成約年月日:2025年7月
取材先:専務取締役 経営企画本部長 管理本部管掌 辻 耕平様
経営企画本部M&A・DX推進室課長 西尾 昌記 様
-本日は、北海道にて葬儀会館3拠点をお譲り受けられた、株式会社ティアの辻様・西尾様にお話を伺います。まずは、今回のM&Aを検討された背景からお聞かせいただけますでしょうか。
西尾様:はい。私たちティアは、「日本で一番『ありがとう』と言われる葬儀社」を目指し、全国への店舗展開を進めております。今回、将来性の高い市場である札幌エリアへの進出を検討するにあたり、まず現地における有力葬儀社様が運営されている会館の視察や、周辺環境の調査を実施いたしました。その結果、弊社のドミナント戦略に合致すると考えられる企業が6社見つかりました。
次に、この6社が資本業務提携にご関心をお持ちかどうか確認するため、指名型のM&Aにも豊富な実績を有する「みつきコンサルティング」へアプローチを依頼いたしました。
その中でご紹介いただいたのが、今回ご縁をいただき、会館をお譲り受けすることとなったメモリアジャパン様でございます。
-トップ面談で実際にお会いされた際の印象はいかがでしょうか。
西尾様:実際に社長様にお会いし、直接お話しを伺う中で、長年地元の方々に愛されてきた、非常に強固な事業基盤をお持ちであると感じました。加えて、「お客様にとことん寄り添う」という姿勢が、私たちティアの理念とも親和性があり、是非この葬儀社様とご一緒したいと、その場で強く感じたことを今でもよく覚えています。弊社からは、経営理念や組織文化、そして統合後のイメージについて丁寧にお伝えいたしましたが、幸いにも先方の社長様にも前向きなご評価をいただくことができました。
辻様:一般的にM&Aと聞くと、「乗っ取り」といったイメージを持たれる方も少なくないかと思います。私たちティアでは、M&Aを行ったからといって、急激なルール変更や社員の配置転換を行うことは一切ございません。統合作業においては、既存社員の皆様との個別面談や意見交換を丁寧に重ね、現場の声をしっかりと受け止めながら、より良い職場環境を整えるための意思決定を行ってまいります。
これまで堅実に培ってこられた企業文化、そして日々地域社会に貢献されてきた社員の皆様を最大限に尊重することを、何よりも大切にしております。
-ご成約までに苦労されたことはありますでしょうか。
西尾様:トップ面談後、基本合意までは順調に進行しておりましたが、規模の大きな取引であったため、当然ながら一筋縄ではいきませんでした。社内外のステークホルダーに対して説明責任を果たす必要があり、精緻な事業計画の策定に加え、会館に関する不動産鑑定評価も実施したことから、DD(デューデリジェンス)には結果として4ヶ月を要しました。特にDDのフェーズでは、日常業務と並行して膨大な資料をご準備いただく必要があり、さらに専門家チームからの100件を超えるQ&A対応など、多くのご負担をおかけすることとなりました。こうした状況が長期化したことで、先方の社長様には相当なご心労があったのではないかと感じております。
そのような中、一時的にご自身での事業継続へお気持ちが傾かれた局面もあったようですが、みつきコンサルティングの担当者が月2回の頻度で東京から札幌へ足を運び、継続的かつ丁寧に社長様のフォローを行ってくださいました。その結果、大きな方向転換に至ることなく、プロジェクトを前に進めることができました。
その後もいくつかの調整を経ながら、最終的には無事にクロージングの日を迎えることができました。
-最後に、今回のM&Aを振り返っての感想と、今後の展望をお聞かせください。
西尾様:初回のトップ面談から成約まで、約8か月にわたり本当にさまざまな出来事がありましたが、クロージング当日、先方社長様から「ティアの皆さんの人柄が良いから、一緒になればきっと社員も幸せになれると思う」というお言葉をいただき、嬉しさと同時に、改めて身が引き締まる思いでした。
お引き受けした企業、そこで働く社員の皆様、そして地域の永続的な発展に向けて、今後も責任を持って尽力してまいります。また今回、仲介会社等から持ち込まれた案件ではなく、弊社が任意の企業様へ直接働きかける形でアプローチし、能動的に北海道進出への足掛かりを得られたことは、大きな収穫であったと感じています。今後もM&Aを戦略的に活用しながら、ティアのパーパスを体現し続けていきたいと考えています。
辻様:私たちティアは、単に事業規模を拡大したいわけではありません。売主様が大切に育んでこられた「想い」や、そこで働く「人」を引き継いでいくことこそが、M&Aの本質だと考えています。
「社員が幸せになれる」と信じて託してくださったこのバトンをしっかりと受け継ぎ、北海道の地においても、ご遺族に寄り添う最高のサービスを提供し続けていきたいと思います。

-ご譲渡オーナー様からのコメント
当社は札幌の地で、葬儀という人生の大切な節目に寄り添う仕事を続けてまいりました。
その歩みを支えてくれたのは、何よりも現場で誠実に向き合ってくれた社員一人ひとりです。社員には感謝の気持ちしかありません。
今回の譲渡は、後継者不在という事情があったとはいえ、簡単に決断できるものではありませんでした。
しかし、ティア様とお会いし、企業としての理念や、ご遺族に寄り添う姿勢、そして何より「人を大切にされる」考え方に触れる中で、「この会社であれば、安心して社員と事業を託せる」と確信するに至りました。
M&Aにはさまざまなイメージがあるかもしれませんが、今回の取り組みを通じて、会社や文化、想いをしっかり引き継ぎながら、未来につなげていく選択肢があることを実感いたしました。
このお話をいただいた当初は不安な気持ちもありましたが、みつきコンサルティングの担当者に長期間にわたり丁寧に伴走いただき、安心して最後まで進めることができました。
これからはティア様のもとで、当社の会館・社員がさらに活躍し、地域の皆様により良いサービスを提供していけることを心より願っております。
-本日は貴重なお話をありがとうございました。【インタビュー後記】
今回のインタビューを通じて思いを強くしたのは、M&Aが決して単なるマッチングや数字だけの取引ではないということです。
「人」や「想い」も会社組織を構成する重要な要素であり、それらすべてを託し、責任を持って次へつないでいくことこそが、M&Aの本質なのだと実感しました。
プロアクティブ・サーチ(仕掛型)のご要望はコチラ



