成約年月:2017年2月
取材先:代表取締役 S様
― 本日はよろしくお願いいたします。まず、M&Aを検討されたきっかけを教えてください。
S様:ありがとうございます。当社は雑誌やタイアップ記事、企業の情報誌などの企画・編集・デザインを手掛けてきた会社です。長年紙媒体を中心に仕事をいただいてきましたが、出版不況やデジタルシフトの影響で、以前のような発注ボリュームを維持するのが難しくなってきていました。加えて、私自身も還暦を過ぎ、次の世代にどう引き継ぐかを真剣に考える時期に来ていました。
― 業界構造の変化と後継者の問題が重なったのですね。みつきコンサルティングとはどのように出会われたのですか?
S様:知人の紹介がきっかけでした。相談してみると、当社のような小規模な制作会社でも、印刷会社やメディア関連企業にとってはコンテンツ制作機能として価値があると教えていただき、視野が広がりました。
― 最初の面談ではどのようなお話をされましたか?
S様:当社の強みと弱みを整理していただきました。編集・デザインのノウハウはあるものの、自社で印刷まで受注できないためコスト競争力に限界があること、逆に印刷会社と組めば互いの弱みを補完できることなど、具体的な方向性を示していただいたのが印象的でした。
― 買手探しはどのように進みましたか?
S様:みつきコンサルティングが持つネットワークの中から、出版・広告関連の制作機能強化を検討していた印刷会社を紹介いただきました。地方に拠点を持つ会社でしたが、都市部のコンテンツ制作会社をグループに迎えることで、企画提案力を強化したいという考えをお持ちでした。
― トップ面談の際の印象はいかがでしたか?
S様:先方の経営陣は非常に前向きで、当社が長年培ってきた企画編集のノウハウを高く評価してくださいました。単なる下請けとしてではなく、グループの営業チームと組んで企画提案からできる体制を作りたいという構想を伺い、当社の従業員にとっても新しい可能性が広がると感じました。
― 交渉過程で印象に残っていることはありますか?
S様:デューデリジェンスの過程で、主要取引先との契約に関して、契約者の変更に伴う承諾手続きが必要になる点が課題として浮かび上がりました。長年の付き合いのある取引先ばかりでしたので、事前にどのように説明するかは悩みましたが、みつきコンサルティングが取引先への説明資料の準備や、伝え方のアドバイスをしてくれたおかげで、大きな混乱もなく手続を終えることができました。
― 従業員の方々への説明はどのように進めましたか?
S様:正直、一番気を遣った部分です。長年一緒にやってきたスタッフに、会社が変わることをどう伝えるか悩みましたが、みつきコンサルティングから説明会の進め方についてアドバイスをもらい、雇用条件は維持されること、むしろ新しい仕事の幅が広がることを丁寧に説明しました。
― 従業員の方々の反応はいかがでしたか?
S様:最初は戸惑いもありましたが、グループ会社の案件にも携われるようになることや、印刷部門との連携で新しい企画ができることを伝えると、前向きに捉えてくれる社員が多かったです。
― クロージングまでの過程はスムーズでしたか?
S様:条件面での大きな対立はなく、比較的スムーズに進みました。みつきコンサルティングが双方の間に立って、スケジュール調整や必要書類の整理を細かく行ってくれたのが助かりました。
― M&A後、会社にはどのような変化がありましたか?
S様:グループの印刷部門と連携することで、企画提案から印刷までワンストップで対応できるようになりました。これまで断らざるを得なかった案件にも対応できるようになり、受注の幅が広がっています。
― 経営者ご自身にはどのような変化がありましたか?
S様:後継者や資金繰りへの不安から解放されたのは大きいです。今は現場の企画・編集業務に専念できていて、以前より前向きに仕事に取り組めています。
― これからM&Aを検討する経営者の方々へメッセージをお願いします。
S様:業界の先行きに不安を感じているなら、早めに動き出すことをお勧めします。私も業績が下がり始めてから動いたので、もう少し早ければ選択肢が広がったかもしれません。信頼できるアドバイザーと一緒に、自社の強みを客観的に整理することが、良い相手先とのマッチングにつながると思います。
― 貴重なお話をありがとうございました。



