成約年月:2025年4月
取材先:代表取締役N様
-まず、株式会社T社の創業と現在までの歩みを教えてください。
N様:父が同業を営んでいたのですが、私が他の仕事にも興味を持っていたこともあり、その時は事業を承継しませんでした。しかし、お客様から個人的に商品確保のご要望を頂き少しお手伝いをしていたところ、徐々にご要望のボリュームが大きくなり新しく会社立ち上げなければならない規模になってしまいました。父の会社は承継しませんでしたが、必要に迫られて設立したのが株式会社T社になります。他の会社が確保しにくい希少部位の提案に注力し、他にない商品ラインナップを揃えることでご贔屓にして頂くお客様が徐々に増え現在に至ります。
-事業は堅調ですが、経営上の課題か限界はどの点にありましたか。
N様:事業を継続することは可能でしたが、事業の拡大・労働環境の向上などを考えると個人資本での事業運営に限界を感じるようになっていました。
-みつきコンサルティングに相談することにした経緯を教えてください。
N様:みつきコンサルティングさんからお電話でアプローチ頂き、将来のことを考えているタイミングであったこともあり、事業承継の選択肢を増やせればとの思いで一度お話を聞いてみることにしました。
-初回面談から企業価値の評価結果はどのように受け止めましたか。
N様:過去3期分の決算書を渡し後日、企業価値評価の資料と共にご説明を頂きました。分かりやすく資料にまとめて頂いていたので、弊社の状況をスピーディーに把握できました。また、評価方法についても、ご丁寧にご説明頂けたので、お相手探しをしている間も企業価値向上を意識して経営をできたことは良かったと思います。
-当初の希望条件や金額感はどう設定されていましたか。
N様:M&A後は、前々から興味のあった事業の立ち上げを決めておりましたので、その事業を始めるに当たって必要となる資金を鑑みて設定しました。金額面は、こちらの希望だけではお相手もご納得頂けないことを理解しておりましたので、企業価値算定の評価方法に基づいて設定金額を検討できたのが良かったかなと思います。
-買い手探索の進捗と、困難な点を振り返ってください。
N様:事業の特性上、近場の会社と一緒になる方が、シナジーが生まれやすいだろうと考えておりましたが、近隣の会社をお相手とする場合、業界が狭いことや知り合いも多いことからM&Aを考えていることが噂になるのではと不安を感じていました。しかし、みつきコンサルティングさんが情報管理を徹底して頂いたこともあり、M&Aを検討しているという噂話も立たず、特に問題はありませんでした。また、お相手についても数社に厳選し探索をお願いしましたので、必要最小限の範囲で今回のお相手と出会えたと思います。
-近隣の同業へのネームクリアを許可した決め手は何でしょうか。
N様:お互いにM&Aのシナジーが見込めるというイメージができたこと弊社の良さをご理解頂きやすいことが理由となります。M&Aはお相手あってのお話になります。どちらか一方だけにメリットのあるお話では、M&Aに求める効果が薄まると思っておりました。そうであれば、お互いにメリットを最大限に感じることができるのは近隣の同業会社だと思いお相手の対象に加えて頂いた経緯になります。
-S株式会社との最初の対話はどのように始まりましたか。
N様:当初は、S株式会社様も弊社を数多ある食肉卸会社の一つだろうというご認識だったと思います。しかし、ご面談の際に、弊社の営業における取り組み、商品ラインナップのご説明、弊社の加工場のご見学などをして頂く中で、同業で業界知識のあるS株式会社であるからこそ、弊社の強みを深くご理解頂けたとではと思います。
-トップ面談後の意向表明書の受理まではスムーズでしたでしょうか。
N様:今回、M&Aを機に前々から興味を持っていた分野への進出を企図していたこともあり、譲渡価額についてはこだわりました。しかし、ただ希望価額をお願いするという訳にも行きません。弊社としても削減経費の見直しや進行期の収益UPなど根拠づくりをすることで、建設的な交渉を実施させて頂けたと感じております。意向表明書をご提出頂く前に希望条件のする合わせを実施させて頂けましたので、意向表明書のご提提出から弊社からの回答まではスムーズだったと思います。意向表明書を受理した後は、ゴールに向かって走るだけだなと頭の中がスッキリした感覚でした。
-デューデリジェンスではどの点が重視され、結果はどうでしたか。
N様:M&Aが完了した後に、情報を開示していないなどのトラブルになることを一番避けたかったため、先方より徴求をされた資料はすべて準備し、とにかく自社の情報開示は積極的に行いました。お互いに隠し事なくM&Aを実行することが大事だろうと感じておりました。
-最終条件調整からSPA交渉まで、印象に残る場面を教えてください。
N様:私どもはオーナー企業且つ中小企業ですので、今まで顧問税理士に相談し自分で判断してきましたが、M&Aは第三者へ譲渡すると言うことで一つ一つ議論し決定しなければならなかったのは大変でした。また、このような交渉も初めてのことで、その場では良いと思ったことも後々、本当に良かったのか?など迷うことも多くあり、専門家のご支援なくしてM&Aは出来なかったと思います。最終的には、みつきコンサルティングさんのお力添えもありSPAの条件交渉も整えることができました。
-従業員への説明会はどのように実施されましたか。
N様:S社は、積極的にM&Aを実施されている企業で、M&A後のノウハウも積んでいらっしゃいましたので従業員への説明会などもスムーズに段取りして頂けました。弊社の従業員には、クロージング前に私から㈱S社へグループインする旨を伝えました。今回のM&Aの背景や㈱S社の概要説明などを行いましたが、最初はピンと来てなかった様子でした。そしてクロージング日の翌週に㈱S社主催の従業員説明会を実施。説明会の後、S社㈱の役員の方が、弊社従業員1名ずつと面談を行って頂きました。弊社従業員もS社㈱様から丁寧にご対応頂いたことで安心したと思います。
-みつきコンサルティングの担当者の支援で、特に助かる点を挙げてください。
N様:M&A仲介の立場として、どちらか一方の意見だけでなく、それぞれの立場でのアドバイスをして頂けるので、相手の立場も理解して上で納得感のある条件交渉を進めることができたと思います。M&Aは、会社にとってゴールではなくスタートなので、条件交渉でお相手との摩擦をできるだけ起こしたくないと思いが働きます。お互いの温度感を掴みながらM&A交渉を進める、みつきコンサルティングの担当者の方には大変感謝しております。
-最後に、譲渡を終えた今の心境と、これから取り組むことをお聞かせください。
N様:従業員の雇用を守り、取引先にも迷惑をかけずにバトンを渡せた安堵感があります。せっかく良いお相手に出会えましたので、事業を拡大していってもらえると嬉しく思います。私個人としても顧問という立場ではありますが、少しでも事業が発展するよう微力ながらご協力する所存です。



