化粧品卸・小売業のM&A事例 【福岡】

化粧品卸・小売のEC販売を営む企業の譲渡を助言|エムアンドディさま

譲渡企業 エムアンドディさま
業種 化粧品卸・小売業
事業内容 化粧品卸、化粧品EC販売
売上 21億円
地域 福岡
設立 1997年
経営者の年齢
譲渡理由 後継者不在、経営の強化
譲受企業 アクシージアさま
業種 化粧品製造・販売業
事業内容 化粧品製造、美容商材販売
売上 130億円(グループ)
地域 東京
設立 2011年
上場の有無 上場
譲受目的 既存事業の強化

-まず、M&Aを検討されるきっかけについてお聞かせください。

新型コロナウイルスによる急激な事業環境の変化がM&Aを検討した一番のきっかけです。

親族内後継者がいなかったこともあり、番頭に社長を引き継ぎ、私は週1日程度の出勤で事業運営を任せておりましたので、当初はそのまま番頭への事業承継を検討しておりました。

そんな中、世界中で新型コロナウイルスが拡大し、急激に事業環境が変化しました。私どもの事業は、国内外の化粧品や香水等を国内のECサイトで販売する事業を行っております。コロナ前は海外の仕入れ先とのリレーションを密に取り、安定的な商品確保ができていましたが、コロナ禍で海外出張にいくことができなかったことも手伝って商品確保に苦労しておりました。一方、コロナ禍では商品確保に苦労しておりましたが巣籠需要の恩恵もあり、業績は良く売上も向上しておりました。しかし、コロナが収束に向かう頃から円安や燃料費高騰、ウクライナ戦争の影響で輸送経路が麻痺するなど、輸入仕入れを主とする我々の事業環境が一変してしまったのです。

-なるほど。事業承継の方向性は決まっていたものの、急激な事業環境で方向転換も検討せざるを得なくなったのですね。M&Aを具体的に検討し始めたのはいつ頃からでしょうか?

実は、3年ほど前にもM&Aという選択肢を番頭に伝えたことがあります。番頭としては自力での事業運営を強く望んでいたため、その際はM&Aの検討を一旦、辞めました。しかし、事業環境の変化を感じ始めた頃から、このまま番頭への承継を進めるべきか迷い始めていたタイミングで、みつきコンサルティングさんからお電話でアプローチを頂き、一度話を聞いてみようと思ったのが始まりです。

M&Aを検討する上で、どのような不安や懸念がありましたか?

最大の懸念は、M&A後の役員を含む従業員の処遇でした。長年一緒に働いてきた仲間たちの雇用や待遇が悪化することは避けたかったですね。また、自分たちが築き上げてきた事業や企業文化が大きく変わってしまうのではないかという不安もありました。

その他にもM&Aがどのように進んでいくのか、どのようなお相手先が出てくるのか、適切な企業価値はいくらなのか等、色々な不安があったのが正直な気持ちです。すべてが未知の経験でしたから。

-そうした不安を抱えながら、M&Aのプロセスを進めていく中で、どのような点に苦労されましたか?

最も苦労したのは、社内での情報管理でしょうか。当初は番頭社長を含む5名の役員には相談せずM&Aの検討を進めていました。しかし、プロセスが進むにつれて、私のみでは会社の実態を正確にお伝えすることの難しさを感じ、むしろ協力を得ることの重要性を感じるようになりました。

特に、デューデリジェンス(DD)の段階では、多くの資料準備や質問への回答が必要で、番頭らの協力なしには進められませんでした。彼らにM&Aを検討している旨を説明し、賛同を得る過程では緊張しましたが、結果的には皆が理解を示してくれたことでスムーズに進めることができたと思います。

-買い手候補との面談はいかがでしたか?最終的にアクシージア社を選んだ理由をお聞かせください。

2社と面談しましたが、どちらもすばらしい企業様で、想像以上に真剣に検討いただけたことに驚きました。特にアクシージア社との面談では、創業者である段社長のこれまでの遍歴や今後のビジョンをお聞きし、グループインした後の弊社をイメージした際、ワクワクしたことを覚えております。

お相手先にアクシージア社を選んだ理由は主に3つあります。まず、弊社のことを理解し最大限に評価していただけたこと。次に、段社長の経営哲学や成長戦略に共感したこと。そして、アクシージア社が持つリソースやノウハウが、弊社の課題解決に直結すると感じたことです。特に、アクシージア社が保有する海外リソースの活用や商品の直接仕入れなど、シナジー効果に期待が持てました。

-交渉や契約締結の過程で印象に残っていることはありますか?

最も印象に残っているのは、DDで行った実地棚卸調査ですね。弊社は、豊富な品揃えを強みとする店舗運営を行っていることから、かなり多くの商品を取り扱っており在庫管理が非常に重要です。在庫管理方法も長年かけて改善を重ね、在庫管理責任者を中心に徹底した在庫管理を心掛けてきたつもりでしたが、いざ実地棚卸を実施するとなる少し不安な気持ちになったのが正直なところです。

業務に支障がでないよう夜を徹して実地棚卸を実施した結果、在庫数は、ほぼ一致し大きな齟齬がでなかったので、ホッと胸をなでおろしました。その後は、大きな論点も出ず協議を進めることができ、条件面も合意に至ることができました。

-従業員の方々への説明はどのように行われましたか?

従業員への説明は丁寧に行うことを心掛けました。クロージング前に全員を集めM&Aの経緯や今後の流れについて説明しました。びっくりした様子の従業員もいましたが、役員5名も継続して残ることや皆の雇用や処遇も守られることなども丁寧に説明することで、大きなハレーションもなく理解してくれたと思います。また、段社長はクロージングの前から弊社にお越しいただき、今後の運営方針や課題解決のための会議や懇親会実施など役員や従業員と積極的にコミュニケーションを取って頂いたことで皆の安心に繋がったと思います。

M&Aを経験されて、どのような感想をお持ちですか?

正直なところ、想像以上に大変なプロセスでした。しかし、結果的には良い選択だったと確信しています。

弊社は近年、外的要因により様々な対応に追われていました。昨今のスピードの速い環境変化に対応していくことは、我々のような中小企業では対応が難しい部分もあります。アクシージア社のような様々なリソースを持つ上場企業グループに入ることで、新たな成長の機会を得られたと思います。

-最後に、M&Aを検討している経営者の方々へメッセージをお願いします。

まず、早めの検討をお勧めします。事業承継の問題や事業環境変化による課題は、準備をしていても予定通りにいくとは限りません。余裕があるうちから、M&Aを含めた様々な選択肢を検討しておくことが重要だと感じました。

また、M&Aを検討する際は、信頼できるアドバイザーの存在は非常に重要です。私たちの場合、みつきコンサルティングさんのサポートが大きな助けになりました。私どもにM&Aの知識や経験がない中で、適切なアドバイスや交渉のサポートをいただけたことで、安心して検討のプロセスを進めることができました。

そして、事業運営に必要不可欠な社内のキーマンへの情報開示のタイミングとオープンなコミュニケーションの重要性も強調したいですね。当初は私と妻の2人に限定して情報を管理していましたが、プロセスが進むにつれて、キーマンへの情報共有と協力の重要性を実感しました。M&Aを実施するか否かは経営判断なので、現オーナーのみで決断しなければなりませんが、決断した後は従業員との信頼関係を大切にしながら、丁寧に説明を重ね社内の協力を得ることで、スムーズなM&Aが実現できると思います。

M&Aは確かに大きな決断であり寂しさもあります。一方で企業の新たな成長や発展のチャンスにもなり得ます。自社の状況をしっかりと見極め、必要であれば勇気を持って一歩を踏み出すことが大切だと思います。

           

この案件・類似案件の担当者

▷潟野和徳 名古屋法人部長/M&A担当ディレクター


海外人材支援専門会社にて、海外人材採用・人材紹介事業のチームを率い新規顧客開拓・人材開発に従事。当社参画後は、強みを生かし人材会社・日本語学校等の案件を中心に工事業・広告・IT業など多種に渡る案件支援を行う。

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