自動車ディーラーの会社売却は、メーカーやインポーターが販売店契約の継続を認めるかどうかで段取りが変わります。価格の目安は、車検や点検の稼ぎで固定費をどこまで賄えているか、保有顧客がどれだけ厚いかで開くもの。後継者不在や店舗改装の負担に悩むオーナーに向けて、ディーラー権の承継手順と、愛媛の輸入車ディーラーが売却を選んだ事例をお伝えします。

メーカーから示された新しい店舗基準と、在庫金融に付いたままの個人保証。この2つを前に、会社の行く末を案じる新車ディーラーのオーナーは珍しくありません。ディーラーの売却では販売店契約へのメーカー承認が絡み、試乗車や下取り車の在庫、社長名義の店舗用地の扱いまで論点が重なります。本記事は、会社売却を検討し始めたディーラーのオーナー経営者に向けたものです。
新車456万台の市場で進むメーカー主導のディーラー再編
新車の販売台数は2年ぶりに増えました。それでも販売会社の数は減り続け、M&Aによる集約も止まっていません。
2025年の新車販売は2年ぶりの増加、ブランドで分かれた明暗
日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会によると、2025年の新車販売台数は456万5,777台で、前年を3.3%上回りました。伸びを支えたのは7.0%増の軽自動車で、登録車は1.2%増にとどまります。年度で見た2025年度は453万3,782台と0.9%減。日産は比較できる1993年度以降で初めて、年度で40万台を割り込みました。同じ地域でも、扱うブランドによって追い風と逆風が分かれた1年です。
会員ディーラー数と販売拠点が映す集約の流れ
自販連の資料では、会員ディーラーは2020年末の1,531社から2024年末には1,463社へ減りました。販売拠点も2020年3月末の1万4,406から、2024年3月末には1万3,809へ。同じ期間に営業員は8万2,271人から7万8,015人に減った一方、整備員は9万7,000人台でほぼ横ばいです。店と営業の数は絞り込み、整備の人員は厚めに維持。販売よりアフターで稼ぐ体制へ寄せていく流れが、数字から読み取れます。
全車種併売と地域統合が促す販売会社の集約
再編の旗を振ってきたのはメーカーです。トヨタは2020年5月に全販売店での全車種併売へ切り替え、系列ごとに分かれていた販売会社が同じ車を売り合う形になりました。SUBARUも2024年7月、33社ある国内の出資特約店を地域ごとに統合し、2026年4月時点で10社に集約すると発表しています。理由に挙げられたのは、地域ごとの人材不足への対応。メーカー資本の販売会社で進む集約は、隣接する地場資本の販売会社にとっても、商圏と採用の前提を変える出来事です。
▷関連:自動車販売・整備業のM&A|電動化と買い手多様化で読む譲渡事例
店舗基準の刷新と電動化投資が売却の検討を早める
改装の見積書を受け取った日に、初めて会社を売りたいと考えたという社長もいます。検討を早める事情は、ディーラーならではのものです。
メーカーの店舗基準に合わせた改装投資
販売店契約のもとでは、ショールームの外観や内装、看板の仕様をブランドごとの基準に合わせるよう求められます。基準が改まるたびに、まとまった改装費が必要になる店舗も出てきます。投資の回収には長い年月がかかり、60代の社長にとっては、自分の代で元を取れるかという問いに変わる局面です。後継者が決まらないまま大型の改装を借入で賄うのか、改装の前に会社売却へ踏み出すのか。ここで判断が分かれます。
高電圧の整備に広がった特別教育と充電設備
電動車の取扱いには、急速充電器の設置や、高電圧の部品を安全に扱える作業場と人材が欠かせません。労働安全衛生規則の改正で、2024年10月からは高電圧の駆動用蓄電池を積む車の整備も、特別教育の対象に加わりました。整備士の教育時間は増え、販売台数がまだ少ないブランドでも設備は先に整える必要があります。売上が立ち上がる前に固定費が膨らむ構図。これが単独での経営を重くしています。
在庫金融と借入に付いた代表者の個人保証
新車の仕入れは、メーカー系の販売金融会社などによる在庫金融で賄う販売会社が多く、店舗の土地建物にも借入が付いています。その多くに代表者の個人保証が付いたまま、というのが中小ディーラーの実情です。後継者がいなければ、この保証を誰が背負い続けるのかという問いが残ります。家族には引き継がせたくないという思いから、事業承継の相談が保証の出口探しとして始まることも少なくありません。
初回の面談で必ず伺うのが、在庫金融と銀行借入のそれぞれに、どれだけの個人保証が付いているかという点です。在庫金融はメーカー系の会社、店舗の借入は地元の金融機関というように貸し手が分かれていると、保証を外す交渉も相手ごとに進めることになります。譲受企業の信用で借り換えるのか、保証人を差し替えるのか。最終契約の条件に落とし込む前に、双方の貸し手の反応を確かめておくと、クロージングの日程が崩れません。
売却で得られる効果と引き換えになるもの
売却を選べば、雇用と顧客を残しながら、投資と保証の重荷を下ろせます。その代わり、看板や経営の裁量は譲受企業との協議事項に変わります。下表に、自動車ディーラーの譲渡オーナーが受け取りやすい効果と、引き換えになりやすい点を並べました。どちらが重いかは、後継者の有無と、次の改装までに残された年数で違ってきます。中小企業のM&Aでは、この比較を数字に置き換えてから判断するのが近道です。
| 譲渡オーナーのメリット | 譲渡オーナーのデメリット |
|---|---|
| 保証と在庫金融の負担を外せる 代表者の個人保証を、譲受企業の信用に置き換える道筋が立つ | 相手先の選択肢が絞られる 販売店契約の承認が前提となり、候補がブランド側の意向に左右される |
| 改装と電動化の投資を分担できる 店舗基準の刷新や充電設備を、資本力のある相手と進められる | 看板や社名が変わる場合がある 時期を置いて、グループ名への統一を求められることもある |
| 整備士と営業スタッフの雇用が続く グループの研修や人事交流で、働く場の選択肢が広がる | 拠点の統廃合が起こりうる 近隣店舗と商圏が重なると、店の集約が検討される |
| 保有顧客の車検と点検が途切れない 地域の顧客に、これまでどおりアフターを届けられる | 担当者の異動で顧客が揺れる 営業担当の配置換えで、長年の顧客が離れる懸念が残る |
| 仕入れと販路が広がる 中古車の仕入れや販売エリアを、グループの網で補える | 取引先の条件がグループ基準に寄る 取扱保険会社や信販会社の見直しが入ることがある |
| 創業者利益と地代収入を得られる 株式の対価に加え、自己所有の店舗用地を貸して賃料を受け取れる | 手取りは税と契約設計しだい 譲渡益への課税や退職金、賃料の決め方で手元に残る額が変わる |
▷関連:自動車販売・整備業のM&A|電動化と買い手多様化で読む譲渡事例
ディーラー権の承継を支える販売店契約とメーカー・インポーターの承認
株を渡せば、ディーラー権も一緒に移るはず。半分は正解で、半分は思い違いです。どこまでが自然に移り、どこから承認が要るのかを見ていきます。
販売店契約は会社に残り、株主の交代には承認が絡む
ディーラー権の実体は、メーカーやインポーターと結ぶ販売店契約です。契約の当事者は会社なので、株式譲渡であれば契約そのものは会社に残ります。ただ契約によっては、主要な株主や代表者が替わる際に事前の承認を求める条項が置かれ、承認が得られなければ契約の見直しや解除に進むことも。名義が変わらないから安心、とは言い切れない理由がここにあります。株式譲渡を選んでも、承認は避けて通れない関門です。
株式譲渡と事業譲渡で異なる引継ぎの範囲
拠点やブランドの一部だけを渡すなら事業譲渡も選べますが、ディーラーで引き継ぐものは契約と許認可が中心で、スキームによって手間が大きく変わります。整備の認証について、道路運送車両法第82条が地位の承継を認めているのは、相続・合併・分割の場合に限られます。事業譲渡では譲受企業が認証を受け直す必要があり、指定工場も同じ扱いです。下表は、主な項目を株式譲渡と事業譲渡で比べたものです。
| 引き継ぐもの | 株式譲渡の場合 | 事業譲渡の場合 |
|---|---|---|
| 販売店契約(ディーラー権) | 契約は会社に残る。株主や代表者の変更に承認条項があれば、事前に承認を得る | 譲受企業とメーカーやインポーターが新たに契約を結ぶ。審査を経る |
| 整備の認証・指定工場 | 法人がそのまま保有。役員の変更などは地方運輸局長へ届出 | 承継の対象外。譲受企業が認証・指定の手続をやり直す |
| 古物商許可(下取り車の買取) | 許可は会社に残る。役員の変更などは公安委員会へ届出 | 譲受企業が新たに許可を取得する |
| 損害保険代理店 | 代理店登録は会社に残る。保険会社との委託契約の条件を確認 | 譲受企業での代理店登録と、保険会社ごとの委託契約が要る |
| 信販会社の加盟店契約 | 契約は続く。経営者の交代を伝え、条件を確認 | 加盟店として改めて審査を受ける |
| 新車の在庫金融 | 与信枠は続く。代表者の保証の差し替えを協議 | 譲受企業の信用で新たに枠を設ける |
| 従業員 | 雇用契約はそのまま続く | 一人ひとりの同意を得て転籍する |
承認までの段取りと打診の順番
承認の審査では、譲受企業の財務の厚み、同じブランドを扱う体制、既存の顧客へのサービスが途切れないかといった点が見られます。候補先が競合ブランドの店舗を持っていれば、併売の可否も論点に。説明に行く時期は、譲受候補が1社に絞れた後が基本です。早すぎれば社内外に話が広がり、遅すぎれば最終契約の直前に条件を付けられかねません。承認の書面が届くまでの期間も、クロージングの日程に織り込んでおきます。
支援現場では、承認の見通しを立てるために、販売店契約の条項を最初の段階で読み込みます。承認条項の有無、社名や看板の変更に関する定め、競合ブランドとの併売制限。ここを先に押さえておけば、譲受候補の絞り込みで遠回りをせずに済みます。相談先を選ぶ際も、こうした契約書を読み解けるかどうかは、仲介会社一覧で得意分野を比べるときの目安にもなります。
▷関連:小売業のM&A|EC化と店舗網再編が変える譲渡価格と成約事例
譲渡価格の目安とサービス吸収率という物差し
新車をたくさん売っている会社ほど、高く売れるのでは。よく受ける質問ですが、譲受企業の見方は少し違います。
年買法で置く出発点と、ディーラー特有の修正
株価の算定には純資産法やDCF法もありますが、中小のディーラーでよく使われるのは年買法(年倍法)です。算式は「時価純資産+のれん」で、のれんには営業利益の数年分を充てるのが一般的。ディーラーでは、試乗車や下取り車を相場で洗い直し、オーナー所有の店舗用地との賃貸借や、メーカーからの奨励金の未収分も計算に反映させます。修正を重ねると、簿価との差が大きく開く場合もあります。売却相場を一律に示しにくいのは、このためです。
サービス吸収率が高い会社は景気の波に強い
サービス吸収率は、車検や点検、一般整備、部品販売といったアフター部門の粗利で、人件費や家賃などの固定費をどこまで賄えているかを示す割合です。固定費カバー率とも呼ばれ、100%に達していれば、新車の粗利がなくても固定費を賄える計算。日本自動車整備振興会連合会の2025年度実態調査では、総整備売上高6兆6,592億円のうちディーラーが3兆493億円と半分近くを占めました。この割合が高い販売会社ほど、新車の台数が落ちた年でも崩れにくく、のれんを厚めに見てもらいやすくなります。
税理士法人グループのM&A仲介会社であるみつきコンサルティングでは、ディーラーの企業価値評価に入る前に、損益を新車、中古車、サービス、保険やローンの手数料に分けて組み直します。拠点ごとに吸収率を並べてみると、赤字店を抱えながら会社全体では手堅い、という実像が浮かぶ場合も。試乗車の含み損や奨励金の未収分は、この段階で洗い出しておきます。
保有顧客の厚みを示す数字
譲受企業が次に見るのは、自社で車を買った顧客がどれだけ残っているかです。管理している保有台数、車検の入庫率、次の乗り換えを自社で取れている割合。任意保険やローン、メンテナンスパックの付帯率も、来店の理由を増やす指標として見られます。新車の販売台数が同じでも、この厚みが違えば数年後の収益はまるで変わるもの。下表は、自動車ディーラーの売却で確かめられやすい視点と、価格への響き方をまとめたものです。
| 評価の視点 | 確かめられる内容 | 価格への響き方 |
|---|---|---|
| サービス吸収率 | アフター部門の粗利で固定費を賄えている割合と、拠点別の推移 | 高い会社は減益の局面に強く、のれんが厚くなりやすい |
| 保有顧客と代替率 | 管理台数と、乗り換えを自社で獲得した割合 | 次の新車販売の見込みとして加点されやすい |
| 車検入庫率 | 自社で販売した車の車検が戻っている割合 | 整備の稼働と整備士の配置計画の裏づけになる |
| 付帯収益 | 保険、ローン、メンテナンスパック、コーティングの付帯率 | 1台当たりの粗利の厚みとして評価される |
| 拠点別損益 | 店舗ごとの営業利益と、次の改装時期の近さ | 赤字拠点や改装間近の店は、投資負担として差し引かれる |
決算を読み替えておきたい項目
年度ごとの利益をそのまま並べると、実力を見誤る項目がディーラーにはあります。メーカーの販売目標に連動する奨励金や、税制の変わり目に生じた需要の前後ずれがその代表。譲受企業も同じ点を点検するため、譲渡オーナーの側で先に均しておけば、価格の話し合いが数字の解釈でこじれずに済みます。3月決算の会社なら、2026年3月期は特に注意したい年度。単年ではなく、数期の平均で語れる準備をしておきましょう。
販売奨励金と自社登録の扱い
年度末の3月に登録が膨らむ背景には、メーカーの登録台数目標と連動した奨励金があるといわれます。目標を満たすために自社名義で登録した未使用車は、翌期に値引きして売ることになり、利益の先食いと同じ形。奨励金の達成状況と自社登録の台数は、年度をまたいで確認されます。
環境性能割の廃止をまたぐ2026年3月期
自動車税の環境性能割は、2026年3月31日で廃止されました。購入時の負担が軽くなる4月以降を待つ動きが出れば、年度末の登録は翌期へずれます。2026年3月の登録車の販売台数も、前年同月比7.3%減でした。要因はさまざまですが、2026年3月期と翌期の決算を並べ、均した利益で話し合うのが得策です。
隣の同系列店からカー用品大手まで広がる買い手の顔ぶれ
最初に手を挙げるのが、隣の同系列店とは限りません。ディーラー権を求めて、業態の違う会社が名乗り出ることもあります。
同じブランドを扱う隣接エリアの販売会社
もっとも自然な相手は、同じメーカーの車を隣の商圏で売る販売会社です。メーカーから見ても、ブランドの運営に慣れた相手への承継は受け入れやすいもの。店舗網がつながれば、在庫の融通や整備士の応援、広告の共同化で効率が上がります。反面、商圏が重なる店舗は集約の対象になりやすく、雇用と拠点の扱いを最終契約でどこまで約束してもらえるかが交渉の山場。店名や屋号の存続も、この場で話し合っておきたい事項です。
複数ブランドを束ねる販売グループ
複数のメーカーやインポーターの正規販売店を抱えるグループは、ブランドごとの店舗網を買い足す形で規模を広げてきました。仕入れや人材の融通が利き、管理部門も共通化できるため、純資産が薄い販売会社でも、正規販売店の枠そのものに価値を見いだすことも。売上高17億円台と131億円という規模の違う2社を、同じ年に取得した輸入車の例があります。公開情報から、その動きを追ってみましょう。
ケーユーホールディングスによるシュテルン西多摩の取得
ケーユーホールディングスは2025年5月26日、東京都福生市でメルセデス・ベンツの正規販売店を2店舗運営するシュテルン西多摩の全株式を、S&Dインポートカーズから取得すると発表しました。対象会社の2024年3月期は売上高17億1,000万円、営業利益1,300万円、純資産2,300万円。狙いは販売網の拡大と、人材・技術の交流による競争力の強化で、取得価額は公表されていません。
シュテルン中央の取得と22拠点への拡大
ケーユーホールディングスは7月23日にも、東京都中央区と江東区豊洲で3店舗を運営するシュテルン中央の全株式を、ナカリンオートから取得すると発表しています。シュテルン中央の2025年3月期は売上高131億円、営業利益3億9,000万円、純資産10億9,000万円。株式譲渡の実行は9月1日の予定で、狙いは同じく販売網の拡大。メルセデス・ベンツの営業拠点は22に広がる見込みと報じられました。
ディーラー権を求める中古車販売会社とカー用品大手
中古車の販売や買取を手がける会社にとって、正規販売店の看板は、新車の取扱いと下取り車の安定した仕入れを同時にもたらします。隣接業種からの参入もあり、オートバックスセブンの子会社は2024年8月、千葉県北西部を地盤とするホンダ系販売会社の東葛ホールディングスに公開買付けを始め、9月に成立させました。アウディやBYDの正規販売店に続き、ホンダ車の販売を加える狙いです。
当社の支援実績を振り返ると、同じブランドの販売会社だけに絞らず、中古車の販売会社や複数ブランドのグループにも並行して声をかけた案件ほど、条件の選択肢が広がりました。とはいえディーラーの場合、打診の範囲はブランド側の考え方と切り離せません。自動車ディーラーの売却相談を受けるみつきコンサルティングでは、承認の見通しを確かめながら、M&A仲介の立場で打診の順番を組み立てます。
ディーラー権を守り社名も残した愛媛の輸入車ディーラーの売却事例
みつきコンサルティングが支援した、愛媛の輸入車ディーラーの売却をご紹介します。

子どもが小さく親族承継を描けなかった代表
1990年代に創業し、輸入車と中古車の販売、車検・整備を営むR社は売上約11億円。50代の代表は子どもがまだ小さく、親族への承継は難しいと考えていました。当社の声掛けで検討を始めた当初の気がかりは、株価の水準と候補先の顔ぶれ、そして保有するディーラー権を円滑に移せるかどうかでした。
瀬戸内経済圏を共に変えようという提案
相手は四国で中古自動車の販売・買取・整備を営む、売上約90億円の会社です。トップ面談では「一緒に瀬戸内経済圏を変えていきましょう」という前向きな話になり、強く印象に残りました。雇用の継続は譲れない条件とし、ディーラー権の移行のため、しばらくは会社名を変えないことも重視しました。クロージング前にディーラー契約先と両社で面談して了承を得て、2022年12月に成約しています。
社名を残したまま広がった仕入れと販売エリア
代表は引き続き経営に携わっています。クロージング後すぐに従業員説明会を開き、譲受企業との人事交流も進めました。仕入れの幅と販売エリアが広がり、瀬戸内経済圏での事業拡大を目指しています。
【インタビュー全文】愛媛の輸入車ディーラーがディーラー権を守り売却を決めた理由を読む
改正保険業法の施行と在庫金融、売却前に見直したい論点
決算書に問題がなくても、保険代理店の記録や試乗車の台帳で確認が止まる場面は、デューデリジェンスで意外と多く見られます。
2026年6月施行の改正保険業法と代理店の管理体制
2025年5月に成立した改正保険業法が、2026年6月1日に施行されました。損害保険の手数料が年20億円以上などの大規模な乗合代理店には、法令等遵守の責任者や苦情処理の体制、修理業を兼ねる場合の監視体制が求められます。保険会社の側にも、修理工場を兼ねる代理店との取引で顧客の利益を損なわないための管理や、保険金支払いの査定の厳格化が課されました。基準に届かない中小ディーラーでも、募集の記録や修理見積もりの残し方は精査の対象です。
在庫金融・試乗車・下取り車の台帳を突き合わせる
新車在庫を在庫金融で仕入れている場合、代金を払い終えるまで所有権を貸し手側に留める契約がよく使われます。帳簿上の在庫と所有権の所在、試乗車の登録年月と走行距離、長く売れていない下取り車の相場。これらを台帳で突き合わせておけば、財務デューデリジェンスでの指摘が減り、減額の幅も読みやすくなります。自社登録した未使用車の台数や、代車として使っている車両の扱いも、ここで一緒に点検しておきたいところです。
社長名義の店舗用地と賃料・改装費の取り決め
店舗の土地や社屋を社長個人や親族が持ち、会社が借りている形は、ディーラーで多く見かけます。売却後も貸し続けるなら、賃料が相場から外れていないか、契約期間がメーカーの店舗基準に沿った改装の回収に足りるか、改装費をどちらが持つかを詰めておかなければなりません。相場より低い賃料を売却後に引き上げれば、譲受企業の利益計画が崩れます。価格と賃料は、同じテーブルで話し合うのが筋です。
完全成功報酬
M&Aが成立した場合のみ、譲渡対価に応じた手数料を頂戴します。
売主様は、ご成約まで費用負担なくスタートできます。
着手金・中間金
0円
月額報酬
0円
成功報酬
成約時のみ
※レーマン方式
自動車ディーラーの会社売却に関するFAQ
本文で触れなかった論点のうち、ディーラーのオーナーから実際に寄せられる質問を取り上げます。
できます。ブランドや拠点ごとに会社分割か事業譲渡で切り出し、それぞれのブランドから承認を得る形です。整備の認証は、会社分割なら届出で引き継げますが、事業譲渡では取り直し。手間と税負担は株式を一括で渡すより重くなりやすいため、みつきコンサルティングでは両方の案で手取りを試算してから決めていただきます。
進めること自体は可能です。ただし、株主としての同意と販売店契約上の承認という2つの関門があります。出資特約店のように資本関係が深い場合、メーカー側が近隣の販売会社との統合を望むことも。現場では、譲受候補を探し始める前に、出資比率と契約条項、メーカーの意向を確かめます。条件は出資の割合と契約の定めしだいです。
一律には下がりません。台数が読める点は評価されますが、1台当たりの粗利が薄く、特定のリース会社や法人に偏っていれば減額の材料になります。現場で見るのは、上位の取引先の構成比と契約の更新時期、そして車検や点検の入庫が自社に戻っているかどうかです。整備まで取れていれば、保有顧客として数えられます。
まとめて渡すことは可能です。ただ会社ごとに株主構成や借入、用地の名義が異なることが多く、どこまで含めるかで価格も手続も変わります。実務ではグループ内の取引と賃料の流れを一覧にしたうえで、各社の株式を個別に譲渡するか、持株会社にまとめてから渡すかを比較。税負担の差まで含めて判断します。
まとめ|自動車ディーラーに精通したM&A仲介会社みつきコンサルティング
自動車ディーラーの売却は、販売店契約へのメーカー承認を軸に、サービス吸収率と保有顧客の厚み、在庫と店舗用地の扱いが価格と日程を形づくります。ほかの小売業にはない、ディーラーに特化した論点ばかりです。誰に託すかの判断材料を早くそろえた会社ほど、従業員と顧客を守る選択肢が多く残ります。
みつきコンサルティングは財務・税務に強いM&A仲介会社として、中小企業のM&A仲介の実績経験が豊富です。販売店契約の読み解きから税務まで専門チームが同じ窓口で担うため、相談先選びに迷う段階でもお声がけください。自動車ディーラーの会社売却なら、みつきコンサルティングへ。
完全成功報酬のM&A仲介会社なら、みつきコンサルティングへ >

自動車ディーラーの会社売却の関連コラム
著者

- 名古屋法人部長/M&A担当ディレクター
-
人材支援会社にて、海外人材の採用・紹介事業のチームを率いて新規開拓・人材開発に従事。みつきコンサルティングでは、強みを生かし人材会社・日本語学校等の案件を中心に工事業・広告・IT業など多種に渡る案件支援を行う。M&Aの成約実績多数、M&A仲介・助言の経験年数は10年以上
監修者 神門 剛 代表取締役 / 公認会計士・税理士
最近書いた記事
2026年10月6日バイク販売店の売却|新基準原付と中大型車の専売化に備えるM&A
2026年10月6日自動車ディーラーの売却|ディーラー権の承継に学ぶM&A成約事例
2026年10月6日M&Aの最終契約書(DA)とは?記載項目・売り手の注意点・雛形
2026年10月5日M&Aの迷惑電話はなぜ多い?営業電話・手紙の見極め方










