成約年月日:2023年12月
取材先:代表取締役社長 立木様
-まず、灯学舎を創業される前のキャリアや、経営者としてのご経験をお聞かせください。
立木様:学生時代から教育には並々ならぬ関心を持っていたものの社会人生活では他業界での企業勤務を経験しました。そこで組織運営や数字管理のノウハウを学びつつ、人の成長を間近で見守る機会に多く恵まれたことが、塾経営への転機となりました。40代で独立を決意し、学習塾業界に飛び込んで以来、長年にわたり経営の現場で様々な壁を乗り越えてきました。
-塾経営の中で、特に重視していたことや独自の方針について、詳しく教えていただけますか。
立木様:一番大切にしてきたのは「子ども一人ひとりの人間力を伸ばす」ことです。学力だけでなく、課題に向き合う力や協調性など、社会で必要とされる資質を育む場を作りたかった。講師にも成績だけで評価をしない指導姿勢を求めて、保護者や地域との対話にも力を入れてきました。スタッフが主体的に動ける風土づくりや、時代に合わせた授業改革も経営者としてのこだわりです。
-長年のご経験を通じ、学習塾業界の変化や課題をどう見ていらっしゃいましたか。
立木様:学習塾業界は少子化や教育デジタル化の波にさらされ、年々厳しい状況となっています。生徒数そのものが減少し、毎年のようにサービスや指導内容の差別化が求められます。大手による買収や統合も目立つ一方、地域密着型塾の価値も見直されています。教育に対する親御さん・社会の期待は高まりつつ、多様な学習ニーズに応える難しさを日々痛感していました。
-事業承継やM&Aを意識したきっかけには、どのような背景があったのでしょうか。
立木様:年齢的な節目と同時に、業界再編や自塾の将来の安定と成長のために「自分だけでは限界がある」と強く感じたのが直接のきっかけです。長年支えてくれたスタッフには、より良い環境を用意したい気持ちが強くありました。
-みつきコンサルティングのサービス、担当者の印象はいかがでしたでしょうか。
立木様:特徴的だったのは、表面的な数字や条件ではなく、「経営理念」「現場で働く人の気持ち」も考慮してくれた点です。担当の野口さんは誠実なお方で最初の面談から信頼しておりまして、自分の悩みや弱音も本音で話せました。最後までいいお付き合いができたと思っております。
-M&Aプロセスの中で直面した課題や印象的な出来事があれば詳しく伺えますか。
立木様:本件お相手であるヤマノホールディングスさんとの交渉において、一旦お見送りをしてしまったことですかね。色々悩みまして、野口さんにも相談し、私の意見を尊重していただきました。ただ、ヤマノホールディングスさんはすごく魅力的なお相手と思っていましたし、傘下に入りたいとは最後まで思ってました。普通であればこれで破談かもしれませんが、ヤマノホールディングスさんからはその後も厚いご意向をいただき、野口さんにも再三交渉をつないでいただいた結果、素晴らしいご縁になることができました。改めて感謝申し上げます。
-譲渡後の現在、ご自身の心境や生活に変化はありましたか。
立木様:経営の第一線を離れたことで、気持ちが軽くなったというか、肩の荷が下りた感覚が強いです。
-これからの会社に期待することはございますか。
立木様:新体制では、若手経営者の指導にも力を入れているようです。灯学舎が新たなフェーズを迎え、スタッフや生徒がいきいきと活躍する姿を見るのが何よりの喜びです。
-今回のM&Aを通じて得た最大の学びや、心に残っている出来事があれば教えてください。
立木様:一番は、悩みぬいた上で自分で最終決断を下した瞬間ですね。「自らの意思で進めて良かった」と、振り返る今も心から思います。加えて、「経営は一人ではできない」という原点も再認識しました。家族や社員、それから野口さんと全ての方々の支えがあったからこそ、今があると感じています。
-最後に、事業承継やM&Aを考える全国の経営者や後継者候補に向けて、一言アドバイスやメッセージをお願いします。
立木様:事業承継の壁に直面したときは、信頼できる相談相手・プロの存在が大きな力になります。悩みや疑問を一人で抱え込まず、周囲を積極的に巻き込みながら「自分の意思を持つこと」を大切にしてほしいです。自分自身の納得感と、従業員・顧客・地域の幸せ、その全てを両立できる解決策は必ずあると思っております。



