タイで働く日本人の個人所得税還付手続きについて、申告方法から小切手受け取りまでの流れを詳しく解説します。帰任時の注意点や会社での処理方法も含め、還付手続きの全てがわかります。
目次
タイにおける個人所得税還付の概要
タイで働く日本人が個人所得税の還付を受けるためには、適切な手続きを踏む必要があります。この手続きは、主に申告と還付金の受け取りの2段階に分かれています。
還付手続きの流れ
- 個人所得税の申告:
- インターネットまたは歳入局窓口で行います
- 必要書類を提出し、還付額を計算します
- 還付にかかる調査:
- 歳入局が申告内容を確認します
- 調査期間は案件により異なる場合があります
- 還付通知書と小切手の発行:
- 調査完了後、歳入局が書類を郵送します
還付通知書と小切手の受け取り
歳入局から郵送される書類は以下の2点です:
- 個人所得税還付通知書(Kor.21)
- 還付金額が記載された小切手
注意点として、還付通知書が届かない場合があります。その際は、管轄の歳入局に連絡し、書類の再送を依頼することが可能です。
また、歳入局(税務署)に登録されている個人住所を会社の住所に変更することで、還付通知書と小切手を会社で受け取ることができます。これは、特に帰任が決まっている場合に有用な方法です。
還付申告の方法と注意点
タイでの個人所得税還付の申告方法には、主にインターネットと歳入局窓口の2つがあります。それぞれの特徴と注意点を見ていきましょう。
インターネットでの申告
インターネットでの申告は、以下の利点があります:
- 時間や場所を問わず申告可能
- 書類の郵送や窓口での待ち時間が不要
- 申告内容の修正が比較的容易
ただし、オンラインシステムの操作に慣れていない場合や、複雑な申告内容の場合は、窓口での申告を選択することも検討しましょう。
歳入局窓口での申告
歳入局窓口での申告は、以下のような場合に適しています:
- 初めて還付申告を行う場合
- 申告内容に不明点がある場合
- 直接担当者に質問したい事項がある場合
窓口での申告時は、必要書類を全て準備し、混雑時期を避けて訪問することをおすすめします。
帰任時の還付手続きにおける留意事項
タイでの勤務が年の途中で終了し、帰任することになった場合、還付手続きには特別な注意が必要です。
源泉徴収額の調整と還付
タイの個人所得税の計算は、年間に受け取る所得から所得税を計算し、毎月源泉徴収されて納税します。そのため、通年タイに滞在する予定で毎月源泉徴収を行っていた場合、年の途中での帰任により過剰な源泉徴収が発生する可能性があります。この場合、以下の点に注意が必要です:
- 帰任日までのタイで申告必要な給与で源泉徴収額の調整を行う
- 調整しきれない場合は還付申告を行う
還付書類の受け取り場所の指定
帰任のタイミングによっては、還付時に既に日本に帰国している可能性があります。そのため、還付書類の受け取り場所には特に注意が必要です。
- 会社住所への変更:
- 歳入局に登録されている個人住所を会社住所に変更
- 会社で還付通知書と小切手を受け取ることが可能
- 委任状の準備:
- 必要に応じて、会社や信頼できる人物に還付書類の受け取りを委任
これらの対策を講じることで、帰任後も確実に還付金を受け取ることができます。
会社での還付金の処理方法
還付金を受け取った後の処理方法は、会社がタイでの税金をどのように負担していたかによって異なります。
会社負担の場合の処理
税金を全額または一部会社が負担していた場合:
- 会社の費用の戻りとして処理
- 会社の会計上、還付金を収入として計上
この場合、還付金は個人の所得とはならず、会社の収入として処理されます。
個人負担の場合の処理
税金を全額個人が負担していた場合:
- 会社で仮受計上
- 個人に還付金を支払い、精算
この場合、還付金は個人の所得となり、個人が受け取ることになります。ただし、会社を通じて還付金を受け取る場合は、一時的に会社で仮受計上した後、個人に支払われます。
まとめ
タイにおける日本人の個人所得税還付手続きは、申告から還付金の受け取りまで、いくつかのステップを踏む必要があります。特に帰任時には、還付書類の受け取り場所や源泉徴収額の調整に注意が必要です。また、還付金の処理方法は、会社の税金負担の方針によって異なるため、自身の状況を正確に把握することが重要です。適切な手続きを行うことで、確実に還付金を受け取ることができます。
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