2024.09.02
タイ|所得税の配偶者・子供控除と別居家族・無所得者の適用条件
(日本語) タイの所得税制度において、配偶者や子供に対する控除を受けるためには、別居家族や無所得者に関する適用条件を理解しておく必要があります。本記事では、タイで働く駐在員が知っておくべき、配偶者・子供控除の概要と、別居家族や無所得者への適用可否についてわかりやすく解説します。 タイへの新規進出を無料相談する> タイの所得税における配偶者・子供控除の概要 タイの所得税制度では、本人控除に加えて、家族構成によって配偶者や子供に対する扶養控除が適用されることがあります。ここでは、控除額と適用対象、そして税務調査時に必要となる書類について解説します。 控除額と適用対象 タイで働く駐在員が受けられる控除額は、以下の通りです。 費用控除所得の50%と100,000バーツのいずれか小さい方 本人控除60,000バーツ 配偶者控除60,000バーツ 子供控除30,000バーツ/人(人数に制限なし、未成年または25歳以下の学生が対象) 2018年以降に出生した第二子以降60,000バーツ/人 生命保険料控除:最高10万バーツ スーパー・セービング・ファンド(SSF)積立金控除:課税所得の30%、上限20万バーツ 退職投資信託(RMF)控除:課税所得の30%、上限50万バーツ これらの控除を受けるためには、一定の条件を満たす必要があります。 税務調査時の必要書類 税務調査が行われた際には、家族控除の証明として、戸籍謄本を証明書として提出するよう求められる可能性があります。この手続は、日本の市区町村から戸籍謄本を取得し、タイの日本大使館で英訳を行い、必要に応じて確定申告時に提出します。日本大使館での「戸籍記載事項証明(英文)」の手続詳細は、大使館のウェブサイトで確認することができます。 その他控除を適用している場合は各証明書を事前に用意しておく必要があります。 税務調査に備えて、事前に必要書類を準備しておくことが重要です。 別居家族に対する扶養控除の適用条件 タイへ単身赴任している方が、日本に配偶者や子供を残している場合でも、一定の条件を満たせば、扶養控除を適用できます。ここでは、単身赴任者の居住者認定と扶養者の所得について説明します。 単身赴任者の居住者認定と扶養者の所得 別居家族に対する扶養控除の適用要件は、主に以下の2点に関連します。 単身赴任者の居住者認定(180日以上のタイ滞在) 扶養者の所得がゼロであること 単身赴任者がタイに180日以上滞在し、タイ居住者と認定される場合で、扶養者の所得がゼロであれば、扶養控除を適用できます。しかし、単身赴任者が180日未満でタイ非居住者と認定される場合は、日本にいる扶養者に対して扶養控除を適用することはできません。 別居家族に対する扶養控除の適用には、これらの条件を満たすことが必要不可欠です。 無所得の扶養家族に対する適用条件と注意点 扶養控除は、家族が無所得の場合に限り適用されます。ここでは、確定申告時の注意点と税務調査の際に必要となる書類について説明します。 確定申告の際には、所得や扶養に関する証明書類を添付する必要はありませんが、税務調査の際には以下の点に留意が必要です。 所得がないことを証明する書類が必要になることがある 税務調査の際に戸籍謄本を求められることがあるため、事前に日本で戸籍謄本を取得し、大使館で英語に翻訳しておく必要がある 無所得の配偶者や子供に対して扶養控除を適用することは可能ですが、上記の注意点に留意しながら適切な準備を行うことが重要です。 2024年度のショッピング控除 2024年度には、消費喚起を目的とした最大5万バーツのショッピング控除が内閣に承認されました。ここでは、控除の概要と適用方法について説明します。 控除の概要 この控除を受けるには、2024年1月1日から2月15日までに購入した物品のE-Tax Invoice/ReceiptまたはE-Receiptの取得が必要であり、対象の物品購入額に対して個人所得税の減額が可能です。申告時期は2025年3月末となっています。 ショッピング控除を活用することで、個人の税負担を軽減することができます。 給与算定サービスでの適用方法 ショッピング控除を適用する場合、月次の所得税計算にて反映するか、年度の確定申告にて還付申請をするかの2通りの方法があります。月次で反映させる場合は、E-Tax InvoiceまたはE-Receiptのデータをまとめて経理や会計事務所に送付して対応を依頼する必要があります。 会計事務所に依頼している場合は、給与算定サービスを利用することで、ショッピング控除の適用がスムーズに行えます。 確定申告時の控除方法 2024年分の確定申告時(2025年3月末)に還付申請も可能ですが、税務署から対象のTax Invoice等の提出を求められることがあるため、月次給与での適用をお勧めします。 確定申告時の控除方法は、税務署の要求に応じて適切に対応する必要があります。 タイの日系会計事務所/コンサルティング会社はコチラ> まとめ タイの所得税制度における配偶者・子供控除は、別居家族や無所得者に対しても一定の条件下で適用可能です。適用条件や必要書類を理解し、適切な準備を行うことが重要です。また、2024年度のショッピング控除を活用することで、個人所得税の減額が可能となります。 みつきタイでは、新規進出から会計税務、労務、M&Aまでを一気通貫で対応できます。必要に応じて東京本社(みつき税理士法人)と連携し、バンコクに常駐するCPAがお客様の悩みや課題に耳を傾け、最適な解決策をご提案しております。まずはお気軽に無料相談フォームよりお問い合わせください。