- 本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。まず、M&A を検討されるきっかけについてお聞かせください。
はい、ありがとうございます。実は、当社の業績が過去最低を記録した時期がありまして、その頃にみつきコンサルティングからDMをいただいたんです。タイミングがちょうど良かったというか、私自身も会社の将来について焦りを感じていた時期でした。
- なるほど。その時期に弊社からのアプローチがあったのですね。具体的にはどのような不安をお持ちだったのでしょうか?
主に二つありました。一つは業界の先行きに対する不安です。映像制作業界は技術の進歩が速く、常に新しい技術や手法に追いつく必要があります。もう一つは後継者の問題です。私自身はまだ50代ですが、子どもは会社を任せられる年齢ではありません。
- 業界の変化と後継者問題、確かに大きな課題ですね。では、みつきコンサルティングを選んでいただいた理由は何でしょうか?
正直なところ、最初の電話での印象が良かったんです。担当の方が新人だということは何となく分かりましたが、とても丁寧な対応をしてくださいました。例えば、私が小声で話していることに気づいて、「今後はメールの方が良いですか?」と提案してくれたり。そういった細やかな配慮が印象的でした。
- ありがとうございます。初回の訪問時の印象はいかがでしたか?
初回訪問時は、アポイントを取った方とは別の方が来られたのですが、事前に連絡をいただいていたので問題ありませんでした。むしろ、社内で情報共有がしっかりできているという印象を受けました。訪問された方が、これまでの経緯を正確に把握されていて、認識のずれがなかったのは良かったですね。
- 初回訪問時にはどのような内容を話し合われましたか?
主に5つの点について話し合いました。まず、私の意向についてです。実は、当社の首位株主である先輩への恩返しという思いもありました。次に、潜在的な買手について。過去の事例を基に説明していただきましたが、私たちの会社に合う買手を探すよう助言してくださいました。
それから株価の話もしました。みつきコンサルティングの方が事前に財務資料を取得して簡易査定をしてくださっていて、その段取りの良さに感心しました。最後に、今後の進め方と報酬についても話し合いました。
- 丁寧な対応と準備に安心感を持たれたようですね。FA契約締結までの過程はスムーズでしたか?
はい、とてもスムーズでした。株価算定の説明を受け、首位株主の先輩の同意も得られたので、すぐに契約を締結することができました。IMの作成も並行して進めていただいたので、ほぼ同時に完成しました。
- 買手の選定プロセスについてお聞かせください。どのような基準で選ばれたのでしょうか?
みつきコンサルティングが過去に扱った案件のリストを使用して、112社中75社に打診可能でした。残りの37社は知り合いや既存の取引先だったので除外しました。その後、いくつかの会社とトップ面談を行いました。
- 印象に残っている面談はありますか?
はい、いくつかあります。例えば、建設会社との面談では、新規事業として我々の業界に興味を持っていましたが、異業種のため理解度に不安を覚え、結局見送りになりました。同業他社との面談もありましたが、こちらは案件の理解は早かったものの、資金力の問題で見送りになりました。
最終的に周辺業界の企業と話が進みました。我々は彼らにとって外注先にあたります。案件の理解も早く、シナジー効果も期待できそうでした。
- 当該企業との交渉はスムーズに進みましたか?
はい、比較的スムーズでした。キーマン面談の段階では、ほぼディールに向けて腹を決めていました。お互いのメリットを再確認し、クロージングまでのロードマップを話し合いました。ただ、相手先の資金調達の都合で、クロージングの時期を調整する必要がありました。
- クロージングの過程で何か印象に残っていることはありますか?
条件が合意出来てからは双方スピーディーでした。みつきコンサルティングの方で適宜事前に関係各所への丁寧な説明を行っていただいていたので、クロージング過程で特にトラブルは無かったです。両社で協力して進められたのは良かったですね。
- M&Aを通じて、会社にはどのような変化がありましたか?
まず、社員のキャリアパスが広がりました。相手先企業の組織の一部になったことで、社員たちに新たな成長の機会が生まれました。また、これまで外注していた一部の業務を内製化できるようになり、効率が上がりました。
- 売却後、個人的にはどのような変化がありましたか?
正直なところ、大きな重荷から解放された気分です。会社の将来や後継者問題に悩む日々が続いていましたが、今はその心配がなくなりました。また、これまで会社のことで手が回らなかった個人的な目標にも取り組めるようになりました。
- M&Aを検討している他の経営者の方々へ、アドバイスをいただけますか?
はい。まず、早めに検討を始めることをお勧めします。私の場合は業績が悪化してからの検討でしたが、もっと早く始めていれば、より良い条件で売却できたかもしれません。
また、信頼できるアドバイザーを見つけることも重要です。みつきコンサルティングの方々は、常に私たちの立場に立って考えてくれました。彼らの専門知識と経験が、複雑なプロセスを乗り越える上で大きな助けになりました。
最後に、感情的にならず、冷静に判断することが大切です。M&Aは大きな決断ですが、ビジネスとして捉え、客観的に判断することが成功の鍵だと思います。
- みつきコンサルティングの対応で特に印象に残っていることはありますか?
はい、いくつかあります。まず、常に丁寧で細やかな対応をしてくれたことです。初めての電話から最後のクロージングまで、一貫して私たちの立場に立って考えてくれました。
また、情報の透明性も印象的でした。プロセスの各段階で何が起こっているのか、次に何をすべきかを常に明確に説明してくれました。これにより、不安や疑問を感じることなく、安心してプロセスを進められました。
さらに、買手の選定においても、単に多くの候補を提示するだけでなく、私たちの会社に最適な買手を見つけるために努力してくれました。その結果、シナジー効果の高い先とのマッチングにつながったと思います。事業だけでなく経営者同士の相性などもアドバイスしてくれました。
- M&Aのプロセスを通じて、最も難しかった点は何でしょうか?
最も難しかったのは、従業員への説明と理解を得ることでした。長年一緒に働いてきた仲間たちに、会社の売却を伝えるのは本当に心苦しかったです。しかし、みつきコンサルティングの方々が、従業員向けの説明会の準備や、質問への回答の仕方などをサポートしてくれたおかげで、スムーズに進めることができました。
また、デューデリジェンスの過程も予想以上に大変でした。膨大な書類の準備や、細かい質問への回答に多くの時間を要しました。しかし、みつきコンサルティングの方々が効率的に進められるよう、スケジュールの調整や必要書類のリスト化など、きめ細かくサポートしてくれました。
- M&A後の統合プロセスはスムーズに進みましたか?
はい、比較的スムーズに進みました。相手先企業とは事業の親和性が高かったこともあり、大きな混乱はありませんでした。ただ、社内システムの統合や業務フローの調整など、細かい部分で時間がかかることもありました。
みつきコンサルティングの方々は、クロージング後もしばらくの間フォローアップしてくださり、統合プロセスでの課題にも適切なアドバイスをいただきました。これは非常に心強かったです。
- M&Aを通じて、自社の企業文化や価値観に変化はありましたか?
多少の変化はありましたが、基本的な部分は維持できていると思います。相手先企業は私たちの強みを理解し、尊重してくれました。例えば、私たちが大切にしていた創造性や柔軟性といった価値観は、新しい組織でも重視されています。
一方で、より大きな組織の一部となったことで、意思決定プロセスや報告体制など、一部のビジネスプラクティスは変更を余儀なくされました。しかし、これらの変更は効率性や透明性の向上につながっており、むしろポジティブな影響だと感じています。
- M&A後、自社の事業にどのような発展がありましたか?
相手先企業との統合後、私たちの事業は大きく成長しました。まず、相手先企業の顧客基盤を活用することで、新たな案件獲得の機会が増えました。また、相手先企業の持つ最新の映像技術を導入することで、より高品質な映像制作が可能になりました。
さらに、相手先企業の映像技術と私たちの制作能力を組み合わせることで、顧客満足度が向上し、リピート率も上がっています。
- M&Aを通じて、個人的に学んだことや気づきはありますか?
たくさんありますね。まず、経営者として、常に将来を見据えて計画を立てることの重要性を再認識しました。M&Aは単なる出口戦略ではなく、会社と従業員のより良い未来を作るための選択肢の一つだということを学びました。
また、専門家の助言を積極的に求めることの大切さも実感しました。M&Aのプロセスは複雑で、法律や財務など専門的な知識が必要です。みつきコンサルティングの方々の専門知識と経験が、このプロセスを成功に導いてくれました。
さらに、オープンなコミュニケーションの重要性も学びました。従業員や取引先との誠実なコミュニケーションが、M&Aプロセスをスムーズに進める上で非常に重要でした。
- M&Aを成功させるための秘訣があれば教えてください。
はい、いくつか挙げられると思います。まず、明確なゴールを持つことです。なぜM&Aを選択するのか、それによって何を達成したいのかを明確にすることが重要です。
次に、適切なパートナーを選ぶことです。単に高い買収価格を提示する企業ではなく、自社の価値観や文化と合致し、シナジー効果が期待できる企業を選ぶことが大切です。
そして、信頼できるアドバイザーと協力することです。みつきコンサルティングの方々のように、経験豊富で信頼できるアドバイザーのサポートは、M&Aの成功に不可欠だと感じました。
最後に、柔軟性を持つことです。M&Aのプロセスでは予期せぬ事態が起こることもあります。そのような状況でも柔軟に対応し、最終的なゴールに向かって進み続けることが重要です。
- M&A後の統合プロセスについて、もう少し詳しくお聞かせください。
はい。統合プロセスは全体的にスムーズでしたが、いくつか課題もありました。例えば、社内システムの統合には予想以上に時間がかかりました。相手先企業と私たちでは使用しているソフトウェアが異なっていたため、データの移行や新しいシステムの導入に時間を要しました。
また、業務フローの調整も必要でした。相手先企業の規模に合わせた報告体制や意思決定プロセスの導入には、社員の皆さんに少し戸惑いがあったようです。しかし、みつきコンサルティングの方々のアドバイスを受けながら、段階的に変更を進めることで、最終的にはスムーズな移行ができました。
- M&A後、自社の従業員の方々の反応はいかがでしたか?
最初は不安を感じる従業員もいましたが、全体的には前向きな反応が多かったです。特に、相手先企業という大きな組織の一部になることで、キャリアアップの機会が増えたことを喜ぶ声が多く聞かれました。
また、新しい技術や設備を使えるようになったことで、仕事の幅が広がったという声も聞きました。ただ、一部の従業員は新しい環境に適応するのに時間がかかったようです。そのため、相手先企業と協力して、従業員向けの研修プログラムを実施し、スムーズな移行をサポートしました。
- M&Aを通じて、自社のブランドや企業イメージにはどのような影響がありましたか?
実は、この点については当初少し懸念がありました。自社は長年培ってきた独自のブランドイメージがあり、それが失われてしまうのではないかと心配していたのです。
しかし、相手先企業は私たちのブランド価値を十分に理解し、尊重してくれました。結果として、自社のブランドは維持されつつ、相手先企業グループの一員としての信頼性が加わり、むしろブランド価値が向上したと感じています。
特に、クライアントからは「より幅広いサービスが提供できるようになった」という好意的な反応をいただいています。相手先企業の映像配信プラットフォームと私たちの制作能力を組み合わせることで、より総合的なソリューションを提供できるようになったことが評価されているようです。
- M&Aプロセスを振り返って、もし可能であれば違う方法で進めたかったことはありますか?
そうですね、全体的には満足していますが、あえて言えば2点ほどあります。
まず、従業員への説明をもう少し早い段階で行えばよかったと思います。M&Aの話が進んでいることを知らされずにいた従業員の中には、不安を感じた人もいました。もう少し早い段階で、可能な範囲で情報を共有していれば、より円滑に進められたかもしれません。
また、デューデリジェンスの準備にもう少し時間をかけられればよかったと思います。膨大な書類の準備に追われ、通常業務との両立に苦労しました。事前に必要書類のリストを作成し、計画的に準備を進めていれば、もう少しスムーズに対応できたかもしれません。
ただ、これらの点についても、みつきコンサルティングの方々が適切にサポートしてくださったおかげで、大きな問題にはなりませんでした。
- 最後に、M&Aを検討している他の中小企業の経営者の方々へ、何かメッセージはありますか?
はい。まず、M&Aは決して「負け」ではないということを強調したいです。私も最初はそう思っていましたが、実際には会社と従業員のより良い未来を作るための選択肢の一つだと理解しました。
そして、早めの検討をお勧めします。業績が悪化してからでは選択肢が限られてしまいます。会社が好調なうちから、将来の選択肢の一つとしてM&Aを考えておくことが重要です。
また、信頼できるアドバイザーを見つけることも大切です。M&Aのプロセスは複雑で、専門的な知識が必要です。みつきコンサルティングのような経験豊富なアドバイザーのサポートは、非常に心強いものでした。
最後に、オープンなコミュニケーションを心がけてください。従業員や取引先との誠実なコミュニケーションが、M&Aプロセスをスムーズに進める上で非常に重要です。
M&Aは確かに大きな決断ですが、適切に進めれば、会社と従業員にとって新たな成長の機会となります。恐れずに、前向きに検討してみてください。