タイの関連会社への貸付や借入に関する重要な留意点をご紹介します。法的規制、税務上の注意点、メリット・デメリットなど、実務に役立つ情報を詳しく解説しています。タイでのビジネス展開に必要な知識を得られます。
目次
タイにおける関連会社への貸付の概要
タイでは、関連会社間の資金融通において貸付という手段が広く活用されています。しかし、この方法を適切に実行するためには、法的規制や税務上の注意点を十分に理解しておく必要があります。ここでは、タイにおける関連会社への貸付に関する重要な情報をご紹介します。
2019年の法改正と貸付可能な企業
2019年6月の法律改正により、外国法人も国内関連会社への一部サービス業務の提供が可能となりました。この中には、事務所賃貸、管理、マーケティング等の他に貸付業務も含まれています。
この法改正は、タイでビジネスを展開する外国企業にとってメリットとなります。グループ会社間での資金融通がより容易になり、ビジネスの効率化や成長戦略の実現に寄与することが期待されています。
関連会社の要件
関連会社の要件は、貸付を行う際の重要な判断基準となり、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。:
・一方の法人の過半数の株主が、もう一方の法人の過半数の株主である場合
・一方の法人の株式の25%以上をもつ株主が、もう一方の法人の株式の 25%以上を保有する場合
・一方の法人が、もう一方の法人の株式25%以上を保有する場合
・一方の法人のサイン権を持つ取締役の半数超が、もう一方の法人のサイン権を持つ取締役の半数超である
タイでの関連会社貸付に関する留意点
タイで関連会社への貸付を行う際には、いくつかの重要な留意点があります。これらを適切に理解し、対応することで、法令遵守とスムーズな資金運用が可能となります。
事業目的の記載と貸付利率の設定
関連会社への貸付を行う際には、以下の点に注意が必要です:
定款への事業目的の記載
・受取利息を受領する側は、定款に事業目的を記載する必要があります
・この記載により、貸付業務が会社の正式な事業として認められます
適切な貸付利率の設定
・市場金利に見合った貸付利率を設定することが重要です
・不適切な利率設定は、寄付金と認定されるリスクがあります
これらの点に留意することで、関連会社間の貸付が適切に行われ、税務上の問題を回避することができます。
印紙税の納付
契約締結後の手続きとして、印紙税の納付があります。印紙はオンラインもしくは窓口での支払い方法があります。適切な金額の納付を怠ると、後の税務調査で指摘を受けるリスクがありますので注意が必要です。
印紙税の適切な納付は、契約の有効性を確保し、将来的なトラブルを防ぐために非常に重要です。
源泉徴収税と特定事業税の申告
関連会社間の貸付には、以下の税務手続きが必要となります:
借入側の義務
・利息支払時に源泉税を控除
・源泉徴収税の申告を行う
貸付側の義務
・利息収受後に特定事業税の申告が必要
これらの税務手続きを適切に行うことで、法令遵守と適正な納税が実現できます。
親会社からの借入と増資の比較
タイに子会社を持つ企業が資金調達を検討する際、親会社からの借入(親子ローン)と増資の2つの選択肢があります。それぞれにメリットとデメリットがありますので、状況に応じて適切な方法を選択することが重要です。
増資のメリットとデメリット
増資は、子会社の資本を直接増やす方法です。以下のようなメリットとデメリットがあります:
メリット:
・利息の支払が不要
・返済と利息の支払が不要なため、手続が比較的簡便
デメリット:
・親会社への資金の還流は基本的に配当で行われる
・配当は源泉税10%が発生する
・子会社に利益が生じていない場合、配当による資金還流ができない
増資は長期的な資金調達に適していますが、柔軟性に欠ける面があります。
親子ローンのメリットとデメリット
親子ローンは、日系企業で一般的に実施されている資金調達方法で、親会社が子会社に資金を貸し付ける方法です。親子ローンには以下のようなメリットとデメリットがあります:
メリット:
・子会社が赤字でも、返済条件に従って親会社への資金還流が可能
・親子間のローンであるため、貸付条件を柔軟に設定できる
デメリット:
・親子ローンの利率設定に関して、移転価格税制及び日本における寄付金課税のリスクがある
親子ローンは柔軟性が高く、短期的な資金需要に対応しやすいという特徴がありますが、利率設定には注意が必要です。
まとめ
タイにおける関連会社への貸付や親子ローンは、適切に実施すれば効果的な資金調達・運用方法となります。法的規制、税務上の注意点、メリット・デメリットを十分に理解し、自社の状況に合わせて最適な方法を選択することが重要です。常に最新の法令や規制に注意を払い、必要に応じて専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。
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