M&Aを学ぼう|経営者が知っておきたい知識・勉強方法を紹介

M&Aを成功させるには、専門家任せにしないで、ある程度は自ら勉強しておくことが望ましいです。本記事では、これからM&Aを学習する方に向けて、学習方法を中心に紹介します。

M&Aで知っておきたい知識

M&Aについて知るには、勉強すべき内容を把握しておきましょう。何を学習すると良いか、以下で紹介します。

M&Aの価値

M&Aは、譲渡側と譲受側の双方に明確な目的があり、メリットがあるために成立する契約です。M&Aによって企業の成長曲線がどう変化するのかを考えることが、M&Aの醍醐味といえます。M&Aは買収・売却して終わりではなく、その先にどのような企業成長を実現できるかまで考えることが重要なポイントであり、理解すべき内容となっています。

M&Aの概要や手法

M&Aの概要を把握しつつ、さまざまな手法を知ることも、勉強に必要な要素です。M&Aが企業にどんな効果をもたらすのかが、概要や手法を把握することで理解しやすくなります。

また、実務上よく使われるM&Aの手法には、「株式譲渡」「事業譲渡」「会社分割」があります。それぞれに特徴・メリット・デメリットがあるため、各手法を勉強して自社に最適なものを選択する工程が重要です。なお、最も多用されるM&A手法は、株式譲渡になります。

M&Aの税務や法務

譲渡側も譲受側も、詳細は専門家に委ねるにしても、ある程度の専門知識は自ら持っておく方が望ましいです。学習テーマの中心は法務や税務になりますが、労務や財務、また特に譲受側では会計基準の知識も、状況に応じて必要になってきます。

法務について、M&Aに際しては、会社法を中心とする各種法規は遵守しなくてはなりません。業種によっては許認可等の固有の法規制もクリアする必要があります。これらは、M&Aそのものの実行可能性を左右する基本論点になります。

また、税務については、譲渡側では手取額に大きく影響するため極めて重要です。譲受側も、税効果を考慮した実質的な買収価格に影響し得るため、やはり重要です。税制改正が毎年あるのも税務の特徴で、(専門家の力を借りながら)最新の知識を取り入れ、自らのM&Aに影響がないかを確認しておくと良いでしょう。なお、普段お世話になってる顧問税理士がM&Aやその税務に詳しいとは限りません(むしろ不慣れな先生が殆どです)。そのため、M&Aを進める上では、必要に応じて顧問税理士の協力を得ながらも、M&Aに詳しい会計事務所ないしM&A会社に相談することをお奨めします。

以下では、M&Aについての代表的な学習方法を紹介していきます。

Webサイト

M&Aについての勉強時には、Webサイトも役立ちます。以下では、Webサイトを使った勉強方法の特徴を解説します。

M&AをWebサイトで勉強するメリット

Webサイトを使った勉強は、時間を有効活用できる点にメリットがあります。例えば仕事の移動時間やちょっとした隙間時間などにも、スマートフォンを使って手軽にWebサイトから情報収集が可能です。Webサイトごとに規模や記載内容は大きく異なり、幅が広い点も特徴的です。初心者からある程度知識を持つ人まで、効率良く勉強に活用できます。

なお、弊社(みつきコンサルティング)が運営するM&A情報メディア『事業売却のハナシ』も、M&Aを包括的に学習するのに役立つと思います。

M&AをWebサイトで勉強するデメリット

WebサイトでM&Aの勉強をする場合、調べたい内容を事前に絞らなければ、目的とする結果が得られない可能性があります。また、Webサイトにある情報の真偽が不確かなケースもあるため、すべてを鵜呑みにはできません。情報の参照元などが正しく記載されているかなど、確認した上で知識として吸収する手間がかかる点は、Webサイトを使った勉強のデメリットです。

動画

M&Aに関する動画は多数あり、映像で勉強することも可能です。以下では、動画でM&Aの勉強をする方法について解説します。

M&Aを動画で勉強するメリット

動画でM&Aを勉強する場合、無料で有益な情報を簡単に手に入れることができます。移動中や隙間時間でも視聴できるため、Webサイトと並行して活用することも考えられます。動画は音や映像で学習できることから、活字で書かれている本より内容が頭に入りやすいケースもあるでしょう。本を読む時間を取れない場合などには、動画を使ってM&Aを知ることもポイントです。

M&Aを動画で勉強するデメリット

M&Aを動画で勉強する場合、情報が表面的で得られる情報が少ないことが懸念されます。必要な情報を得るまで時間がかかるケースもあり、非効率的な勉強方法になる可能性もあります。また、情報の信頼性が低い場合もあるため、注意して動画を選別する必要があります。動画で公開されている情報だけで、M&Aの勉強を完結させることは難しいです。

あくまで動画は勉強の補助ツールとして捉え、ほかの勉強方法で知識を補完することが重要です。

セミナー

M&A関係のセミナーに参加して、直接勉強する方法も考えられます。以下では、M&Aをセミナーで勉強するポイントを解説します。

M&Aをセミナーで勉強するメリット

M&Aをセミナーで勉強する場合、M&Aの専門家から質の高い知識を得られる点がメリットです。セミナーは講師が作成したレジュメなどの資料も充実していることが多いため、1度の勉強でも内容が印象にも残りやすいでしょう。参加型のセミナーなどでは、セミナー講師に質問できたり、ディスカッション形式で知識を深められたりする点も魅力です。

M&Aをセミナーで勉強するデメリット

M&Aをセミナーで勉強する場合、交通費やセミナーへの参加費、移動時間などがかかる点はデメリットに含まれます。地方在住者や外出が難しい仕事をしている場合には、参加自体のハードルも高いでしょう。また、セミナーはテーマが決められているケースがほとんどなため、限られた知識を深めるには適していますが、自分が学びたい情報を得られない可能性もあります。

必要に応じて、ほかの勉強方法で知識を補完することが求められます。

専門家への相談

M&Aの専門家に相談して、直接アドバイスを受けながら勉強する方法もあります。以下では、専門家への相談によるM&Aの勉強方法を解説します。

M&Aを専門家に相談して勉強するメリット

M&Aの専門家に相談する方法では、各企業の状況に合わせたM&Aの方法や分析結果を教えてもらえるメリットがあります。自社が必要とする内容や、分からない部分をピンポイントで相談できるため、効率良く情報を得られます。M&Aの専門家の視点を取り入れることで、気づかなかった課題を発見できる可能性もあります。

M&Aを専門家に相談して勉強するデメリット

相談する内容によっては相談料などが発生し、状況次第では高額な金額になることも懸念されます。そのため一般的な知識を学びたい場合には、専門家への相談は不向きだと考えられます。また、疑問点が分からない(何が分からないか分からない)状態では、M&Aの専門家に相談しても効果的な助言が得られない可能性があります。

書籍

M&Aの勉強をする際には、本を活用する方法もあります。以下では、M&Aを本で学ぶメリット・デメリットを解説します。

M&Aを本で勉強するメリット

本や書籍は。初心者から実務担当者向けのものまで多数出版されています。そのためM&Aについて、幅広く学べる点が本で学ぶ勉強のメリットです。記載されている情報の信頼性や権威性が高いため、実際のM&Aで役立てられる可能性も高いです。まずは自分の知識レベルに合った本を探し、段階的にM&Aについて学んでいくことがポイントです。

M&Aを本で勉強するデメリット

M&Aの専門書は1冊の値段が高く、複数の本を買うにはお金がかかる点がデメリットです。また専門書は分厚く、持ち運びに不便なことが多いです。本の管理が難しかったり、分厚さによって読むことに心理的な抵抗感を覚えたりしてしまう場合もあるかもしれません。読書に慣れていない場合には、まず簡単な内容を解説している本から手に取り、徐々にレベルの高い本に挑戦していく方法がおすすめです。

M&Aの勉強におすすめの本

M&Aの勉強に本を活用する場合、以下の書籍がおすすめです。これらを参考に、まずは活字からM&Aの勉強を始めてみてはいかがでしょうか。

世界でいちばんやさしいM&A入門ゼミナール

「世界でいちばんやさしいM&A入門ゼミナール」は、M&Aの初心者向けに構成された本です。M&Aの予備知識がまったくない状態から読むには、最適な基本書となります。イラスト入りかつ会話形式のため、漫画を読む感覚で気軽に読み進められる点が特徴です。

世界でいちばんやさしいM&A入門ゼミナール

まんがでわかる オーナー社長のM&A

「まんがでわかる オーナー社長のM&A」は、中小企業の後継者不在や相続、事業継承の問題を実際に取り上げる形で構成されたM&Aの基本書です。漫画形式で説明されているため、隙間時間を活用して読みやすい本となっています。相続問題や事業承継、個人保証についての悩みを持っている人にも、おすすめの本です。

まんがでわかる オーナー社長のM&A

図解でわかるM&A入門 買収・出資・提携のしくみと流れの知識が身につく

「図解でわかるM&A入門 買収・出資・提携のしくみと流れの知識が身につく」は、M&A初心者のために基礎知識を分かりやすく図解で解説した書籍です。M&Aの成功事例を流れに沿って紹介しているため、M&A全体の流れを具体的に学べる点が特徴です。M&Aを初めて学び、かつ難しい専門書を読むことが苦手な人におすすめの本です。

図解でわかるM&A入門 買収・出資・提携のしくみと流れの知識が身につく

M&Aに関する本の選び方

M&Aに関する本は多数あるため、どのように選べばいいでしょうか。以下では、M&Aに関する本の選び方について解説します。

M&Aの用語を理解する

M&Aには専門用語が多いため、本の内容を難しく感じてしまう人も多いです。まずは基本用語やM&Aの大枠から理解することで、その後の知識の習得もスムーズになります。自分のレベルにあった書籍を選別し、実際に中身を確認して用語を理解できると判断できるものから、少しずつ読み進めていくことがポイントです。

M&Aの流れを把握する

M&Aにおける基本的な流れを理解することで、自社に置きかえた場合の知識習得が実現できます。大まかでも流れを知ることで、M&Aのメリット・デメリットを把握することも可能となります。M&Aの流れや、具体例を取り上げている本を選ぶことも1つの方法です。

今の自分に適した本を選択する

まずは今の自分の目的やレベルにあった書籍を選ぶことが重要です。初めから難解な書籍を選ぶと、理解が進まず挫折する可能性が高まります。まずはM&Aを網羅的に理解できる、基礎的な入門書を選ぶことがおすすめです。

M&Aの勉強方法のまとめ

M&Aを実施する際には、事前の勉強も重要です。本・Webサイト・動画・セミナー・専門家への相談など、さまざまな勉強方法があるため、まずは自分に合う方法を探すことから始めてみてください。M&Aへの理解を深めてから行動に移ることで、効率的かつ成果の出るM&Aを実現できる可能性が高まります。

M&Aについて分からないことがあるなら、「みつきコンサルティング」にご相談ください。「みつきコンサルティング」は税理士法人系のM&A仲介会社として、多くの企業のM&Aをサポートしてきた実績があります。M&Aの成約率は80%以上と高い水準にあるため、安心してM&Aプロジェクトの進行をお任せいただけます。この機会に「みつきコンサルティング」に、M&Aの具体的な計画についてお気軽にお問い合わせください。

著者

西尾崇
西尾崇事業法人第三部長
宅食事業を共同経営者として立ち上げ、CFOとして従事。みつきコンサルティングでは、会計・法務・労務の知見を活かし、業界を問わず、事業承継型・救済型・カーブアウト・MBO等、様々なニーズに即した多数の支援実績を誇る。
監修:みつき税理士法人

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