インカムゲインとは?株式投資等でのキャピタルゲインとの違い

本記事では、株式投資収益の基本から税金対策、資産運用方法まで幅広く網羅。賢い運用で収益を最大化する方法を探ります。投資戦略において、利益を得る仕組みによって「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」という二つの概念があります。それぞれの特徴やメリット/デメリットを理解し、トータルで最適な投資法を選択することが、リスクを抑えて長期的に安定した資産形成を実現する鍵となります。本記事では、キャピタルゲインとインカムゲインの基本を解説し、投資家がどのような戦略で資産運用に取り組むべきか、また税金対策や事業承継・M&Aにおける活用法についても解説します。

キャピタルゲインとインカムゲインの意味

投資において得られる利益は、キャピタルゲインとインカムゲインの二つに区分されます。

キャピタルゲインとは、資産の売却によって得られる利益です。つまり、株式や不動産などの資産を購入した価格、それらの売却した価格と取得した価格の差額です。株価や不動産価格が上昇し、購入価格を売却価格が上回る時にキャピタルゲインが発生します。

インカムゲインは、資産を保有することによって得られる定期的な収益です。株式投資においては配当、不動産投資では家賃収入、銀行の受取利息もこれにあたります。

投資家の投資スタンスによって、キャピタルゲインとインカムゲインの組み合わせが異なります。長期な安定的な収益を求める場合はインカムゲイン重視の運用が適しており、短期で大きな利益を狙う場合はキャピタルゲインが適しております。リスクとリターンのバランスを考慮し、適切な投資手法を選択することが重要です。

キャピタルゲインの計算方法

キャピタルゲインの計算方法は、売却価格から購入価格を引いた金額です。株式投資であれば、株式の売買価格の差額がキャピタルゲインとなります。ただし、取引手数料や税金を差し引いた額が実際の利益となります。

キャピタルゲインを狙う投資家は、資産価格の上昇を見込んで売買を行います。そのため、経済状況や企業の業績を緻密に分析し、為替や市場の動向を注視することが重要となります。株式取引におけるキャピタルゲインは、株価の変動に強く影響されるためリスクが高い一方、大きな利益を利益獲得できる可能性もあります。

インカムゲインの具体例とその運用

インカムゲインは、配当などの定期的な収益を指します。具体例としては、株式投資における配当金や、不動産投資における家賃収入です。他にも、債券や預金、信託投資による利益もインカムゲインに分類されます。

インカムゲインを重視した運用方法は、安定した収益が得られることから長期投資家におすすめです。高配当株や優良不動産物件の選定には綿密なリサーチが必要ですが、一度手に入れた資産は、長期間にわたり収益をもたらします。

ただし、インカムゲインが確定するには、資産保有期間が長くなることから、売却時の損失リスクや市場の変動リスクに注意する必要があります。堅実な運用戦略が求められます。

キャピタルゲインとインカムゲインどちらを選ぶべきか

投資における重要な選択の一つは、キャピタルゲインとインカムゲインのどちらを重視するかです。どちらに重点を置くかは、投資家のリスク許容度、目的、資金力によって異なります。以下の具体例とともに、両者の特徴と選択肢を検討します。

キャピタルゲインは、資産価格の上昇を狙い、売却時に大きな利益を得る可能性がある一方、価格下落による損失のリスクも高くなっています。元本割れの危険も高く、安全性を求める投資方法には向きません

インカムゲインは、株式配当や不動産の賃料収入等で長期的な利益を望める一方、経営状況や市場動向による影響を受けます。企業の業績が悪化すれば配当が得られず、不動産の賃料収入についても入居率の低下や家賃の未納等が発生すると、期待した賃料収入を得られません。

投資家は自身の目的とリスク許容度に応じて、適切なバランスでキャピタルゲインとインカムゲインの両方を組み込んだ投資ポートフォリオを構築する必要があります。

長期的な資産運用とリスク管理のポイント

長期的な資産運用とリスク管理において重要なポイントは以下の通りです。

  • ダイバーシフィケーション:投資先や資産の種類を幅広く分散させることで、市場変動による損失リスクを軽減する
  • キャピタルゲインとインカムゲインのバランス:投資先や資産の選択において、リスクとリターンのバランスを考慮し、キャピタルゲインとインカムゲインの適切な比率を保つ
  • 定期的なリバランス:投資ポートフォリオのリスク許容度を維持するために、定期的に資産配分を調整する
  • リスク管理手法の活用:ストップロス注文や資産運用サービスなど、損失を制限する手法を活用する

これらのポイントを鑑みて、粘り強く長期的な資産運用とリスク管理を行うことが、投資家においては重要です。

キャピタルゲインとインカムゲインの税金対策

税金対策の方法として、確定申告時に適正な金額を申告することが重要です。

キャピタルゲインとインカムゲインの税金対策については、資産運用の目的やリスクに応じて、適切な方法を選択することが重要です。

税金の計算方法

主な投資資産と税率を下記に記載します。

 投資資産収益の種類利益の内容税率
株式投資キャピタルゲイン株式の売却20.315%
インカムゲイン配当金20.315%
不動産投資キャピタルゲイン短期譲渡所得39.630%
インカムゲイン長期譲渡所得20.315%
預金キャピタルゲイン
インカムゲイン預金利息20.315%
投資資産と税率

確定申告時の注意点と効果的な対応策

キャピタルゲインを得た場合は、下記の場合を除き確定申告が必要となります。

  • 給与所得者であること(ただし1社からのみ。複数社から給与所得がある場合は不可)
  • 給料の年間収入が2000万円以下であること
  • 給料の年末調整が済んでいること
  • 給与所得及び退職所得以外の所得金額の合計額が20万円以下であること

確定申告時には、適正な申告や必要な書類の準備が重要です。

効果的な対応策として、税金の専門家に相談し、適切な税金対策を実施することがおすすめです。また、銀行や証券会社と連携し、投資信託や不動産などの資産運用を通じて確定申告の手続きをスムーズに行うことができます。

最後に、確定申告の期限や手続きに関する情報を確認し、遅延やミスのないよう注意深く対応することが重要です。

投資家におすすめの資産運用方法

資産運用には多くの方法が存在し、投資家にとって最適なものを見つけることが重要です。その理由は、適切な運用手法によってリスクを抑えつつ収益を最大化することができるからです。

例えば、株式投資はキャピタルゲインと配当によるインカムゲインの両方を狙うことができます。また、不動産投資においても、安定したキャッシュフローを享受しながらキャピタルゲインを狙うことが可能です。

しかし、投資にはリスクが伴うため、適切なリスク管理と運用方法が不可欠です。以下の投資方法を参考に、資産運用を戦略的に行い、収益の最大化を目指しましょう。

株式投資でのキャピタルゲイン獲得法

株式投資では、株価の上昇によりキャピタルゲインを獲得できる可能性があります。そのためには、魅力的な企業を見つけ出し、長期保有することが基本です。

具体的には、以下のポイントに注意しましょう。

  • 成長性のある事業を展開している企業を選ぶ
  • 良好な経営状況と財務体質を持つ会社を狙う
  • 配当の安定性や株主への還元度合いに注目する

このような企業を見極め、適切なタイミングで購入し、長期保有することで、キャピタルゲインを獲得できる可能性が高まります。

不動産投資でのインカムゲインを実現する方法

不動産投資におけるインカムゲインは、家賃収入などで実現されます。以下の方法を用いて、不動産投資でインカムゲインを狙いましょう。

  • 高い賃貸需要が見込まれる立地を選ぶ
  • 適切な物件管理を行い、空室リスクを最小化する
  • 資金効率を追求し、適切な leverage(レバレッジ:借入)を活用する

また、不動産投資信託(REIT)を利用することで、初心者投資家でも簡単に不動産投資に参加でき、インカムゲインを享受することが可能です。

インカムゲインのまとめ

投資家にとって、資産運用の方法は多岐にわたるため、自身に最適な運用方法を見極めることが重要です。株式投資では、成長性のある企業を長期保有することでキャピタルゲインを獲得し、不動産投資では、適切な立地・管理・資金効率を追求してインカムゲインを享受できます。この記事を参考に、自身の投資戦略を見直して、収益を最大化するためのアクションを起こしましょう。次の一手に悩んでいるなら、専門家への相談も一考の価値があります。

みつきコンサルティングは、税理士法人グループのM&A仲介会社として15年以上の業歴があり、中小企業M&Aに特化した経験実績が豊富なM&Aアドバイザーが多数在籍しております。  みつき税理士法人と連携することにより、税務面や法律面のサポートもワンストップで対応可能ですので、M&Aをご検討の際は、成功するM&A仲介で実績のある、みつきコンサルティングに是非ご相談ください。 

著者

田原聖治
田原聖治事業法人第一部長
みずほ銀行にて大手企業から中小企業まで様々なファイナンスを支援。みつきコンサルティングでは、各種メーカーやアパレル企業等の事業計画立案・実行支援に従事。現在は、IT・テクノロジー・人材業界を中心に経営課題を解決。
監修:みつき税理士法人

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