建設コンサルのM&Aは、後継者不在や技術者不足に悩む経営者にとって、会社を存続させ成長を加速させる最適な解決策です。本記事では、業界の最新動向から売却相場、価格を引き上げる実践的なノウハウまでを解説します。大手資本の傘下入りで技術士の確保や入札等級の向上が図れるため、従業員と会社の未来を守るための第一歩としてお役立てください。
「うちの会社でも売却できるだろうか…」、「何から始めればいいんだろう…」。そのようなオーナー経営者の不安に、中小企業向けM&A仲介会社みつきコンサルティングは、20年間・500件以上の支援実績に基づき、お応えします。本格検討前の情報収集として、まずはお話をお聞かせください。
> みつきコンサルティングに無料相談する|税理士法人グループ
建設コンサルのM&A最新動向と背景
支援現場において、かつて主流であった「事業縮小からの救済」という消極的な理由での相談は減少傾向にあります。現在は「成長や強化のための戦略的投資」を目的とした前向きな決断が増加しています。2024年から2025年にかけて、建設コンサルタント業界の売上高上位30社のうち約半数がM&Aを検討しているというデータも存在します。業界全体を取り巻く環境変化が、こうした積極的な再編を後押ししている実態を紐解きます。
急増する業界再編と戦略的投資への転換
建設コンサルタント業界では、大手・中堅企業が地方の技術力ある優良企業を傘下に収める再編が加速しています。地方自治体の公共事業案件を安定的に受注するためには、その地域に根差した営業拠点と長年の信頼関係が不可欠です。ゼロから新しい地域に支店を構え、公共案件の入札参加資格を満たして実績を積むには膨大な時間がかかります。そのため、すでに地場で確固たる商流を持つ企業をグループ化し、一気に事業エリアを拡大する戦略が採用されています。譲渡オーナーにとっても、大手資本の傘下に入ることで経営基盤が安定し、よりスケールの大きな仕事に挑戦できる環境が整う点が魅力です。
後継者不在と技術者不足の深刻化
日本全国の中小企業が直面している経営者の高齢化は、建設コンサルタント業界でも例外ではありません。事業承継のタイミングを迎えても、親族や社内に適切な後継者がいないケースが非常に多く見受けられます。同時に、現場の屋台骨を支える技術士やRCCMといった高度な専門人材の高齢化と採用難も深刻化の一途を辿っています。いわゆる「2024年問題」に代表される労働環境の改善要求も相まって、自社単独での人材確保は極めて困難な状況です。こうした課題を一挙に解決する手段として、第三者への事業承継を選択するオーナー経営者が急増しています。譲受企業側も、即戦力となる熟練技術者を一度に確保できる機会として、高い意欲を示しています。
DX対応とBIM/CIM導入の急務
国土交通省が主導するインフラ分野のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進により、防災・減災対策やBIM/CIM(建設・設計の3Dデータ化)への対応力が受注の必須条件となりつつあります。しかし、最新の3D設計ソフトの導入や、それを使いこなせるデジタル人材の育成には莫大なコストと時間がかかります。資金力に乏しい地方の中小企業がこの潮流に乗り遅れれば、公共事業の入札市場から淘汰されるリスクが高まります。そこで、すでに強固な技術基盤を持つ大手企業の傘下に入り、グループ全体のリソースを活用してDX化を一気に推進するという経営判断が現実味を帯びてきます。
建設コンサル会社がM&Aを行うメリット
会社を譲渡する側と譲受する側の双方が、明確な恩恵を享受できる点にM&Aの強みがあります。互いの利点が噛み合うことで、シナジー効果を生み出す理想的な承継が実現します。
譲渡オーナー側のメリット
最大のメリットは、経営者の高齢化に伴う後継者問題を根本から解決し、長年育ててきた会社と従業員の雇用を守れることです。大手の資本力が加わることで、資金繰りの不安から解放され、安定した事業継続が可能になります。また、中小企業のオーナー経営者の約9割が負担しているとされる金融機関からの借入に対する個人保証(経営者保証)を解除できる点も、心理的・経済的に大きな意味を持ちます。従業員にとっては、大手グループならではの充実した福利厚生や高度な教育体制を享受できるようになり、モチベーションの向上に繋がります。創業者としての利益を確保しつつ、地域からの信頼を次世代へ確実に引き継ぐことができます。
譲受企業側のメリット
譲受企業における最大の利点は、即戦力となる熟練技術者と有資格者を一括で確保できることです。建設コンサルタント業において、技術士などの有資格者の数は、公共事業の入札参加資格審査(経営事項審査等)における技術力評価に直接影響を与えます。M&Aによって人員体制が拡充されれば、入札等級の向上が期待でき、より規模の大きな案件の受注機会が飛躍的に広がります。さらに、新しい地域での営業拠点と官公庁とのパイプを同時に獲得できるため、ゼロから進出するよりもはるかに低いリスクで事業規模の拡大を達成できます。
▷関連:建設業のM&A・会社売却|2026年最新動向と相場・注意点を解説
建設コンサルの売却相場と株価算定のポイント
対象会社の企業価値がどの程度の金額になるのか、支援現場でも最初にご質問をいただくことが多いテーマです。業種特有の評価基準を理解することが重要です。
一般的な売却相場の計算式
中小企業のM&Aでは、時価純資産に営業利益の数年分(のれん代)を加算する年買法という計算式が一般的に用いられます。具体的には「時価純資産+実質営業利益の2〜5年分」で算出されます。対象会社の収益性や将来性が高いほど、加算される年数は長くなる傾向にあります。これはあくまで目安であり、実際の価格は交渉で決定されます。
建設コンサルが譲渡価格を最大化するポイント
対象会社の強みを的確にアピールすることで、譲渡価格を引き上げることが可能です。支援現場の経験から、以下の要素が高く評価される傾向にあります。
技術士など有資格者の在籍数と年齢構成
技術士やRCCMなどの有資格者が多数在籍しているかは極めて重要です。また、資格者の年齢構成が若く、長期的な活躍が見込める場合は高い評価に繋がります。
地方自治体からの安定した受注実績と入札等級
長年にわたり地元自治体から公共事業を受注してきた実績と、それに伴う高い入札等級は強力な無形資産です。特定の地域に強固な地盤を持つ企業は高く評価されます。
BIM/CIMなど最新技術への対応力
国土交通省が推進するBIM/CIMにいち早く対応し、3Dデータ設計の実績を持つ企業は希少価値があります。DX化を急ぐ大手企業にとって、高いプレミアムを支払う動機となります。
建設コンサルの具体的なM&A成約事例
実際の市場では、どのような企業同士が手を結び、どのような相乗効果を狙っているのでしょうか。近年発表された建設コンサルタント業界の代表的な事例を下表にまとめました。
以下の表は、業界内での再編の動きを視覚的に整理したものです。
| 実施年 | 譲受企業 | 譲渡企業 | M&Aの主な目的・背景 |
|---|---|---|---|
| 2021年 | 日本工営 | Pattern Design社(英国) | 海外市場での設計事業の展開と競争力強化 |
| 2022年 | 土木管理総合試験所 | 環境と開発(熊本) | 地質調査分野の専門技術の獲得と事業領域の拡大 |
| 2022年 | ERIホールディングス | 日建コンサルタント(北海道) | 地域インフラ事業の強化と北海道エリアへの本格進出 |
| 2024年 | E・Jホールディングス | 東京ソイルリサーチ(東京) | 地質調査の業界大手との連携による総合力の底上げ |
このように、特定の専門技術の獲得や地域インフラ事業の強化を意図した事例が目立ちます。特に地質調査のような専門性の高い分野では、外部からの技術取り込みが成長の近道とされています。大手企業が地方の優良企業を譲受し、グループ全体の総合力を底上げする動きが今後も加速していくと予想されます。
建設コンサルのM&Aを成功に導く手続の流れ
実際に検討を開始してから最終的な成約に至るまでには、6ヶ月から長ければ1年以上の期間を要します。安全かつ確実な進行のために、大まかな流れを把握しておくことが推奨されます。
- 専門家への事前相談と秘密保持契約の締結
- 企業概要書(インフォメーション・メモランダム)の作成
- 譲受企業への打診と初期交渉
- トップ面談と基本合意書の締結
- 買収監査(デューデリジェンス)の実施
- 最終譲渡契約の締結と決済・引継ぎ
建設コンサルタント業の場合、5番目の買収監査(デューデリジェンス)において特有の確認事項が存在します。会計面では、進行中のプロジェクトに係る「未成工事支出金」が正確に計上されているかどうかが厳しくチェックされます。また法務面では、官公庁案件の契約が経営権の移転後も問題なく引き継げるかどうかの確認が非常に重要です。専門家の助言を得ながら、一つひとつの手順を慎重に進めることが成約への確実な近道となります。
建設コンサルのM&A相談先と今後の予測
適切な相手先を見つけ、自社にとって最も有利な条件で交渉を進めるためには、専門的な知見を持つパートナーの存在が不可欠です。業界の未来を見据えたうえで、誰に相談すべきかを検討します。
専門機関の活用による支援
相談先としては、全国展開する専門仲介会社(日本M&Aセンター、M&Aキャピタルパートナーズ、みつきコンサルティングなど)や、建設業界特化型のM&Aブティックが挙げられます。事業承継・引継ぎ支援センターのような公的機関では無料相談も可能です。
インフラ老朽化に伴う今後の業界予測
今後の市場環境を見据えると、高度経済成長期に一斉に整備された道路、橋梁、トンネルといったインフラストラクチャーの老朽化対策が国家的な急務となっています。これに伴い、点検・調査・設計を担う建設コンサルタントの需要は中長期的に高水準で推移する見通しです。一方で、この旺盛な需要増に対応できるだけの十分な技術者を抱える地方の中小企業は決して多くありません。そのため、経営基盤の安定や技術人材の確保を目的とした地方・中小企業におけるM&Aは、今後さらに活発に続くと予測されています。
完全成功報酬制
M&Aが成立した場合のみ、譲渡対価に応じた手数料を頂戴します。
売主様は、ご成約まで費用負担なくスタートできます。
着手金・中間金
0円
月額報酬
0円
成功報酬
成約時のみ
※レーマン方式
建設コンサルのM&A・会社売却に関するFAQ
支援現場でオーナー経営者からよく寄せられる疑問について、実務的な視点からお答えします。
株式譲渡のスキームを用いれば、原則として社名やブランドはそのまま維持されます。地元自治体からの信頼や指名願いの継続性を考慮し、譲受企業側も社名を残すことを希望するケースが現場では大半を占めます。ただし、グループとしての一体感を出すために数年後に社名変更を打診される場合もあり、契約条項と相手先の方針次第です。
株式譲渡であれば法人格が存続するため、発注者との契約関係はそのまま引き継がれ、プロジェクトの進行に支障は生じません。現場ではまず、経営権の移動に伴う役員変更等の届出事項を管轄の役所へ速やかに行うよう手配します。ただし事業譲渡を選択した場合は、発注者の同意と契約の巻き直しが必要になるため注意が必要です。
経営者が変わることへの不安から退職が生じるリスクは常に存在します。これを防ぐため、最終契約の締結(またはクロージンング)直後に全社員へ丁寧に説明を行うことが実務上の鍵となります。大手の傘下に入ることで待遇が改善され、より大規模な案件に関われるという前向きなビジョンを伝えることができれば、離職を防ぐことは十分に可能です。
建設コンサルに精通したM&A仲介会社|みつきコンサルティング
建設コンサルタント業界のM&Aは、技術者の確保と入札等級の維持・向上を目的とした戦略的な再編が主流です。大切な社員の雇用を守り、長年地域インフラを支えてきた事業を次世代へ残す道のりに、不安を抱えるのは当然のことと言えます。
当社は税理士法人グループのM&A仲介会社として、財務面を含めた専門的な知見から最適な承継スキームを提案します。業界に特化した深い理解があり、建設コンサルM&Aの実績経験が豊富です。建設コンサルのM&A・会社売却なら、みつきコンサルティングへぜひご相談ください。
完全成功報酬のM&A仲介会社なら、みつきコンサルティングへ >
著者

- 事業法人第一部長/M&A担当ディレクター
-
みずほ銀行にて大手企業から中小企業まで様々なファイナンスを支援。みつきコンサルティングでは、各種メーカーやアパレル企業等の事業計画立案・実行支援に従事。現在は、IT・テクノロジー・人材業界を中心に経営課題を解決。M&Aの成約実績多数、M&A仲介・助言の経験年数は10年以上
監修:みつき税理士法人
最近書いた記事
2026年3月7日建設コンサル会社のM&A|最新動向と会社売却を成功に導くポイント
2026年3月7日測量設計・建設コンサル業のM&A動向と成功の秘訣・成約事例も解説
2026年3月7日内装工事・リフォーム会社のM&A動向・留意点・成約事例を紹介
2026年3月7日通信工事会社のM&A・会社売却|人手不足を解消する通建の事業承継











