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タイ|契約書に必要な印紙税の計算方法と納付手続き

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タイの印紙税制度について、対象となる契約書や金額、納付方法など、企業が知っておくべき基本的な情報をわかりやすく解説します。契約書作成時の注意点や、未貼付の場合の対応方法なども詳しく紹介していきます。

タイの印紙税制度の概要

タイでは、契約書や政府機関に提出する書類に対して印紙税が課されます。印紙税は契約内容や金額に応じて異なり、契約書等への印紙貼付または税務署への納税が必要となります。印紙税制度を理解することは、タイで事業を行う企業にとって重要です。

印紙税の対象となる主な契約内容と税率

タイの印紙税は、特定の契約に限定されています。主な対象契約と税率は以下の通りです:

1.不動産賃貸借契約:1,000バーツにつき1バーツ

2.株式譲渡契約:1,000バーツにつき1バーツ

3.割賦購入契約:1,000バーツにつき1バーツ

4.請負契約:1,000バーツにつき1バーツ

5.金銭消費貸借契約:2,000バーツにつき1バーツ、上限10,000バーツ

なお、タイでは契約書の最終ページに署名箇所を設けて署名し、その他のページには契約書それぞれの署名をすることも多いです。また、契約書を正本と副本の両方を作成する場合、副本については以下の通りとなります:

  • 正本にかかる印紙税が5バーツ以下の場合:1バーツ
  • 正本にかかる印紙税が5バーツ超の場合:5バーツ

ただし、副本ではなく単なるコピーとして保管する場合は印紙は不要です。

印紙税の負担者と納付方法

印紙税の負担者は契約者間で取り決めることが可能です。

納付方法は、取引金額によって異なります:

  1. 100万バーツ未満の取引:切手タイプの印紙を課税文書へ貼付
  2. 100万バーツ以上の取引:歳入局窓口での納付

契約金額が100万バーツ以上場合や、契約期間の合計額が100万バーツ以上の契約等の場合は、契約が締結されてから15日以内に歳入局の窓口で印紙税を納付する必要があります。

印紙未貼付の契約書への対応

印紙未貼付の契約書が見つかった場合、対応方法は以下の通りです:

1.申告・納税のケース(100万バーツ以上の取引):

  ・過去の契約について事後的に納税する場合、または税務調査で指摘された場合、罰金が発生します。

  ・罰金は200%~600%となります。

2.切手タイプの印紙のケース(100万バーツ未満の取引):

  ・今期のものであれば、切手タイプの印紙を購入して貼り付けることで、延滞税や加算税等は発生しません。

  ・過年度分については、税務調査の前に印紙を購入して貼り付けることで指摘を受けない可能性はあります。しかし、本来は契約締結年度の印紙を張り付ける必要があるため、指摘を受ける可能性は残ります。

なお、契約当事者間で裁判になった場合、印紙未貼付の契約書は、民事訴訟時の証拠として認められないため、適切に対応することが重要です。

契約書作成時の印紙税に関する注意点

タイで契約書を作成する際は、印紙税だけでなく、言語や製本方法、署名方法についても注意が必要です。これらの点に配慮することで、法的な有効性を確保し、後のトラブルを防ぐことができます。

契約書の言語と有効性

タイでの契約書は、タイ語、英語、日本語のいずれも有効ですが、以下の点に留意が必要です:

1.法務上の留意点:

  ・タイでの裁判の場合、タイ語の契約書を用意する必要が出てくる可能性が高くなります。

  ・その他の国での裁判の場合、日本語の契約書は英語への翻訳などが必要になる可能性があります。

2.税務上の留意点:

  ・日本語の契約書の場合、タイの税務担当官は通常読むことができないため、タイ語または英語への翻訳を要求される可能性が高くなります。

  ・英語の契約書は通常問題ありませんが、担当官によってはタイ語への翻訳を要求されることもあります。

契約書の製本と署名方法

タイを含む海外では、契約書の製本方法が日本と異なる場合があります:

1.製本方法:

  ・契約書は左端をホチキス留めするケースが一般的です。

2.署名と押印:

  ・契約書には当事者の署名および会社印(カンパニーシール)の押印が一般的です。

  ・最終ページ等に署名箇所を設けて署名します。また、その他の全ページにも余白に契約者それぞれの署名をすることがあります。

金額未確定の請負契約の取り扱い

請負契約において、契約時点で金額が未確定の場合、印紙税の計算方法に注意が必要です:

契約書に単価のみ記載の場合や、期間の定めがない場合は、どの金額を基に印紙を納付すればよいか迷うかと思います。その場合は、発生するであろう見込み額を基に計算して一旦納付し、金額が確定した時点で再度調整して追加納付するという方法が考えられます。税務署とのトラブルを避けるために、事前に税務署担当官に相談することをお勧めします。

事前に税務署と相談することにより、以下のメリットが期待できます:

  • 金額が確定していない契約書についての印紙納付方法について担当官と合意できる可能性がある
  • 納付について税務調査で指摘されるリスクを低減できる

印紙税の納付手続きと注意事項

印紙税の納付手続きは、取引金額によって異なります。ここでは、100万バーツ以上の取引の窓口納付と、切手タイプの印紙の貼付方法について詳しく説明します。

100万バーツ以上の取引の窓口納付

100万バーツ以上の請負契約や、契約期間の賃料総額が100万バーツ以上である賃貸借契約等の場合は、以下の手順で印紙税を納付します:

  1. 納付期限:契約締結日から15日以内
  2. 納付場所:歳入局の窓口
  3. 必要書類:契約書の原本

注意点:

  • 窓口納付の場合、切手タイプの印紙を貼付する必要はありません。
  • 納付期限を過ぎた場合、罰金が発生する可能性があります。

切手タイプの印紙の貼付方法

100万バーツ未満の取引の場合、切手タイプの印紙を課税文書に貼付します:

  1. 印紙の入手方法:歳入局オフィスにて取得可能
  2. 貼付場所:契約書等の課税文書に直接貼付

注意点:

  • 印紙を貼付する際は、契約日や金額を確認し、正確な枚数を貼付することが重要です。
  • 貼付後は、印紙に跨るように署名や社印を押すことで、不正使用を防ぐことができます。

まとめ

タイの印紙税制度は、契約書や政府提出書類に適用される重要な税金です。主な対象契約には不動産賃貸借、株式譲渡、請負契約などがあり、取引金額に応じて税率が決まります。100万バーツ以上の取引は窓口納付、それ以外は切手タイプの印紙貼付が必要です。契約書作成時は言語選択や製本方法にも注意が必要です。適切な印紙税の取り扱いは、法的リスクの回避や円滑な事業運営に不可欠です。

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