M&A業界に転職する際に、特別な資格が必要になるのか不安を覚えるケースも多いです。M&A業界では資格が必須なのか、どのような資格があるのか知ることは、具体的な準備の一環として重要となります。本記事ではM&A業界への転職に特別な資格が必要なのか、M&Aに関する資格にどのような種類があるのかを解説します。
M&A業務をする上で資格は必要?
M&Aは専門性の高い内容になるため、特別な資格が必要になると考える人も多いです。以下では、M&Aにおいて資格が必要とされるのか解説します。
M&Aを実施するために資格は必要?
M&Aを実施する際に、必須となる資格はありません。そのため仮に無資格でも、M&Aを実践することは可能です。資格がないことを理由に、M&A業界で仕事をすることを諦めることはないでしょう。
▷関連:M&A業界への就職のポイント|今後の業界の動向も解説
M&A資格が望まれるケースとは
M&Aに資格は必須ではありませんが、取得することが求められるケースはあります。以下では、M&A資格の必要性について解説します。
M&A資格は事業者にとって必須ではない
前提として、M&A資格は事業者側も取得が必須ではありません。そのためM&Aの専門家でも、資格を持たずに活動しているケースは多いです。M&Aの仲介会社などへの転職を考えている人も、資格取得に時間を割かずに済む可能性があります。資格取得の前に、まずはM&A業界への理解を深めることが重要です。
M&A資格を取得することでスキルを証明できる
M&A資格を取得することは、専門知識・スキルを持つ証明になります。そのためM&A関連の事業を展開する際に、信頼を高める目的で取得することもあります。M&A業界への転職で有利に働く可能性も高いため、転職準備の一環として関連資格の取得を目指すケースも多いです。M&Aに関する知識・スキルを保有している、もしくはこれから学ぶ予定があるのなら、明確に証明できる資格を取得することも一案でしょう。
▷関連:M&Aとは|2024年も増加!目的・メリット・流れ・方法を解説
売り手にとってのM&A資格
M&Aの譲渡側は、M&A資格を把握することにメリットがあります。以下では、譲渡側にとっての資格について知るメリットを解説します。
M&Aに関する知識を身に付けられる
M&A資格を知ることで、M&Aの知識を身に付けるきっかけを得られます。実際に試験を受けなくても、受験範囲を確認するだけで知識になる可能性はあります。M&Aの専門知識にどのような内容が分類されているのか、どんな知識が求められるのかを、資格から把握することも1つの手段です。
信頼できるM&Aサービスやコンサルタントを見極められる
M&A資格を参考に、M&A仲介会社やコンサルタントの質を見極めることも考えられます。M&A資格の取得のために努力をした人材だと分かれば、信頼するきっかけにもなるでしょう。M&Aは長丁場になることも想定されるため、信頼できる仲介会社やコンサルタントを選ぶことは重要です。
譲渡側もM&A資格を取得すべき?
M&Aにおける譲受側も、関連資格を取得すべきなのか悩むこともあります。以下では、M&Aにおける譲受側からみた、資格の必要性について解説します。
M&Aのあとに活かせるのなら取得も視野に入る
M&Aののちに知識を活かせるシーンがあるのなら、譲渡側もM&Aに関連する資格を取得することも視野に入ります。今後の事業や働き方を考え、M&Aを機会に資格を取得する流れも検討できるでしょう。例えばM&Aのクロージング(成約)後の経営統合の際などに、資格の知識を活かす目的で取得するのも1つの方法です。
▷関連:事業承継とは?引き継ぐ3つの資源や事業承継の手順、税金について解説
M&A関連資格の種類
M&Aに関する資格には、いくつかの種類があります。それぞれの資格について理解できれば、自分の環境で必要な種類が判断しやすくなります。以下では、M&Aに関する主な資格の種類を紹介します。
M&Aエキスパート認定資格
日本M&Aセンターと金融財団事情研究会が、共同で企画・運営・認定している資格です。M&Aに関する基本的な知識を身に付けることが、主な目的となっている資格です。取得費用は7,700円と、他資格と比較して安価な点も特徴です。
JMAA認定M&Aアドバイザー
一般社団法人日本M&Aアドバイザー教会が、運営・認定をしている資格です。講座の受講とJMAAによる厳格な審査によって、合否が判定される点が特徴です。試験を受ける必要がないため、勉強時間を確保できないケースでも取得を目指しやすいです。しかし、受講料198,000円、入会金33,000円、月会費132,000円とコスト(費用)がかかります。
M&Aスペシャリスト資格
日本経営管理協会が、運営・認定している資格です。知識に限らず、実務で活かせる能力を証明できるメリットがあります。より実践的なスキルを身に付けたい場合には、取得することがおすすめの資格です。取得にかかる費用は、10,800円となっています。
M&Aシニアエキスパート
複数の資格を提供する「M&Aエキスパート認定制度」のなかで、最難関の資格です。専用の養成スクールを受講して、修了した人だけが試験を受けられます。M&Aシニアエキスパート養成スクールに132,000円、試験に11,000円の費用が必要です。
▷関連:M&Aシニアエキスパートとは?資格の概要・必要性・取得方法を解説
事業承継士とは
一般社団法人事業継承協会が、運営・認定している資格です。M&Aの中でも事業継承に特化している点が特徴で、事業承継プランナー認定試験に合格して、一般社団法人事業継承協会に入会した人のみが受験資格を得られます。取得費用は取得講座300,000円、認定試験9,000円、入会金10,000円となっています。
会計士や税理士の資格もM&Aに役立つ
M&A業界への転職時には、会計士や税理士の資格も役立ちます。会計士や税理士のように、財務に関する専門知識を持つ人材は、数字を扱うことの多いM&A業務との相性が良く、仲介会社で活躍できます。ただし、M&A業界で活躍する上で、税理士等の資格が必須ということではありません。
▷関連:事業承継を成功へ導く相談相手は?顧問税理士への相談が最多
M&A資格に関する注意点
M&A資格について知る際には、いくつか注意点もあります。以下では、M&A資格における注意点を解説します。
M&A資格だけでは相手のスキルを判断しきれない
M&Aの資格だけでは、相手のスキルを正確には判断できません。「資格を持っている=優秀な人材」と、簡単に見極めることは推奨されません。同様に、資格を持っていなくても、M&Aについての専門知識を豊富に持っている人材はいます。資格はあくまで参考の1つとして、判断材料にすることをおすすめします。
M&A資格を持たないことに過度な不安を感じる必要はない
先に解説した通り、M&A資格がないからといって、信頼できない人材とは限りません。M&Aに関する事業の従業員が、資格を取得していないケースは珍しくありません。そのためM&Aのサポートを仲介会社に依頼するときや、転職を考える際にも、過度に資格の有無を意識しなくても問題ないでしょう。
▷関連:M&Aの相談先はどこが良い?税理士・銀行・仲介会社等の違いを解説
M&Aなら専門家に任せられる「みつきコンサルティング」がおすすめ
M&Aを実施する際には、専門家にサポートを任せられる「みつきコンサルティング」の利用がおすすめです。
「みつきコンサルティング」なら税理士と会計士によるサポートが可能
「みつきコンサルティング」は、税理士や会計士による専門的なサポートを実施しているM&Aの仲介会社です。専門家の知見を活かした企業診断や財務分析によって、M&Aにおける重要な企業価値を正確に算定します。その結果をもとにして、お客様に最適な提携候補先の選定と提案をしています。成約までの流れを全面的に支援しているため、分からないこともお気軽にご相談いただけます。M&Aにおける疑問や不安があるときには、ぜひ「みつきコンサルティング」にお任せください。
M&A関連資格のまとめ
M&Aには資格は必須ではないものの、M&Aの実施時や関連職への転職時に、資格の有無が重要視されることもあります。資格を持つことで得られるメリットは多数あります。この機会にM&Aの資格の種類や特徴を確認し、取得を計画してみることもおすすめです。
「みつきコンサルティング」には、税理士や会計士の資格を持つ人材が多数在籍しています。財務に関するプロによる支援で、M&Aをスムーズに進めるお手伝いが可能です。この機会に「みつきコンサルティング」に、M&Aのサポートについてお気軽にご相談ください。
著者
-
宅食事業を共同経営者として立ち上げ、CFOとして従事。みつきコンサルティングでは、会計・法務・労務の知見を活かし、業界を問わず、事業承継型・救済型・カーブアウト・MBO等、様々なニーズに即した多数の支援実績を誇る。
監修:みつき税理士法人
最近書いた記事
- 2024年11月26日中小企業経営者の2024年「平均引退年齢」は?勇退後はどうなる?
- 2024年11月25日保育園のM&A|業界動向・利点と欠点・売却相場・事例とは
- 2024年11月24日吸収合併と退職金|支給額・勤続年数・清算の有無、他制度・処遇は?
- 2024年11月18日増加する「IT業界のM&A」で2025年の崖を解決できる?