タイで2020年から導入された土地建物税について、その仕組みや税率、支払い期限、遅延時のペナルティなどを詳しく解説します。不動産所有者の方々に知っておいていただきたい重要な情報です。
目次
タイの土地建物税とは
タイで2020年から施行された土地建物税は、日本の固定資産税に相当する新しい税制です。この税制の導入により、タイの不動産所有者は新たな納税義務を負うことになりました。
従来の土地家屋税との違い
従来のタイには固定資産税の概念がなく、代わりに土地家屋税が存在していました。土地家屋税は、資産の年間賃貸額または評価額を課税標準として、年12.5%の税額が徴収されていました。この制度は廃止され、2020年に新たに土地建物税が導入されました。
土地建物税の概要
土地建物税は、不動産所有者が必ず支払わなければならない税金です。日本の固定資産税と同様に、土地や建物の所有者に対して課税されます。
課税対象と税率
土地建物税の課税対象は、タイ国内の土地と建物で、下記のような区分に分けて税率が設定されています。
- 居住用不動産
- 商業用不動産
- 農地
- 未使用の土地
それぞれの区分に応じて、異なる税率が適用されます。
2020年度、2021年度の特別措置
新型コロナウイルスの影響を考慮し、2020年と2021年は特別措置が取られ、負担軽減策として90%の軽減措置が実施されていました。
支払いに関する注意点
土地建物税の支払いについては、いくつかの重要な点があります。不動産所有者は、これらの点に十分注意を払う必要があります。
支払い期限と方法
毎年2月までに納税が必要な個人または法人に通知書が送付され、4月までに納付を完了する必要があります。
納付場所は税務署ではなく、行政組織や市役所などで納付をすることになります。
納税が遅れた場合、罰金と延滞税が課されます。罰金は最高40%と高額になりますので、期限内に支払いが完了されるように注意していくことが大切です。
不動産所有者への影響
土地建物税の導入は、タイで不動産を所有する個人および企業に大きな影響を与えます。
個人所有者への影響
個人の不動産所有者にとって、土地建物税の導入は新たな経済的負担となります。特に以下の点に注意が必要です:
- 毎年の納税義務:これまで固定資産税がなかったタイにおいて、毎年の納税が新たな義務となります。
- 資産評価の重要性:税額は物件評価額に基づくため、適正な評価を受けることが重要です。
- 納税計画:年間の支出計画に土地建物税を組み込む必要があります。
- 遅延ペナルティの回避:支払い期限を守り、高額なペナルティを避けることが重要です。
企業所有者への影響
企業の不動産所有者にとっても、土地建物税は重要な考慮事項となります:
- コスト増加:保有する不動産に対する新たな税負担が発生します。
- 財務計画への影響:年間予算に土地建物税を組み込む必要があります。
- 不動産戦略の見直し:税負担を考慮した不動産投資戦略の再検討が必要になる可能性があります。
- コンプライアンス:適切な納税手続を行うための体制整備が求められます。
企業は、これらの影響を十分に考慮し、適切な対応を取ることが重要です。
まとめ
タイの土地建物税は、2020年から施行された新しい税制です。不動産所有者にとっては新たな納税義務となりますが、2020年度、2021年度は新型コロナウイルスの影響を考慮して90%の減税措置が取られています。支払い期限や遅延時のペナルティに注意し、適切に納税することが重要です。個人、企業ともに、この新税制による影響を理解し、適切な対応を取ることが求められます。
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