楽曲制作のM&A事例 【関東】

音楽制作会社株式の譲渡を助言|T社さま

譲渡企業 T社さま
業種 楽曲制作
事業内容 楽曲制作のマネジメント、版権管理
売上 約5億円
地域 関東
設立 1990年代
経営者の年齢
譲渡理由 事業承継、事業成長
譲受企業 Y社さま
業種 ソーシャルゲーム
事業内容 ゲームの企画・開発・運営、アニメーション製作
売上 約925億円
地域 関東
設立 20
上場の有無 非上場
譲受目的 新規事業への足掛かり

- 本日は、みつきコンサルティングの仲介によりM&Aを成功させた、T社様の売却についてお話を伺います。まず、御社の設立から現在に至るまでの経緯と、音楽業界での経験についてお聞かせください。

当初は小規模なスタジオからスタートしましたが、徐々に事業を拡大し、現在では音楽制作、著作権管理、アーティストマネジメントなど、総合的な音楽ビジネスを展開しています。この間、業界は大きく変化しました。CDの全盛期から、ストリーミングサービスの台頭まで、様々な波を乗り越えてきました。

- 音楽業界の変化について、もう少し詳しくお聞かせいただけますか?

はい。最も大きな変化は、デジタル化の波です。CDの売上が減少し、ストリーミングサービスが主流になってきました。これにより、収益構造が大きく変わりました。また、SNSの普及により、アーティストと聴衆の距離が近くなり、マーケティング手法も変化しました。さらに、AI技術の進歩により、作曲や編曲の一部がAIで行われるようになってきています。これらの変化に対応するため、常に新しい技術やトレンドをキャッチアップする必要がありました。

- そのような変化の中で、M&Aを検討されたきっかけについてお聞かせください。

主に二つの理由があります。一つは事業承継の観点です。私も年齢を重ね、会社の将来を考えるようになりました。もう一つは、業界の急速な変化への対応です。単独で事業を続けるよりも、より大きな企業グループの一員となることで、新しい技術やリソースを活用できると考えました。特に、音楽とゲーム、アニメなどのコンテンツが融合する現在の流れを見ると、総合的なエンターテインメント企業との連携が不可欠だと感じていました。

- 売却を決意されてから、実際にみつきコンサルティングに相談されるまでの経緯を教えていただけますか?

決意してからしばらくは、どのように進めるべきか悩みました。M&Aの知識もなく、誰に相談すべきかわからなかったのです。業界内の知人に相談しても、具体的なアドバイスは得られませんでした。そんな時、別の経営者仲間からみつきコンサルティングを紹介されました。調べてみると、クリエイティブ業界でのM&A実績も豊富で、評判も良かったので、思い切って相談してみることにしました。

- みつきコンサルティングとの初回面談の印象はいかがでしたか?

非常に好印象でした。担当者の方は、押し付けがましくなく、私たちの意向を十分に聞いてくれました。特に印象的だったのは、クリエイティブ業界の特性を理解してくれていたことです。例えば、著作権管理の重要性や、アーティストとの関係性など、一般的な製造業とは異なる点を理解した上で話を進めてくれました。また、私たちの会社の歴史や文化を尊重する姿勢も感じられ、安心して相談できると感じました。

- 売却にあたって、どのような条件や希望をお持ちでしたか?

最も重視したのは、シナジー効果が見込める相手先を見つけることでした。単なる投資目的ではなく、当社の事業を理解し、さらに発展させてくれる企業を望んでいました。具体的には、音楽制作の技術やノウハウを活かせる企業、例えばゲーム会社やアニメ制作会社などを想定していました。また、社員の雇用継続や、これまで築いてきたアーティストとの関係性を維持できることも重要な条件でした。そのため、同業他社への売却は避けたいと考えていました。

- その希望は、みつきコンサルティングにどのように伝えられましたか?

初回面談の際に、私たちの希望をはっきりと伝えました。担当者の方は非常に熱心に耳を傾けてくれ、私たちの意向を十分に理解してくれたと感じました。特に印象的だったのは、担当者が「御社の文化や価値観を尊重しつつ、新たな成長機会を提供できる相手先相手先を探すことが重要ですね」と言ってくれたことです。その後も、常に私たちの希望を尊重しながら相手先候補を探してくれました。例えば、候補先のリストを提示する際も、各社とのシナジー効果や文化的な適合性について詳細な分析を提供してくれました。

- 相手先候補の選定プロセスについて、どのような印象をお持ちですか?

みつきコンサルティングは、私たちの希望に沿って慎重に候補先を選んでくれました。特に印象的だったのは、単に財務的な観点だけでなく、企業文化や将来のビジョンの適合性も考慮してくれたことです。例えば、候補企業の経営理念や過去のM&A後の統合プロセスなども調査し、私たちに情報提供してくれました。また、候補先からのシナジー提案を求めるなど、私たちの要望を細かく反映してくれました。このプロセスを通じて、自社の強みや価値を再認識することができ、非常に有意義でした。

- 最終的にY社を相手先として選んだ理由を教えていただけますか?

Y社の経営理念に強く共感しました。彼らがゲーム、アニメ制作、音楽制作の分野で優良企業を求めていたことも、私たちにとっては大きなチャンスだと感じました。具体的には、Y社が提案したシナジー効果の内容が非常に魅力的でした。例えば、彼らのゲームやアニメ作品に当社の音楽制作技術を活用する計画や、逆に彼らのデジタルマーケティング技術を当社のアーティスト育成に活用する案など、双方にとってWin-Winとなる提案が多くありました。また、Y社の経営陣との面談を通じて、彼らが当社の文化や価値観を尊重してくれると確信できたことも大きな決め手となりました。

- バリュエーション(企業価値評価)のプロセスについてはいかがでしたか?

正直なところ、バリュエーションについては不安がありました。音楽制作会社の価値を適切に評価することは難しいと思っていたからです。しかし、みつきコンサルティングの支援により、当社の価値が適切に評価されたと感じています。特に、著作権など版権管理収益が安定収益として高く評価されたことは嬉しかったですね。具体的には、営業利益の約10年分という高い評価を得ることができました。このプロセスを通じて、自社の財務状況や将来の成長性について、より深く理解することができました。また、みつきコンサルティングは、業界特有の指標や、将来のデジタル化による影響なども考慮に入れてくれたので、非常に納得感のある評価結果となりました。

- デューデリジェンス(DD)の準備と実施について、どのような経験をされましたか?

DDの準備は大変でしたが、みつきコンサルティングのアドバイスにより、早い段階から経理担当者との連携を強化していました。そのおかげで、資料準備などがスムーズに進みました。特に、著作権管理に関する複雑な契約書類や、アーティストとの契約関係の整理には時間がかかりましたが、みつきコンサルティングの担当者が丁寧にサポートしてくれたおかげで、効率的に進めることができました。DDの過程で、自社の強みや課題を再認識することができ、非常に有意義な経験となりました。例えば、デジタル著作権管理システムの導入が遅れていたことが課題として浮き彫りになり、これがY社との統合後の最初のプロジェクトの一つとなりました。

- 社内のキーパーソンへの説明や同意取得のプロセスについて教えてください。

当社の場合、現場の大部分を担当しているキーマンF氏の同意が不可欠でした。F氏は創業時からの仲間で、アーティストとの関係構築や音楽制作の中心的な役割を担っていました。F氏への説明のタイミングや方法については慎重に検討しました。みつきコンサルティングのアドバイスを受けながら、F氏の性格や価値観を考慮し、最適なアプローチを練りました。準備に1か月、説明後の同意取得までにさらに1か月ほどかかりましたが、丁寧に進めることができました。具体的には、Y社との統合後のビジョンや、F氏の役割の重要性が変わらないことを強調しました。結果的に、F氏は新しい挑戦に前向きな反応を示してくれ、社内の雰囲気づくりにも大きく貢献してくれました。

- 主要取引先への説明はどのように行われましたか?

主要取引先、特に作曲家の方々への説明は重要でした。約2週間かけて丁寧に説明を行いました。予想外だったのは、多くの作家の方々が大賛成してくださったことです。彼らは、Y社との統合により、自分たちの楽曲がより多くのプラットフォームで使用される可能性が高まることを歓迎してくれました。例えば、ある有名作曲家は「新しいジャンルの音楽にも挑戦してみたかった」と興奮気味に話してくれました。この反応は、私たちの決断の正しさを確信する大きなきっかけとなりました。一方で、一部の作家からは契約条件の変更に関する懸念も示されましたが、丁寧な説明と交渉により、最終的には全員の同意を得ることができました。

M&Aのプロセス全体を通じて、最も難しかった点は何でしたか?

最も難しかったのは、社内のキーパーソンと主要取引先への説明と同意取得のタイミングでした。特にキーマンF氏への説明は、失敗が許されない重要なステップでした。F氏は会社の中心的存在で、彼の反応次第で社内の雰囲気が大きく変わる可能性がありました。また、クリエイティブ業界特有の人間関係や感性を考慮しながら進める必要があり、そのバランスを取るのに苦心しました。例えば、アーティストや作曲家の中には、大企業との統合に抵抗感を示す方もいました。彼らの創造性や自由を損なわないことを保証しつつ、新しい機会についても説明する必要がありました。このプロセスでは、みつきコンサルティングの経験豊富なアドバイスが非常に役立ちました。

- みつきコンサルティングのサポートについて、特に印象に残っている点はありますか?

担当者の方の丁寧で押し付けがましくないアプローチが印象的でした。私たちのペースを尊重しながら、必要な時にはプロフェッショナルなアドバイスをしてくれました。特に、クリエイティブ業界の特性を理解した上でのサポートは非常に心強かったです。例えば、アーティストや作曲家との関係性維持の重要性を理解し、彼らへの説明方法や、契約の移行に関する細かな助言をしてくれました。また、財務面だけでなく、会社の文化や価値観を重視してくれたことも大きな特徴でした。M&Aのプロセス全体を通じて、私たちの意思決定を尊重しつつ、専門的な見地から的確なアドバイスを提供してくれたことで、安心して交渉を進めることができました。

M&Aプロセスを通じて、予想外だった点や驚いたことはありましたか?

主要取引先、特に作曲家の方々の反応には驚きました。M&Aに対して懸念を示すのではないかと心配していましたが、多くの方が前向きに捉えてくださいました。例えば、ある有名作曲家は「新しいジャンルの音楽にも挑戦してみたかった」と興奮気味に話してくれました。これは、私たちの決断の正しさを確信する大きなきっかけとなりました。また、社内のキーマンであるF氏の反応も予想外でした。当初は抵抗があるのではないかと心配していましたが、新しい挑戦に前向きな姿勢を示してくれ、むしろ社内の雰囲気づくりに大きく貢献してくれました。

- 売却後の統合プロセスについて、どのような準備や対策を行いましたか?

統合プロセスについては、Y社と綿密な協議を重ねました。特に、クリエイティブな側面を損なわないよう、当社の独自性を保ちながら、Y社のリソースをどのように活用していくかを慎重に検討しました。具体的には、音楽制作部門の自律性を維持しつつ、Y社のゲーム開発チームとの連携を強化する体制を構築しました。また、人事制度や評価システムの統合についても、両社の文化の違いを考慮しながら段階的に進めることにしました。みつきコンサルティングにも、この過程でアドバイスをいただき、スムーズな統合計画を立てることができました。

M&Aを経験して、ご自身や会社にどのような変化がありましたか?

最も大きな変化は、より大きな視野で事業を捉えられるようになったことです。Y社のグループ企業となったことで、新たな事業機会や成長の可能性が広がりました。例えば、ゲーム音楽の制作や、アニメとのコラボレーションなど、これまで手掛けたことのない分野にチャレンジする機会が増えました。また、社員たちも新しい環境に刺激を受け、モチベーションが高まっているように感じます。特に若手社員たちは、Y社の先進的な技術や経営手法に触れることで、自己成長の機会を得ています。個人的には、経営者としての役割は変わりましたが、音楽制作の現場により深く関わることができるようになり、創造的な仕事に専念できるようになったことは大きな喜びです。

- 今回のM&A経験を通じて、他の経営者の方々にアドバイスできることはありますか?

まず、信頼できるアドバイザーを見つけることが重要だと思います。みつきコンサルティングのような専門家のサポートは、プロセス全体を通じて非常に心強かったです。また、自社の価値や強みを客観的に評価し、それを適切に伝える準備をしっかりと行うことも大切です。特にクリエイティブ業界では、財務面だけでなく、無形資産の価値を適切に評価してもらうことが重要です。そして、社内のキーパーソンや主要取引先とのコミュニケーションを丁寧に行うことで、スムーズな移行が可能になると感じました。最後に、M&Aは単なる資金的な取引ではなく、企業文化や価値観の融合であることを忘れないでください。相手企業との相性や将来のビジョンの共有が、長期的な成功につながると信じています。

- 最後に、みつきコンサルティングとの仕事を振り返って、どのような感想をお持ちですか?

みつきコンサルティングには本当に感謝しています。特に印象的だったのは、私たちの意向を尊重しながら、プロフェッショナルなアドバイスを提供してくれたことです。担当者の方には「今まで押しつけることがなく私の好きなように交渉を進めさせていただいたので感謝しています」と伝えました。クリエイティブ業界の特性を理解し、私たちのペースに合わせてくれたことが、信頼関係の構築につながったと思います。特に、キーマンとの面談や主要取引先への説明など、重要な局面での的確なアドバイスは非常に有益でした。また、最終的な意思決定の際に、担当者の方に意見を求めたときの対応も印象的でした。これまでの過程で築いた信頼関係があったからこそ、重要な判断を下す際にも安心して相談することができました。結果として、最適なタイミングで最適な相手先と出会うことができ、非常に満足しています。みつきコンサルティングとの協業は、単なるビジネス上の関係を超えて、私たちの会社の未来を共に考えてくれるパートナーシップだったと感じています。

- 貴重なお話をありがとうございました。今後のさらなる発展を心よりお祈りしております。

こちらこそ、ありがとうございました。この経験を糧に、Y社の一員として、さらに魅力的な音楽コンテンツを創造していきたいと思います。みつきコンサルティングの皆様にも、引き続きご支援いただければ幸いです。

           

この案件・類似案件の担当者

▷野口 慎矢 事業法人第四部長/M&A担当ディレクター


国内証券会社にてクライアントの資産運用を支援。当社に入社後は、消費財・小売業界の企業に対してコンサルティングを提供。事業承継案件のみならず、Tech系スタートアップへの支援も行う。

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