地盤改良工事業のM&A|最新動向・売却相場・成功事例を解説

地盤改良工事会社のM&Aによる事業承継や売却を検討中の経営者へ。業界再編が進む背景や、不動テトラ等の大手事例、売却相場の算定方法を解説します。特殊技術や有資格者の評価ポイントを押さえ、ハッピーリタイアを実現するための要点をまとめました。

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地盤改良工事業界のM&A動向と活発化の背景

地盤改良工事業界では現在、専門技術の獲得や事業規模の拡大、そして深刻化する後継者不足の解消を主目的としたM&Aが極めて活発に行われています。 特に、ジェコスや不動テトラ、日本乾溜工業といった大手・中堅企業が、特定の専門技術を持つ中小規模の地盤改良会社を買収する事例が目立っており、業界再編が加速しているのが現状です。

地盤改良工事は、軟弱地盤への対応など高い専門性が求められる分野です。 そのため、独自工法や特許技術を持つ企業をグループ内に取り込むことは、買い手企業にとって競争力を高めるための最も効率的かつ重要な手段となっています。 また、売り手となるオーナー経営者にとっても、大手グループの傘下に入ることは、技術の継承や従業員の雇用維持、そして創業者利益の確保といった面で大きなメリットがあります。

市場環境の変化と業界再編の波

地盤改良工事業界を取り巻く市場環境は、決して楽観視できるものではありません。 新設住宅着工戸数は減少傾向にあり、今後も大幅な増加は見込みにくい状況です。 一方で、土地造成工事・埋立工事の請負契約額は、2024年度には官民合わせて約6,500億円規模となっており、民間分野では過去最高を記録するなど底堅い需要もあります。

このような環境下では、単独での生き残りを模索するよりも、M&Aによって経営基盤を強化しようとする動きが強まるのは必然です。 実際に、2025年9月にも地盤調査・改良専門会社の買収が行われるなど、グループ化の動きは止まりません。 大手企業は、公共工事の減少や民間需要の変動リスクを分散させるため、異なる強みを持つ企業との提携を急いでいます。

大手企業による技術力確保の動き

M&Aの現場で私たちが特に感じるのは、「特殊な技術力」に対する評価の高さです。 汎用的な工法だけでなく、特定の地質条件や環境制約に対応できる独自技術を持つ企業は、規模が小さくても高く評価される傾向にあります。

例えば、都市部の狭小地での施工技術や、環境負荷の低い改良工法などは、大手企業にとっても喉から手が出るほど欲しいリソースです。 シナジー(相乗効果)の創出が鍵となるため、買い手企業は単なる売上規模だけでなく、その会社が持つ「技術の中身」を詳細に見ています。 この傾向は、今後のM&A市場においてもさらに強まっていくでしょう。

地盤改良工事の売却相場と株価算定のポイント

地盤改良工事会社の売却を検討する際、最も気になるのは「自社がいくらで評価されるのか」という点でしょう。 ここでは、一般的な算定方法と、この業界特有の評価ポイントについて解説します。

年買法(時価純資産+営業権)による算定

中小企業のM&A実務において、企業価値の算定には「年買法(年倍法)」がよく用いられます。 これは、会社の「時価純資産(資産から負債を引いたもの)」に、「営業権(のれん代)」を加算して算出する方法です。

営業権は、通常「修正実質営業利益の2〜5年分」程度で計算されます。 地盤改良業界の場合、保有する重機や機材の評価額が時価純資産に大きく影響します。 帳簿上の価格ではなく、中古市場での実勢価格で再評価を行うため、減価償却が進んだ優良な重機を多く持つ会社は、純資産が簿価以上に高く評価される可能性があります。

地盤改良会社が譲渡価格を最大化するポイント

算定式はあくまでベースであり、実際の譲渡価格は「買い手がどれだけその会社を欲しいか」で決まります。 地盤改良工事会社において、評価額を左右し、価格を最大化するためのポイントは以下の通りです。

独自工法やNETIS登録技術の保有

他社との差別化要因となる独自工法や、国土交通省のNETIS(新技術情報提供システム)に登録された技術を持っているかどうかが重要です。 公共工事での加点評価につながる技術は、買い手にとって即座にメリットを生むため、高い「のれん代」がつく要因となります。

有資格者の年齢構成と定着率

1級・2級土木施工管理技士や、地質調査技士などの有資格者が多数在籍していることは必須条件です。 特に、若手・中堅の技術者が定着している会社は、業界全体が高齢化する中で希少価値が高く、プラス評価となります。

保有重機の稼働状況とメンテナンス履歴

地盤改良機やボーリングマシンなどの重機が適切にメンテナンスされ、高稼働していることも評価ポイントです。 特定の特殊工法に対応したカスタム重機などがあれば、その代替不可能性が価格交渉での強みになります。

安定した受注基盤と元請け比率

特定の大手ハウスメーカーやゼネコンからの安定した受注があるか、あるいは直請け(元請け)の比率が高いかも重視されます。 下請け構造が多重化する中で、発注者との直接的なパイプを持っていることは、収益性の安定を示す証拠となります。

地盤改良工事業界のM&A成功事例

建設・地盤工事業界では、技術力や地域基盤を持つ中小企業を譲受する事例が増えています。下表は業界動向を象徴するM&A事例をまとめたものです。

事例概要買収の狙い
ジェコスによるオトワコーエイの子会社化仮設鋼材リースを手掛けるジェコスが、特殊基礎工事に強みを持つオトワコーエイを子会社化しました。ジェコスの営業力とオトワコーエイの施工技術力を組み合わせ、「地下工事一式受注」体制の構築を目指したものです。技術力のある中小企業が大手のプラットフォームを活用して成長を目指す好例です。
不動テトラによる愛知ベース工業の譲受大型土木工事を得意とする不動テトラが、戸建て住宅向け地盤改良工事に強みを持つ愛知ベース工業を中核とするグループ企業を譲受しました。対応可能な工事の幅を広げるとともに、地域に根差した中小企業のネットワークによるエリア補完を狙ったものです。
日本乾溜工業によるニチボーの子会社化日本乾溜工業が、九州全域で法面事業や地盤改良工事を展開するニチボーを子会社化しました。地域戦略と技術シナジーを狙ったものです。地元有力企業の顧客基盤と技術力を上場企業グループが承継することで、事業承継問題の解決と成長加速を同時に図った事例です。

地盤改良工事のM&Aで注意すべきリスクと対策

M&Aはメリットばかりではありません。 特に業界特有のリスクには注意が必要です。 交渉をスムーズに進めるために、売り手側が事前に準備しておくべき点をお伝えします。

工事の瑕疵担保責任と偶発債務

地盤改良工事においては、施工後の地盤沈下や不同沈下といったトラブルリスクがつきまといます。 過去に施工した物件で将来的に瑕疵(欠陥)が見つかった場合、誰が責任を負うのかという点は、デューデリジェンス(買収監査)で厳しくチェックされます。 「住宅瑕疵担保履行法」に基づく保険加入状況や、過去のクレーム対応履歴を整理し、買い手に対して透明性を持って情報開示することが信頼獲得への第一歩です。

未成工事の引き継ぎと会計処理

M&Aの実行日時点で進行中の工事(未成工事)をどう扱うかも重要な論点です。 「未成工事支出金」や「未成工事受入金」の計上が適切に行われているか、工事進行基準と完成工事基準のどちらを採用しているかなど、会計処理の整合性が問われます。 不明瞭なドンブリ勘定は、買収価格の減額要因になりかねないため、月次決算を整え、現場ごとの収支を明確にしておく必要があります。

労務管理と残業代未払いリスク

建設業界全体で「2024年問題」と言われる時間外労働の上限規制が適用されており、労務管理の重要性が増しています。 現場作業員の長時間労働や、残業代の未払いがないかは必ず確認されます。 もし不備がある場合は、M&Aの前に改善に着手するか、そのリスク分を価格から差し引くことを想定しておく必要があります。 隠しても後で必ず発覚するため、正直に申告して対策を協議するのが賢明です。

地盤改良工事業界の今後と経営者の選択

市場縮小や人手不足が叫ばれる中、地盤改良工事業界の経営者はどのような選択をすべきなのでしょうか。 廃業か、存続か、あるいは第三者への承継か。 現場の視点から、今後の展望を考察します。

廃業コストとM&Aの比較

後継者がいない場合、廃業を選択する経営者もいますが、地盤改良会社の場合、廃業コストは意外に高くつきます。 重機の処分費用、従業員の退職金、現状復旧費用などがかさむため、手元に資金が残らないことも珍しくありません。 一方でM&Aによる株式譲渡であれば、これらのコストを回避できるだけでなく、売却益を得て引退後の生活資金に充てることが可能です。 従業員の雇用も守られるため、廃業を決断する前に、まずは自社の価値を算定してみることを強くお勧めします。

技術と暖簾(のれん)を次世代へつなぐ

地盤改良工事会社の価値は、決算書の数字だけではありません。 長年培ってきた地盤に対する「勘所」や、地域での信頼(暖簾)、そして熟練の職人たちこそが真の資産です。 これらを散逸させず、次世代へつなぐ手段としてM&Aは非常に有効です。 特に近年は、異業種からの参入や、隣接業種(基礎工事、土木工事など)からの買収ニーズも増えています。 自社だけでは対応しきれない環境規制やDX対応も、大手グループの資本が入ることで解決できる可能性があります。

M&A仲介会社選びの重要性

M&Aを成功させるためには、適切なアドバイザーの存在が欠かせません。 特に地盤改良業界は専門用語や特有の商慣習が多いため、建設業界のM&Aに精通した専門家を選ぶことが大切です。

業界知識のある専門家への相談

一般的なM&A仲介会社では、地盤改良特有の「重機の価値」や「施工技術の希少性」を正しく評価できない場合があります。 「柱状改良」と「鋼管杭」の違いや、「土質試験」の重要性を理解しているコンサルタントであれば、貴社の強みを的確に買い手へアピールしてくれます。 相談段階から、業界への理解度を確認することをお勧めします。

M&Aが成立した場合のみ、譲渡対価に応じた手数料を頂戴します。
売主様は、ご成約まで費用負担なくスタートできます。



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地盤改良工事会社のM&Aに関するFAQ

地盤改良工事会社の売却を検討されている経営者様からよくいただく質問をまとめました。 現場ではまずここを確認します、といった実務的な視点で回答します。

Q:重機が古くても売却できますか?

はい、十分に可能です。地盤改良機やボーリングマシンは、適切にメンテナンスされていれば古くても現場で活躍できるため、中古市場でも価値があります。むしろ、特定の工法に対応した既存の重機セットがあることは、買い手にとって新規投資を抑えられるメリットになります。

Q:赤字経営ですが、相手は見つかりますか?

可能性はあります。買い手は現在の利益だけでなく、保有する技術、有資格者、顧客基盤、エリアなどを総合的に評価します。例えば、技術力はあるが営業が弱くて赤字の場合、営業力のある会社が買収すれば黒字化できると判断されることがあります。

Q:従業員にいつM&Aのことを伝えるべきですか?

基本的には、最終契約が締結され、クロージング(決済)が完了した直後に伝えるのが一般的です。検討段階で噂が広まると、不安を感じた従業員が退職してしまうリスクがあるからです。発表の際は、雇用条件が維持されることなどを丁寧に説明し、安心感を与えることが重要です。

Q:過去の施工に関するクレームが心配です。

正直に開示してください。M&Aの交渉段階で過去のトラブルやクレーム情報を隠すと、後で重大な契約違反となり損害賠償を請求される恐れがあります。どのような対応を行い、解決済みかどうかを明確にすれば、交渉のテーブルに乗ることは可能です。

地盤改良工事業に精通したM&A仲介会社|みつきコンサルティング

地盤改良工事業界は、特殊な技術力や人材確保を目的としたM&Aが活発化しており、ジェコスや不動テトラなどの大手企業による買収事例も増えています。市場環境が変化する中、自社の独自技術や有資格者を正しく評価してもらい、適切な相手に承継することは、経営者にとって最良の選択肢の一つです。後継者不在の不安を解消し、会社を存続させるためにも、早期の検討が鍵となります。

当社は、税理士法人グループのM&A仲介会社として、地盤改良工事をはじめとする中小企業M&Aの支援実績が豊富です。建設土木業に精通したM&Aアドバイザーや公認会計士・税理士がチームとなり、貴社の技術と暖簾を次世代へつなぐお手伝いをします。地盤改良工事会社のM&Aをご検討の際は、ぜひ一度ご相談ください。

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著者

田原 聖治
田原 聖治事業法人第一部長/M&A担当ディレクター
みずほ銀行にて大手企業から中小企業まで様々なファイナンスを支援。みつきコンサルティングでは、各種メーカーやアパレル企業等の事業計画立案・実行支援に従事。現在は、IT・テクノロジー・人材業界を中心に経営課題を解決。M&Aの成約実績多数、M&A仲介・助言の経験年数は10年以上
監修:みつき税理士法人

みつきコンサルティングは、中小企業の会社売却・事業承継に特化した譲渡企業様に完全成功報酬制のM&A仲介会社です。売り手と買い手企業の最適なマッチングを、経験豊富なM&Aコンサルタントが初期相談から成約まで一貫してフルサポートします。

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