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タイ進出

タイのコンサルティング会社を選び進出を成功させる手法

タイ進出

目次

タイ進出を円滑に進めるためには、信頼できるコンサルティング会社の選定が重要です。進出時の各ステップや外資規制、BOIの恩典、進出初期のトラブル回避策、会計や労務まで一貫して支援できる専門家を選ぶ比較軸を詳しく解説します。

タイへの事業進出や現地法人の設立、拠点開設を検討する際、多くの日本企業がまず直面するのが、複雑な外資規制や不慣れな行政手続です。現地ビジネスを力強く立ち上げるためには、タイのコンサルティング会社や専門家による支援が極めて有効な手段となります。この記事では、進出検討から法人設立、立ち上げまでの標準的なスケジュールや外資規制への対応を解説します。設立手続だけでなく、その後の会計、税務、労務体制の構築まで見据えた、信頼できる支援パートナーの選定手法を紹介します。

タイ進出に向けた標準的な5つのステップ

タイへの事業進出や拠点開設を円滑に進めるには、あらかじめ全体像と具体的なプロセスを把握しておく必要があります。市場調査から実際の立ち上げまで、一般的に以下の5つのステップを踏んで進めていきます。

ステップ1:進出の検討と市場調査

最初のステップは、タイ市場における自社製品やサービスの需要、競合状況を把握するための入念な市場調査です。タイは人口6000万人を超え、分厚い製造業のサプライチェーンが存在する一方、近年は外資企業の参入も相次ぎ競争が激化しています。調査段階から現地の事情に精通したパートナーに協力を依頼し、商慣習や法規制を十分に調査してビジネスモデルを構築することが欠かせません。

ステップ2:拠点の形態選定

進出形態としては、主に現地法人の設立、駐在員事務所の設置、支店の設置という3つの選択肢があります。最も一般的な手法は現地法人の設立ですが、まずは営業活動を伴わない市場調査や親会社への情報提供のみを行いたい場合には、駐在員事務所を設置することが有効な選択肢となります。それぞれのメリットや制約を考慮し、進出目的に適合した形態を選択します。

ステップ3:法人登記と設立手続

現地法人を設立する場合、民商法典に基づいて設立登記を行います。登記手続は、新会社の発起人による商号の予約から始まり、基本定款の登記、設立総会の開催、そして株式会社の最終登記という主に4つのステップを踏んで進められます。会社の規模を問わず、すべての会社に対してタイ人公認会計士による法定監査人の選任が義務付けられている点に、日本との違いがあります。

ステップ4:ライセンスとBOI申請の検討

タイでは外資規制法である外国人事業法が存在し、特定の業種について外国企業の参入を制限しています。これに対応するため、タイ投資委員会による投資奨励制度の認可を申請するか、外国人事業ライセンスを商務省に申請して取得する必要があります。特に、投資奨励制度の恩典は、外資比率の規制を免除されるだけでなく、税制面や非税制面での多くの特典を受けられるため、事前の活用検討が重要です。

ステップ5:初期運用の立ち上げ

最終登記の完了後は、初期運用のためのさまざまな手続を同時並行で進める必要があります。具体的には、法人口座の開設、本国からの資本金の送金、社会保険への登録、タイ人スタッフの採用、日本人駐在員の就労ビザおよび労働許可の取得が挙げられます。さらに、年間の売上が180万バーツに達する見込みがある場合は、付加価値税登録や歳入局のオンライン申告システムの登録も速やかに行う必要があります。

外資規制の基礎知識とBOI制度恩典

タイでビジネスを行う上で、避けて通れないのが外資規制と投資奨励制度の理解です。日本企業がタイ現地法人を設立する際の資本構成や、受けられる優遇措置について、制度の概要を説明します。

外国人事業法による外資規制の仕組み

タイの外国人事業法では、外国人や外資企業が行うことができない事業を3つのリストに分類し、合計43業種にわたって参入を規制しています。ここでの外資企業とは、外国籍の株主が保有する株式の比率が50%以上の法人を指します。特に、小売業や卸売業、さらにその他サービス業といった広範な事業が規制対象に指定されているため、日本企業が100%の独資で進出する場合には、この外資規制をどのようにクリアするかが極めて重要な課題となります。なお、小売業と卸売業は資本金1億バーツ以上であれば、原則として規制事業には該当せず、外資企業でも実施可能です。

タイ投資委員会による投資奨励恩典

外資規制への対策として最も多く利用されている手法が、タイ投資委員会から認可を取得することです。投資奨励の認可を取得すると、外資比率が50%以上の会社であっても、規制対象の業種を行うことが可能となります。さらに、活動の重要度に応じて、法人所得税の免除や機械・原材料の輸入関税免除といった税制面の恩典が受けられるほか、外国企業による土地所有の許可や、外国人労働者の受け入れ枠の優遇といった非税制面での手厚い恩典も付与されます。

BOI事業を運営する上での会計上の留意点

投資奨励の認可を受けた事業を運営する場合、会計処理において特別な配慮が必要となります。税務上、投資奨励事業による初回の売上である初回収入が得られた日を起算日として開始されるため、それまでは非投資奨励期間として区分しなければなりません。また、1つの法人で奨励事業と非奨励事業を同時に行う場合には、部門会計を導入してそれぞれの損益を明確に分け、決算書や法人税申告書において明確に区分して申告する必要があります。

進出初期に直面しやすいトラブルと具体的な回避策

新規進出の現場では、現地の商慣習や規制の違いから、思わぬトラブルに遭遇することが多々あります。支援現場でよく見られる典型的な3つのトラブルと、その回避策を示します。

タイ側パートナーとの出資比率に関するトラブル

外資規制の対象となる事業を行うため、自己資本100%ではなく、現地のタイ人パートナーから51%の出資を受けて内資法人として会社を設立する手法がとられるケースがあります。しかし、設立後にパートナーと経営方針で揉めてしまい、事業が頓挫する事態が多発しています。回避策として、ジョイントベンチャー契約書を締結し、特に対立が発生した場合の意思決定に関するデッドロック条項を綿密に作成しておくことが重要です。

日本人駐在員のビザや労働許可の取得遅延

タイで一般的な法人が日本人1名に対して就労ビザを申請・延長する場合、原則として200万バーツの資本金、4名のタイ人従業員の雇用と、社会保険の加入実績が求められます。この申請手続の際、タイ人を3ヶ月間雇用した実績を示す給与の源泉税申告書の提出が要求されるため、法人設立後にスムーズに日本人駐在員を配置できず、立ち上げ期に業務が滞るトラブルが起こります。あらかじめ現地の採用活動を法人設立前から開始して、設立後すぐに雇用できる体制を整えておく必要があります。

オフィス契約や登記に必要なオーナー書類の不備

知り合いのタイ人が保有する一戸建てを安く借りてオフィスとする予定が、法人登記の手続に必要な土地局などの書類をオーナーが準備できず、設立が大幅に遅れる事例があります。また、オフィスの又借りで大元のオーナーの承諾が取れておらず、後日問題になるケースも見られます。会社設立に際しては、登記手続の知識や必要書類の準備に慣れている実績のあるレンタルオフィスや、正規のオフィスビルを借りることが確実なトラブル回避策となります。

タイにおけるコンサルティング会社の主要な3つの分類

現地での事業展開を成功させるためには、自社の進出段階や目的に合わせて適切な支援機関を選ぶ必要があります。タイに存在する主要なコンサルティング会社は、その専門性や強みに応じて大きく以下の3つのカテゴリーに分類されます。

法務・税務・バックオフィスに強みを持つ会社

タイ特有の外資規制や頻繁に変わる複雑な法規制への対応、さらに日々のバックオフィス実務に強みを持つ会社です。法人設立の登記や各種ライセンスの取得、ビザや労働許可の迅速な申請サポートを行います。さらに、進出後の会計、税務申告、給与計算、社会保険手続といった継続的な実務を代行し、法令遵守を重視した安定的な運営を強力に支える点が特徴です。

戦略・マーケティング・現地化に強みを持つ会社

タイ現地での売上を最大化し、市場での競争優位性を構築するための戦略系ファームです。現地の市場調査や参入戦略の立案から、タイ人営業スタッフの組織改革、製造現場における生産性向上やスマートファクトリー化の推進にいたるまで、ハンズオン(伴走型)で実務の支援を行います。現地組織の自律化や、営業力強化を主目的とする場合に適しています。

大手シンクタンク・グローバルファーム

大規模な市場調査や、ASEAN全域、あるいはメコン経済圏全体を見据えた大規模なクロスボーダーの事業再編に適しています。グローバルなネットワークを活用し、大規模なM&A(企業の合併・買収)や、グループ企業全体のガバナンス強化、大規模なプロジェクト管理を強力に支援します。高度な専門性と網羅的なデータ力を用いて、中長期的な資本戦略を立案する際に有効です。

タイのコンサルティング会社を選定する際の3つの比較軸

タイ進出を強力にバックアップしてもらうパートナーを探す際、単に設立手続の代行だけでなく、その後の実務運営まで見据えた選定が必要です。選定に失敗しないための3つの基準を提示します。

比較軸1:手続代行だけでなく進出後の会計や労務まで一貫対応できるか

多くの企業で起こりがちな失敗が、会社設立の手続だけを安価に代行する業者に依頼し、設立完了後にその後の月次会計や税務申告、給与計算、労務などの相談ができずに困るケースです。タイでは、設立手続以上に進出後の継続的なバックオフィス体制の構築が困難を極めます。会社設立の登記だけでなく、毎月の源泉税や付加価値税の申告、給与計算、社会保険、さらには年度末の会計監査まで一貫してシームレスに対応できる会社を選択することが重要です。

比較軸2:タイの厳しい税務調査や損金不算入のルールに精通しているか

タイの税法は、日本と比較して税務上の損金に算入するための書類要件や基準が非常に厳しい特徴があります。受領者の身元が証明できない簡易な領収書による支払や、会計上の見積による各種の引当金、限度額を超える交際費、さらに月額3万6000バーツを超える乗用車のリース料などはすべて損金不算入経費として課税所得に加算され、余分な法人税を支払うことになります。これらを正しく仕訳し、事前に指導できるアドバイザーが必要です。

比較軸3:日本人専門家によるシームレスなコミュニケーションが可能か

タイの行政手続や税務、労働法の解釈は、法改正が頻繁に行われるだけでなく、現場の担当官によって運用や判断が異なる事例が数多く見られます。現地のタイ人スタッフから「タイの慣行だから仕方がない」と説明された内容が、本当に正しい判断に基づいているのか、日本人駐在員だけで見極めることは容易ではありません。最新の法令や実務を正確に把握し、タイ人への的確な指示や日本本社への説明を日本語で支援できる体制が基準となります。

タイのコンサルティング会社や専門家に関するFAQ

タイ進出時によく寄せられる代表的な疑問について、実務的な観点から結論とポイントを分かりやすく回答します。

Q1:タイ進出を決定してから立ち上げまでの標準的なスケジュールは?

タイでの会社設立登記自体は、必要書類がすべてスムーズに揃えば1ヶ月程度で完了します。ただし、事前にBOIの投資奨励申請を行う場合は、事前の担当官との面談や審査、承認までに通常6ヶ月程を要するため、全体的な立ち上げスケジュールとして余裕を持った計画を組んでおく必要があります。設立登記と並行して銀行口座の開設準備や採用活動を進めることが、早期の立ち上げに繋がります。

Q2:タイ進出時にコンサルティング会社へ依頼できる支援範囲は?

進出前の市場調査やビジネスモデルの構築から、法人の設立登記、駐在員事務所の開設手続、BOIの投資奨励申請、日本人のビザや労働許可の取得代行までを幅広く依頼することができます。さらに、会計事務所を兼ねている会社であれば、進出後の日々の記帳代行、給与計算、社会保険手続、毎月の源泉税や付加価値税の申告、そして年度末の決算報告や監査対応まで、バックオフィス業務のすべてをカバーする一体型支援を依頼することが可能です。

Q3:タイ進出の初期費用や登記にかかる手数料の目安は?

タイ商務省の規定により、会社設立登記の登録手数料は5,000バーツ、基本定款の登記手数料は一律500バーツとなっています。手続きを代行業者に依頼する場合は別途代行手数料がかかります。日本人の就労許可を取得する場合は最低200万バーツ以上の資本金が必要となるほか、オフィスの契約金や専門家への手続代行費用などの初期費用をあらかじめ見込んでおく必要があります。

まとめ

タイでの事業構築を成功に導くためには、最初の拠点選定や登記手続だけでなく、進出後の会計、税務、労務体制までを一貫して見据えた準備が極めて重要です。外資規制やビザ取得、厳しい税務ルールといった特有の課題に対しては、初期段階から高い専門性と実務実績を有する現地の専門家を巻き込むことが、失敗しない進出への最大の近道となります。

タイ・バンコクの日系会計事務所であるみつきアカウンティング(みつきタイ)は、タイ現地法人の設立や投資奨励の申請手続はもちろん、進出後の記帳代行、給与計算、労務管理、月次の税務申告から管理体制の構築にいたるまで、一体型のワンストップサービスを提供しています。タイの事業計画策定やバックオフィス体制の構築でお悩みの際は、お気軽に無料相談フォームよりお問い合わせください。