包装用機械製造のM&A事例 【関東】

包装用機械製造事業の譲渡を助言|H社さま

譲渡企業 H社さま
業種 包装用機械製造
事業内容 キャップ、容器関連の自動組立装 置の設計、製作、販売
売上 約5億円
地域 関東
設立 1950年代
経営者の年齢
譲渡理由 事業の再編
譲受企業 T社さま
業種 包装容器製造
事業内容 包装容器の製造等
売上 約7,500億円
地域 関東
設立 1910年代
上場の有無 上場
譲受目的 製作力の強化

-本日は、H社の売主様にお越しいただき、M&Aについてのお話を伺います。よろしくお願いいたします。

よろしくお願いいたします。

-まず、M&Aを検討されるに至った経緯についてお聞かせください。

当社は日用品向けの製造装置を製作しておりますが、人口減少による市場の縮小や中国シフトなどの影響で売上が減少し、赤字が続いていました。事業継続が困難な状況に陥り、顧問会計士からの助言もあり、M&Aを含めた事業再生の道を模索することにしました。

-その時点での御社の経営状況はいかがでしたか?

非常に厳しい状況でした。金融機関からの資金調達も難しくなり、資金繰りが厳しい状況でした。

M&Aを選択された理由は何でしょうか?

基本的には事業の継続を希望していました。しかし、単独での事業再生は困難だと判断し、M&Aによって会社のノウハウや従業員の雇用を守りたいと考えました。みつきコンサルティングさんとの相談の中で、M&Aを第一選択肢とし、それが難しければ民事再生、最終的には破産も視野に入れることにしました。

M&Aのプロセスはどのように進められましたか?

みつきコンサルティングさんと一緒に、まず数十社にノンネームで打診を行いました。打診する相手や順番についてもみつきコンサルティングさんと相談しながら、優先順位を付けて打診をしました。しかし、なかなか関心を持っていただくことができず、一旦全ての企業から見送りとなってしまいました。しかし、最終的には主要取引先であるT社に社名を開示して打診することで、交渉を進めることができました。

T社との交渉はスムーズに進みましたか?

私たちは会社ごと譲り渡したいと考えておりましたが、先方は自社と関係のある事業のみの譲受を希望されておりました。みつきコンサルティングさんに様々シミュレーションをしてもらうなかで、資金負担の重い事業を譲渡し、また譲渡によって先方より受け取る代金で銀行の借入を大きく圧縮することで、自社に残った事業を継続できることがわかり、応諾しました。

-譲渡価格の交渉はどのように進められましたか?

図面、機械設備、人員について個別に譲渡金額の交渉を行いました。図面の金額については、我々の主張を採用していただき、合意できました。機械設備は中古市場をベースとし、人員については採用・教育コストを踏まえて算出しました。

-従業員の方々への対応はいかがでしたか?

従業員説明会を開催し、状況を説明しました。幸い、事業の厳しさは従業員も認識していたため、大きな混乱はありませんでした。

M&Aプロセスで最も困難だった点は何でしょうか?

資金繰りの問題が最も大きかったですね。幸いにも、コロナ対応のための融資を受けることができ、何とか持ちこたえることができました。また、図面の引き渡しを行った際、一部の図面が見当たらないということが発生しました。これによりクロージングの延期を余儀なくされましたが、速やかに図面の再実査と追加図面の回収を行い、無事に機械と合わせて引き渡しを完了し、最終的にクロージングを迎えました。

-みつきコンサルティングのサポートについてはいかがでしたか?

非常に助かりました。特に、一度全ての企業から断られた後も諦めずに、最後の手段としてT社への再打診を提案してくれたことが、このM&Aの成功につながったと思います。また、複雑な交渉プロセスや契約書の作成など、専門的な部分で大きなサポートをいただきました。

M&Aプロセスの具体的な流れについて、もう少し詳しくお聞かせください。

まず、顧問会計士から事業再生の提案を受け、翌月にはみつきコンサルティングさんと方針を検討しました。速やかにNDAFA契約を締結し、候補への打診を開始しました。しかし、全ての企業から見送られ、その後T社への再打診を行いました。

T社へのIM説明を行った後、2カ月程度でT社からの提案を確認しました。その後、DDを実施し、各資産の譲渡対価の調整を行い、意向表明を受けてから3ヶ月程度で資産譲渡契約を締結しました。同時に社員への告知も行いました。

-譲渡資産の価格交渉について、もう少し詳しくお聞かせください。

機械設備については、T社側は中古市場をベースに提示し、我々は償却後の簿価である金額を提示しました。T社側の提示する中古市場ベースの方が、当社が提示する簿価ベースよりも低くかったのですが、最終的には中古市場価格と簿価ベースの中間値程度で着地しました。図面については、T社側は1020百万円を提示し、我々は2025.5百万円を提示しました。結果的に我々の主張が採用され、25.5百万円で合意しました。

人員については、当初T社側は対価を設定していませんでしたが、我々は再調達原価を考慮し、年収(賞与なし)の2030%を提案しました。最終的に我々の主張が採用されました。

M&Aプロセスを振り返って、成功要因や反省点はありますか?

成功要因としては、一度断られた後も諦めずに再度打診したことが挙げられます。反省点としては、資金繰りが厳しくなる前に、余裕を持って相談しなかったことです。

-最後に、同様の状況にある経営者へのアドバイスがあればお聞かせください。

早め早めの対応が重要だと痛感しました。経営状況の悪化を認識したら、すぐに専門家に相談することをお勧めします。また、M&Aでは時には自社の価値を冷静に見極める必要があります。私たちも最初は過度に高い期待を持っていましたが、現実を受け入れることで最終的に従業員の雇用を守ることができました。

そして、みつきコンサルティングのような信頼できるアドバイザーと組むことが、成功への大きな鍵になると思います。M&Aのプロセスは複雑で、専門的な知識が必要です。適切なサポートがあれば、より円滑に進めることができるでしょう。

最後に、従業員とのコミュニケーションも忘れてはいけません。私たちは早い段階で従業員に状況を説明し、理解を得ることができました。これにより、M&Aプロセス中の混乱を最小限に抑えることができたと思います。

M&Aは決して簡単なプロセスではありませんが、適切な準備と対応、そして信頼できるパートナーがあれば、困難な状況を乗り越え、新たな可能性を見出すことができるのです。

-貴重なお話をありがとうございました。本日のインタビューが、M&Aを検討されている経営者の方々にとって参考になれば幸いです。

ありがとうございました。この経験が少しでも他の方々のお役に立てれば嬉しいです。M&Aは確かに大変なプロセスですが、適切に進めれば会社と従業員の未来を守る有効な選択肢となり得ます。私たちの事例が、同様の状況に直面している経営者の方々の参考になれば幸いです。

           

この案件・類似案件の担当者

▷ 田原 聖治 事業法人第一部長


メガバンクにて大手企業から中小企業まで様々なファイナンスを支援。当社参画後は、各種メーカーやアパレル企業等の事業計画立案・実行支援に従事。現在は、IT・テクノロジー・人材業界を中心に経営課題を解決。

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