自動車整備業のM&A事例 【関東】

自動車整備事業の譲渡を助言|Y社さま

譲渡企業 Y社さま
業種 自動車整備業
事業内容 自動車整備(車検、板金・塗装)
売上 約3億円
地域 関東
設立 1960年代
経営者の年齢 50代
譲渡理由 後継者不在
譲受企業 O社さま
業種 自動車販売
事業内容 自動車販売(一部整備)
売上 約100億円
地域 関東
設立 1970年代
上場の有無 非上場
譲受目的 アフターケアの強化

-本日は、Y様のM&A事例についてお話を伺います。まず、御社の創業からこれまでの歩みについて教えていただけますでしょうか。

はい、当社は私の父が創業しました。当初は小さな整備工場からスタートし、徐々に規模を拡大してきました。私は大学卒業後すぐに会社に入り、父から経営のノウハウを学びました。創業以来、地域に根ざした自動車整備サービスを提供し続けてきましたが、近年は業界を取り巻く環境が大きく変化してきていると感じていました。

-具体的にどのような変化を感じておられましたか?

主に3つあります。まず、自動車の電子化や自動運転技術の進歩により、従来の整備技術だけでは対応が難しくなってきていました。次に、若手人材の確保が年々難しくなっていました。自動車整備士という職業の魅力が薄れてきているのかもしれません。最後に、車の耐久性が向上したことで、整備頻度が減少傾向にありました。これらの要因が重なり、将来的な事業の継続に不安を感じ始めていたのです。

-そのような中で、M&Aを検討されるきっかけについて教えていただけますでしょうか。

直接のきっかけは、みつきコンサルティングからのアプローチでした。実は、M&Aを積極的に考えていたわけではありません。3年ほど前からM&A関連のダイレクトメールは来ていましたが、コンサルタントに会うのは初めてでした。自宅に届いた手書きの手紙が印象的で興味を持ちました。また、決算期のタイミングで届いたので、会社の将来について考えるいい機会になりました。

-初回の面談ではどのような話をされましたか?

みつきコンサルティングの担当者から、M&Aの流れや似たような事例の説明を受けました。特に、自動車整備業の事例を聞けたことが良かったです。また、今後の進め方についても詳しく説明してもらい、具体的なイメージが湧きました。その際、私自身の年齢や業界の将来性について率直に話し合いました。まだ体力はありますが、今のうちに会社の将来を考えておきたいという思いを伝えました。

-後継者の問題はいかがでしたか?

息子はすでに別の業界で就職しており、後継ぎの話をしたことはありましたが、あまり関心がなさそうでした。正直なところ、業界の将来を考えると、息子に継がせるのは可哀想だとも感じていました。また、社内にも経営を任せられるような人材はいませんでした。長年働いてくれている従業員はいますが、経営となると別の話です。

M&Aのプロセスを進めていく中で、不安に感じたことはありましたか?

はい、いくつかありました。まず、会社の評価額が思ったより低かったことです。買い手候補からの評価を聞いて、現状の厳しさを実感しました。長年経営してきた会社ですから、愛着もあり、正直ショックでした。しかし、同時に、これが市場の現実なのだと冷静に受け止めることができました。

-最終的にO社様との成約に至った経緯を教えていただけますか?

最初に交渉していた会社とは、コロナの影響で破談になってしまいました。その時は正直がっかりしましたが、みつきコンサルティングが粘り強くサポートしてくれました。その後、新たな買い手候補としてO社を紹介されました。初めての面談で、会社の雰囲気や社風が伝わってきて、とても好印象を持ちました。

O社様のどのような点に魅力を感じましたか?

まず、買収の目的を明確に説明してくれたことです。自社の整備部門を強化したいという意図が明確で、私たちの会社の強みを活かしたいという姿勢が感じられました。また、会社の社風や新卒への説明資料なども見せていただき、人を大切にする会社だと感じました。特に印象的だったのは、従業員の長期的なキャリアパスについて具体的なビジョンを持っていたことです。私たちの会社の従業員のことも考えてくれそうだと思いました。

-デューデリジェンス(DD)の過程はスムーズでしたか?

はい、非常にスムーズでした。みつきコンサルティングが主導してくれたおかげで、効率的に進められました。事前にメールでの質問回答を行い、最終的なトップ面談で口頭確認を行うという形で、負担も少なく済みました。ただ、初めての経験だったので、どこまで情報を開示すべきか迷うこともありました。その都度、みつきコンサルティングに相談し、適切なアドバイスをもらえたのが心強かったです。

-最終的な譲渡価格や条件面での交渉はいかがでしたか?

正直なところ、最初に提示された金額よりも若干低くなりました。しかし、コロナ禍という状況を考えると仕方ないと思いました。それ以上に、O社の会社としての魅力や、従業員の将来を考えると、良い選択だったと感じています。また、譲渡価格以外の条件面、例えば私自身の退職金や、従業員の処遇についても丁寧に協議できたことは大きかったです。

M&Aのプロセス全体を通じて、みつきコンサルティングの対応はいかがでしたか?

非常に丁寧で、かつ効率的な対応をしていただきました。特に印象に残っているのは、常に私たちの立場に立って考えてくれたことです。例えば、買い手候補との面談後すぐに連絡をくれたり、相続の問題が発生した際にも適切なアドバイスをしてくれたりしました。また、私の感情面のケアもしてくれたのが嬉しかったです。長年経営してきた会社を手放すことへの不安や寂しさを理解してくれて、時には励ましの言葉をかけてくれました。

M&A後の協業について、具体的にどのようなシナジーを期待されていますか?

まず、整備技術の面で大きなシナジーが期待できると思います。我々の持つ長年の整備ノウハウと、O社様の最新の設備や技術を組み合わせることで、より高品質なサービスが提供できるはずです。また、人材育成の面でも、大きな可能性を感じています。我々の熟練技術者がO社様の若手社員に技術を伝承することで、両社の強みを活かせると考えています。

さらに、顧客基盤の拡大も期待しています。我々の既存顧客にO社様の新車販売サービスを提供したり、逆にO社様の顧客に我々の整備サービスを提供したりすることで、双方の事業拡大につながるでしょう。

-譲渡後の心境や新たな生活について、お聞かせください。

正直なところ、譲渡直後は少し寂しさを感じました。長年経営してきた会社を手放すわけですから、一種の喪失感のようなものがありました。しかし、それ以上に、従業員たちの将来が明るいものになったという安堵感の方が大きかったです。

新たな生活については、まだ模索中の部分もありますが、これまでできなかったことにチャレンジする良い機会だと捉えています。例えば、長年興味があった地域のボランティア活動に参加したり、趣味の園芸に時間を割いたりしています。また、経営者としての経験を活かして、地元の若手起業家の相談に乗るなど、新たな形で社会貢献できないかと考えています。

ただ、完全に仕事から離れるわけではありません。O社様との合意で、しばらくの間はアドバイザーとして関わることになっています。これまでの経験や人脈を活かして、スムーズな統合に貢献したいと思っています。

-最後に、M&Aを検討している経営者の方々へアドバイスをお願いします。

まず、早めに検討を始めることをお勧めします。私の場合も、もう少し早く始めても良かったかもしれません。業界の動向や自社の状況を冷静に分析し、将来を見据えた判断をすることが重要です。

また、自社の現状を客観的に見つめ直すことも大切です。M&Aのプロセスを通じて、自社の強みや弱みがはっきりと見えてきました。これは、たとえM&Aを実行しなくても、経営改善につながる貴重な機会になると思います。

そして、信頼できるアドバイザーを見つけることが非常に重要です。みつきコンサルティングには本当に助けられました。M&Aは初めての経験で分からないことばかりでしたが、丁寧に説明してくれ、常に私たちの立場に立って考えてくれました。

最後に、相手先の会社との相性も大切にしてほしいと思います。単に条件面だけでなく、会社の文化や従業員への思いなども含めて総合的に判断することが、成功につながると思います。私の場合、O社様との価値観の一致が、最終的な決断を後押ししてくれました。

M&Aは確かに大きな決断ですが、それは新たな可能性を開く扉でもあります。慎重に、しかし前向きに検討していただければと思います。

-本日は貴重なお話をありがとうございました。Y様の今後のさらなる発展を心よりお祈りしております。

 

           

この案件・類似案件の担当者

▷野口 慎矢 事業法人第四部長/M&A担当ディレクター


国内証券会社にてクライアントの資産運用を支援。当社に入社後は、消費財・小売業界の企業に対してコンサルティングを提供。事業承継案件のみならず、Tech系スタートアップへの支援も行う。

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