旅行会社の売却は、旅行業登録を会社ごと残せる株式譲渡を軸に、旅行業務取扱管理者の後任と前受金の扱いを早めに固めるほど、価格も日程も安定します。OTAや宿の直販に押され、貸切バス代も上がるなかで先行きに迷うオーナーへ。譲受企業が注目する数字、登録の引継ぎ、譲受候補の顔ぶれを、M&A仲介の実務からお伝えします。

総合旅行業務取扱管理者の資格を持つのは社長ひとり。修学旅行も企業の招待旅行も、社長の顔でつないできた取引ばかり。そんな旅行会社は珍しくありません。本記事は、売却を考え始めた旅行会社のオーナー経営者に向けたものです。この業種では、管理者の後任、前受金でふくらんだ預金の見方、学校や仕入先との関係の引継ぎが、交渉の早い段階で問われます。
OTAの台頭と団体旅行の縮小、旅行会社が売却を考え始める背景
取扱額は戻ってきたのに、なぜ手放す話が出るのか。中小の旅行会社がM&Aに目を向ける理由は、数字の回復だけでは見えません。
取扱額は回復基調でも、恩恵は大手と訪日客に偏る
観光庁の「主要旅行業者の旅行取扱状況」によると、2025年度の主要44社・グループの取扱額は3兆9,750億円で、前年度の105.3%でした。伸びが目立つのは訪日客を扱う外国人旅行で、前年度比112.9%。ただし集計の対象は大手が中心です。全国に1万社近くある旅行業者の多くは地域の中小で、インターネット専業の旅行会社(OTA)や、航空会社・ホテルの直販に個人客を奪われてきました。個人旅行が主流の今、店頭の相談だけで客数を保つのは容易ではありません。
修学旅行・団体旅行の採算を削る貸切バス代と人手不足
地域の旅行会社を支えてきたのは、修学旅行や町内会の旅行、企業の招待旅行といった団体の手配です。その原価で重みを増しているのが貸切バス。国土交通省は2025年9月、運転者の賃金を全産業平均まで引き上げる原資を確保するため、貸切バスの新たな運賃・料金を公示しました。基準額の引き上げ幅は、地域により7〜8%。繁忙期にはバスそのものが押さえにくく、見積の段階で利幅が細る案件も見かけます。添乗や手配を担う社員の採用難も重なるところです。
管理者資格を持つ社長の高齢化と、コロナ禍の借入
旅行業の営業所には、旅行業務取扱管理者を置かなければなりません。この資格を社長本人だけが持ち、70代を迎えても現場を離れられない会社は少なくないもの。後継者の候補がいても、資格の取得や顧客との関係づくりには年単位の時間がかかります。コロナ禍で借りた資金の返済が続き、社長の個人保証が外れないという悩みも根深いところ。親族や社内に担い手が見つからなければ、社外の会社に託す第三者への事業承継が現実的な選択肢になります。
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旅行会社を譲る利点と、引き換えに受け入れる条件
売却すれば、登録も顧客も社員もそのまま引き継がれるはず。そう考えがちですが、残せるものと条件付きのものがあります。
登録・顧客・社員の論点別に見るメリットとデメリット
廃業を選ぶと、旅行業協会に入っていない会社は、官報で公告してから半年が過ぎるまで営業保証金を取り戻せません。予約済みの旅行の取消や前受金の返金、社員の再就職先探しも、社長が背負うことに。会社売却なら、こうした負担を避けながら会社を残せる可能性があります。下表は、旅行会社の譲渡オーナーから見たメリットとデメリットを論点別に並べたものです。どこまで条件を求めるかは、旅行業の実務に通じたM&A仲介と早めにすり合わせておくと、交渉の途中で迷いません。
| 論点 | 譲渡オーナーのメリット | 譲渡オーナーのデメリット |
|---|---|---|
| 旅行業登録と保証金 | 登録を会社ごと残せる 株式譲渡なら、旅行業の登録や協会の保証社員の地位を持つ会社がそのまま続きます。 | 届出と役員の確認 代表者が替われば届出が要り、新しい役員が欠格事由に当たらないかも問われます。 |
| 予約済みの旅行 | 取消や返金を避けられる 受注済みの修学旅行や団体旅行を、止めずに次の体制へ引き継げます。 | 担当替えによる離反 社長個人の信用で受けてきた学校や企業が、担当の交代を機に離れることがあります。 |
| 仕入先との関係 | 仕入の力が増す 譲受企業の規模を背景に、宿泊施設やバス会社との条件が良くなる余地があります。 | 取引先の入替 譲受企業の取引先に寄せるため、長年の仕入先との関係が変わる場合もあります。 |
| 社員と資格者 | 雇用と後任の確保 社員の雇用を守り、管理者の後任を譲受企業のグループから補える場合があります。 | 社長の在籍期間 管理者や営業の要として、引継ぎのための在籍を求められがちです。 |
| 借入と個人保証 | 保証からの解放 コロナ禍の借入などに付いた個人保証を、金融機関との調整で外せる見込みが立ちます。 | 切替までの空白 金融機関の審査次第で、保証の差し替えが成約後にずれ込むことがあります。 |
| 手取り | 創業者利潤の実現 育ててきた会社の価値を、株式の譲渡益として受け取れます。 | 取扱額ほどの値は付かない 評価の土台は粗利と利益のため、取扱額から想像した額を下回ることがあります。 |
社長が残る期間と、同業を再開しない約束の範囲
社長に一定期間の在籍を求める条件は、旅行会社の売却でよく付くものです。修学旅行の担当教員や企業の総務担当とのつながりを譲受企業の社員へ移すには、企画から実施までの1年をひと巡りするくらいの期間を見込むことも。添乗に出ていた社長なら、なおさらです。あわせて決めるのが、競業避止(近くで同業を営まない約束)の地域と期間。売却後も個人で小さく旅行の手配を続けたいなら、交渉の早い段階で伝えておかないと、あとから条件を変えるのは難しくなります。
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取扱額ではなく粗利と前受金から組み立てる旅行会社の譲渡価格
年間の取扱額10億円を強みとして示したのに、譲受企業の反応は今ひとつ。旅行会社の評価では、よく見かける場面です。
年買法の算式と、前受金を差し引いた純資産
中小の旅行会社の評価で最もよく使われるのが年買法(年倍法)です。時価純資産にのれん(数年分の利益)を加える考え方で、算式は時価純資産+のれん。旅行会社は出発前に旅行代金を受け取るため、預金が前受金でふくらんで見えます。前受金は負債なので、預金の多さがそのまま価値になるわけではありません。反対に、営業保証金や弁済業務保証金分担金は会社に残る資産の扱い。規模の大きい案件では、DCF法や類似会社比較法も補助的に用いられます。
決算書の売上高が取扱額の総額になっている場合
企画旅行の代金を総額で売上に計上する中小の旅行会社では、決算書の売上高が実態より大きく見えます。収益認識の会計基準を適用する上場企業は、代理人として関わる取引を手数料などの純額で計上するため、同じ物差しに直して比べるのが通例。売上高の大きさより、粗利と営業利益で語るほうが議論はかみ合います。
旅行収益率や顧客の顔ぶれなど、決算書の外で問われる数字
のれんの厚みは、今の利益が来年以降も続くと思えるかで変わります。旅行会社の場合、その確からしさは取扱額ではなく、手元に残る粗利と顧客の顔ぶれで測られることが多いもの。下表は、譲受企業が重く見る主な数字と、用意しておきたい資料です。企業価値評価の前提をそろえる意味でも、直近3期分を月次で並べておくと話が早く進みます。修学旅行の時期に売上が集まる会社なら、月ごとの偏りも説明の材料。
| 旅行会社の数字 | 譲受企業の見方 | 用意したい資料 |
|---|---|---|
| 旅行収益率(粗利÷取扱額) | 手配旅行と企画旅行で利幅が違うため、商品別の粗利を見ます。 | 商品区分別の取扱額と粗利の一覧 |
| 顧客構成 | 学校・企業・自治体・個人の比率と、上位顧客への依存度を測ります。 | 顧客別の取扱額、取引年数、担当者 |
| 募集型・受注型・手配の構成 | 自社で企画する旅行の比率が高いほど、利幅も旅程保証の責任も重くなります。 | 旅行形態別の売上、変更補償金の支払実績 |
| 仕入先との関係 | 宿泊施設やバス会社、海外の手配会社との条件と、繁忙期に枠を押さえられるかを見ます。 | 主要仕入先の一覧、契約書、精算条件 |
| 前受金と実質の手元資金 | 預金から前受金と未払いの仕入代金を差し引いた、実質の資金量を把握します。 | 月末ごとの前受金・預り金の残高 |
| 管理者の人数と年齢 | 営業所ごとの旅行業務取扱管理者の人数、総合・国内の別、年齢構成を見ます。 | 資格者名簿、定期研修の受講記録 |
| 予約の入口 | 店頭・電話・自社サイト・OTA経由の比率から、集客の偏りを測ります。 | 経路別の予約件数と販売手数料率 |
前受金の季節変動を示してから価格の話に入る
支援現場では、譲渡価格の話に入る前に、月末ごとの預金と前受金・預り金の残高を1枚の表にまとめます。旅行会社の預金は、春の修学旅行や年末年始の出発前に大きくふくらみ、宿泊施設やバス会社への支払で一気に減るのが常。決算日の残高だけを見せると、譲受企業は手元資金を多く見積もったり、逆に慎重になりすぎたりします。税理士法人グループのM&A仲介会社として、前受金を差し引いた実質の資金量を季節ごとに示すと、時価純資産をめぐる議論がかみ合いやすくなるのを何度も見てきました。会社売却の相場を自社に当てはめる出発点も、この表です。
株式譲渡か事業譲渡かで分かれる、旅行業登録と保証金の引継ぎ
「登録番号は譲受企業に移せますか」。相談の場で、最初に尋ねられることの多い質問です。答えは、譲り方で変わります。
会社ごと譲る株式譲渡が中心になる理由
登録を受けた会社の株式をそのまま譲る株式譲渡が、旅行会社の売却で中心となる手法です。会社が登録の主体として残るため、旅行業の登録も、旅行業協会の保証社員としての地位も、そのまま使い続けられます。一方、事業だけを切り出す事業譲渡では、登録は譲受企業へ移りません。譲った側が30日以内に廃止を届け出て、譲受企業は自ら登録を受け直す段取りです。下表は、旅行会社でよく問題になる項目を手法ごとに比べたものです。
| 項目 | 株式譲渡の場合 | 事業譲渡の場合 |
|---|---|---|
| 旅行業の登録(第1種〜第3種・地域限定) | 会社に残り、そのまま営業できます。代表者の変更は30日以内に届け出ます。 | 承継されません。譲受企業が新たに登録を受け、譲った側は廃止を届け出ます。 |
| 営業保証金 | 会社の供託金として残ります。 | 譲受企業が期限内に登録を受けて届け出れば、供託済みの保証金を引き継げる仕組みがあります。 |
| 弁済業務保証金分担金(協会の保証社員) | 会社の加入がそのまま続きます。 | 権利は承継されず、譲受企業が自ら加入して納付します。 |
| 旅行業務取扱管理者 | 現任者が在籍する限り続きます。退任するなら後任の選任が要ります。 | 譲受企業の営業所ごとに選任し直します。 |
| 学校・企業との契約、予約済みの旅行 | 会社が当事者のまま続きます。 | 顧客ごとに契約を移す同意を得ます。 |
| 宿泊施設・バス会社などとの仕入契約 | 原則続きますが、支配権の変更を解約事由とする条項に注意します。 | 契約ごとに相手方の承諾が必要です。 |
社長ひとりが旅行業務取扱管理者という会社の備え
営業所ごとに、常勤で専任の旅行業務取扱管理者を1人以上置くのが旅行業法のルールです。海外旅行を扱う営業所なら総合旅行業務取扱管理者が要り、5年ごとの定期研修も欠かせません。社長が唯一の資格者なら、売却後に社長が退いた時点で営業所を開けられない事態に。当社では、旅行会社の相談を受けると、営業所ごとの資格者名簿と研修の受講記録を最初にお預かりします。譲受企業のグループから総合の資格者を送ってもらうのか、社員に受験を勧め、社長の在籍期間で橋渡しするのか。後任の道筋を価格交渉より先に描いておけば、引渡しの日程は崩れにくくなります。
代表者の変更届と、新しい役員の欠格事由
株式譲渡でも、手続が何もいらないわけではありません。代表者が替われば、登録行政庁へ30日以内に変更を届け出ます。見落としやすいのは、旅行業法が役員の欠格事由を定めている点です。譲受企業から送り込まれる役員が、登録を取り消された旅行会社の役員だった経歴を持ち、5年を経ていない場合などは、登録の取消につながりかねません。成約前に役員予定者の経歴を照会する段取りを、最終契約の条件に組み込んでおくと安心です。
登録の有効期間5年と更新時期の重なり
旅行業の登録は5年ごとの更新制です。更新の申請は有効期間が満了する2か月前までが目安で、管理者が定期研修を受けていなければ更新できません。成約の時期が更新と重なりそうなら、どちらの体制で申請するかを先に決めておきます。
旅行会社のデューデリジェンスで掘り下げられる記録
数字はきれいでも、裏づけの記録をたどれないケース。旅行会社のデューデリジェンスで評価が揺れるのは、たいていこの場面です。
自治体の受託業務や需要喚起策の給付金で動いた利益
財務デューデリジェンスでは、決算書の利益から一時的な要素を除いた実力値が問われます。旅行会社で調整の対象になりやすいのが、コロナ禍以降に増えた自治体や企業からの受託業務と、需要喚起策の給付金です。大手旅行会社のグループでも、受託業務の過大請求や給付金の不適切な受給が問題になったことがあり、精算の根拠は細かく調べられます。受託の契約書、人件費の配分、給付金の申請記録を案件ごとにたどれる状態にしておくと、指摘を受けても慌てずに済みます。
旅程保証・特別補償の支払いと、事故や苦情の記録
自社で企画する募集型企画旅行や受注型企画旅行では、旅行業約款にもとづき、旅程の重要な変更に対する変更補償金や、旅行中の事故に対する特別補償の責任を負います。譲受企業が目を通すのは、過去の支払実績、係争中の苦情、旅行業者向けの賠償責任保険の内容。観光庁や都道府県から業務改善命令などの行政処分を受けた履歴があれば、再発防止の体制まで問われます。不利な記録ほど先に開示しておくほうが、表明保証(契約時点の会社の状態を保証する条項)の交渉はこじれません。
添乗員の労働時間と、手配担当者への依存
労務で見落とされやすいのが、添乗員の労働時間です。海外ツアーの添乗業務について、最高裁は2014年1月、行程表や添乗日報で業務の状況を把握できるとして、事業場外みなし労働時間制の適用を認めませんでした。添乗に一定の時間分しか賃金を払っていない会社では、未払残業が後から価格に跳ね返ることも。手配や仕入の交渉を特定の社員が一手に担っている場合は、その人の残留条件も評価の対象になります。業務の手順書があれば、引継ぎの不安は小さくできます。
旅行会社の買い手候補と、打診先の選び方
同じ旅行会社でも、どこに声をかけるかで提示される条件は変わります。相手の狙いを知ることが、打診の出発点です。
同業大手・ネット系・異業種、それぞれが旅行会社を求める理由
譲受候補は大きく3つに分かれます。同業の大手や中堅は、自社が手薄な地域の顧客や、修学旅行・スキーツアーといった得意分野の商品を取り込みたい考え。OTAなどネット系の旅行会社は、海外の手配網や法人顧客のように、ウェブだけでは得にくい基盤に関心を寄せます。アウトドア用品の会社や商社といった異業種は、顧客との接点や観光事業への足がかりとして旅行会社を求めるもの。中小企業のM&Aでも、こうした候補が同じ案件に並ぶことがあります。
地方発のバスツアーを取り込んだ同業大手の例
2026年9月、エイチ・アイ・エスは、アドベンチャーが全株式を持つラド観光を子会社化すると発表しました。取得額は関連費用を含め6億8,800万円で、株式の譲渡は11月末の予定です。ラド観光はバスで行くスキーツアーに強く、仕入網を持つ会社。手薄だった地方発の商品やバス商材を補い、自社の販売網で共同企画と集客を広げる狙いです。
顧客との接点を求めて旅行会社を迎えた異業種の例
2025年4月、ゴールドウインは登山ツアーに強いアルパインツアーサービスを、持株比率99.5%で子会社化すると発表しました。直営店でのアパレル販売とツアーを組み合わせ、顧客接点とブランド認知を広げる考えです。2026年6月には丸紅が、旅行代理店とレンタカー事業の沖縄ツーリストを子会社化。車両の調達やDXの知見を生かし、観光事業へ本格参入する一手でした。
マッチングサイトと仲介会社の使い分け
ネット上のM&Aマッチングサイトで案件を眺め、相場の感覚をつかむ経営者も多くいます。小さな事業譲渡なら、サイトで相手を見つけて成約する例も。ただ、旅行業の登録区分や前受金の扱い、管理者の後任といった論点は、掲載文だけでは伝わりません。条件の調整まで任せるなら、旅行業に詳しい担当者がいるかを仲介会社一覧で見比べ、M&Aの手数料の仕組みも確かめておくと安心です。
学校・企業の顧客と仕入先へ伝える順番
みつきコンサルティングが譲渡側のアドバイザーとして支援した宿泊予約システム開発会社の株式譲渡でも、譲受企業は技術力とともに顧客基盤を高く評価しました。旅行会社も同じで、学校や企業との継続取引、宿泊施設やバス会社との関係こそが価格の支え。だからこそ、伝える順番を誤ると評価そのものが揺らぎます。修学旅行を任されている学校には、翌年度の見積や企画提案の時期を踏まえ、譲受企業の担当者と一緒に説明するのが基本。仕入先には精算条件が変わらないことを先に示すと、繁忙期の枠も守りやすくなります。
完全成功報酬
M&Aが成立した場合のみ、譲渡対価に応じた手数料を頂戴します。
売主様は、ご成約まで費用負担なくスタートできます。
着手金・中間金
0円
月額報酬
0円
成功報酬
成約時のみ
※レーマン方式
旅行会社の会社売却に関するFAQ
旅行業者代理業や手配専業など、業態ごとに寄せられる質問を取り上げます。
売却はできます。ただ、旅行業者代理業の登録は、所属する旅行会社との代理契約が前提です。株式譲渡なら会社は変わりませんが、代理契約に株主の変更の届出や解約を定めた条項がないかを点検します。譲受企業が別の旅行会社の系列なら、所属先を替えるには原則として登録を受け直すことに。現場では、所属旅行業者へ説明する時期から決めていきます。
旅行サービス手配業は、2018年1月施行の改正旅行業法で登録制になった業態です。旅行者と直接契約しないため営業保証金はなく、旅行サービス手配業務取扱管理者の選任が要ります。評価の中心は、海外の旅行会社との取引の継続性と、宿泊施設やバス会社の手配力。特定の国や取引先への依存度、為替の影響も見られます。株式譲渡なら登録は会社に残ります。
問われるのは管理の仕方です。自社でだけ使える旅行券が資金決済法の前払式支払手段にあたる場合、基準日の未使用残高が1,000万円を超えると、届出と発行保証金の供託が必要になります。積立金は前受金と同じく負債として扱われ、預金と分けて管理しているかが見られるところ。現場では、残高の推移と届出の有無をあわせて見ます。
条件次第です。第1種なら海外の募集型企画旅行を造成できる一方、基準資産額は3,000万円以上、営業保証金も最低7,000万円(協会の保証社員なら分担金1,400万円)に上がります。海外のパッケージを扱いたい譲受企業には評価材料ですが、資金を寝かせるだけの場合も。旅行会社の売却を支援するみつきコンサルティングでは、譲受候補の顔ぶれを見てから判断を勧めています。
まとめ|旅行会社の売却で重視すべき実務論点
旅行会社の売却では、取扱額より粗利と前受金を差し引いた手元資金が価格の土台となり、旅行業登録を残せる株式譲渡と、旅行業務取扱管理者の後任確保が日程を形づくります。顧客や社員を思えば迷うのは当然のこと。登録区分と記録を一つずつ点検すれば、会社を残す道は見えてきます。
みつきコンサルティングは税理士法人グループに属する、財務・税務に強いM&A仲介会社です。中小企業のM&A仲介の実績経験が豊富で、M&Aに特化した専門スタッフが依頼先選びに迷う段階から伴走します。旅行会社の会社売却なら、みつきコンサルティングへご相談ください。
完全成功報酬のM&A仲介会社なら、みつきコンサルティングへ >

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著者

- 事業法人第一部長/M&A担当ディレクター
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みずほ銀行にて大手企業から中小企業まで様々なファイナンスを支援。みつきコンサルティングでは、各種メーカーやアパレル企業等の事業計画立案・実行支援に従事。現在は、IT・テクノロジー・人材業界を中心に経営課題を解決。M&Aの成約実績多数、M&A仲介・助言の経験年数は10年以上
監修者 神門 剛 代表取締役 / 公認会計士・税理士
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