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タイ進出

タイの日系会計事務所の失敗しない選び方と業務委託の注意点

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目次

タイで日系会計事務所を選ぶ比較ポイントや注意点を、タイ・バンコクの日系会計事務所であるみつきアカウンティング(みつきタイ)が解説します。ローカル事務所との違いや業務委託時のトラブル回避策がよくわかります。

タイに新規進出する中堅・中小企業の経営者や、現地法人の日本人責任者にとって、信頼できる会計事務所の選定は現地での事業の成否を分ける極めて重要な課題です。タイでは会社の規模を問わずすべての法人に公認会計士(CPA)による法定監査が義務付けられているほか、会計や税務、労務手続が日本と大きく異なるため、専門家のサポートが欠かせません。日本語対応の有無だけでなく、実務対応力や日本本社への報告体制、税務リスクへの深い理解を備えた日系会計事務所を選ぶことが、将来のトラブルを未然に防ぎ、健全な会社運営を実現する鍵となります。

タイで日系会計事務所に業務委託するメリット

タイで会社を設立した際、まず直面するのが会計や税務に関する法令対応の難しさです。タイ独自の商慣習や厳格な税務要件をクリアしつつ、円滑な会社経営を維持するためには、言葉の壁を越えた専門的なサポートが不可欠となります。これらをクリアするための具体的なメリットは主に3つ存在します。

日本語による意思疎通と日本本社への報告体制の確保

タイ現地法人の経営管理を任される日本人責任者にとって、現地の経理スタッフとのタイ語や英語でのやり取りは簡単ではありません。日系会計事務所を活用することで、すべての会計処理や税務状況について日本語で説明を受けることが可能になり、経営上の正しい意思決定を迅速に行うことができます。また、日本の税理士法人や会計士が関与している事務所であれば、日本本社が求める連結決算用のレポーティング業務や、日本側が求めるフォーマットに沿った決算書の報告にもスムーズに対応してくれます。これにより、現地と本社の間の情報伝達の断絶や不要なミスコミュニケーションを防ぎ、グループ全体のガバナンス体制を強化することができます。

タイ独自の複雑な税務ルールや法改正への対応力

タイの税務事情は、付加価値税(VAT)や源泉所得税の月次申告義務、中間申告制度など、日本とは異なる複雑な構造を有しています。たとえば、法人の年間推定所得を予測して納税する中間申告(書式PND51)では、実際の着地利益との差異が25%以上あると、延滞税などのペナルティが科されるルールが適用されるため、厳密な計画策定が求められます。さらに、2024年1月からはタイ国内居住者の国外源泉所得に対する課税解釈が変更され、タイ国内に持ち込んだ年を問わず個人所得税の対象となるなど、税制の解釈変更が頻繁に行われます。最新の税制改正を正確にキャッチアップし、適切なタックスプランニングを提示してくれる対応力は、日系会計事務所を利用する大きなメリットです。

ビザや労働許可の手続における入国管理局対応の円滑化

日本人がタイ現地に駐在して合法的に活動するためには、ノン・イミグラントビザBおよび労働許可証(ワークパーミット)の取得が義務付けられています。これらの新規申請や毎年の更新手続を認可されるためには、タイ入国管理局や労働局が定める条件を満たす必要があります。具体的には、日本人1名に対して4名のタイ人正社員の雇用と社会保険の加入および200万バーツの資本金が必要であり、かつそのタイ人従業員の給与が最低賃金以上で申告されていること、事業や財政状況が健全であるかなど総合的に審査されます。これらの条件を満たす会計手続を滞りなく行い、申請に必要な資料を漏れなく揃えて入国管理局と円滑に交渉できる体制は、現地法人の運営において大きな安心感をもたらします。

現地ローカル会計事務所とのサービス内容やサポート費用の比較

サポート費用の安さだけで委託先を決めてしまうと、後に重大なトラブルに発展することがあります。現地スタッフのみで運営されているローカルの会計事務所と、日本人プロフェッショナルが関与する日系会計事務所では、サービス内容や実務対応の柔軟性に明らかな違いがあります。

毎月のサポート費用と対応可能業務の範囲の違い

タイ現地には多数のローカル会計事務所が存在し、その多くは月次の記帳代行を安価な費用で提供しています。しかし、その安さには対応業務の範囲が狭いという背景があります。ローカル事務所の場合、基本的には提出された領収書などの書類をそのまま記録するだけのデータ入力作業に留まることが多く、会社の経営状況を分析したり、税務リスクを事前に指摘したりする高度なコンサルティングは期待できません。これに対し、日系会計事務所では、記帳や決算の代行に加えて、毎月の試算表の説明や将来の事業予測のサポート、給与計算、社会保険手続まで、現地法人の運営に必要な業務を幅広くワンストップでカバーしてくれます。

日本人プロフェッショナルの常駐有無による安心感の差

ローカル会計事務所の多くは日本人の有資格者が常駐しておらず、窓口のタイ人スタッフが簡単な日本語や英語でやり取りを行う形態が一般的です。この体制では、会計や税務に関する複雑な論点が生じた際に、専門用語を交えた正確な意思決定を行うことが困難になります。日本の公認会計士や税理士、タイ税務に精通した専門家が現地に常駐している日系会計事務所であれば、法律や規則の原文を参照した上で、自社に該当するかどうかの的確な判断を下してくれます。経営者が抱える不確実性を排除し、安心して本業に集中するためには、専門資格を持つ日本人が直接相談に乗ってくれる体制の有無が決定的な違いとなります。

ローカル事務所における納期遅延やコミュニケーション齟齬の対策

タイでは、すべての会社に対して法定監査や期日通りの税務申告が求められますが、現地スタッフのみのローカル事務所では、期末の決算処理が遅れ、監査報告書の受領や確定申告が法定期日に間に合わないという問題が発生する可能性があります。また、税務の観点から問題となりやすい取引(たとえば売上原価が売上を上回る赤字取引など)を事前に検知して軌道修正を促してくれることもありません。日系会計事務所では、日本人の時間管理に対する厳格さや日本的なビジネス慣習を理解した上でスケジュールを徹底管理するため、提出期日に遅れることなく監査を完了させ、申告遅延による罰金や延滞税の発生リスクを最小限に抑えることができます。

以下は、一般的な日系会計事務所とローカル会計事務所の主な特徴を比較したものです。

比較軸日系会計事務所ローカル会計事務所
日本語サポート日本人の有資格者や専門窓口が対応なし、または一部のタイ人が簡易対応
主な業務範囲記帳、税務申告、給与計算、各種手続記帳、税務申告等のデータ入力に限定
本社報告体制日本本社への連結決算や報告業務に対応英語またはタイ語の試算表提出のみ
スケジュール管理日本のビジネス慣習に沿って厳格に管理現地スタッフの優先順位に依存
サポート費用相対的に高い安価な設定が多い

タイでの会計・税務・労務の委託業務範囲を明確化する重要性

日系会計事務所にどこまで業務を任せるべきか、その境界線を明確にすることは円滑な現地運営に欠かせません。タイでは会計、税務、さらには給与計算や社会保険などの労務分野が密接に関連しているため、自社で対応する範囲と会計事務所に委託する範囲をあらかじめ明確にしておく必要があります。

記帳代行から決算、申告、給与計算までのワンストップ対応

現地法人立ち上げの初期段階など、社内に十分な知識を持つ経理人材をフルタイムで雇用することが困難な場合、記帳代行から税務申告、給与計算、社会保険手続までを一括して外部の日系会計事務所に委託することが実務上の選択肢となります。これにより、退職による業務のブラックボックス化や属人化を避けることができます。会社が成長して一部の業務を内製化する段階に移行する場合でも、会計事務所と自社の経理スタッフの間で、誰がいつまでに何の書類を準備し、誰が税務申告書を作成するのかという業務分掌を明確にし、密にコミュニケーションを取ることで、業務の漏れをなくすことができます。

税務調査に耐えうる決算書と領収書の書類要件管理

タイの税務当局である歳入局の税務調査官は強い権限を持っており、税務調査にあたって提示された領収書や請求書に不備があると、損金不算入として経費処理を否認され、追徴課税を科されることがあります。たとえば、交際費には損金算入の限度額が「総売上高か資本金のいずれか大きい額の0.3%(かつ最大1,000万バーツ)」と規定されています。また、取引先の情報が不鮮明な簡易領収書や、月額3万6,000バーツを超える乗用車のリース料、100万バーツを超える購入車両の減価償却費なども損金不算入経費として厳しくチェックされます。日系会計事務所に委託する際には、毎月の支払いで受領したTax Invoice(タックスインボイス)の記載要件に不備がないか、社内処理が税法に沿っているかを日常的にレビューしてもらう体制を構築することが重要です。

会計責任者(CPD)の資格選任と会計事務所変更の留意点

タイの会計法に基づき、すべての法人には自社の決算書に責任を持つ会計記録責任者(CPD)を選任する義務があります。このCPDの資格を取得するためには、タイの会計学に関する学位やタイの会計士連盟(FAP)への登録が必要となるため、社内に有資格者をアサインできない場合は、委託先である日系会計事務所のCPDライセンスを使用しておこなうのが一般的です。もし現在の会計事務所に不満があり委託先を変更する場合は、旧事務所からのデータ引き継ぎや、CPDの変更登録手続きを円滑に行うために、決算期前のスケジュールに余裕を持った時期に移管手続を開始する必要があります。

タイの日系会計事務所選びで失敗しないための選定チェックリスト

実際に自社に最適な日系会計事務所を見極めるためには、いくつかの具体的な評価基準が必要です。現地法人の状況や業種、日本本社との関係性に応じて、以下のチェックポイントを事前に確認することで、ミスマッチのない選定を行うことができます。

日本側に直結する連携拠点や有資格者の常駐体制

選定における最大の確認事項は、相談を直接受けてくれる日本人の専門家が現地に常駐しているか、そして日本の親会社側とも連携できる直結した拠点があるかという点です。日本の税理士法人グループに直結している事務所や、日本の有資格者がアドバイザーとして在籍している事務所であれば、日本本社側の監査対応や連結財務データ作成に関する調整をすべて日本語でスムーズに進めることができます。単に現地スタッフの仲介として日本語を話すだけの窓口がいる事務所ではなく、会計や税務の専門知見に基づいた高度な判断を下せるプロフェッショナルが在籍しているかを確認することが重要です。

製造業への理解度と投資奨励措置(BOI)の税務知見

進出する企業が製造業などで、タイ投資委員会(BOI)の優遇措置(法人税免除など)を受けている場合、あるいはタイ工業団地公社(IEAT)が管轄する工業団地に入居している場合は、これらの優遇制度を正確に処理できる高度な税務知識を持った事務所を選ぶ必要があります。BOI認可会社は、免税対象となるBOI事業と、対象外の非BOI事業に区分して部門別会計を行う必要があり、税務申告書上でも明確に区分しなければなりません。さらに、仕入VATが売上VATを上回る還付ポジションになる場合は、還付手続に伴って発生する歳入局の厳しい税務調査に備えるノウハウを持っているかどうかも、重要な選定基準となります。

トラブルを未然に防ぐ具体的なコミュニケーション方法

タイでの会社運営における問題の多くは、言語の違いや認識のギャップから生じるコミュニケーション不足に起因しています。相談した内容に対するレスポンスの速さや、難しい税務ルールを日本人でも理解できるよう説明してくれる姿勢があるかを確認しましょう。また、すべてを会計事務所に任せっきりにするのではなく、日本人責任者自身が月次の実績数値や損金不算入経費の推移に関心を持ち、疑問が生じた都度、会計事務所の担当者と積極的にコミュニケーションをとる姿勢を持つことが、将来発生する可能性のある問題を未然に防ぐための解決策となります。

タイの会計事務所選びに関するFAQ

タイでの事業展開を進める中で、多くの経営者や管理者が抱きやすい疑問をまとめました。委託先を決定する際、あるいは現在の委託体制を見直す際の参考材料としてお役立てください。

Q1:タイで日系会計事務所を選ぶ際の失敗しない比較ポイントは何ですか?

選定にあたっては、日本人の専門家(公認会計士や税理士など)が現地に常駐しているかどうかを確認することが重要です。また、日本本社との連携が必要な場合には、日本側に直結する拠点がある事務所を選ぶことで、日本本社の連結決算や報告業務への対応がスムーズに行えるかどうかも比較のポイントとなります。

Q2:ローカル事務所と日系会計事務所の費用や支援範囲の違いは何ですか?

ローカル事務所は月次のサポート費用が安価な傾向にありますが、対応可能業務はデータ入力の記帳代行に留まることが一般的です。これに対して日系会計事務所は、記帳から決算、各種税務申告、さらには給与計算やビザ、労働許可の更新、現地で発生する細かな税務・会計のコンサルティングまで、ワンストップでカバーしてくれる範囲の広さが異なります。

Q3:会社設立から毎月の会計、税務、給与計算までワンストップで委託できますか?

多くの主要な日系会計事務所では、タイ現地法人の設立やタイ投資委員会(BOI)の優遇措置の申請から、毎月の記帳代行、源泉税や付加価値税(VAT)の申告、現地の従業員の給与計算、社会保険の手続までを、ワンストップでサポートしてもらうことができます。立ち上げ初期から本業に注力するための環境を整えることができます。

まとめ

タイにおける日系会計事務所の選定は、現地法人の会計や税務を適正に管理するだけでなく、日本人が合法的に滞在し、日本本社と緊密に連携しながら健全に会社を運営していくための生命線となります。タイ独自の複雑な税制や入国管理局の厳しい条件をクリアするためには、ローカル事務所の価格の安さにとらわれず、日本人専門家が関与する日系会計事務所の強みを活用することが、現地での事業を成功させるための近道です。

タイ・バンコクの日系会計事務所であるみつきアカウンティング(みつきタイ)は、日本人公認会計士や経験豊富な専門スタッフが常駐し、日本本社への報告業務まで配慮した高品質な会計、税務、給与計算サポートをワンストップで提供しています。タイ進出に伴う会計・税務体制の構築や現在の会計委託内容・費用の見直し、決算遅延、コミュニケーション不全などでお悩みの方は、お気軽に無料相談フォームよりお問い合わせください。