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会計税務

タイ|賞与引当金の会計・税務処理を徹底解説

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タイで事業を展開する日本企業向けに、賞与引当金の会計処理と税務上の取り扱いについて解説します。年度内支給と翌年度支給の違い、決算時の対応策、監査時のポイントなど、実務に役立つ情報をお届けします。

タイにおける賞与引当金の基本的な扱い

タイで事業を展開する日本企業にとって、賞与引当金の扱いは重要な会計・税務上の課題です。日本とタイでは処理方法が異なる点があるため、適切な対応が求められます。

タイでは、賞与引当金を含む各種引当金の取り扱いについて、以下のような基本的なルールがあります:

・賞与引当金は、会計上は費用計上可能ですが、税務上は原則として実際に支払った時点で損金処理が可能です。

・引当金を計上した時点では、税務上損金に含まれないため、税務申告時に調整が必要になります。

・タイでは、毎月一定額をPL上に費用計上することが可能で、賞与支給月に一括でPLインパクトが出ないような処理が行えます。

これらの基本的な扱いを理解した上で、具体的な計上方法や税務上の取り扱いについて見ていきましょう。

年度内支給と翌年度支給の賞与引当金計上方法

賞与の支給時期によって、賞与引当金の計上方法や税務上の取り扱いが異なります。年度内支給と翌年度支給のそれぞれのケースについて詳しく説明します。

1.年度内支給の場合:

 ・計上済みの引当金を取り崩します。

 ・確定額で支給を行います。

 ・税務上の問題は通常発生しません。

2.翌年度支給の場合:

  ・決算時に確定額として計上できれば、税務上問題ありません。

  ・ただし、決算時までに金額が確定しない場合は注意が必要です。

翌年度支給の場合でも、決算時に金額を確定させることができれば、税務上の問題を回避できます。しかし、金額が未確定の場合は、次の項目で説明する税務上の影響に注意が必要です。

決算時の金額確定状況による税務上の影響

決算時の賞与金額の確定状況は、税務上の取り扱いに大きな影響を与えます。以下のケースごとに、その影響と対応策を見ていきましょう。

1.金額が確定している場合:

  ・確定額を未払金として計上します。

  ・税務上の費用として認められ、損金算入が可能です。

2.金額が未確定の場合:

  ・引当金のまま計上することになります。

  ・未確定額であるため、税務上の費用として認められません。

  ・損金不算入経費として扱われます。

金額が未確定の場合、税務上の不利益を被る可能性があります。しかし、タイの税務申告の特徴を活かした対応策があります。次の項目で、監査時の対応と税務申告上の処理について詳しく説明します。

監査時の対応策と税務申告上の処理

タイの税務申告は監査後の財務諸表がベースとなるという特徴があります。この特徴を活かした対応策と、税務申告上の処理について解説します。

1.監査時までに金額が確定する場合:

  ・社内決算時は引当金のままでも、監査の際に引当金を取り崩します。

  ・確定額を未払金として計上し直します。

  ・これにより、税務申告調整を行うことが可能になります。

2.監査時点でも金額が未確定の場合:

  ・未確定の費用として税務上は認められません。

  ・損金不算入経費として扱う必要があります。

監査時の対応のポイント:

・可能な限り、監査までに賞与の金額を確定させることが重要です。

・金額が確定していれば、監査時に確定額で計上し直すことで、税務上損金として認められます。

・未確定の場合は、税務上の不利益を最小限に抑えるため、できるだけ早期に金額を確定させる努力が必要です。

これらの対応策を適切に実施することで、税務リスクを軽減し、適正な会計・税務処理を行うことができます。

まとめ

タイにおける賞与引当金の会計・税務処理は、日本とは異なる点に注意が必要です。年度内支給か翌年度支給か、決算時に金額が確定しているかどうかによって、適切な対応が求められます。特に、監査時までに金額を確定させることが、税務上有利な取り扱いを受けるポイントとなります。これらの知識を活用し、適切な賞与引当金の処理を行うことで、タイでの事業運営をより効率的に進めることができるでしょう。

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