食品製造のM&A事例 【関東】

弁当製造会社株式の譲渡を助言|S社さま

譲渡企業 S社さま
業種 食品製造
事業内容 鮨弁当製造、販売
売上 約4億円
地域 関東
設立 2000年代
経営者の年齢 60代
譲渡理由 事業発展
譲受企業 Y社さま
業種 食品卸売
事業内容 食品加工の販売
売上 約15億円
地域 北海道
設立 2000年代
上場の有無 非上場
譲受目的 新規事業の足掛かり

成約年月日:2019年12月
取材先:代表取締役社長 N様

-本日はお時間をいただきありがとうございます。まずは、S社を創業された経緯と、どのような事業を展開してこられたのかをお聞かせください。
N様:もともと飲食業に長く携わっており、その経験を活かして、より多くの方に手軽においしい鮨を楽しんでいただきたいという思いで弁当製造の事業を立ち上げました。 駅や商業施設など、人が集まる場所で購入できる鮨弁当という形で、日常の食事からイベントまで幅広いシーンで使っていただけることを意識して商品づくりをしてきました。

-鮨弁当という形態にこだわられた理由や、これまでの成長の手応えについてはいかがでしょうか。
N様:鮨は日本人にとって特別な料理でありながら、価格や場所の制約があるイメージも強いと感じていました。 そこで、弁当として提供することで、もっと身近に、日常的に楽しんでいただけるのではないかと考えたのです。 おかげさまでリピーターのお客様も多く、売上も数億円規模まで伸び、地域の皆さまに支えられてここまでやってこられたと実感しています。

-一方で、今回M&Aによる株式譲渡をご決断されています。まずは、その検討を始められた背景をお聞かせください。
N様:一番大きかったのは、自分自身を含めた役員と従業員の高齢化です。 体力的な負担が増し、長時間労働が当たり前のような状態をいつまでも続けるのは難しいと感じていました。 加えて、社内に明確な後継者となる人材がおらず、このままでは事業の先行きが不透明だという危機感もありました。

-事業環境の変化という点では、どのような課題を感じていらっしゃいましたか。
N様:やはり原材料費の高騰は大きな影響がありました。 鮨弁当は原価の構成に占める食材比率が高く、価格転嫁にも限界がありますので、利益を確保しながら品質を維持することが年々難しくなっていました。 その中で、これまでと同じ規模・同じやり方で続けていくことに限界を感じるようになりました。

-経営者として、ご自身の働き方やご家族との時間についてはどのようにお考えでしたか。
N様:創業してからの数年間は、休みらしい休みをほとんど取っていませんでした。 特に妻と二人で会社を切り盛りしていた時期は、夫婦で休みを合わせて遠出をすることなど全くできず、常に仕事最優先の生活でした。 このまま年齢を重ねていったときに、心身ともにどこかで限界が来るのではないかという不安も感じていました。

-そうした中で、事業承継の選択肢としてM&Aを意識され始めたのはいつ頃でしょうか。
N様:具体的に「M&A」という言葉を意識し始めたのはここ数年で、事業承継に関する情報を目にする機会が増えてからです。 同業の知人からも、M&Aによって会社を残したという話を聞くようになり、自分たちも他人事ではないと考えるようになりました。 そこから、会社を畳むのではなく、誰かに託す方法を真剣に考えるようになりました。

-M&A仲介会社としてみつきコンサルティングを選ばれたきっかけを教えてください。
N様:インターネットで情報収集をしている中で、食品関連の中小企業の事例が多く紹介されていたことが目に留まりました。 相談してみると、担当者が丁寧に会社の状況や想いを聞き取ってくれて、「単に売買の話ではなく、出口を一緒に考えてくれる相手だ」と感じたのが決め手でした。 初回の面談から、無理に話を進めるようなこともなく、こちらのペースを尊重してくれたことも安心材料でした。

-実際に担当者とやり取りを進める中で、印象に残っている点はございますか。
N様:夫婦で経営していることもあり、短期間で二人から信頼を得るのは難しかったと思いますが、担当者はそれぞれの意見や不安に丁寧に耳を傾けてくれました。 特に、譲渡後の従業員の雇用やブランドの扱いについて、感情面も含めて親身に相談に乗ってくれたのはありがたかったですね。 事業の数字だけでなく、長年積み重ねてきた思いも理解しようとしてくれる姿勢が伝わってきました。

-買い手候補として今回のY社の話が出てきた際、どのような印象をお持ちになりましたか。
N様:まず、同社が食品卸売の事業を展開しており、食の分野に強みを持っている点に魅力を感じました。 また、グループとして弁当事業を運営していることから、当社の鮨弁当事業との親和性が高いと感じました。 こちらの店舗や商品コンセプトにも共感してくださり、「一緒にブランドを育てていきたい」というスタンスだったことが安心感につながりました。

-仲介会社としても、買い手候補のグループイン先として相性の良さを意識されていたと聞いています。検討の過程においてお感じになったことはありましたか。
N様:担当者からは、買い手グループが商業施設への出店実績を持っていることや、北海道を拠点に食品関連の子会社を数社所有している旨の説明を受けました。 当社の既存店舗や商品が、グループのネットワークと組み合わさることで、より多くのお客様に届けられる可能性があるとイメージできたのは大きかったです。 数字だけでなく、将来の展開まで含めて話し合う中で、自然と前向きな気持ちになっていきました。

-ご夫婦で最終的な譲渡の決断に至るまでには、どのような議論や葛藤がありましたか。
N様:やはり、自分たちが築いてきた会社を手放すことへの寂しさや、不安は大きかったです。 夫婦で何度も話し合い、「従業員の雇用を守れるか」「お客様に迷惑をかけないか」「自分たちの人生をこの先どうしていきたいか」といった点を一つ一つ整理していきました。 最終的には、グループインによって事業をより発展させられる可能性と、自分たちの健康や家族との時間を大切にできる選択だと考え、決断しました。

-条件面のすり合わせや交渉の過程では、どのようなポイントを重視されましたか。
N様:金額面ももちろん重要ですが、それ以上に重視したのは、従業員の処遇とブランドの継続です。 長年一緒に働いてきたスタッフが、譲渡をきっかけに不利な状況に置かれることだけは避けたいと考えていました。 担当者もその思いを理解してくれて、買い手側との交渉の中で、できる限り従来の体制や働き方を尊重していただけるよう動いてくれたと感じています。実際、担当者が約束してくれた通り、譲渡契約書の中にその内容を担保する条項をしっかり入れてくれて安心して任せることができました。

-クロージングを迎えたときのお気持ちを覚えていらっしゃいますか。
N様:安堵と寂しさが入り混じった複雑な気持ちでした。 これまでの日々を振り返ると胸がいっぱいになりましたし、一方で、「これでようやく少し肩の力を抜ける」という解放感もありました。 従業員から「これからもよろしくお願いします」と声をかけられたときには、会社を残す選択をして良かったと心から思いました。

-譲渡後の現在、会社や従業員の様子にはどのような変化がありますか。
N様:グループの一員となったことで、仕入れや物流の面でサポートを受けられるようになり、原価面での負担が以前より軽くなったと聞いています。 また、新しい販路の可能性も広がり、従業員も前向きに業務に取り組んでいるようです。 自分が現場から離れた後も、会社が新しい環境で成長している様子を見られるのは、経営者としてうれしいことです。

-N様ご自身の生活やお気持ちには、どのような変化がありましたか。
N様:何よりも、夫婦で過ごす時間が増えたことが一番大きな変化です。 これまでなかなか行けなかった旅行に出かけたり、ゆっくり食事を楽しんだりと、ようやく普通の生活を取り戻せたような感覚があります。 心と体に少し余裕が生まれたことで、これまで見えなかった景色が見えてきたようにも感じています。

-改めて、今回のM&Aを振り返って、みつきコンサルティングおよび担当者への印象をお聞かせください。
N様:最初の相談から成約まで、一貫して誠実に対応していただいたという印象です。 小さな不安や疑問にも一つ一つ丁寧に説明をしてくれたおかげで、大きなストレスを感じることなく初めてのM&Aを進めることができました。 こちらの事情や気持ちを汲み取った上で、無理のないスケジュールや進め方を提案してくれたことにも感謝しています。

-ご夫婦で経営されている中小企業ならではの悩みや迷いに対して、どのような寄り添い方をしてもらえたと感じていますか。
N様:夫婦で意見が異なる場面もありましたが、担当者は一方の味方をするのではなく、双方の話をじっくり聞きながら整理してくれました。 「どちらが正しいか」ではなく、「お二人にとって一番納得できる形は何か」を一緒に考えてくれる姿勢がありがたかったです。 結果的に、夫婦で腹落ちした状態で決断できたのは、その支えがあったからだと思います。

-今、同じように事業承継や将来について悩んでいる経営者の方に、N様のご経験からお伝えできることがあれば教えてください。
N様:悩み始めた時点で、できるだけ早く第三者に相談してみることをおすすめしたいです。 自分たちだけで考えていると、「まだ大丈夫だろう」と先送りしてしまいがちですが、実際には時間的な余裕があるうちに選択肢を検討した方が、納得のいく決断がしやすいと感じました。 専門家に話を聞いてもらうことで、頭の中が整理され、自分たちが何を大事にしたいのかも見えてきます。 また、条件面においても早めに検討を始めることで有利に交渉を進めることができると感じています。「まだ早いかな」くらいがちょうどいいのではないでしょうか。

-最後に、S社や事業に対して、今どのようなお気持ちをお持ちかお聞かせください。
N様:この会社は、自分たち夫婦の人生そのものと言ってもいいくらい、たくさんの時間と情熱を注いできた存在です。私たちに子供はいませんが、会社が大きな子供のようなものでした。その会社が、今は新しいオーナーのもとで、別のステージに進んでいることをうれしく思っています。 娘を嫁にだしたような気持ちですね。これから先も、多くのお客様に「おいしい」と言っていただける鮨弁当を届け続けてくれることを願っていますし、そのための土台を築けたことに、ささやかな誇りも感じていますし、より発展してほしいとこころから願っています。

           

この案件・類似案件の担当者

西尾 崇 事業法人第三部長/M&A担当ディレクター


宅食事業を共同経営者として立ち上げ、バックオフィスの責任者として従事。当社参画後は、会計・法務・労務の知見を活かし、業界を問わず、事業承継型・救済型・カーブアウト・MBO等、様々なニーズに即した多数の支援実績を誇る

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