複雑で長期に渡るM&Aを成功させるには、エージェントによるサポートが必要です。M&Aのエージェントには複数の種類があります。この記事では、M&A業界への転職を検討している人に向けて、M&Aのエージェントの種類を解説します。エージェントの活用法や利用の流れなどとともに、選び方や注意点も解説するので、ぜひ参考にしてください。
M&A業界の現状
M&A業界は、M&Aの仲介やサポートに対応している業界です。事業継承について問題を抱える企業が増えており、M&Aに踏み切るケースが増えています。そのため、主として他業界からM&A業界への転職を目指す方が多い状況です。
▷関連:M&Aとは|2024年も増加!目的・メリット・流れ・方法を解説
M&A業界の転職市場
以下では、M&A業界の転職市場について解説します。
M&A業界の転職市場は活発化
M&Aが増加しているため、M&A業界では人材の確保に積極的なところが多くなっています。M&A業界の転職市場は活性化しており、求人も増えている状況です。なかには、未経験者を積極的に採用しているケースもあります。M&A業界への転職を目指せば、幅広い求人の中から自分に合う仕事を見つけられるでしょう。
▷関連:M&A業界への就職のポイント|今後の業界の動向も解説
参考:年収ラボ-平均年収&給料
※上記サイトではサラリーマン、企業・職業・資格・年代別の平均年収が掲載されております。M&A業界の就職、転職にお役立て下さい。
成功するためのエージェント活用法
M&A業界の転職を成功させるには、エージェントを上手く活用しましょう。ここでは、エージェントの活用法について解説します。
本気度を示す
エージェントから十分なサポートを受けるには、転職に対する本気度を示す必要があります。エージェントからの連絡に対しては、迅速な返信を心がけましょう。また、履歴書や職務経歴書を準備しておくことも大切です。
本音を話す
エージェントに対しては、自分の希望条件を正直に話しましょう。状況を正確に伝えたほうが的確なアドバイスを受けやすくなります。また、気になる内容があれば、その都度質問して疑問を解消することも大切です。
能動的に動く
エージェントを利用する場合も、自分自身が能動的に動く必要があります。企業について自ら情報を集め、転職活動に積極的に取り組みましょう。
人材エージェントを利用する流れ
ここでは、M&A業界への転職におけるエージェントの利用の流れについて解説します。
履歴書や職務経歴書の作成
履歴書や職務経歴書を作成しましょう。履歴書は自分の人間性について伝えるための書類であるのに対し、職務経歴書は仕事の経歴や実績などをまとめる書類です。必要な情報が正しく伝わる書類を作成してください。
転職エージェントの選定・登録・面談
エージェントを選び、登録しましょう。業界や職種に特化したエージェントも存在します。エージェントへの登録は基本的に無料で、Web上から登録可能です。その後、面談を通して自分の希望条件などを伝えます。
転職先企業の選定・応募・面接
面談の内容をもとに希望条件に合う企業を選定します。エージェントと相談しながら、どこに応募するか決めましょう。書類選考を通過すると、面接を受けられます。
転職を成功するためのエージェントの選び方
M&A業界への転職では、何を基準にしてエージェントを選べばよいのでしょうか。ここでは、選び方についてくわしく解説します。
M&Aに特化しているか
M&A業界は専門性が高いため、M&Aに特化しているエージェントがおすすめです。M&A業界とつながりがあるエージェントなら、仕事や業務内容についてのリアルな情報も得やすいでしょう。
非公開求人があるか
希少性の高い求人は非公開とされている場合が多くなっています。また、希少性の高い求人は待遇がよい傾向があることも特徴です。条件を満たしていると採用される可能性が高いため、非公開求人の有無についてもチェックしましょう。
M&A業界や金融機関などの職務経験者がいるか
エージェントにM&A業界や金融機関などの職務経験者が在籍していれば、より専門的なアドバイスを得られます。手厚いサポートを受けられるため、どのような経歴をもつ人が多いのかを確認しましょう。
エージェントを活用する際の注意点
M&A業界への転職でエージェントを活用する場合、気をつけたいこともあります。ここでは、注意すべき点について具体的に解説します。
エージェント任せにしない
M&A業界への転職を成功させるには、エージェントに頼りすぎないようにしましょう。転職理由や希望条件などについては、自己分析により慎重に判断する必要があります。また、提示される情報を鵜呑みにせず、自分で調べることも大切です。
担当者との相性も考慮する
エージェントにはさまざまな担当者がいます。たとえ担当者のスキルが高くても、自分と相性が合わなければ、転職活動をスムーズに進められません。担当者の変更もできるため、相性のよい担当者を探しましょう。
M&A業界に強い人材エージェント3選
M&A業界への転職には、転職エージェントの利用がおすすめです。ここでは、M&A業界に強い転職エージェントを3社、紹介します。
アクシスコンサルティング
アクシスコンサルティングは、コンサルティングファームの求人を扱っている転職エージェントです。特に、シニアコンサルタントの入社実績が豊富で、経験を活かした転職を希望する人に向いています。
ムービンストラテジックキャリア
ムービンストラテジックキャリアは、ファンド、M&A、金融の分野に特化して転職を支援している転職エージェントです。金融業界の出身者が在籍しているため、専門的な内容についての相談もしやすいでしょう。
リメディ
リメディは、上場M&A仲介業界で内定数No.1の転職エージェントです。M&A業界の採用経験者やアドバイザー経験者も在籍しており、内定につながる具体的なアドバイスをもらえる可能性があります。
M&A業界で活かせ経験や能力
M&A業界で活躍するには、M&A業界で役立つ経験や能力が必要です。M&A業界へ転職した人の前職は、金融機関が多い傾向にあります。また、M&A業界への転職を成功させているコンサルタント、公認会計士、税理士も珍しくありません。ほかにも、一般企業の法人営業や事業企画などの経験を活かし、M&A業界へ転職する人もいます。
M&A業界で求められるスキルは職種によって異なります。たとえば、論理的思考力、課題発見力、BtoBの営業スキルなどが必要です。また、扱う業界に関する知識も求められます。
▷関連:事業承継を成功へ導く相談相手は?顧問税理士への相談が最多
M&A実務を行うエージェント(参考)
人材エージェントとは別に、M&Aの助言・仲介を行うエージェント(代理人)について説明します。これらの者は、専門的な知見により、M&Aについてアドバイスをするプロです。一般的には、コンサルタントやアドバイザーなどと呼ばれています。M&Aのエージェントは、顧客とともにM&Aのスムーズな成立を目指します。
M&Aのエージェントの種類は、3つに大別できます。それぞれについて解説します。
▷関連:M&Aの相談先はどこが良い?税理士・銀行・仲介会社等の違いを解説
M&Aアドバイザリーでの仕事
M&Aアドバイザリーは、譲渡側または譲受側のいずれかのパートナーになり、最大限に有利な条件でのM&A成立を目指します。具体的には、コンサルタントやアドバイザーなどの職種がサービスを提供しています。譲渡側と譲受側では必要なアドバイスが異なるため、それぞれの立場に合わせた提案が必要です。
M&A仲介会社での仕事
M&A仲介会社は、譲渡側と譲受側の間に入って契約の成立を目指します。譲渡側と譲受側のどちらか一方に対応するのではなく、中立的な立場からマッチングを促す仕事です。ただし、特に大手エージェントの多くは、M&AアドバイザリーとM&A仲介会社の両方のサービスを、まとめて提供しています。
FAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)での仕事
FAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)は、M&A業務や財務業務に特化したサービスを提供しています。主に、デューデリジェンス(買収監査・企業調査)や企業価値算定などを得意としています。コンサルティングファームに分類される場合もあるものの、FASはM&A業務や財務業務を専門的に扱う仕事です。
M&A業界の人材エージェントのまとめ
M&A業界への転職を検討する際は、一般的には転職エージェントを利用することが多いです。
みつきコンサルティングは、経営コンサルティングの経験者が数多く在籍しているM&A仲介会社です。税理士法人のグループ企業であり、M&A以外の方法も検討したうえで最適な選択肢を提案しています。M&Aの代理人として、顧客に寄り添った提案やサポートができるため、ぜひチェックしてみてください。
著者
-
宅食事業を共同経営者として立ち上げ、CFOとして従事。みつきコンサルティングでは、会計・法務・労務の知見を活かし、業界を問わず、事業承継型・救済型・カーブアウト・MBO等、様々なニーズに即した多数の支援実績を誇る。
監修:みつき税理士法人
最近書いた記事
- 2024年11月18日増加する「IT業界のM&A」で2025年の崖を解決できる?
- 2024年11月17日M&Aニーズの高い人気業種6選!業界別の動向・成約事例も紹介
- 2024年11月17日社員への株式譲渡|社内承継は増加・目的・課題・リスク・方法とは
- 2024年11月17日事業譲渡で社員はどうなる?雇用契約・人員調整・退職金・注意点とは