シェアリングシステムのM&A事例 【関東】

シェアサイクルシステムの運営会社株式の譲渡を助言|P社さま

譲渡企業 P社さま
業種 シェアリングシステム
事業内容 自転車シェアリングシステム
売上 約7,000万円
地域 関東
設立 2000年代
経営者の年齢 60代
譲渡理由 後継者不在、企業成長加速
譲受企業 A社さま
業種 不動産業
事業内容 不動産賃貸仲介
売上 約460億
地域 関東
設立 1990年代
上場の有無 非上場
譲受目的 既存サービスの拡充

- 売主様、この度はインタビューにご協力いただき、ありがとうございます。まずは、御社の事業概要と、シェアサイクル事業を始められた経緯について教えていただけますでしょうか。

はい、弊社はシェアリングサービスを展開しております。年商は1億円に満たない会社です。

- 事業を立ち上げる際に、どのような課題がありましたか?また、どのように乗り越えられましたか?

最大の課題は初期投資の大きさでした。システム開発だけではなくハードも含め多額の資金が必要でした。また、行政との調整や利用者の獲得も簡単ではありませんでした。

これらの課題を乗り越えるため、まず地元と密接に連携し、パイロット事業として小規模から始めました。また、システム開発では、外部の技術者と協力し、コストを抑えながら使いやすいアプリを作り上げました。利用者獲得については、地域イベントへの参加や SNS を活用した広報活動に力を入れました。

- シェアリング業界の現状と将来の展望について、どのようにお考えですか?

シェアリング業界は急速に成長しており、特に都市部での需要が高まっています。環境意識の高まりや健康志向、さらには with コロナの時代における個人型移動手段としての注目度も上がっています。

将来的には、MaaSMobility as a Service)の一環として、他の交通手段とシームレスに連携するサービスが主流になると考えています。また、電動アシスト自転車の導入や AI を活用した需要予測など、技術革新による更なる発展も期待できます。

- そのような中で、M&Aを検討されるようになった経緯を教えていただけますか。

私も事業承継を考える時期に来ていました。また、業界の急速な変化に対応し、事業を次のステージに進めるためには、より大きな資本力と経営資源が必要だと感じていました。

特に、システムの拡販や新たな地域への展開を考えると、大手企業との連携が不可欠だと考えたのです。また、個人的にも、自分の築き上げた事業をより大きな舞台で成長させたいという思いがありました。

- みつきコンサルティングとの出会いはどのようなものでしたか?

みつきコンサルティングからレターをいただき、その後電話連絡がありました。初めは「今、会社を売る気はない」と思っていたのですが、担当者の方が丁寧に説明してくださり、会社が大きくなるなら売却も選択肢の一つかもしれないと考えるようになりました。

特に印象的だったのは、担当者の方が単なる売却ではなく、事業の成長や発展を重視していたことです。私の想いや事業への愛着を理解してくれたことで、信頼関係を築くことができました。

M&Aのプロセスを進める中で、どのような不安や懸念がありましたか?

やはり、自分が立ち上げた会社の将来や、従業員の処遇について不安がありました。特に、長年一緒に働いてきた社員たちの雇用が守られるかどうかが最大の懸念でした。

また、適切な買手が見つかるかどうか、そして企業価値を正当に評価してもらえるかという点も気がかりでした。シェアリング事業の将来性や、我々が築き上げてきたシステムの価値を理解してくれる買手を見つけられるか不安でした。

- それらの不安や懸念は、どのように解消されていきましたか?

みつきコンサルティングの担当者が、プロセスの各段階で丁寧に説明してくれたことが大きかったですね。特に、従業員の処遇については、買手候補との面談の際に必ず確認してくれました。

また、複数の候補企業に打診してくれたことで、最適な買手を見つけられる可能性が高まったと感じました。企業価値評価についても専門的な知見を基に適切なアドバイスをいただき、安心感が得られました。

- 買手企業であるM社との出会いについて、どのような印象を持たれましたか?

M社との面談は非常に印象的でした。彼らが金融事業を展開しながらも、シェアリング事業に強い関心を持っていることに驚きました。特に、私たちの事業を自社の金融事業と連携させる具体的なビジョンを持っていたことに、大きな可能性を感じました。

M社の担当者の方々は、単に事業を買収するだけでなく、私たちのノウハウや技術を活かして新たな価値を創造しようとする姿勢が感じられ、非常に心強く感じました。

- トップ面談はどのような雰囲気で行われましたか?

トップ面談は非常に建設的な雰囲気で進みました。事前にアジェンダが共有されていたので、効率的に進行しました。私たちのビジネスモデルや将来戦略について詳細な質問があり、M社が真剣に事業を検討していることが伝わってきました。

特に印象的だったのは、M社の経営陣が私たちの事業に対する深い理解を示してくれたことです。シェアリング事業の社会的意義や、都市交通における役割について、私たちと同じビジョンを持っていることが分かり、大きな安心感を得ました。

- デューデリジェンス(DD)のプロセスはスムーズに進みましたか?

はい、非常にスムーズでした。みつきコンサルティングの助言により、事前に必要な資料を準備していたので、DDはオフサイトで効率的に進めることができました。質疑応答も簡単なQ&Aシートで済み、大きな問題なく終了しました。

ただ、財務や法務の専門的な質問もあり、私たち自身も改めて自社の状況を客観的に見直す良い機会となりました。このプロセスを通じて、経営の透明性や正確性の重要性を再認識しました。

- 株式譲渡契約(SPA)の交渉過程はいかがでしたか?

SPAの交渉も比較的スムーズでした。買手側のひな形を使用し、オンラインで調整を行いました。私自身も細かいことにこだわらない方針だったので、大きな争点もなく合意に至ることができました。

ただ、従業員の処遇や知的財産権の取り扱いなど、重要な点については慎重に確認しました。みつきコンサルティングの担当者が法的な観点からもアドバイスしてくれたので、安心して交渉を進めることができました。

- 一時的に買手側の事情で中断があったそうですが、その際の心境はいかがでしたか?

正直なところ、不安になりました。ここまで進めてきたプロセスが中断するのは残念でしたし、今後どうなるのかという懸念もありました。特に、従業員に対してどのように説明すべきか悩みました。

しかし、みつきコンサルティングの担当者が状況を丁寧に説明してくれ、今後の対応策についても相談に乗ってくれたので、冷静に対処することができました。この経験を通じて、M&Aプロセスの不確実性や、経営者としての決断の難しさを実感しました。

- 最終的にSPAを締結し、クロージングに至った時の気持ちを教えてください。

安堵感と共に、新たな出発への期待感がありました。中断を経験したことで、むしろ契約の重要性を再認識し、SPAの締結にはより慎重に臨みました。クロージングを迎えた時は、長いプロセスを経て、ようやく次のステージに進めるという実感が湧いてきました。

同時に、創業者としての使命を果たせたという達成感もありました。私が始めたこの事業が、より大きな企業の一部となり、さらなる成長を遂げる可能性を得たことに、大きな喜びを感じました。

M&Aを通じて、御社の企業価値はどのように評価されたとお考えですか?

最終的な譲渡価格は1.6億円で、これは当初の想定価格2億円の80%に相当します。20%部分に関しては今回の譲渡価格の一株価格を下限とし、決まった期間に業績に応じて買い取っていただく形となりました。

ただ、価格だけでなく、M社とのシナジー効果や、事業の継続性、従業員の処遇なども含めて総合的に判断しました。金額以上に、私たちの事業理念や技術が認められ、より大きな舞台で活かされる機会を得たことに価値を感じています。

M社とのM&A後の協業について、具体的にどのようなシナジーを期待されていますか?

M社の金融事業とシェアリング事業には、多くのシナジーがあると考えています。相互の付加価値向上と顧客の利便性向上が期待できます。

また、M社の全国的なネットワークを活用して、シェアリング事業の急速な地域展開が可能になると考えています。さらに、M社の顧客データとシェアリングの利用データを組み合わせることで、より効果的なマーケティングや新サービスの開発にもつながるます。

技術面では、M社のITリソースを活用して、シェアサイクルシステムの機能強化や安定性向上も図れると期待しています。例えば、AIを活用した需要予測や、IoTセンサーによる自転車の状態監視など、より高度なサービスの提供が可能になるでしょう。

- みつきコンサルティングのサポートについて、特に印象に残っている点はありますか?

全工程を通じて、みつきコンサルティングの段取りの良さには本当に助けられました。特に、常に23工程先を見据えた準備を促してくれたことで、各段階がスムーズに進行しました。また、買手企業への提案内容も非常に説得力があり、上場企業の経営者を納得させるレベルだったことに感銘を受けました。

担当者の方々の専門知識と経験が、プロセス全体を通じて大きな支えとなりました。特に、財務や法務の専門的な部分でのアドバイスは非常に有益でした。また、私の経営者としての想いや不安を理解し、常に寄り添ってくれたことに深く感謝しています。

M&Aを検討している他の経営者の方々へ、アドバイスがあればお聞かせください。

まず、M&Aは単なる会社売却ではなく、事業発展の機会だと捉えることが大切だと思います。自社の強みや弱み、市場での位置づけを客観的に分析し、M&Aがどのように事業を成長させるかを明確にすることが重要です。

また、信頼できるアドバイザーを見つけることが非常に重要です。みつきコンサルティングのような専門家のサポートがあれば、複雑なプロセスも乗り越えられます。特に、法務や財務の専門知識が必要な場面で、適切なアドバイスを受けられることは大きな安心感につながります。

そして、自社の価値を正当に評価してもらうためにも、日頃から事業の整理や資料の準備を心がけておくことをお勧めします。財務諸表や事業計画書、知的財産に関する資料など、必要な書類を常に最新の状態に保っておくことで、M&Aのプロセスをスムーズに進められます。

最後に、従業員や取引先との関係性を大切にすることも重要です。M&Aは単なる資産の売買ではなく、人と人とのつながりも含めた事業の継承です。従業員の不安を取り除き、取引先との良好な関係を維持することが、成功的なM&Aにつながります。

- 今回のM&Aを通じて、個人的に学んだことや気づきがあれば教えてください。

M&Aのプロセスを通じて、自社の強みや弱みを客観的に見つめ直す良い機会になりました。特に、デューデリジェンスの過程で、自社の財務状況や事業構造を詳細に分析することで、これまで気づかなかった課題や改善点が明確になりました。

また、大手企業との交渉を経験したことで、ビジネスの視野が広がったように感じます。M社のような大企業の経営戦略や意思決定プロセスを間近で見ることができ、経営者としての視点も養われました。

そして、事業を次の段階に進めるためには、時には大きな決断が必要だということも学びました。創業者として愛着のある会社を手放すことは簡単ではありませんでしたが、より大きな成長のためには必要な選択だったと確信しています。

- 最後に、今後の展望についてお聞かせください。

M社グループの一員となったことで、より大きなスケールでシェアリング事業を展開できると期待しています。金融事業とのシナジーを活かし、新たな価値創造にも挑戦していきたいと考えています。

技術面では、M社のITリソースを活用して、AIIoTを活用したより高度なシェアリングシステムの開発にも取り組みたいと思います。メンテナンス効率の向上などが実現できれば、サービスの質を大きく向上させることができると思います。

私個人としても、これまでの経験を活かしながら、新しい立場で事業の成長に貢献していきたいと思っています。シェアリングエコノミーの発展や持続可能な都市交通の実現に向けて、引き続き尽力していく所存です。

- 本日は貴重なお話をありがとうございました。御社の今後ますますのご発展を心よりお祈りしております。

こちらこそ、ありがとうございました。みつきコンサルティングの皆様には本当に感謝しています。M&Aという大きな決断を後押ししていただき、新たな成長の機会を得ることができました。これからも日本のシェアリングエコノミーの発展に貢献できるよう、努力を重ねていきたいと思います。今回の経験を活かし、より多くの人々に便利で環境にやさしい移動手段を提供できるよう、M社グループの一員として邁進してまいります。

           

この案件・類似案件の担当者

▷野口 慎矢 事業法人第四部長/M&A担当ディレクター


国内証券会社にてクライアントの資産運用を支援。当社に入社後は、消費財・小売業界の企業に対してコンサルティングを提供。事業承継案件のみならず、Tech系スタートアップへの支援も行う。

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