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タイ|税務申告書の種類・申告納税スケジュール・日本との比較

(日本語)

法人所得税および監査に関連する書類

タイでの法人所得税や各種税務申告に関する主な書類には、以下のようなものがあります。これらの書類は、自社経理で完結している場合を除いて会計事務所が作成することが一般的です。

法人所得税関連

PND50 (PHOR. NGOR. DOR. 50)

PND50は、法人所得税の決算申告に用いるフォームです。法人税の決算申告は、決算期末後150日以内に税務署に対して行わなければなりません。

PND51 (PHOR. NGOR. DOR. 51)

PND51は、法人所得税の中間申告に用いるフォームです。法人税の中間申告は、半期末後2ヶ月以内に税務署に対して行わなければなりません。

商務省へ提出すべき書類

SBC3 (SOR. BOR. CHOR. 3)

SBC3は、財務諸表提出の際のカバーレターに相当するフォームです。会社の名称や住所、登記番号、納税番号、監査人およびその登録番号などが記載されています。

SBC3/1 (SOR. BOR. CHOR. 3/1)

外国人が発行株式の1%以上を保有している場合に、SBC3とともに提出しなければならない書類です。SBC3/1は、最終的にタイの中央銀行に送付され、株主の名称や持株数、海外への投資の状況などを記載する必要があります。

BOJ5 (BOR. OR. JOR. 5)

BOJ5は、株主リストを表すフォームです。決算日後4ヶ月以内に開催される定時株主総会(AGM)の開催後、14日以内に提出しなければなりません。

個人所得税に関する書類

タイでの個人所得税に関する主要な書類には、以下のようなものがあります。日本人駐在員の方は、これらの申告書を自ら作成することはほぼありませんが、個人所得については関わることもありますので、申告フォームやその内容についてある程度把握しておいた方が良いでしょう。

個人所得税関連

PND1 (PHOR. NGOR. DOR. 1)

PND1は、会社が毎月の給与から徴収する源泉所得税の申告書のフォームです。給与が支払われた月の翌月7日までに申告・納税する必要があります。

PND1 KOR (PHOR. NGOR. DOR. 1 KOR)

PND1 KORは、前年度に会社から従業員に支払われた給与額とその源泉徴収額の要約です。当年度の2月末までに税務署に対して、源泉徴収証明書と合わせて提出する必要があります。

PND91 (PHOR. NGOR. DOR. 91 KOR)

PND91は、給与所得のみの個人が、個人所得税の確定申告を行う場合に用いるフォームです。課税年度の翌年の3月末までに税務署に提出する必要があります。

個人所得税に関連したその他のフォーム

LOR. POR. 10

LOR. POR. 10は、日本人などの外国人が個人所得税の納税番号を取得するための申請フォームです。

LOR. YOR. 01

LOR. YOR. 01は、個人所得税を計算する際に各種の控除を受けるために会社に申請するための書式です。

SOR. POR. SOR. 1-10

SOR. POR. SOR. 1-10は、給与から源泉徴収される社会保険料の申告フォームです。給与が支払われた月の翌月15日までに社会保険事務所に申告・納税する必要があります。

毎月の申告及び納税のスケジュール

タイでは毎月の申告および納税のスケジュールが決められており、それぞれの期限に基づいて適切に手続きを行う必要があります。

毎月7日までに申告・納税が必要なもの

毎月7日までに申告および納税が必要なものには、以下が含まれます:

P.N.D.1:個人(給与所得)源泉徴収税

P.N.D.2:個人(投資等所得)源泉徴収税

P.N.D.3:個人(賃料等所得)源泉徴収税

P.N.D.53:法人の国内源泉徴収税

P.N.D.54:法人の海外送金に対する源泉徴収税

毎月15日までに申告・納税が必要なもの

毎月15日までに申告および納税が必要なものには、以下が含まれます:

P.P.30:付加価値税(VAT)

P.P.36:付加価値税(VAT)(*海外サービスに対する支払)

P.T.40:特定事業税

年次および半期の申告・納税のスケジュール

タイでは年次および半期ごとの申告および納税のスケジュールも決められています。

翌年2月末までに申告・納税が必要なもの

翌年2月末までに申告および納税が必要なものには、以下が含まれます:

P.N.D.1K:個人所得(給与)の年次源泉徴収申告

翌年3月末までに申告・納税が必要なもの

翌年3月末までに申告および納税が必要なものには、以下が含まれます:

P.N.D.91:個人所得の確定申告

決算日以降150日以内に申告・納税が必要なもの

決算日以降150日以内に申告および納税が必要なものには、以下が含まれます:

P.N.D.50:年次法人所得税の申告

半期決算日以降2ヶ月以内に申告・納税が必要なもの

半期決算日以降2ヶ月以内に申告および納税が必要なものには、以下が含まれます:

P.N.D.51:半期見込法人所得税

日本とタイの税務申告書の比較

日本とタイの税務申告書には、それぞれ独自の特徴があります。ここでは、日本の法人税申告書とタイの法人税年次申告書(PND50)の比較を行います。

日本の法人税申告書

日本の法人税申告書別表4の記載項目について、加算および減算の調整が行われます。具体的な項目としては、法人税、特別法人税、道府県民税、資産評価益、受取配当金、役員給与の損金不算入額などが含まれます。

タイの法人税年次申告書(PND50)

タイの法人税年次申告書(PND50)でも同様に、加算および減算の調整が行われます。具体的な項目としては、交際費、引当金、損金不算入費用などが含まれます。これらの項目については、日本と同様の調整が必要です。

日本と違い、タイでは損金不算入費用の勘定科目を設けて月次で計上していきます。タイ人の経理担当者は税務問題になることを嫌う傾向があり、判断に迷うものは担当者の判断で損金不算入費用として計上することがあるため、日本人が内容をチェックすることが大切になります。

まとめ

タイの税務申告書には、日本の税務申告書と共通する点が多くありますが、特有のルールや手続も存在します。正確な申告と納税を行うためには、それぞれの違いを理解しておくことが重要です。

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