知的財産デューデリジェンスとは?M&Aの調査項目と売り手の備え方

特許を持たない中小企業でも、M&Aでは知財DDの対象になります。譲受企業は権利の名義や有効性、ライセンス契約、営業秘密の管理状況を調べ、問題があれば譲渡価格や契約条件に反映します。オーナー個人名義の商標や外注システムの著作権など、売却前に整えておきたい論点を整理しました。

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知的財産デューデリジェンスとは何を調べる手続か

「うちは特許を持っていないから関係ない」。知財の話題を出すと、オーナー経営者からよく返ってくる言葉です。しかし、M&Aのデューデリジェンスで譲受企業が確認する知的財産は、特許だけではありません。社名や商品名、自社で使うシステム、顧客リストまでが調査の対象になります。

知財DDの定義と対象になる権利

知的財産デューデリジェンス(知財DD)とは、対象会社が持つ知的財産の価値とリスクを、権利・契約・管理体制の面から調べる手続です。財務や法務と並ぶデューデリジェンスの種類のひとつで、主な対象と中小企業でよく見かける例を下表にまとめました。

知的財産の種類根拠となる法律保護される期間中小企業でよくある例
特許権特許法出願から20年製造方法、装置の構造
実用新案権実用新案法出願から10年治具や部品形状の工夫
意匠権意匠法出願から25年
(2020年4月以降の出願)
製品やパッケージのデザイン
商標権商標法登録から10年
(更新により継続可)
社名ロゴ、商品名、店舗名
著作権著作権法法人名義の著作物は公表後70年自社システム、Webサイト、カタログ
営業秘密不正競争防止法期限なし
(秘密として管理される限り)
顧客リスト、図面、レシピ、原価表

法務DD・事業DDとの役割分担

知財DDは独立した調査として行われる場合もあれば、法務DDの一項目として扱われる場合もあります。中小企業の株式譲渡では、後者の形が多く見られます。法務DDが権利と契約の穴を探し、事業DDが市場での強みを測るとすれば、知財DDはその強みが法的に守られているかを確かめる役回りです。

特許がない中小企業でも知財DDが行われる理由

譲受企業が対価を払う理由の多くは、ブランドや顧客基盤、ノウハウといった目に見えない価値にあります。その価値の持ち主が曖昧なら、譲受後に使えなくなるおそれも出てくるでしょう。中小企業の知財DDで問われやすいのは、特許の数より、名義・契約・管理の3点が整っているかどうか。ここを押さえておくだけで、指摘の大半は先回りできます。

買い手が知財DDを行う目的

譲受企業から見た知財DDの目的は、守りのリスク確認、攻めの価値評価、そして調査結果を契約へ落とし込む作業に整理できます。

他社の権利侵害や権利の欠けを洗い出す

最も重く見られるのは、対象会社の製品やサービスが他社の特許や商標を侵害していないかという点です。譲受後に差止請求を受ければ、主力事業そのものが止まりかねません。必要なライセンス契約が切れる、主要な権利が他人名義だった、といった「権利の欠け」も同じくらい警戒されます。

技術やブランドの価値を見極める

強みが知的財産で守られていなければ、競合にまねされた時点で優位性は失われがちです。譲受企業は、コア技術やブランドがどこまで法的に保護されているかを確かめ、提示する譲渡価格に見合う価値があるかを判断します。保護の厚さは、将来の収益をどこまで見込めるかの根拠そのものです。

調査結果を譲渡価格や契約条件に反映する

見つかったリスクは、譲渡価格の調整や最終契約の表明保証条項、特別補償の条項として形を変えて残ります。クロージングまでの是正を求められることも。知財DDは調べて終わる調査ではなく、交渉の材料を集める工程と捉えたほうが実態に近いはずです。

知財DDの主な調査項目と確認されるポイント

調査の範囲は業種や規模で変わりますが、見る観点はおおむね共通しています。下表は、主な調査観点と、譲受企業から提出を求められやすい資料を整理したものです。

調査の観点主な確認内容求められやすい資料
権利の存在と有効性登録状況、残存期間、特許料や更新料の納付権利一覧、登録証
権利の帰属名義人、職務発明の扱い、外注成果物の権利職務発明規程、業務委託契約書
第三者との関係侵害の有無、警告書や訴訟の履歴、ライセンス条件ライセンス契約書、警告書と回答書の控え
営業秘密の管理秘密情報の特定、アクセス制限、秘密保持の誓約情報管理規程、秘密保持誓約書

権利の存在と有効性

出発点は、対象会社が保有する特許・商標・意匠などの一覧表づくりです。一覧がなければ、譲受企業側の専門家が特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で洗い出すことになります。

特許の登録国・残存期間・特許料の納付状況

特許では、どの国で登録されているか、存続期間が何年残っているか、特許料(いわゆる年金)が納められているかを見ます。登録国が事業展開の地域とずれていれば、その国では技術が守られていない状態です。残存期間は、事業計画上の収益貢献期間と照らし合わせて評価されます。

特許料の納付漏れが招く権利の消滅

見落とされやすいのが特許料の納付漏れ。特許法第112条は、納付期限から6か月以内であれば割増特許料とあわせて追納できると定めています。その期間も過ぎれば、権利は遡って消滅したものとみなされます。担当者の退職をきっかけに管理が途切れていた、という話は珍しくないのが実情です。

商標の指定商品と更新期限

商標は、登録されているだけでは足りません。実際に使っている商品やサービスが、登録時に定めた指定商品・指定役務の範囲に含まれているかが確認のポイントです。存続期間は登録から10年で、更新を重ねれば使い続けられるものの、更新を忘れて失効していた例も見かけます。

権利の帰属と名義

権利そのものが有効でも、名義が対象会社以外なら、株式譲渡で会社を引き継いでも権利はついてきません。中小企業のM&Aで指摘を受けやすいのは、権利の有効性より、むしろ名義の問題です。

職務発明と社員が生んだ成果の扱い

社員が業務で生んだ発明は、放っておけば自動的に会社のものになるとは限りません。特許法第35条第3項は、契約や勤務規則であらかじめ定めておけば、特許を受ける権利が発生した時から会社に帰属するとしています。職務発明規程のない会社では、発明者である社員や元社員との権利関係を確かめる作業が必要です。

外注したシステムやデザインの著作権

外部の開発会社やフリーランスに頼んだシステム、Webサイト、ロゴの著作権は、契約で譲り受けていなければ原則として作成者に残ります。厄介なのは、契約書に「著作権を譲渡する」とだけ書かれているケースです。著作権法第61条第2項により、翻案権など第27条・第28条の権利は、明記がなければ譲渡した側に残ると推定されます。

オーナー個人や関連会社名義の権利

支援現場で特に多いのが、社名や主力商品の商標を創業者が個人名義で登録しているケースです。資産管理会社や兄弟会社の名義になっていることもあります。株式譲渡で動くのは会社の株式だけ。個人名義の権利は、譲受企業の手元には入りません。特許権や商標権の移転は特許庁に登録しなければ効力が生じないため、名義の整理には一定の時間が必要です。

第三者の権利を侵害していないか

自社の権利が整っていても、他社の特許を踏んでいれば事業は守れません。技術系の会社が相手の場合、譲受企業は次のような調査を組み合わせます。

侵害予防調査(FTO調査)

FTO調査(Freedom To Operate)は、対象会社の製品やサービスが他社の特許権を侵害していないかを確かめる調査です。特許は国内外で膨大な数が出願されるため、対象技術や対象国、出願中の案件まで含めるかといった範囲の設定が結果を左右します。抵触の懸念が出た場合の選択肢は、設計変更、ライセンス取得、相手特許の無効化などです。

無効資料調査と先行技術調査

FTO調査で気になる他社特許が見つかったときは、過去の文献からその特許の新規性や進歩性を否定する材料を探します。これが無効資料調査です。反対に、対象会社のコア技術がそもそも特許になりうるかを確かめるのが先行技術調査。リスク確認というより、技術の価値を測る目的で行われます。

特許ポートフォリオと技術動向の分析

保有特許が、製品の利益を生む部分を多角的に守っているかという網羅性も評価の対象です。被引用回数の多い特許は、他社の審査で先行技術として参照されてきたことを示し、牽制力の高さの目安になります。業界全体の出願動向と並べれば、対象会社の技術が独自領域にあるのか、競争の激しい領域にあるのかも見えてくるはずです。

知財関連契約のレビュー

ライセンス契約や共同開発契約は、対象会社の事業の自由度を左右します。知財DDでの契約書レビューでは、次の条項に特に目が向けられます。

チェンジ・オブ・コントロール条項

チェンジ・オブ・コントロール(COC)条項とは、契約当事者の株主や経営権が変わったときに、相手方へ解除権などを認める定めです。株式譲渡は契約の当事者を変えない手法ですが、この条項があると、他社から受けている技術ライセンスやソフトウェアの利用許諾が譲受後に打ち切られるおそれがあります。該当する契約は、相手方の同意を事前に得ておく段取りが必要です。

ロイヤリティ条件と共同開発の成果の帰属

ライセンス契約では、ロイヤリティの料率、契約期間、独占か非独占か、解除条件が確認されます。共同開発契約で焦点になるのは、成果物が他社との共有になっていないかどうか。共有特許は、他の共有者の同意なしに第三者へライセンスを出せないなど、利用に制約がかかります。

オープンソースソフトウェアの利用条件

製品やシステムにオープンソースソフトウェア(OSS)を組み込んでいる場合は、ライセンス条件を守れているかも確認の対象です。GPLのように、改変したソフトウェアを配布する際にソースコードの公開を求める類型もあります。ソフトウェアを扱う会社では、ITデューデリジェンスと並行して確認されることの多い論点です。

営業秘密とノウハウの管理体制

図面、製造条件、レシピ、顧客リスト、原価表。特許を出していない会社ほど、競争力の源泉はこうした情報にあります。ただし、法律で守られる営業秘密に当たるかどうかは、管理の仕方次第です。

営業秘密として保護されるための3要件

不正競争防止法第2条第6項は、秘密として管理され、事業活動に有用で、公然と知られていない技術上・営業上の情報を営業秘密と定めています。秘密管理性・有用性・非公知性の3つがそろわなければ、情報を持ち出されても法的に守るのは困難です。

秘密管理性はどこまで求められるか

経済産業省の営業秘密管理指針(2025年3月改訂)は、求められる管理の程度は企業の規模や情報の性質によって異なるとしています。紙ならマル秘表示や施錠保管、データならアクセス権限やパスワードの設定。社員が秘密だと認識できる状態をつくることが肝心で、知財DDでは管理規程と運用の実態が照らし合わされます。

退職者やキーマンからの流出リスク

譲受後に技術者や営業責任者が辞め、ノウハウや顧客ごと競合へ移る。譲受企業が最も嫌う展開のひとつです。秘密保持誓約書や退職後の競業避止の取り決めがあるかは、人事労務DDとも重なる確認事項になります。

ブランド価値の評価

ブランドの価値は、商標登録の有無だけでは測れません。市場での認知度や評判、リピート客の多さ、競合ブランドとの比較を踏まえ、譲受後にどれだけ収益に貢献しそうかが見積もられます。この評価は、事業DDや財務DDの担当者と連携して進めるのが一般的です。

業種によって変わる知財DDの重点

同じ知財DDでも、業種が違えば力点はまるで変わります。調査範囲を見積もる際の目安として、代表的な業種の傾向を見てみましょう。

IT・ソフトウェア企業

ソースコードの著作権が誰に帰属しているか、OSSのライセンスを守れているかが中心です。受託開発の比率が高い会社では、顧客との契約で成果物の権利を手放していないかも確かめられます。IT企業のデューデリジェンスでは、知財とシステム面の確認を一体で進めるのが通例です。

製造業

製造方法や装置の特許に加え、図面や製造条件といった営業秘密の管理が問われます。取引先から預かった図面の扱いや、共同開発品の権利帰属も論点になりやすいところ。製造業のデューデリジェンスでは、設備やサプライチェーンの調査と組み合わせて評価されます。

小売・飲食業

店舗名や商品名の商標、看板やパッケージのデザインが主な対象です。フランチャイズ展開している場合は、加盟店への使用許諾の内容も確認されます。屋号を商標登録しないまま多店舗化している会社もあり、小売業のデューデリジェンスではブランドの保護状況が価格に直結しがちです。

医薬・バイオなど特許に依存する業種

1件の特許が企業価値の大半を左右することもあるため、特許の有効性や残存期間が徹底して調べられます。主要特許の満了で収益が急減する、いわゆるパテントクリフへの備えも評価の対象です。

知財DDの進め方と担当する専門家

知財DDは単独で動くより、法務DDや財務DDと同じスケジュールの中で進むのが通常です。流れを押さえておくと、資料準備の段取りが立てやすくなります。

調査範囲の決定から報告書までの流れ

下表は、知財DDの一般的な進行と、各段階で譲渡オーナー側に求められる対応をまとめたものです。

段階主な内容譲渡オーナー側の対応
調査範囲の決定業種や取引規模に応じ、特許中心か商標・著作権中心かを決める主要な知財と契約の概要を伝える
資料の開示権利一覧、契約書、紛争の履歴などを開示する資料を集めてデータルームへ格納する
書面調査とインタビュー専門家が資料を精査し、技術責任者や担当者に質問する開発の経緯や管理方法を説明する
報告書の作成リスクの内容、事業への影響、契約での手当て方法をまとめる指摘事項への補足説明や是正を検討する

資料の開示はバーチャルデータルームを通じて行われることが多く、DD報告書の指摘事項は、そのまま最終契約の交渉テーマになります。

弁理士と弁護士の役割分担

権利状況の確認や侵害調査は弁理士、契約や紛争リスクの評価は弁護士が担うのが一般的です。中小企業の案件では、法務DDを担当する弁護士が知財も一括して見て、技術的な論点だけ弁理士に意見を求める形もよく見られます。どのDDの専門家に何を頼むかは、対象会社の業種を見て譲受企業が判断します。

売り手が知財DDに備えるための事前準備

知財DDの指摘の多くは、譲渡オーナー側で事前に手を打てるものです。譲渡オーナー側のDD準備の一環として知財を早めに棚卸ししておけば、交渉の主導権を手放さずに済みます。

売却前に確認したい知財の棚卸しチェックリスト

会社売却の相談を受けた際、当社が知財まわりで最初に確認している項目を下表にまとめました。ひとつでも答えに詰まる項目があれば、DDが始まる前に整理しておきたいところです。

確認項目確認する内容用意する資料
登録済みの知的財産特許・商標・意匠の番号、名義、残存期間権利一覧表、登録証
特許料・更新料の管理次回の納付期限と社内の担当者特許事務所からの期限通知
社名・商品名の商標主要な名称が会社名義で登録されているか登録証、J-PlatPatの検索結果
外注成果物の権利システム、Webサイト、ロゴの著作権の帰属業務委託契約書、発注書
社員の発明・著作物職務発明や職務著作の社内規定職務発明規程、就業規則
ライセンス・共同開発COC条項、独占か非独占か、解除条件各種の契約書
紛争・クレームの履歴警告書の受領や送付、模倣品への対応警告書と回答書の控え
営業秘密の管理秘密情報の範囲、アクセス権限、誓約書情報管理規程、秘密保持誓約書
ドメイン・SNSアカウント登録者が会社か個人か登録情報の控え

名義と契約の不備は売却前に直す

棚卸しで問題が見つかっても、DD開始前なら落ち着いて対処できます。DDで初めて指摘されると、譲受企業の目には管理の甘い会社と映り、他の項目まで厳しく見られがちです。

個人名義の商標や特許を会社へ移す

オーナー個人名義の権利は会社へ譲渡し、特許庁で移転登録まで済ませておきます。気をつけたいのは、会社が対価を払うのか、無償で移すのかによって、会社側と個人側の双方に課税関係が生じる点。税務の扱いを先に確かめてから動くのが安全です。

外注先との著作権の取り決めを補う

外注先との契約に著作権の譲渡条項がない、あるいは第27条・第28条の権利が明記されていない場合は、追加の覚書で譲渡と著作者人格権の不行使を取り決める方法があります。相手が廃業して連絡がつかなくなると手当てが難しくなるため、取引が続いているうちに着手したいところです。

支援現場で見かける知財の落とし穴

中小企業の売却案件で知財が問題になる場面は、派手な特許紛争よりも、ずっと地味なものです。当社がよく出会う3つのパターンを紹介します。

主力ブランドの商標が創業者個人のもの

地域で知られた主力商品の名前を、創業時に社長個人で商標登録したまま、何十年も経っているパターンです。基本合意の後にこれが判明すると、移転登録を最終契約のクロージング条件に加える交渉が必要になり、スケジュールが後ろへずれ込みます。棚卸しの段階で気づいていれば、避けられた遅れです。

受発注システムが外注先の著作物のまま

受発注システムを地元の開発会社に作ってもらい、手元にあるのは簡単な発注書だけ。こうした会社では、譲受企業のグループシステムへの統合や改修を自由にできるかが問われます。覚書の締結で解決できることが大半ですが、売却の話が具体化してから慌てて動くと、交渉が不利になることもあります。

製造ノウハウがベテラン社員の頭の中だけ

製造の勘所が文書化されず、特定のベテラン社員の経験に頼っているケースも少なくありません。営業秘密としての保護以前に、その社員が辞めれば技術が消えるリスクとして見られるのが現実です。手順書への落とし込みと秘密保持誓約書の取得は、売却準備の早い段階で進めておくと評価が安定します。

知財の指摘事項が譲渡価格と契約に与える影響

知財DDで問題が見つかっても、すぐに破談になるとは限りません。多くの場合、行き着く先は下表のような取引条件の調整です。

指摘事項の例典型的な対応譲渡オーナーへの影響
個人名義の商標・特許クロージングまでの移転登録を前提条件にする手続の期限管理が必要になる
外注成果物の権利が不明確覚書の締結を求める、または特別補償を設定する補償の範囲と期間を交渉する
COC条項のあるライセンス契約相手方の同意取得を前提条件にする同意が得られなければ価格調整も
他社特許への抵触懸念譲渡価格の減額、特別補償、取引中止価格と手取りに直接響く
営業秘密の管理不備表明保証の追加、譲受後の是正計画譲受後の協力事項が増える

どの対応をとるかは、発見されたリスクの評価と企業価値評価への影響を突き合わせて決まります。補償の範囲が広がるほど、譲渡後に請求を受ける可能性も高まる点は見落とせません。

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知的財産デューデリジェンスに関するFAQ

会社売却を考え始めたオーナー経営者から、知財DDについて寄せられることの多い質問をまとめました。

Q:知財DDの費用は売り手と買い手のどちらが負担しますか?

調査を依頼するのは買い手なので、費用も買い手の負担が通常です。一方で、売り手側の権利の棚卸しや移転登録、覚書の作成にかかる費用は売り手が負担します。DD全体の費用負担と同じ整理で、売却準備の予算に入れておくと安心です。

Q:営業秘密やソースコードまで買い手に見せる必要がありますか?

最初からすべてを見せる必要はありません。現場では、秘密保持契約を結んだうえで、概要から段階的に開示します。買い手が同業者なら、閲覧者を限定する、レシピや原価の肝となる部分は最終契約の直前まで伏せる、といった工夫も有効です。

Q:事業譲渡の場合、知的財産はどう引き継がれますか?

株式譲渡なら権利は会社名義のまま残りますが、事業譲渡では特許や商標を個別に移す必要があります。移転登録を済ませなければ効力が生じず、ライセンス契約の引継ぎには相手方の同意も必要です。知財の多い会社ほど、株式譲渡と事業譲渡の違いが手法選びに響きます。

Q:知財DDにはどれくらいの期間がかかりますか?

中小企業の株式譲渡では法務DDと並行して進むため、知財だけで日程が大きく延びることは多くありません。ただし、特許の侵害調査を本格的に行う場合や海外の権利確認が絡む場合は、別途時間を見込みます。権利一覧と契約書がそろっているかどうかが、所要期間を大きく左右する要素です。

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知的財産デューデリジェンスへの備えで売却条件を守る

知財DDでは、特許の数より、権利の名義・契約・営業秘密の管理が整っているかが問われます。個人名義の商標や外注システムの権利は、売却前に手当てしておけば条件交渉で不利になりにくくなります。何から手をつけるか迷うのは自然なことで、まずは棚卸しから始めれば十分です。

みつきコンサルティングは税理士法人グループのM&A仲介会社として、中小企業M&Aの豊富な支援実績を持ちます。知財や契約の整理から、名義変更に伴う税務の確認まで、売却準備を一体で支えます。会社売却をお考えの際は、お気軽にご相談ください。

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著者

綿引 征典
綿引 征典
国内大手証券会社にて顧客のお金や人生に関わる財産運用を助言。相続・事業承継専門の会計事務所を経て、当社では法人顧客の税務対策・申告、M&Aに係る財務・税務のアドバイザリーに従事。税理士
監修者 神門 剛 代表取締役 / 公認会計士・税理士

みつきコンサルティングは、中小企業の会社売却・事業承継に特化した譲渡企業様に完全成功報酬制のM&A仲介会社です。売り手と買い手企業の最適なマッチングを、経験豊富なM&Aコンサルタントが初期相談から成約まで一貫してフルサポートします。

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