測量会社の譲渡は、後継者不在の解決だけでなく、従業員の雇用維持や創業者利益の獲得に繋がる有効な選択肢です。本記事では、測量会社の売却相場や高く売るためのポイント、具体的な手続の流れを分かりやすく解説します。官公庁や大手ゼネコンとの取引実績、有資格者の存在が評価を高めます。売却に向けた不安を解消し、納得のいく事業承継を実現するための実践的な知識をまとめました。
「うちの会社でも売却できるだろうか…」、「何から始めればいいんだろう…」。そのようなオーナー経営者の不安に、中小企業向けM&A仲介会社みつきコンサルティングは、20年間・500件以上の支援実績に基づき、お応えします。本格検討前の情報収集として、まずはお話をお聞かせください。
> みつきコンサルティングに無料相談する|税理士法人グループ
測量会社の売却が増加する背景と最新動向
支援現場では、「仕事はあるが測量士が高齢化して現場が回らない」という悩みを頻繁に伺います。近年、測量会社が事業を第三者へ譲渡する事例が急激に増加しています。その背景には業界特有の事情と構造的な課題が深く絡み合っている状況です。市場の動向を正しく理解することが、納得のいく会社売却への第一歩となります。
測量業界の現状と高い収益性
測量会社は公共インフラの維持管理などで安定した需要があり、他業種と比較しても収益性が高いことが特徴です。国土交通省が公開しているデータによると、測量業の粗利益率の平均値は52.7%となっており、建設業全体の平均である26.0%を大きく上回っています。一方で、登録業者数は20年以上連続で減少しており、市場の寡占化が徐々に進行しています。 以下の表に測量会社を取り巻く現状を定量的に整理します。
| 項目 | 現在の動向と数値データ |
|---|---|
| 粗利益率 | 平均52.7%と非常に高い水準を維持 |
| 事業者数 | 年々減少しており、小規模事業者の市場退出が進む |
| 市場規模 | 公共案件を中心に年間800億〜1,000億円で推移 |
このように利益率が高い反面、人材や設備への投資負担に耐えられない企業の淘汰が始まっています。
後継者不在と技術者不足の深刻化
長年会社を支えてきた経営者が引退の年齢を迎える中で、親族内に後継者がいないケースが大半を占めます。さらに、測量士や測量士補といった有資格者の約80%が40代以上となっており、若手技術者の確保が極めて困難な状況にあります。有資格者の定年退職は会社の存続に直結する深刻な課題です。 このため、技術者を一括で確保できる会社売却が業界内で注目を集めています。譲受企業から見れば、時間をかけて人材を育成するよりも、熟練した測量士を迎え入れられることは手早く事業を拡大できる大きなメリットに繋がります。
ICT導入と最新技術への対応
近年の測量現場ではドローン(UAV)による写真測量や、3Dレーザースキャナーを用いた高度な三次元測量が強く求められています。また、BIM/CIM(建設現場の情報を三次元モデル化して共有する仕組み)への対応も公共工事では必須となりつつあります。 これらの最新機器や専用の解析ソフトウェアを導入するには、多額の初期投資が必要です。中小規模の測量会社が単独で設備投資を行い続けることは負担が重いため、資本力のある大手建設コンサルタントやゼネコンの傘下に入り、最新技術を活用して競争力を高めるという前向きな成長戦略としての会社売却も増えています。
異業種からの買収ニーズの拡大
測量会社を譲り受けるのは同業他社だけではありません。建設業界の企業が、外注コストを削減し企画から施工までをワンストップで提供するために測量会社を買収するケースが増加しています。また、地図サービス事業を展開しているIT企業が、高精度な位置情報データや三次元計測のノウハウを求めて測量会社をグループに迎え入れる異業種間のM&Aも活発化しています。商圏の拡大や新事業への進出を目論む企業にとって、測量会社の持つ専門性は非常に魅力的な経営資源と言えます。
▷関連:測量設計・建設コンサルタント業界のM&A動向|会社売却事例も紹介
測量会社の売却相場と株価算定のポイント
経営者の方が一番気になるのは、手塩にかけて育てた会社がいくらで評価されるのかという点でしょう。会社の価格は理論上の計算だけでなく、将来性や買い手のニーズによって大きく変動します。ここでは評価の基本となる計算方法と、金額を押し上げる要素について解説します。
一般的な企業価値の計算式
中小企業の会社売却で広く用いられるのは、時価純資産に営業利益の3から5年分を加算する年買法です。会社の帳簿上の資産を現実の時価で評価し直し、そこに将来生み出すと予測される収益力を上乗せして算出します。自社の財務データから比較的簡単に目安となる金額を把握できるため、初期段階の検討に最適な計算方法と言えます。
測量会社が譲渡価格を最大化するポイント
決算書に現れない無形資産の価値を的確に伝えることが重要です。以下の要素が評価額を左右します。
安定した顧客基盤と取引実績
官公庁からの公共測量や、大手ゼネコンとの継続的な取引実績は高く評価されます。地域での強固な地盤は大きな強みです。
有資格者の年齢構成と人数
測量士などの在籍数は企業価値に直結します。若手や中堅技術者が多く在籍している場合、買収後の事業継続性が担保されるため評価が上がります。
最新技術の導入状況
ドローンなど最新機器やノウハウを保有している会社は、技術的な優位性が認められ高い買収プレミアムがつく傾向にあります。
▷関連:建設業のM&A・会社売却|2026年最新動向と相場・注意点を解説
測量会社の売却手法の選択肢
会社を譲渡する際、対象を会社全体とするか、一部の事業のみとするかで利用するスキームが異なります。現状の財務内容や今後の展望に合わせて最適な方法を選ぶことが、手続を円滑に進めるための鍵です。
株式譲渡の特徴とメリット
中小企業の会社売却で最も一般的な手法が株式譲渡です。オーナー経営者が所有する株式を譲受企業に譲渡し、経営権を移行させます。会社という法人格はそのまま維持されるため、従業員の雇用契約や取引先との契約関係を原則としてそのまま引き継ぐことができます。 測量業者としての登録や各種許認可も維持されるため、業務に空白期間を生じさせずに事業を継続できるのが最大の利点です。また、譲渡益に対する税金が個人の譲渡所得として約20%の分離課税で済む点も、リタイア後の生活資金を確保したい経営者にとって大きなメリットとなります。
事業譲渡の特徴とメリット
事業譲渡は、会社のすべての事業ではなく、測量部門や特定の資産だけを切り出して譲渡する手法です。会社の法人格自体は残るため、簿外債務(帳簿に載っていない負債)や不要な資産を譲受企業へ引き継がせないという特徴があります。 例えば、過去の事業投資による多額の借入金があり、会社全体での株式譲渡が難しい場合、測量事業と従業員だけをスポンサー企業に譲渡し、残った借入金と法人を法的に整理するといった企業再生の場面で頻繁に活用されます。
事業譲渡における許認可の注意点
事業譲渡を選択した場合、測量業の登録などの許認可は自動的には引き継げません。譲受企業側で新たに申請し直し、登録を取得する必要があります。 また、土壌汚染や騒音・振動などを測定する「計量証明事業所」としての認可を持っている場合も同様です。計量士を確保した上で都道府県から新たに認可を受け直さなければならず、申請が通るまで業務が停止してしまうリスクが潜んでいます。 下表に株式譲渡と事業譲渡の主な違いを整理しました。
| 比較項目 | 株式譲渡 | 事業譲渡 |
|---|---|---|
| 譲渡の対象 | 会社全体(株式すべて) | 選択した特定の事業や資産のみ |
| 許認可の引継ぎ | 原則としてそのまま引き継がれる | 引き継がれず再取得が必要 |
| 負債のリスク | 簿外債務を含め全て引き継ぐ | 指定した負債のみ引き継ぐ |
| 税金の種類 | 個人の所得税(約20%の分離課税) | 会社の法人税等(約30%) |
測量会社の譲渡を成功に導く具体的なプロセス
いざ会社を売却しようと決断しても、明日すぐに完了するわけではありません。円滑に引継ぎを終え、従業員に安心してもらうためには、正しい段階を踏んで手続を進める必要があります。
譲渡には3〜6ヶ月程度の期間が必要
測量会社の会社売却には、一般的に早くて3ヶ月、長ければ半年から1年程度の期間がかかります。焦って不完全な情報のまま進めると、後々のトラブルや従業員の予期せぬ離職を招きかねません。計画的な準備とスケジュール管理が不可欠となります。
事前準備と候補企業の選定
まずは自社の強みや財務状況を客観的に整理し、信頼できるM&A仲介会社と契約を結びます。棚卸資産(進行中の業務にかかった原価、仕掛品など)の計上が正確に行われているかなど、建設関連業特有の会計処理を見直しておくことが重要です。 その後、企業価値の目安を算出し、譲れない条件を決定します。仲介会社を通じて候補先へ匿名で打診し、関心を示した相手企業の経営トップと直接面談を行って相性を確かめます。
買収監査(デューデリジェンス)の対応
大枠の条件で合意に達して基本合意書を交わした後、譲受企業の専門家チームによる買収監査が実施されます。財務や法務、労務などの実態が詳細に調査される重要なプロセスです。 特に測量会社の場合、測量士の資格証の有効性や、過去に実施した測量データの権利関係、公共案件の入札資格(経審の点数)の引継ぎ可否が厳しくチェックされます。また、現場作業に伴う未払残業代などの労務リスクがないかも細かく確認されるため、事前に社内の勤怠管理規定を整えておくことが現場では強く推奨されます。
最終契約とPMI(統合プロセス)
買収監査の結果を踏まえて最終的な条件を確定させ、法的拘束力のある契約を結びます。その後、株式や事業の引渡しと代金の決済を行うクロージングへと進みます。 契約完了後も、異なる企業文化をすり合わせるPMI(統合プロセス)が待っています。従業員の給与体系の統合や、現場での測量機器の仕様統一など、買収後の業務の円滑な引継ぎを見据えた計画を立てておくことが成功の秘訣です。
測量会社の譲渡における最適な相談先の比較
会社売却は経営者にとって一生に一度の大きな決断です。独力で進めることは極めて困難であり、専門的な知見を持つ外部機関のサポートが欠かせません。相談先には大きく分けて3つの選択肢があります。
金融機関を通じた支援
長年付き合いのあるメインバンクの専門部署に相談する方法です。会社の財務状況を既に把握してくれているため、話がスムーズに進みやすいという利点があります。 ただし、大手金融機関は手数料が高額になりがちであり、一定規模以上の大型案件を優先する傾向があるため、中小規模の測量会社では十分な支援を受けられない懸念があります。
公的機関の活用
各都道府県に設置されている「事業承継・引継ぎ支援センター」などの公的機関を利用する手段です。国が運営しているため無料で相談に乗ってもらえ、後継者不足に悩む中小企業に対して中立的な立場からアドバイスを提供してくれます。 情報収集の第一歩としては非常に有効ですが、民間の専門機関と比較すると対応スピードやマッチングの柔軟性に限界がある点には注意が必要です。
専門のM&A仲介会社の強み
企業同士を繋ぐことに特化したM&A仲介会社に依頼する方法です。会社売却の準備から候補先の選定、面談の調整、契約書の作成まで、一連のプロセスを包括的にサポートしてくれます。 最大の強みは、全国の企業情報が集まる独自のネットワークを活用し、自社に最適な譲受企業を迅速に見つけ出せる点にあります。一方で、着手金や中間報酬が発生する会社もあるため、事前に料金体系をしっかりと確認し、費用対効果を見極めることが重要となります。
完全成功報酬制
M&Aが成立した場合のみ、譲渡対価に応じた手数料を頂戴します。
売主様は、ご成約まで費用負担なくスタートできます。
着手金・中間金
0円
月額報酬
0円
成功報酬
成約時のみ
※レーマン方式
測量会社の譲渡に関するFAQ
測量業の会社売却を検討する経営者の方から、支援現場で頻繁に寄せられる素朴な疑問や不安にお答えします。
株式譲渡で会社を売却した場合、対象会社の法人格はそのまま存続するため、長年親しまれてきた会社名や屋号は原則として残ります。従業員の制服や名刺も急に変える必要はありません。ただし、譲受企業のブランド戦略の一環で統合を希望されるケースもありますので、契約交渉の段階で希望をしっかりと伝え、条件をすり合わせてください。
測量士・測量士補の資格者は、譲渡後も会社に残ることが前提で引き継ぎが行われます。譲受企業が測量会社を買収する最大の目的は「人材と資格の確保」であるため、むしろ資格保有者の待遇維持・向上に積極的なケースがほとんどです。従業員への告知タイミングや説明の仕方を仲介会社と慎重に設計することで、不安を最小限に抑えられます。
株式譲渡であれば入札参加資格や経営事項審査(経審)の点数はそのまま引き継がれます。しかし、事業譲渡を用いた場合は譲受企業側で実績がそのまま合算されず、再度審査を受け直す必要があるなど手続が複雑になります。官公庁案件が主体の測量会社は、スキーム選びに細心の注意が必要です。
測量会社に精通したM&A仲介会社|みつきコンサルティング
測量会社の譲渡は、後継者不在の解消だけでなく、技術者の雇用を守り最新のICT設備を導入する前向きな選択肢です。企業価値を正しく算定し、官公庁案件の実績や有資格者の価値を最大化するには、事前の入念な準備と専門的なサポートが不可欠となります。会社を譲り渡すことへの漠然とした不安やお悩みを抱えるオーナー経営者の方々に、私たちは全力で寄り添い解決への道筋を示します。
みつきコンサルティングは、税理士法人グループのM&A仲介会社として、財務や税務の深い知見を活かした精緻な企業価値評価を得意としております。全国の測量会社のM&Aの実績経験が豊富であり、業界特有の事情に精通した専門チームが手厚くサポートいたします。測量会社のM&A・会社売却なら、みつきコンサルティングへぜひ一度ご相談ください。
完全成功報酬のM&A仲介会社なら、みつきコンサルティングへ >
測量会社の会社売却の関連コラム
著者

- 事業法人第一部長/M&A担当ディレクター
-
みずほ銀行にて大手企業から中小企業まで様々なファイナンスを支援。みつきコンサルティングでは、各種メーカーやアパレル企業等の事業計画立案・実行支援に従事。現在は、IT・テクノロジー・人材業界を中心に経営課題を解決。M&Aの成約実績多数、M&A仲介・助言の経験年数は10年以上
監修:みつき税理士法人
最近書いた記事
2026年3月14日地質調査・地盤調査の会社売却で価値を最大化!M&Aの特徴も解説
2026年3月14日補償コンサルタントの会社売却|成功のポイント・M&Aの準備も解説
2026年3月14日測量会社の会社売却で譲渡価格を最大化させる!M&Aの相談先も解説
2026年3月7日建設コンサル会社のM&A|最新動向と会社売却を成功に導くポイント










