M&Aコンサルタントは、企業の存続や成長を左右する重大な局面を支える専門家です。その責任の重さとハードワークに比例して年収は極めて高く、1,000万円を超えるケースも珍しくありません。本記事では、M&Aコンサルタントの年収相場から、仲介会社やFASといった所属先による報酬体系の違い、求められるスキルまで専門家の視点で詳しく解説します。キャリアアップを目指す方や、優秀な支援者を探している経営者の方は参考にしてください。
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M&Aコンサルタントの年収の実態と相場
M&Aコンサルタントの年収は、数ある職種の中でもトップクラスの水準にあります。企業の合併や買収(Mergers and Acquisitions)という、経営戦略の核心に関わる業務であるため、その専門性に対して高い報酬が支払われています。
業界全体の平均年収
M&Aコンサルタントの平均年収は、一般的に約800万円〜1,000万円程度とされています。これは全産業の平均給与である約523万円を大きく上回る数字です。ただし、この「平均」はあくまで目安に過ぎません。M&A業界は極めて強い成果主義の世界であり、個人の実績や所属する企業の規模、担当する案件の難易度によって、数百万円から数千万円、時には1億円を超えるような開きが生じます。
役職別の年収目安
キャリアの段階に応じた年収の推移を以下の表にまとめました。役職が上がるにつれ、基本給のベースが向上するだけでなく、案件成約に伴うインセンティブの割合が増大するのがこの業界の特徴です。
| 役職 | 年収目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| アナリスト | 500万円 〜 700万円 | 20代前半〜後半。主にリサーチや資料作成を担う |
| コンサルタント | 700万円 〜 1,000万円 | 現場の主担当として案件を回す段階 |
| マネージャー | 1,000万円 〜 1,400万円 | 30代〜。複数案件を統括し、チームの成果に責任を持つ |
| パートナー(役員級) | 2,000万円以上 | 成果次第で1億円を超えるケースもある |
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業態(所属企業の種類)による年収の違い
M&Aコンサルタントと一口に言っても、所属する組織の形態によって報酬体系は大きく異なります。特にM&A仲介会社とFAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)では、役割とともに年収の構造も変わってきます。
M&A仲介会社
M&A仲介会社は、譲渡オーナーと譲受企業の間に立ち、中立的な立場で成約を支援します。 特に上場している大手仲介会社は、日本国内でも最高水準の給与体系を維持しています。基本給を抑え、成約金額に応じたインセンティブを高めに設定している企業が多く、実力次第で20代のうちから年収2,000万円〜3,000万円以上を稼ぐコンサルタントも存在します。大手と呼ばれる上場企業とその推定年収は以下の通りです。
- 日本M&Aセンター:約1,243万円〜1,271万円
- M&Aキャピタルパートナーズ:約2,276万円〜2,688万円
- ストライク:約1,357万円〜1,514万円
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外資系投資銀行・国内大手証券会社
ゴールドマン・サックスや野村證券などの投資銀行は、主に上場企業同士の数千億円規模の大型案件を扱います。 外資系企業の場合、グローバルな案件を扱うため平均年収も2,000万円以上と高い傾向にあります。固定給が比較的高く設定されており、専門的な財務知識が強く求められるのが特徴です。
FAS(日系・外資系コンサルティングファーム)
デロイトやPwC、KPMG、EYといった大手会計事務所系(FAS)は、財務デューデリジェンスや企業価値評価といった専門業務に特化しています。 平均年収は900万円〜1,500万円程度が一般的ですが、マネージャークラス以上になれば2,000万円を超えることも珍しくありません。仲介会社に比べるとインセンティブの割合は低いものの、安定した高給が期待できる環境です。
みつきコンサルティングの独自性
実務において、コンサルタントは自身の得意分野や目指すべきキャリア像を持っています。「成約数を最大化させたい仲介志向」の人もいれば、「専門性を極めて緻密なスキームを組みたいFAS志向」の人もいます。 当社は、みつき税理士法人グループという基盤を活かし、仲介会社でありながらFASとしての高度な専門性も併せ持っています。そのため、コンサルタント個人の希望や特性に応じて、「仲介型」「FAS型」「両者の折衷型」という柔軟な給与体系を選択できる体制を整えています。これにより、コンサルタントは自らの強みを最大限に発揮しつつ、譲渡オーナーにとって最も誠実な提案を行える環境が保たれています。
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M&Aコンサルタントの年収が高い4つの理由
なぜ、M&Aコンサルタントの年収はこれほどまでに高いのでしょうか。そこには、この職種ならではの特殊な事情が重なっています。
1. 高度な専門性と希少性
M&Aを完結させるには、経営戦略、財務、税務、法務といった多岐にわたる分野の深い知識が必要です。 例えば、譲渡オーナーが手にする手残りを最大化するための税務スキームや、譲受企業のリスクを回避するためのデューデリジェンス(買収監査)のスキルなどは、一朝一夕で身につくものではありません。こうした専門人材は市場で常に不足しており、高い希少価値が報酬に反映されています。
2. 案件規模の大きさ・責任の重さと激務
M&Aで取り扱う金額は、中小企業の案件であっても数千万円から数億円、大型案件になれば数百億円にのぼります。 コンサルタントの一つの判断が、企業の存続や従業員の雇用に直結するため、その責任は極めて重大です。プレッシャーとハードワークに見合った高い対価として報酬が設定されています。
3. 成果報酬型のインセンティブ構造
M&A業界では、案件の成約時に支払われる成功報酬が大きな収益源となります。 多くの企業では、この収益の一部をコンサルタント個人に還元するインセンティブ制度を採用しています。努力や成果が直接的に年収へ反映される仕組みが、高年収を実現する大きな要因となっています。
4. 経営層との直接交渉という付加価値
M&Aコンサルタントの交渉相手は、企業のトップである経営者です。 経営者の想いやビジョンを汲み取り、複雑な利害関係を調整して合意に導く業務は、極めて高いコミュニケーション能力と精神的タフネスを必要とします。この「人対人」の高度な交渉代行そのものが、高い付加価値として認められています。
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M&Aコンサルタントの具体的な仕事内容
M&Aコンサルタントは、年収に見合う成果を出すために多岐にわたる業務を遂行します。下表の通り、M&Aのプロセスは5つのフェーズに分かれ、それぞれで異なるスキルが求められます。
| 業務フェーズ | 業務内容 |
|---|---|
| M&A戦略の立案とターゲット選定 | まずは、クライアント企業がなぜM&Aを行うのか、その目的を明確にします。市場調査や競合分析を行い、最適な譲受候補(または譲渡先)をリストアップします。単なるマッチングではなく、どのようなシナジー(相乗効果)が生まれるかを論理的に示すことが重要です。 |
| 企業価値評価(バリュエーション) | 対象会社の財務諸表を詳細に分析し、適正な譲渡価格を算出します。純資産だけでなく、将来の収益力や市場の需給バランスを加味して価格を導き出すため、高度な財務分析スキルが不可欠です。 |
| デューデリジェンス(DD)の実施支援 | 成約前に、対象会社の「健康診断」を行います。財務・法務・ビジネスなどの観点から、簿外債務のリスクや契約上の問題がないかを徹底的に調査します。コンサルタントは専門家(会計士や弁護士)と連携し、リスクを最小限に抑えるための対策を提案します。 |
| 条件交渉と契約書の作成支援 | 譲渡価格、役員の処遇、従業員の雇用継続条件など、詳細な条件を調整します。譲渡オーナーと譲受企業、双方の利害が対立しやすい局面であり、ここでコンサルタントの交渉力が試されます。双方が納得できる「落とし所」を見つけ出し、法的リスクのない契約書を作成するサポートを行います。 |
| 統合支援(PMI) | M&Aは成約(クロージング)がゴールではありません。成約後に異なる企業文化やシステムを統合し、シナジーを発揮させるプロセスを統合支援(PMI)と呼びます。早期に組織を一体化させ、業績向上につなげることで、初めてM&Aは成功したと言えます。近年、このPMIの重要性が高まっており、高度なプロジェクトマネジメントスキルが求められています。 |
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年収1,000万円を超えるために必要なスキルと経験
M&Aコンサルタントとして高年収を目指すには、日々の自己研鑽が欠かせません。下表の通り、実務で評価される4つの具体的なスキルセットを身につける必要があります。
| スキル | 内容 |
|---|---|
| 財務・税務・法務の専門知識 | 財務諸表の読み解きやキャッシュフロー分析は必須スキルです。特に公認会計士や税理士などの資格は、即戦力の証明として高く評価され、年収交渉でも優位に働きます。また、M&Aに関する最新の法改正や税制の動向を常にアップデートし続ける姿勢も求められます。 |
| 高度な交渉力と共感力 | M&Aは論理(数字)だけでなく、感情(心)で動く側面が多分にあります。特に中小企業の譲渡オーナーにとって、会社は「我が子」のような存在です。経営者の想いに寄り添いながらも、冷静にビジネスとしてのメリットを提示し、納得を得るためのコミュニケーション能力が、成約件数(=年収)を左右します。 |
| プロジェクトマネジメントスキル | M&Aは半年から数年に及ぶ長期間にわたるプロジェクトです。各専門家や関係者のスケジュールを管理し、適切なタイミングで意思決定を促す実行力が不可欠です。突発的な問題が発生しても、冷静に対応してプロジェクトをゴールまで導く能力が高い人は、業界で重宝されます。 |
| 語学力(クロスボーダー案件への対応) | 海外企業を対象としたクロスボーダーM&Aに携わることができれば、報酬レンジは一段引き上がります。英語などの語学力に加え、異文化理解や国際的な契約慣行に関する知識があれば、外資系ファームなどでさらなる高年収を狙うことが可能です。 |
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M&Aコンサルタントのキャリアパス
M&Aコンサルタントへの道は、新卒だけでなく中途入社からも広く開かれています。
未経験からのスタート
銀行、証券会社、商社、経営コンサルティングといった異業界からの転職が一般的です。 特に法人営業の経験や財務の基礎知識がある人材は、即戦力の候補として期待されます。未経験者は年収400万円〜600万円台からスタートすることが多いですが、実績次第では30代で1,000万円を突破します。
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業界内でのステップアップ
大手仲介会社で実績を積み、自由度とインセンティブ率が高い中堅仲介会社へ移籍することで、年収をアップさせることができます。また、実績のあるコンサルタントは、年収より専門性を高めるため、FASに転職したり、買収当事者の立場の経験として事業会社の経営企画部門(M&A担当)に転職するルートもあります。
独立という選択肢
十分な経験とネットワークを築いた後、フリーランスのコンサルタントとして独立する道もあります。 仲介手数料がそのまま自身の収入となるため、数件の成約で年収数千万円を稼ぎ出すことも可能ですが、過当競争のなか案件獲得の能力がシビアに問われます。
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M&Aコンサルタントの年収に関するFAQ
M&Aコンサルタントという仕事の報酬と環境について、よく寄せられる疑問にお答えします。
はい、激務になりやすい傾向はあります。特にデューデリジェンスや交渉の佳境では、クライアントの要望に応えるために長時間労働や休日対応が必要になることも少なくありません。しかし、単なる労働時間への対価ではなく、一瞬の判断ミスが数億円の損失を生むという「心理的プレッシャー」と「専門性の高さ」に対する報酬という意味合いもあります。
可能です。公認会計士などの資格がなくても、卓越した営業力や交渉力で多くの成約を勝ち取り、年収2,000万円以上を稼いでいるコンサルタントは多数存在します。ただし、案件の難易度が上がるにつれ専門知識は不可欠となるため、働きながら実務を通じて学習を続ける必要があります。
大手の平均年収が1,200万円~2,500万円程度と言われる一方、中小規模のファームの目安は800万円~1,200万円程度と幅があります。ただし、これはあくまで目安であり、中小の年収水準は個社による差が大きいのが実情です。大手より高いインセンティブ率を設定している会社もあり、成果次第では大手を超える報酬を手にできる可能性も十分にあります。
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M&Aコンサルタントの年収まとめ
M&Aコンサルタントは、企業の未来を切り拓く重要な使命を帯び、それに見合うトップクラスの報酬を得られる職業です。平均年収は1,000万円前後ですが、所属先や実績次第では数千万円を狙える夢のある世界です。一方で、高いプレッシャーと激務に耐えうる精神力が求められる厳しさも併せ持っています。今回の記事のポイントを整理すると以下の通りです。
- 年収は800万円〜2,500万円以上と、企業規模や成果で大きく変動する。
- 仲介会社はインセンティブ重視、FASは専門性と安定した高給が特徴。
- 年収が高い理由は、高度な専門性、責任の重さ、成果報酬制度、ハードワークにある。
- 高年収を維持するには、財務・法務の知識に加え、経営者との信頼構築力が不可欠。
当社は、みつき税理士法人グループのM&A仲介会社として15年以上の業歴があり、中小企業のM&Aに特化した実績経験が豊富なM&Aアドバイザー・公認会計士・税理士が多く在籍しております。M&Aコンサルタントの活用や、業界でのキャリア、ひいては最適なM&Aのご検討の際は、みつきコンサルティングにご相談ください。
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著者

- 名古屋法人部長/M&A担当ディレクター
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人材支援会社にて、海外人材の採用・紹介事業のチームを率いて新規開拓・人材開発に従事。みつきコンサルティングでは、強みを生かし人材会社・日本語学校等の案件を中心に工事業・広告・IT業など多種に渡る案件支援を行う。M&Aの成約実績多数、M&A仲介・助言の経験年数は10年以上
監修:みつき税理士法人
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