かつら・ウィッグ会社の売却では、作り替えとメンテナンスで通い続ける顧客の厚みと、それを支える理美容師の体制が値付けの軸です。技術者の採用難や円安による仕入高に悩むオーナーに向けて、大手の譲渡事例や年買法による価格の目安、理容所・美容所の届出と割賦販売法の確認まで、評価を高めるために売却前に整えたい準備を紹介します。

理美容師の求人を出しても応募が集まらず、人毛の仕入れ値は円安で上がる一方。かつら・ウィッグの会社を営むオーナーから、近年よく耳にする悩みです。本記事は、かつらやウィッグの製造販売、増毛・育毛サロンを営む会社の売却を考える経営者に向けたもの。長年の顧客をどう引き継ぐか、店舗の理容所・美容所の届出や前払いの積立制度に不備はないか。この業界で起こりやすい論点を、価格と手続の両面から取り上げます。
医療用ウィッグと既製品が広げた毛髪業界の市場
かつらの市場は縮んでいるのでしょうか。伸びる分野と細る分野が分かれた今、M&Aを考える前に足元の変化を見ておきます。
大手2社が6割前後を占めるかつら・ウィッグの市場規模
国内のかつら・ウィッグを中心とする毛髪業の市場は1,200億円前後とされ、アデランスとアートネイチャーの大手2社が6割前後を占めるといわれます。矢野経済研究所の調査(2025年12月発表)では、毛髪業に植毛、発毛・育毛剤、ヘアケア剤を加えたヘアケア市場が、2024年度に5,367億円と前年度から2.1%伸びました。大手の下には、スヴェンソンやプロピアといった中堅と、地域の専門店や製造会社が連なる構図。中小の会社にとって大手は競争相手であり、有力な譲受企業の候補でもあります。
男性用のオーダーメイドから女性用・医療用へ移る需要
かつて業界の主役は、男性用のオーダーメイドでした。今は女性向けの比重が増し、ファッション感覚で使える数千円の既製品も通信販売を中心に広がっています。通販会社など異業種からの参入も相次ぎ、低価格帯では価格の競い合いが激しさを増すばかり。その一方で、型取りから納品、その後のメンテナンスまで長く付き合うオーダーメイドの商売は健在。どの分野に軸足を置く会社かによって、譲受企業の目に映る姿は大きく変わります。
がん治療を支える医療用ウィッグとアピアランスケア
伸びが目立つ分野の1つが医療用ウィッグ。2023年3月に閣議決定された国の第4期がん対策推進基本計画には、治療に伴う外見の変化を支えるアピアランスケアが盛り込まれました。群馬県では、医療用ウィッグなどの購入費を助成する市町村が29にのぼります(2024年11月時点)。病院との接点を持つ会社は、譲受企業の関心も集めやすい存在です。
JIS S 9623に沿った医療用ウィッグの品質
医療用ウィッグには、2015年4月に経済産業省が制定した日本産業規格のJIS S 9623があります。頭皮への刺激を調べるパッチテストや、色落ちへの強さを見る堅ろう度の試験などを定めた規格で、適合を自ら宣言する会社も出てきました。抗がん剤の治療で敏感になった頭皮に使う商品だけに、規格への適合は品質を測る物差しの1つ。譲受企業が医療用の事業を見るときにも、適合を示す試験の記録は求められやすい資料です。
海外の工場に支えられるウィッグづくり
店頭に並ぶかつらの多くは、海外の工場でつくられています。大手はフィリピンなどに自社の工場を構え、中小の会社も海外の協力工場や輸入品に頼るのが一般的。人毛や人工毛の仕入れは外貨建てが多く、為替の動きがそのまま原価に響きます。国内で手植えや仕上げを担える職人は限られ、その技術はいまや貴重な財産です。どこで、誰に製造を頼っているか。譲受企業が事業の安定性を測るうえで、必ず調べる項目になります。
▷関連:生活関連サービス業界のM&A|互助会前受金と生衛業の譲渡事例
フォンテーヌ譲渡やアデランスのMBOに見る毛髪業界の売却史
業界の2強も、子会社の譲渡や非上場化、中小企業の迎え入れを重ねて今の形になりました。主な出来事を時代順にたどります。
化学メーカーが手放したフォンテーヌ、1985年の子会社譲渡
女性用かつらのフォンテーヌは、もとは合成繊維カネカロンの用途を広げるため、鐘淵化学工業(現カネカ)が設けた販売会社でした。1985年8月、同社は電子材料などへ経営資源を集める中期経営計画のもと、フォンテーヌをアデランスへ譲渡します。男性用を主力としてきたアデランスにとっては、女性用の販路を手に入れる好機。本業との距離が開いた子会社を、利益が出ているうちに専業の会社へ託す判断は、今の中小企業の売却にも通じる考え方です。
業績の立て直しへ、非上場化を選んだアデランスのMBO
2016年10月、アデランスは経営陣が加わって自社の株式を買い取るMBOを発表しました。投資会社インテグラルが出資する受け皿会社が1株620円で公開買付け(TOB)を行い、上場廃止は2017年2月。背景には、女性用の市場で低価格品が広がるといった環境の変化と、業績の悪化がありました。上場のままでは難しい、中長期の立て直しへ踏み出した形。その後も同社は海外を中心に会社の取得と売却を重ね、事業の組み替えを続けています。
低価格帯や芸能用のウィッグ会社が大手に迎えられた理由
大手が国内で迎え入れてきたのは、自社に足りない価格帯や用途を持つ会社です。アートネイチャーは2014年に芸能用かつらの三川屋を、2019年には比較的安い価格帯のウィッグを扱うNAO-ARTを子会社化。アデランスも2016年、若年層向けのウィッグ「NAVANA」を展開するハイネットをグループに加えています。アートネイチャーは2026年3月期の有価証券報告書で、国内外のM&Aや新規事業を通じて「美と健康」に係る新領域を開拓・拡充する方針を掲げています。主な公開事例は下表のとおり。
| 時期 | 譲受企業 | 譲渡した側 | 対象 | 目的と期待された効果 |
|---|---|---|---|---|
| 1985年8月 | アデランス | 鐘淵化学工業(現カネカ) | 女性用かつらの販売会社フォンテーヌ | 譲渡側は中核事業へ経営資源を集中。男性用が主力の譲受側は女性用の販路を獲得 |
| 2014年10月 | アートネイチャー | 非開示 | 芸能用かつらを製作する三川屋(川崎市) | テレビ・映画・舞台向けの芸能かつら分野へ本格的に進出し、事業規模を拡大 |
| 2016年10月発表 | インテグラルが出資する受け皿会社(経営陣も参加) | 一般株主(公開買付け) | アデランス | 非上場化し、中長期の視点で経営基盤を立て直す(2017年2月に上場廃止) |
| 2017年11月 | MOONWISH INTERNATIONAL(香港) | アートネイチャー | カンボジアのかつら製造子会社 | 生産体制を見直し、収益面を考えて製造拠点を切り離す |
| 2019年10月 | アートネイチャー | 非開示 | 女性用ウィッグのNAO-ART(東京都千代田区) | 比較的安い価格帯のウィッグ事業へ参入し、女性用の事業を広げる |
▷関連:サービス業のM&A|人手不足と許認可承継で変わる譲渡事例と相場
理美容師の採用難と円安、かつら会社のオーナーが売却を考える事情
売却の相談で最初に語られるのは、業績より人と仕入れの話であることが多いもの。黒字のうちに動く会社ほど、選べる道は広がります。
後継者不在の陰で重なる3つの経営課題
創業から40年、50年を数えるかつら・ウィッグの会社では、オーナーが70代を迎えても後を託す人が決まっていない例が珍しくありません。子どもが家業に入らず、幹部も社長と年齢が近いとなれば、社内での承継は難しくなります。そこに業界特有の3つの課題が重なると、自社だけで続ける道はますます細くなるもの。親族への承継と並べて、第三者への事業承継を比べ始めるなら、課題が表に出る前が望ましい時期です。
理美容師とウィッグ技術者の採用難
オーダーメイドの店舗では、自毛のカットやウィッグの調整を担う理美容師と、悩みを聞き取るカウンセラーこそが売上を生む担い手。大手のアートネイチャーも2026年3月期の有価証券報告書で、専門性の高い人財を競争力の源泉と位置づけ、理美容師の学び直しを進めるとしています。採用で大手と競う中小の会社では、ベテラン1人の退職が顧客の離反に直結しかねません。
円安と原材料高で上がる人毛・人工毛の仕入れ
海外の工場から仕入れるかつらは、円安が進むほど原価が上がります。人毛や人工毛の値上がり、物流費の上昇も重なり、値上げが追いつかない会社も。大手の中には数か月分の外貨を前もって買い、原材料を備蓄して備える会社もありますが、中小の会社にそこまでの余力はありません。仕入れの先行きが読めないことは、オーナーが将来を案じる大きな理由の1つです。
広告費の膨張と低価格の既製品との競争
かつらの新規客は、テレビやインターネットの広告を見て問い合わせる人が中心です。広告費がかさむほど、新規客1人を得る費用は膨らむのが実情。そのうえ数千円の既製品が通販で手軽に買えるようになり、価格だけで比べられる場面も増えました。広告に頼った集客を続けられるかどうか。売却に踏み出すかを分ける論点になりやすいところです。
黒字のうちに会社売却を選ぶ意味
業績が落ちてから動くと、譲受企業の評価は厳しくなり、条件の交渉でも押されがちです。顧客と技術者がそろい、メンテナンスの売上が安定している時期こそ、会社売却を有利に進めやすい時期。株式譲渡なら社名や店舗、従業員の雇用はそのまま残り、借入に付いた個人保証も譲受企業への差し替えを交渉できます。会社を残して経営を託す中小企業のM&Aは、廃業と違って長年の顧客へのサービスを途切れさせずに済む選択肢です。
作り替え需要とメンテナンス収入で見る、ウィッグ会社の譲渡価格
在庫と店舗の数を足し合わせた額が値段の目安。そう見積もる方もいますが、実際の売却相場を動かすのは、顧客が通い続ける仕組みの強さです。
年買法で見るかつら・ウィッグ会社の価格の目安
価格の目安づくりでは、中小企業の多くで年買法(年倍法)が使われます。考え方は時価純資産+のれん。会社の資産を今の値打ちで見直した額に、数年分の利益をのれんとして足し込みます。かつら・ウィッグの会社なら、人毛の在庫や店舗の内装は資産の側、作り替えとメンテナンスで続く利益はのれんの側に効く要素。将来の利益を割り引くDCF法や、上場会社と比べる類似会社比較法は、規模の大きい会社で補助的に用いられます。
人毛の在庫と受注済みの前受金が動かす時価純資産
時価純資産の計算で差が出やすいのが在庫です。長く寝かせた人毛や型落ちの既製品は、帳簿の金額より低く見直されがち。注文時に代金の一部を受け取ったオーダーメイドや前払いのメンテナンス料金は、これから商品やサービスを届ける義務を負った前受金として負債に数えます。手元の預金のうち、その分は譲受企業へ引き継ぐお金として差し引かれるもの。財務デューデリジェンスの前に、残高を照らし合わせておきます。
譲受企業が確かめる顧客と収益の数字
かつら・ウィッグ会社の値打ちは、顧客が何年にもわたって通い続けるかどうかで測られます。下表は、譲受企業が確かめることの多い経営指標(KPI)です。顧客台帳から有効顧客の数や作り替えの周期を拾い出し、店舗別、商品別に数年分をそろえておけば、それ自体が利益の続きやすさを示す裏付けに。オーダーメイド、既製品、医療用、増毛と商品が分かれる会社なら、どの分野で稼いでいるかを示すだけでも見え方が変わります。
| 評価の視点 | ウィッグ会社で見られる数字や資料 | 価格への効き方 |
|---|---|---|
| 有効顧客数と作り替えの周期 | 一定期間内に購入や来店のあった顧客の数、オーダーメイドを作り替えるまでの平均年数 | 先々の売上の読みやすさとして、のれんの厚みに表れる |
| アフターサービス売上の比率 | 調髪、洗浄、修理などメンテナンスの売上が全体に占める割合と来店の頻度 | 景気に揺れにくい収益として上乗せの根拠になる |
| 新規客1人あたりの獲得費用 | 広告宣伝費を新規の成約件数で割った額、問い合わせから成約に至る割合 | 譲渡後も同じ費用で顧客を増やせるかの判断材料になる |
| 原価率と為替の影響 | 人毛・人工毛の仕入れ値、外貨建て取引の割合、工場ごとの単価 | 円安の年をならした実力の利益が価格の土台になる |
| 商品別の売上構成 | オーダーメイド、既製品、医療用、増毛、育毛ケアの売上と粗利 | 伸びている分野の比率が高いほど好材料になる |
| 売場ごとの損益 | 直営店、百貨店の売場、病院内サロン、通販それぞれの利益 | 不採算の売場の扱いが価格交渉の論点になる |
| 技術者の体制 | 理美容師とカウンセラーの人数、年齢構成、勤続年数 | 退職リスクの見立てを通じて、価格の割引や上乗せにつながる |
円安の年をならして示す、かつら会社の本来の利益
支援現場では、決算書の利益をそのまま年買法に当てはめることはしません。かつら・ウィッグ会社でよく調整するのが、円安で人毛の仕入れ値が跳ね上がった期や、大型の広告を集中して打った期の数字。為替の影響や一時的な費用を除いた実力の利益に引き直し、その根拠を仕入れの明細とともに示します。オーナー経営ならではの役員報酬や保険料も、同じく見直しの対象です。税理士法人グループの当社は、こうした利益の正常化を決算書の読み込みから進められるのが持ち味。譲受企業の評価との開きを、数字で埋めていきます。
理容所・美容所の届出と割賦販売法、売却前に点検したい法務
届出の控えが見つからず、調査が足止めされる事態は、売却の準備で案外よく起こる話です。手法ごとの違いも含めて見ていきます。
自毛のカットや増毛を行う店舗と理容所・美容所の届出
店舗で自毛のカットや調髪を行うなら、理容師法・美容師法にもとづく理容所・美容所の届出と、有資格者の配置が前提です。理容師や美容師が常時2人以上いる店舗には、衛生管理の責任者となる管理理容師・管理美容師も置かなければなりません。株式譲渡なら届出の名義である会社は変わらず、代表者の変更などを届け出る程度。事業譲渡でも、2023年12月13日の法改正で開設者の地位を承継できるようになりました。増毛や部分ウィッグの装着で自毛に手を加える施術の扱いは、保健所に問い合わせておくと安心。
かつらは割賦販売法の指定商品、積立制度の確認
見落とされやすいのが割賦販売法です。かつらは同法の指定商品に含まれ、2か月以上・3回以上の分割払いのうち、商品を渡す前に2回以上代金を受け取る前払式割賦販売を営むには、年間の販売額が1,000万円未満の場合などを除いて経済産業大臣の許可が要ります。作り替えに備えた積立や、会員が毎月掛金を払い込む友の会のような制度があるなら、許可の要否を洗い出しておきたいところ。許可を受けて営む会社では、前受金の2分の1相当を供託などで保全する義務が続く点にも注意が要ります。
口コミ投稿と育毛の効能表現、広告の棚卸し
広告で新規客を集める業界だけに、表示の点検もデューデリジェンス(譲受企業による詳しい調査)の対象です。2023年10月からは、広告であることを隠した口コミや推薦、いわゆるステルスマーケティングが景品表示法の規制対象に。2026年9月の共同通信の報道では、業界大手の子会社が2019年にQ&Aサイトへ依頼した宣伝の投稿が、なお閲覧できる状態でした。規制前の投稿でも、見える状態なら修正や削除に努めるべきというのが消費者庁の見解。育毛をうたう商品では、効果を言い過ぎた表現にも目を配ります。
表明保証の範囲を見据えた売却前の自主点検
みつきコンサルティングでは、かつら・ウィッグ会社の売却準備として、店舗ごとの理容所・美容所の届出、積立や回数券の規約と残高、過去の広告やSNS投稿の一覧を早めにそろえていただきます。問題が見つかっても、交渉の前に手当てしておけば、最終契約の表明保証(決まった事実が正しいと約束する条項)で負う範囲を狭められるもの。調査の終盤で発覚すると、減額や補償の条件が急に増えかねません。下準備の伴走まで引き受けるのが、当社のM&A仲介の流儀です。
ウィッグ会社の売却先候補と、顧客の秘密を守る打診
譲り受けたいと手を挙げるのは、同業の大手だけではありません。美容、医療、通販と、相手の顔ぶれは意外なほど多彩です。
かつら・ウィッグ会社を求める譲受企業のタイプ
ウィッグ会社に求めるものは、譲受企業のタイプごとに異なります(下表)。同業の大手なら店舗網や手薄な価格帯の補強、理美容室のチェーンなら薄毛や白髪に悩む来店客への提案力。アデランスが2025年9月から提携の理美容室でオーダーメイドを買える仕組みを全国で始めたように、理美容室は販路としても注目の的です。当社が支援した化粧品・医薬部外品のOEMメーカーの案件では、グループ会社の主力製品の製造を任せていた、美容・健康の通信販売も手がける上場企業が譲受企業に。取引先が相手になる道も見逃せません。
| 譲受企業のタイプ | ウィッグ会社に求めるもの | 評価につながる自社の材料 |
|---|---|---|
| 毛髪業界の大手・中堅 | 商圏の空白を埋める店舗、手薄な価格帯や用途の補強 | 固定客を抱える店舗、独自ブランド、芸能用や医療用の実績 |
| 理美容室のチェーン | 薄毛や白髪に悩む来店客への提案、ウィッグを扱う技術 | 理美容師の技術、カットや装着のノウハウ、提携サロンとの取引 |
| 化粧品・ヘアケア・通販の会社 | 自社の顧客に売れる商品と、その企画や製造の機能 | 既製品の商品企画、通販の顧客、製造委託先としての実績 |
| 医療・介護の関連企業 | がん患者や高齢者を支えるサービスの拡充 | 病院内の売場、JISに適合した医療用ウィッグ、医療機関とのつながり |
| 投資ファンド | 安定した収益を土台にした成長や再編 | メンテナンス収入の継続性、店舗網、管理の仕組み |
顧客に知られたくない商材だからこその情報管理
当社がかつら・ウィッグ会社の打診で最も神経を使うのは、情報の漏れ方です。かつらの利用を周りに伏せている顧客は多く、売却の噂が先に広まれば、担当が替わるのではと不安を抱いた顧客が離れかねません。そこで、社名や店舗の所在地、取引のある病院や百貨店の名前を伏せた概要書をつくり、関心を示した相手とだけ秘密保持契約を結んでから詳細を開示する流れ。同業の大手へ声をかけるのは、条件の輪郭が固まってから。依頼先を比べる段階で、M&A仲介会社一覧を手がかりに各社の情報管理の方針を聞き比べておくのも有効です。
担当者の交代を顧客へ伝える順番と時期
かつらの顧客には、同じ担当者に長年髪を預けてきた人が少なくありません。譲渡オーナー自身が看板の技術者という会社では、引退がそのまま顧客の離反を招くおそれも。当社が勧めるのは、成約後すぐに担当を替えず、半年から1年ほどオーナーと新しい担当者が並んで施術にあたり、顧客ごとの好みや頭の形の癖を引き継ぐ形です。顧客への案内は、店名や料金、メンテナンスの内容が変わらないことを先に伝える文面に。引継ぎの期間と役割は、最終契約にも書き込んでおくと安心です。
完全成功報酬
M&Aが成立した場合のみ、譲渡対価に応じた手数料を頂戴します。
売主様は、ご成約まで費用負担なくスタートできます。
着手金・中間金
0円
月額報酬
0円
成功報酬
成約時のみ
※レーマン方式
かつら・ウィッグのM&A・売却でよくある質問
病院や百貨店との取引、顧客の情報、海外の工場など、かつら・ウィッグの会社ならではの質問にお答えします。
続けられることが多いものの、病院との契約次第です。院内の売場は病院との賃貸借や業務委託の契約にもとづくのが一般的で、運営会社の株主や代表者が替わる際に届出や承諾を求める条項が入っていることも。事業譲渡なら契約の結び直しが前提になります。かつら・ウィッグ会社の売却を支援するみつきコンサルティングでは、契約の条項と更新時期を確認し、病院の担当部署へ説明に伺う時期を譲受企業と決めます。
事業の承継に伴う個人データの提供は、個人情報保護法で第三者への提供にあたらないとされ、本人の同意がなくても引き継げます。ただし、抗がん剤の治療中であることや脱毛症の診断は、病歴にあたる要配慮個人情報。交渉の段階では氏名を伏せた集計で示し、詳しいデータは秘密保持や取扱いの約束を交わしてから開示するのが基本です。現場では、データの保管場所と閲覧できる人の範囲を確認します。
株式譲渡なら取引の当事者は会社のままなので、続くのが通例です。気をつけたいのは、契約書がないまま続いてきた取引や、社長個人の信頼関係で成り立つ取引。譲受企業は、製作の指示書や型紙が会社に残っているか、1つの工場に頼り切っていないかを確かめます。現場では、工場ごとの発注量と単価、品質の記録を一覧にし、できれば社長と後任者がそろって工場を訪ねる機会をつくります。
条件そのものは変わらないのが原則で、株式譲渡なら取引口座も会社に残ります。ただ、百貨店との取引契約には代表者や株主の変更を届け出る条項があることが多く、売場の位置や催事の日程は百貨店側の判断で見直される場合も。事業譲渡では、新たな口座を開くところから。百貨店の閉店や売場の縮小が続くなか、売場ごとの売上推移と販売員の配置を示しておけば、譲受企業も先行きを見通しやすくなります。
まとめ|かつら・ウィッグ会社の売却で重視すべき実務論点
かつら・ウィッグ会社の価値は、作り替えとメンテナンスで通い続ける顧客と、それを支える理美容師やカウンセラーに宿ります。為替をならした利益、理容所・美容所の届出、割賦販売法や広告表示の点検まで整えておけば、評価の土台は固まります。長年の顧客と社員の行く末を思えば、決断に迷うのも無理のないこと。
みつきコンサルティングは、税理士法人グループに属する財務・税務に強いM&A仲介会社で、中小企業のM&A仲介の実績経験が豊富です。相談先選びに迷う段階から、M&Aに特化した専門チームが顧客と技術者の引継ぎまで見据えて伴走します。かつら・ウィッグの会社売却なら、みつきコンサルティングへご相談ください。
完全成功報酬のM&A仲介会社なら、みつきコンサルティングへ >

かつら・ウィッグの会社売却の関連コラム
著者

- 事業法人第一部長/M&A担当ディレクター
-
みずほ銀行にて大手企業から中小企業まで様々なファイナンスを支援。みつきコンサルティングでは、各種メーカーやアパレル企業等の事業計画立案・実行支援に従事。現在は、IT・テクノロジー・人材業界を中心に経営課題を解決。M&Aの成約実績多数、M&A仲介・助言の経験年数は10年以上
監修者 神門 剛 代表取締役 / 公認会計士・税理士
最近書いた記事
2026年10月22日スーパー銭湯の売却|公衆浴場の許可承継と設備評価から見るM&A事例
2026年10月22日かつら・ウィッグの売却|作り替え需要と理美容師で差がつくM&Aの評価
2026年10月22日美容室の売却|指名客とスタイリストを託すM&Aの勘所と成約事例
2026年10月20日宅配クリーニングの売却|会員基盤と工場の用途地域を巡るM&A事例










