M&A仲介会社の注意点とは?契約や手数料で失敗しない知識を解説

M&A仲介会社を選ぶ際、手数料の安さや「スピード成約」という言葉だけで判断していませんか。実は、契約条項や利益相反の構造を理解していないと、不当に安い金額での売却や、譲渡後のトラブルに巻き込まれるリスクがあります。本記事では、10年以上の実務経験を持つ専門家が、仲介会社選びで絶対に確認すべき注意点と、契約書に潜むリスクを解説します。あなたの会社を守るために、どこまで準備すべきでしょうか。

「うちの会社でも売却できるだろうか…」、「何から始めればいいんだろう…」
そのようなオーナー経営者の不安に、中小企業向けM&A仲介会社みつきコンサルティングは、20年間・500件以上の支援実績にもとづく無料相談でお応えします。本格的な検討前の情報収集だけでもかまいません。まずはお話をお聞かせください。

M&A仲介会社選びで失敗しないための重要ポイント|利益相反と守秘義務

M&A仲介会社を選定する際、多くの経営者様が「手数料」や「成約実績」に目を奪われがちです。しかし、支援現場で最もトラブルになりやすいのは、仲介会社の構造的な立ち位置である「利益相反」と、情報の取り扱いに関する「守秘義務」の問題です。

これらを軽視すると、本来得られるはずだった売却益を損なうだけでなく、会社存続に関わる重大なリスクを背負うことになりかねません。まずは、仲介会社選定の根幹となる注意点について解説します。

利益相反(双方代理)のリスク構造

M&A仲介会社は、売り手(譲渡オーナー)と買い手(譲受企業)の両方と契約し、双方から手数料を受け取る「両手取引」(双方代理)が一般的です。ここに構造的な「利益相反」のリスクが潜んでいることを、まずは理解しなければなりません。

当然ながら、売り手は「少しでも高く売りたい」、買い手は「少しでも安く買いたい」と考えます。利益が対立する両者の間に立つ仲介者は、どちらか一方に完全に有利な交渉を行うことは不可能なはずです。

買い手優先に注意

ここで問題となるのが、仲介会社にとっての「顧客の優先順位」です。 一度きりの取引になりがちな売り手に対し、買い手は何度もM&Aを行う「リピーター」になる可能性があります。そのため、仲介担当者が無意識のうちに、将来の案件獲得を期待して買い手側に有利な条件(価格の引き下げなど)を誘導してしまうケースが現場では散見されます。

経済産業省の「中小M&Aガイドライン」でもこの利益相反リスクは指摘されています。仲介会社を利用する場合は、彼らが「中立」であることを前提としつつも、自社の利益を最大化するためには、自分自身の主張をしっかりと持ち、場合によってはセカンドオピニオンを活用する姿勢が必要です。

情報漏洩は致命傷|守秘義務の徹底

M&Aにおいて「情報は命」です。「あの会社、売りに出されているらしい」という噂が広まるだけで、以下のような深刻な実害が発生します。

  • 従業員の動揺・退職:雇用の不安から、キーマンが離職してしまう。
  • 取引先の離反:経営不安説が流れ、契約を打ち切られる。
  • 金融機関の警戒:融資姿勢が硬化し、資金繰りに悪影響が出る。

そのため、仲介会社選びでは守秘義務(秘密保持)の管理体制が徹底されているかを確認することが不可欠です。 単に秘密保持契約書(NDA)を結べば安心というわけではありません。支援現場では、担当者がうっかり知人に話してしまったり、安易に複数の買い手候補に詳細資料(ノンネームシートではなく企業名が入ったもの)を配ってしまったりする事例も耳にします。

確認すべきは、その仲介会社が「情報を出す範囲を限定しているか」「どのタイミングで誰に情報を開示するかの許可を求めてくるか」という実務の細やかさです。情報管理が杜撰な業者は、どれだけ実績があっても避けるべきです。

契約締結前に必ず確認すべき「お金」と「条項」の罠

仲介会社と正式に業務委託契約(アドバイザリー契約)を結ぶ際、契約書の中身を隅々まで確認していますでしょうか。 専門用語が並ぶ契約書には、売り手にとって著しく不利な条件が含まれていることがあります。「プロに任せれば大丈夫」という油断は禁物です。ここでは、特に金銭面と法的拘束力に関する注意点を深掘りします。

手数料体系の透明性(着手金・中間金・成功報酬)

M&A仲介の手数料は会社によって大きく異なります。後になって「想定外の費用を請求された」とならないよう、下表の費用項目について契約前に見積もりと説明を求めてください。

費用の種類内容注意点
相談料契約前の相談にかかる費用。無料の会社が多い。
着手金契約締結時に支払う初期費用。成約しなくても返金されないケースが大半。成功報酬型なら無料。
月額報酬毎月発生する顧問料(リテイナーフィー)。案件が長期化すると負担増。無料の会社が多い。
中間報酬基本合意締結時に支払う費用。成約しなくても返金されないことが多い。成功報酬の10〜20%程度が相場。「完全」成功報酬型なら無料。
成功報酬最終契約締結・決済時に支払う費用。最も金額が大きい。計算式(レーマン方式)における算出基準額に注意。

特に注意が必要なのは「成功報酬の計算基準」です。 一般的に使われる「レーマン方式」ですが、何を基準額にするかで支払額が数百万円〜数千万円変わることがあります。主な算出基準額の種類は次の2つです。

  • 株式譲渡対価ベース:譲渡収入金額=売却代金を基準にする(譲渡オーナーに有利)
  • 移動総資産ベース:売却代金+負債総額(借入金など)を基準にする(手数料が高額になりやすい)

負債が多い会社の場合、移動総資産ベースだと「手取り額は少ないのに手数料は莫大」という事態になりかねません。どの基準を採用しているか、必ず確認しましょう。

見落としてはいけない契約条項(テール条項・専任条項)

契約書の中で、特にトラブルの元となりやすいのが「テール条項」と「専任条項」です。これらは売り手の自由を縛り、将来的な選択肢を狭めるリスクがあります。

テール条項

これは、仲介会社との契約終了後であっても、一定期間内にM&Aが成立した場合、その仲介会社に成功報酬を支払わなければならないという条項です。 本来は「仲介会社を外して直接取引する(手数料逃れ)」を防ぐためのものですが、悪質な契約書では「実際には紹介されていない相手」と成約しても手数料を請求される内容になっていることがあります。

対策
  • 対象を「その仲介会社が紹介した買い手候補」に限定する。
  • 規定の存続期間を「契約終了後1年〜1年半」程度に短縮するよう交渉する。

専任条項

特定の仲介会社1社にしか依頼できないという条項です。 専任契約は、仲介会社が熱心に動いてくれるメリットがある反面、能力が低い担当者に当たった場合、案件がストップしてしまうリスクがあります。「囲い込み」を避けるため、他の専門家にも相談できる「セカンドオピニオン」を許容する条項が入っているか、あるいは解約条件が明確かを確認してください。

「スピード成約」や「担当者の質」に潜む危険信号

「最短〇日で成約!」といった広告を見かけることが増えました。経営者としては「早く楽になりたい」という気持ちが働くものですが、M&Aにおける過度なスピード重視は、非常に危険です。 また、M&Aの成否は「会社選び」以上に「担当者選び」で決まると言われます。ここでは、甘い宣伝文句の裏側と、優秀な担当者の見分け方を解説します。

「最短〇日で成約」という宣伝文句の裏側

「最短40日」「3ヶ月で成約」といったスピードを売りにする仲介会社には警戒が必要です。M&Aは通常、相手探しから成約まで半年〜1年程度かかります。それを極端に短縮するということは、プロセスのどこかで「手抜き」をしている可能性が高いからです。

スピード重視の弊害

  1. 準備不足:自社の魅力を伝える資料(概要書)が雑になり、買い手に価値が伝わらない。
  2. 交渉力の低下:複数の買い手を比較するプロセスを経ず、最初に見つかった1社と安易に交渉入りしてしまう(1対1の交渉は買い手有利になりがち)。
  3. 悪質な買い手の引き寄せ:デューデリジェンス(買収監査)を省略したがるような、資産目当ての悪質な買い手(詐欺的な業者)を引き寄せてしまうリスクが高まる。

「早く売りたい」という焦りは、足元を見られる原因になります。丁寧な準備と適切な期間をかけることが、結果として良い条件での売却につながると心得てください。

信頼できる担当者を見極める具体的な質問

M&A仲介は、担当者の力量に大きく依存する属人性の高いサービスです。大手だから安心というわけではなく、(むしろ大手は)新人や経験の浅い担当者が付くことも珍しくありません。下表は、契約前の面談で確認すべきポイントをまとめたものです。

確認すべき質問確認の目的・見極めポイント
当社の強みと課題をどう分析していますか?ホームページを見た程度の内容しか話せない担当者は危険です。業界動向やビジネスモデルを深く理解しているか確認します。自社の事業を本気で理解しようとしているかを見極める質問です。
過去に失敗した事例や、難しい交渉になった事例を教えてください良いことしか言わない担当者は信用できません。リスクも含めて説明できる誠実さがあるかを見ます。経験に基づく現実的なアドバイスができるかを確認する質問です。
売り手だけでなく、買い手にとってもどのようなシナジー(相乗効果)があると考えていますか?単なるマッチングではなく、M&A後の事業成長まで考えて提案してくれるかを確認します。双方にメリットのある取引を設計できる戦略的思考力があるかを見極める質問です。

もし担当者が「すぐに売れます」「絶対に大丈夫です」といった安請け合いをする場合や、契約を強引に迫る場合は、その場での判断を避け、他の仲介会社の話も聞くべきです。

M&A仲介会社の注意点に関するFAQ

M&A仲介会社の利用に関して、現場でよくいただく質問をまとめました。契約前の最終確認としてお役立てください。

Q:仲介会社ではなくFA(ファイナンシャル・アドバイザー)を選んだ方が良いですか?

会社の規模と目的によります。FAは「片側代理」として契約者の利益最大化を目指すため、利益相反は起きにくいですが、報酬が高額になりがちで、相手探し(マッチング)の機能が弱い場合があります。 中小企業のM&Aでは、マッチング機能を重視して仲介会社を選ぶケースが殆どですが、交渉の透明性を重視する場合は、売り手側だけのFAを起用するのも一つの手です。

Q:途中で仲介会社を変更することはできますか?

契約内容によります。多くの契約には「専任条項」があり、契約期間中(通常1年程度)は他の会社に依頼できないのが一般的です。 ただし、担当者の対応が著しく悪い場合などは、その担当者を変更してくれるはずですし、話し合いにより契約自体を中途解約できることもあります。契約書に「解除条項」がどのように規定されているか、契約前に必ず確認してください。

Q:着手金無料の会社と有料の会社、どちらが良いですか?

一概には言えません。着手金無料(成功報酬)の会社は、初期リスクがなく依頼しやすい反面、成約の見込みが低いと判断されると案件を放置される(優先順位を下げられる)リスクがあります。 着手金がある会社は、費用が発生する分、資料作成や相手探しに対して責任を持って動いてくれる傾向があります。ただ、これは一般論であり、結局は担当者次第という面が強いです。自社の状況に合わせて選びましょう。

Q:仲介会社から紹介された買い手が、あまり良くない印象なのですが…。

直感を信じて断る勇気も必要です。仲介会社は成約させることが仕事なので、多少の懸念点があっても「良い相手です」と推奨してくることがあります(プッシュ型営業)。 しかし、M&A後の従業員や取引先を守れるのはオーナー社長だけです。仲介会社の言葉を鵜呑みにせず、買い手経営者との面談を重ねて、企業風土が合うかをご自身で見極めてください。

まとめ|M&A仲介会社の注意点

M&A仲介会社選びでは、表面的な手数料や成約スピードに惑わされず、利益相反の構造的リスクや契約条項を慎重に見極めることが重要です。会社と従業員の未来を守るため、疑問点を残さず信頼できる専門家と共に慎重に進めることが、後悔のないM&Aへの第一歩となります。

当社はみつき税理士法人グループのM&A仲介会社であり、中小企業M&Aの実績経験が豊富なM&Aアドバイザーや公認会計士・税理士が多く在籍しております。M&A仲介会社の注意点や契約内容にご不安がある際は、みつきコンサルティングにご相談ください。

ご譲渡を検討される方
今すぐ無料相談する
M&Aの重要ポイント資料
無料でダウンロードする

著者

潟野 和徳
潟野 和徳名古屋法人部長/M&A担当ディレクター
人材支援会社にて、海外人材の採用・紹介事業のチームを率いて新規開拓・人材開発に従事。みつきコンサルティングでは、強みを生かし人材会社・日本語学校等の案件を中心に工事業・広告・IT業など多種に渡る案件支援を行う。M&Aの成約実績多数、M&A仲介・助言の経験年数は10年以上
監修:みつき税理士法人

みつきコンサルティングは、中小企業の会社売却・事業承継に特化した譲渡企業様に完全成功報酬制のM&A仲介会社です。売り手と買い手企業の最適なマッチングを、経験豊富なM&Aコンサルタントが初期相談から成約まで一貫してフルサポートします。

【無料】資料をダウンロードする

M&Aを成功させるための重要ポイント

M&Aを成功させるための
重要ポイント

M&Aの事例20選

M&Aの事例20選

事業承継の方法とは

事業承継の方法とは

【無料】会社売却のご相談 
簡単30秒!即日対応も可能です

貴社名*
お名前*
電話番号*
メールアドレス*
所在地*
ご相談内容(任意)

個人情報の取扱規程に同意のうえ送信ください。営業目的はご遠慮ください。

買収ニーズのご登録はこちら >

その他のお問い合わせはこちら >