金額を伝え、それが妥当かどうかを検討していただきました。結果的に、みつきコンサルティングさんとしても十分交渉できる範囲であると言っていただき、最終的には十分満足のいく金額で取引をすることができました。正直、少し高いかもと思っていたのですが、みつきコンサルティングさんと買い手企業さんが、それだけ当社の価値を認めてくれたのだと嬉しく思いました。

-従業員の方々への対応はいかがでしたか?

従業員のことは本当に心配でした。まず、就業規則などの整備が不十分だったので、譲渡後に買い手と一緒に整備していくことで合意しました。また、整備の過程で未払い残業代があると認識される事象があったのですが、それについて譲渡後にC社さんが丁寧に説明してくれて、大きな混乱もなく移行できたと聞いています。

M&Aを通じて、特に印象に残っているエピソードはありますか?

最終段階で、買い手から締結とクロージングの日程を数週間延期したいという申し出がありました。社内事情でとのことでしたが、何が起こるかわからないので、正直あまり延期はしたくないと考えておりました。そこでみつきコンサルティングさんが間に入って調整してくれ、大きな延期もなく契約締結とクロージングに進めたのは、本当に良かったです。

M&A後の協業について、具体的にどのような取り組みを行っていますか?

まず、C社さんの映画館チェーンで上映する作品の字幕制作を当社が担当するようになりました。これにより、作品の理解から字幕制作、上映までを一貫して行えるようになり、質の高い字幕を迅速に提供できるようになりました。また、C社さんの海外ネットワークを活用して、海外の映画祭向けの字幕制作も増えています。さらに、VRAR技術を活用した新しい映像体験の開発にも着手しており、私も顧問として関わっています。

-譲渡後の心境や新たな生活について、お聞かせください。

正直、最初は喪失感がありました。30年以上かけて築き上げた会社を手放すわけですから。しかし、C社さんの一員となった当社の社員たちが生き生きと仕事をしている様子を見て、正しい決断だったと確信しています。私自身は、顧問として週に1-2日ほど会社に顔を出していますが、それ以外の時間は趣味の映画鑑賞や旅行を楽しんでいます。ま

M&Aのプロセスで、特に難しかった点はありましたか?

やはり、情報の開示のタイミングと範囲の決定が難しかったですね。必要以上に情報を出すことで、社内や業界に不要な噂が広まることを懸念していました。一方で、買い手候補に十分な情報を提供しないと、適切な評価を得られない可能性もあります。このバランスを取るのに苦心しました。みつきコンサルティングさんのアドバイスを受けながら、段階的に情報を開示していく方法を取りましたが、これが功を奏し、何事もなくクロージングまで進めることができたと思います。。

M&Aを通じて、ご自身の経営者としての考え方に変化はありましたか?

M&Aの交渉を通じて、自社の新たな可能性を知ることができました。これまでは、あくまで自社単体で何ができるかと模索してきましたが、より広い視野を持つようになりました。また、従業員の将来を考えることの大切さも再認識しました。彼らにとってより良い環境を提供できる可能性があるなら、それを選択する勇気も必要だと感じています。

-最後に、M&Aを検討している経営者の方々へアドバイスをいただけますか?

M&Aは本当に大きな決断です。いろいろな判断の軸があるかと思いますが、私の場合は単に高値で売却するのではなく、自社の理念や文化を理解し、従業員がより広いフィールドでチャレンジでき、さらに発展させてくれる買い手を選ぶことが重要と考え、結果そのような相手へ譲渡することができました。また、みつきコンサルティングさんのようなプロのアドバイザーに相談することで、多くの不安や疑問を解消できました。契約書についても、細かい点まで迅速に調整してくださったおかげで、無事に両社の納得のいく内容になったと思います。M&Aのプロセスは長く複雑ですが、信頼できるパートナーと共に進めることで、より良い結果につながると思います。

最後に、経営者の皆さんには、自社の価値を正しく認識し、その価値を最大限に活かせる道を選んでほしいと思います。それが必ずしもM&Aではないかもしれません。しかし、M&Aという選択肢を真剣に検討することで、自社の強みや課題が明確になり、今後の経営の方向性を見出せる可能性があります。私自身、このプロセスを通じて多くのことを学び、新たな挑戦への意欲も湧いてきました。皆さんも、恐れずに前に進んでいってください。

-本日は貴重なお話をありがとうございました。御社のさらなる発展を心よりお祈りしております。

こちらこそ、ありがとうございました。このM&Aをきっかけに、当社の事業がさらに成長していくことを楽しみにしています。そして、私自身も新たなステージで、業界への貢献を続けていきたいと思います。

           

この案件・類似案件の担当者

▷ 田原 聖治 事業法人第一部長/M&A担当ディレクター


メガバンクにて大手企業から中小企業まで様々なファイナンスを支援。当社参画後は、各種メーカーやアパレル企業等の事業計画立案・実行支援に従事。現在は、IT・テクノロジー・人材業界を中心に経営課題を解決。

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